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地軸 - Wikipedia

地軸ちじく

こん現在地げんざいちじく移動いどうしている。

地軸ちじく(ちじく)とは、地球ちきゅう自転じてんするさいじく自転じてんじく)であり、きた極点きょくてん南極なんきょくてんとをむす運動うんどうしない直線ちょくせんす。地球ちきゅう以外いがい惑星わくせいおよ衛星えいせいについてもそれぞれの自転じてんじく地軸ちじくぶ。 以降いこうとくことわらないかぎほんこうでは、地球ちきゅう自転じてんじくについてべる。

地球ちきゅう自転じてんとその地軸ちじく視覚しかくしたアニメーション

地球ちきゅう自転じてんじくは、公転こうてんじく[1]たいしてやく23.4かたむいており[2]公転こうてんめんたいする角度かくどやく66.5である[3]

地軸ちじくかたむ

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地球ちきゅう自転じてんじくかたむ
公転こうてんめん直交ちょっこうする破線はせん公転こうてんめんたいする法線ほうせんベクトル)にたいして自転じてんじく実線じっせん)はやく23.4かたむいている。公転こうてんめん(Ecliptic)と赤道せきどうめん(Celectial Equator)も同様どうよう

地球ちきゅう太陽たいようまわりをまわ公転こうてんほかに、みずからが公転こうてん軌道きどうじょう独楽こまごと回転かいてんする自転じてん運動うんどうをしている。このふたつの回転かいてん運動うんどうはそれぞれの公転こうてんめん黄道こうどうめん)と自転じてんめん赤道あかみちめん)もしくは公転こうてんじく自転じてんじくとのかかわりでとらえられる。自転じてんじく公転こうてんじく平行へいこうであれば公転こうてんめん赤道せきどうめん同一どういつめんとなり、地軸ちじく地球ちきゅう自転じてんじく)は公転こうてんめんたいして垂直すいちょく(90)である。地球ちきゅう場合ばあい自転じてんじく公転こうてんじくよりやく23.4かたむいており、地軸ちじく公転こうてんめん角度かくどやく66.5となっている。

地軸ちじくぶし変化へんか

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地軸ちじくかたむきが日常にちじょう生活せいかつもっと関連かんれんするのはぶしうつわりだろう[疑問ぎもんてん]地軸ちじくかたむいていることから、れいとして北半球きたはんきゅうでは夏季かきたかのぼり、ひる時間じかんながく、冬季とうきにはひくく、ひるみじかい。単位たんい面積めんせきたりの太陽たいようエネルギーの照射しょうしゃりょう日照ひでり時間じかんとが変化へんかすることで、ぶししょうじる。北緯ほくい23.43(2326ふん)をはしきた回帰線かいきせんうえでは、1ねんに1夏至げし太陽たいよう南中なんちゅう高度こうどが90になる。また北極圏ほっきょくけんでは、夏至げしちか時期じきはに太陽たいようつねしずまず(白夜はくや)、冬至とうじころにはのぼらない(ごくよる)。南極なんきょくけんではそれぞれ時期じきが6かげつことなる。

地軸ちじく北極星ほっきょくせい

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地軸ちじくは、公転こうてん影響えいきょうけないため、つね一定いってい方向ほうこうす。そのため、天球てんきゅう北半球きたはんきゅう地軸ちじく交点こうてん付近ふきん恒星こうせいである北極星ほっきょくせいは、1にちのどの時刻じこくであっても、1ねんのどのぶしであってもおな高度こうど角度かくど)にえる。この高度こうど観測かんそくしゃ地点ちてん緯度いどによってだけまるので、北極星ほっきょくせい高度こうど測定そくていすれば(もちろん北極星ほっきょくせいえる北半球きたはんきゅうにおいてであるが)、地球ちきゅうじょうのどの地点ちてんであっても緯度いど計算けいさんできるのである。GPSなどが発達はったつする以前いぜんすうひゃくねんにわたって北極星ほっきょくせい航海こうかいなどに役立やくだってきたのは、こうした地軸ちじく性質せいしつによる。

ただし、非常ひじょうなが期間きかん想定そうていした場合ばあい地軸ちじく自体じたい方向ほうこう変化へんかする。これをとし運動うんどうぶ。とし運動うんどう自体じたいめずらしいものではなく、コマのくび運動うんどうのように日常にちじょう観察かんさつできるものである。地軸ちじくとし運動うんどう周期しゅうきやく2まん5,800ねんである。このため、北極星ほっきょくせい該当がいとうする恒星こうせい相対そうたいてき変化へんかしているように観察かんさつされる。

地軸ちじくかたむきを計算けいさんする方法ほうほう

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地軸ちじくかたむいていること自体じたいは、ぶしによってりの時刻じこくことなることから予想よそうすることができた。それでは、地軸ちじくかたむ自体じたいはどのように測定そくていできるのだろうか。まず、北極星ほっきょくせい高度こうどから緯度いど x測定そくていする。北極星ほっきょくせい観測かんそくしゃ真上まうえまみえれば緯度いど90水平すいへいせんであれば緯度いど0である。つぎに、いちにちもっとみじかくなる北半球きたはんきゅう冬至とうじ南中なんちゅうたかh物体ぶったいかげながl測定そくていする。すると、つぎしきから太陽たいよう高度こうど θしーたかる。

 

きた半球はんきゅうであれば、地軸ちじくかたむφふぁい は、

φふぁい = 90 - x - θしーた

である。

惑星わくせい地軸ちじく

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地軸ちじくかたむきの比較ひかくひだりから[2]
地球ちきゅうやく23)、天王星てんのうせいやく97)、金星かなぼしやく177

太陽系たいようけい惑星わくせいにおいては、地軸ちじくかたむき(赤道あかみち傾斜けいしゃかく)はさまざまである。 太陽系たいようけいにおいて地軸ちじくかたむきの絶対ぜったいもっとおおきい惑星わくせい天王星てんのうせい(97.86)であり、もっとちいさい惑星わくせい水星すいせい(0.01)となる。

太陽系たいようけい惑星わくせい軌道きどう傾斜けいしゃかくおよび自転じてんじく傾斜けいしゃかく[4][5]
分類ぶんるい 天体てんたいめい 公転こうてん軌道きどうめんかたむ 公転こうてん周期しゅうき
とし
自転じてんじく赤道せきどう
傾斜けいしゃかく[6][7]
自転じてん周期しゅうき
軌道きどう傾斜けいしゃかく[8] たい太陽たいよう赤道あかみち たい不変ふへんめん[9]
地球ちきゅうがた
岩石がんせき惑星わくせい
水星すいせい 7.01° 3.38° 6.34° 0.241 0.01° 58.7
金星かなぼし 3.39° 3.86° 2.19° 0.615 177°[10] 243[11]
地球ちきゅう 基準きじゅんめん 7.16° 1.57° 1.00 23.4° 0.997
火星かせい 1.85° 5.65° 1.67° 1.88 25.2° 1.03
木星もくせいがた
天王星てんのうせいがた
木星もくせい 1.31° 6.09° 0.32° 11.9 3.12° 0.414
土星どせい 2.49° 5.51° 0.93° 29.5 26.7° 0.426
天王星てんのうせい 0.77° 6.48° 1.02° 84.0 97.8°[12] 0.718[11]
海王星かいおうせい 1.77° 6.43° 0.72° 165 28.3° 0.671
じゅん惑星わくせい
小惑星しょうわくせい
冥王星めいおうせい 17.1° 11.9° 15.6° 248 120°[13][14] 6.39[11]
ケレス 10.6° 9.20° 4.60 0.378
パラス 35.1° 34.4° 4.62 84°±5° 0.326
ベスタ 7.14° 5.56° 3.63 0.223
衛星えいせい[15][16] つき 5.15°[17] 27.3にち 6.69°[18][19] =公転こうてん
ガニメデ 0.195° 7.16にち 0-0.33° =公転こうてん
カリスト 0.281° 16.7にち =公転こうてん
タイタン 0.306° 15.9にち 1.94° =公転こうてん
恒星こうせい 太陽たいよう 該当がいとうせず[20] 7.25°[21][22] 27.3[23]


また、赤道あかみち傾斜けいしゃかく正確せいかく観測かんそくするには詳細しょうさいなデータが必要ひつようであるため、太陽系たいようけいがい惑星わくせいにおいて正確せいかく観測かんそくされた事例じれいい。 ガス惑星わくせいにおいては、光学こうがく観測かんそくによって惑星わくせい表面ひょうめんうごきから計算けいさんされるじくと、コアの回転かいてんじくことなるケースもある。

地震じしんによる地軸ちじくへの影響えいきょう

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ちょうきょだい地震じしんによる地形ちけい変形へんけいによりごく運動うんどう励起れいきされ、地軸ちじくがずれることがられる[24]地軸ちじくがずれた結果けっか地震じしん前後ぜんご地球ちきゅう自転じてん周期しゅうきがわずかに変化へんかし、2004ねんスマトラおき地震じしん、2010ねんチリ・マウレ地震じしん、2011ねん東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいようおき地震じしんでは、いずれもマイクロびょうオーダー(10-6s)で自転じてん周期しゅうきはやくなったという観測かんそく結果けっかもある[25][26]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 公転こうてんじく公転こうてんめんたいする法線ほうせんベクトルおなじく公転こうてんめんたいして垂直すいちょくである。
  2. ^ a b 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん 天王星てんのうせい横倒よこだおしにまわっているって本当ほんとうですか?」
  3. ^ 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ (ニッポニカ)『地軸ちじく』 - コトバンク
  4. ^ 21世紀せいき初頭しょとうにおける数値すうち
  5. ^ なるべく数値すうち有効ゆうこう数字すうじ3けたそろえる。
  6. ^ IAU, 0 January 2010, 0h TT, Astronomical Almanac 2010, pp. B52, C3, D2, E3, E55
  7. ^ 回転かいてん方向ほうこう考慮こうりょした数値すうち
  8. ^ 地球ちきゅう公転こうてんめん黄道こうどうめん)が基準きじゅん
  9. ^ "en:Invariable_plane" - すべての惑星わくせい軌道きどう加重かじゅう平均へいきんした仮想かそうめん
  10. ^ 180°-177.36°=2.64°(正味しょうみ
  11. ^ a b c ぎゃくむかい
  12. ^ 180°-97.8°=82.23°(正味しょうみ
  13. ^ 180°-119.59°=60.41°(正味しょうみ
  14. ^ CNN.co.jp 冥王星めいおうせい自転じてんじくかたむきとらぎで地表ちひょう環境かんきょう激変げきへん 観測かんそく結果けっか 冥王星めいおうせい自転じてんじくかたむきはすうひゃくまんねんあいだやく20はば変動へんどうしている。
  15. ^ Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory, California Institute of Technology. 2019ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  16. ^ 衛星えいせい公転こうてん軌道きどう傾斜けいしゃたいラプラスめん英語えいごばん」の例外れいがいつきたい黄道こうどうめん
  17. ^ 地球ちきゅう赤道せきどうめんたいしては18.29°から28.58°
  18. ^ たいがつ公転こうてんめんたい黄道こうどうめん=1.54°、たい地球ちきゅう赤道せきどうめん=24°
  19. ^ Lang, Kenneth R. (2011), The Cambridge Guide to the Solar System Archived 1 January 2016 at the Wayback Machine., 2nd ed., Cambridge University Press.
  20. ^ 太陽たいようには公転こうてんという意味いみでのしゅほし存在そんざいしないが、銀河ぎんがめんうちそらかわ銀河ぎんが中心ちゅうしんである銀河ぎんがかくまわりをやく2.2おくねんあまり(銀河ぎんがねん)をかけてまわっている。
  21. ^ 理科りか年表ねんぴょう 平成へいせい22年版ねんばん国立こくりつ天文台てんもんだい丸善まるぜん 太陽たいよう惑星わくせいおよびつき定数ていすうひょうたい黄道こうどうめん
  22. ^ 銀河ぎんがめんたいしては67.23°である(en:sunより)。
  23. ^ 赤道せきどうめんで。緯度いど75で31.8。
  24. ^ 小林こばやしひろしふとし (2012ねん2がつ9にち). “最近さいきんだい地震じしんおよびプレート運動うんどうによるきょく運動うんどう励起れいき”. 北海道大学ほっかいどうだいがく宇宙うちゅう測地そくちがく研究けんきゅうしつ. 2018ねん9がつ16にち閲覧えつらん
  25. ^ “Japan Quake May Have Shortened Earth Days, Moved Axis”. NASA. (2011ねん3がつ14にち). http://www.nasa.gov/topics/earth/features/earth-20100301.html 2018ねん9がつ16にち閲覧えつらん 
  26. ^ “Chilean Quake May Have Shortened Earth Days”. NASA. (2010ねん3がつ1にち). https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?release=2011-080 2018ねん9がつ16にち閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

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