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恒星 - Wikipedia

恒星こうせい

中心ちゅうしんかく融合ゆうごうこしてみずかひかりはな天体てんたい

恒星こうせい(こうせい、えい: fixed stars: asteres aplanis)とは、みずかひかりはっし、その質量しつりょうがもたらす重力じゅうりょくによる収縮しゅうしゅくはんする圧力あつりょく内部ないぶささえるガスからだ天体てんたい総称そうしょうである[1]古典こてんてき定義ていぎでは、夜空よぞらかがやほしのうち、そのかけの相対そうたい位置いち変化へんかすくないもののことを[2]地球ちきゅうから一番いちばんちか恒星こうせいは、太陽系たいようけい唯一ゆいいつ恒星こうせいである太陽たいようである[3]

恒星こうせい

惑星わくせい地球ちきゅうふく太陽系たいようけいうちしょう天体てんたいであるのにたいし、恒星こうせいはそれぞれが太陽たいよう匹敵ひってきするおおきさや光度こうどをもっているが、非常ひじょう遠方えんぽうにあるためにちいさくくらえている[2]

恒星こうせい: asteres aplanis)」という言葉ことばは、英語えいご「fixed star」のかんやくであり、地球ちきゅうから肉眼にくがんさい太陽たいようつきまたは太陽系たいようけい惑星わくせいられるようなうごきをせず、天球てんきゅう恒常こうじょうてき固定こていされたほし々という意味いみづけられた[4]。これにたいし、天球てんきゅうじょう移動いどうしていくほしのことを「さまようほし」という意味いみで「惑星わくせい」とづけられたといわれる[5]漢字かんじけんなかえつあさにち)で「恒星こうせい」という漢語かんご術語じゅつご共通きょうつうするが、「惑星わくせい」という術語じゅつご現在げんざいでは日本にっぽんのみが使用しようする。なかえつあさは「くだりぼし」といい、「さまようほし」という意味いみももつが、同時どうじぎょう思想しそうもとづく惑星わくせい水星すいせい金星かなぼし火星かせい木星もくせい土星どせい)を暗示あんじする。恒星こうせい惑星わくせいぎょうぼしという漢語かんごは、いずれも、あきら末清すえきよはつ西欧せいおうてん文書ぶんしょがマテオ・リッチとその協力きょうりょくしゃたちによってかんやくされるさいに、参照さんしょうされた古代こだい中国ちゅうごく宇宙うちゅうろんから採用さいようされたとかんがえられるが、初出しょしゅつ不明ふめいである。上海しゃんはい博物館はくぶつかんぞう戦国せんごくすわえちくしょに「つねさき」と仮称かしょうされる文献ぶんけんがあり、その宇宙うちゅうろんが「つね」と「惑」(ある)および「つね」と「くだり」によって構成こうせいされていることが浅野あさの裕一ひろいち古代こだい中国ちゅうごく宇宙うちゅうろん』(2006, 94-96ぺーじ紹介しょうかいされている。しかし、あきらしん時期じきにはこのしょうしなわれた状態じょうたいであって、マテオ・リッチとその協力きょうりょくしゃたちにより参照さんしょうされたのは内容ないようべつ文献ぶんけんだったとかんがえられる。

固有こゆう運動うんどう

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語源ごげんにもあるように、太陽たいよう以外いがい恒星こうせい地球ちきゅうからかず光年こうねん以上いじょうはなれた場所ばしょにある[4]ため、恒星こうせいかけじょう相対そうたいてき位置いちはほとんど変化へんかしない[6]

ただし、恒星こうせい天球てんきゅうじょう完全かんぜん静止せいししているわけではなく、わずかに固有こゆう運動うんどう[4]あかるい恒星こうせいでは年間ねんかん0.1びょうかく以下いか固有こゆう運動うんどうつが、太陽たいようちかほしはよりはやうごき、これらは高速度こうそくどぼしばれる。そのなかでもバーナードぼし(HIP87937)は10.36びょうかく/とし速度そくど移動いどうし、100年間ねんかん満月まんげつ半径はんけいにほぼ相当そうとうする17.2ふんかく移動いどうする[6]。そのため、とく注意ちゅういはらっていなければすうじゅうねんからすうひゃくねん程度ていど時間じかんでは肉眼にくがん変化へんか確認かくにんすることはむずかしい。

命名めいめい分類ぶんるい

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相対そうたいてきうごかない(前述ぜんじゅつのように現在げんざいではこの表現ひょうげん厳密げんみつにはただしくなく、ごくわずかな固有こゆう運動うんどう発見はっけんされている)という恒星こうせい性質せいしつから、古代こだい人々ひとびと恒星こうせい配置はいち星座せいざ見出みいだしてきた[4]

古代こだいギリシアヒッパルコス作成さくせいし、これをもとプトレマイオスが『アルマゲスト』に記載きさいしたほしひょうには、1022ほし存在そんざいした。このほしひょうイスラム世界せかいにもつたえられ普及ふきゅうしたため、恒星こうせい固有こゆうめいかんしてはギリシャ神話しんわ由来ゆらいする名称めいしょうのほか、アラビア由来ゆらいのものもおおくなっている[7]

現代げんだいでは、それほどあかるくない恒星こうせいかんしては、おもにヨハン・バイエルの「バイエルほしひょう」に記載きさいされた記号きごうばれる。これは「バイエル記号きごう」とばれる。星座せいざごとにあかるいじゅんαあるふぁほしβべーたほしとギリシャ記号きごうけるもので、りなくなるとマ字まじ(ラテン文字もじのアルファベットの小文字こもんじが、それでもりないとマ字まじ大文字おおもじ使つかわれた。バイエルの死後しご星座せいざ境界きょうかい変更へんこうされたため、たとえば「αあるふぁほし星座せいざ」なども存在そんざいする。また、かならずしもあかるいじゅんけられているわけでもない。具体ぐたいてきには、ギリシャのアルファベットと星座せいざめいわせ、「こと αあるふぁほし」などとぶ。国際こくさいてきにはラテン語らてんご使つかい、αあるふぁ Lyraeとく。このとき星座せいざめいぞくかく活用かつよう変化へんかさせる。IAUによる3文字もじりゃく使つかい、αあるふぁ Lyr といてもよい。NASAによる4文字もじりゃくもあるが一般いっぱんてきではない。バイエルは混乱こんらんふせぐため、たとえば(ギリシャ文字もじαあるふぁとの混同こんどうけるため)ローマ文字もじのaほしつくらなかった。また、もっとほしおお星座せいざでもQほしまでしかけなかったため、R以降いこう文字もじ変光星へんこうせいなどの特殊とくしゅ天体てんたいけられる。

これよりさらくらほしは、ジョン・フラムスティードほしひょうしるされたフラムスティード番号ばんごうばれる。恒星こうせい西にしからじゅんに1ばんほし、2ばんほし数字すうじ符号ふごうけるものである。ただし、フラムスティード番号ばんごうは、南天なんてん星座せいざにはけられていないなどの弱点じゃくてんがある。フラムスティード番号ばんごうで、上記じょうきのことαあるふぁほしあらわすと、こと3ばんぼし(3 Lyrae、または 3 Lyr)となる。この番号ばんごうは、フラムスティードの望遠鏡ぼうえんきょうたところ、こと西端せいたんから3番目ばんめにあったほしということになる。

よく、バイエルが命名めいめいしなかったくらほし順番じゅんばん番号ばんごうられたといわれることがあるが、あやまりである。たとえば、オリオンαあるふぁほしベテルギウス)は、フラムスティード番号ばんごうではオリオン58ばんほしとなる。おおくの恒星こうせい両者りょうしゃによって命名めいめいがされている。ただし、現在げんざいはバイエル符号ふごうがおもに使つかわれ、フラムスティード番号ばんごうおもにバイエルめいいていないほし使つかわれる。これよりもさらくらほしは、さらにそののちに決定けっていされたほしひょうHDなど)でけられた番号ばんごう記号きごうばれる。

Wikipediaでは、英語えいごばんにはバイエル記号きごうもちいた「Table of stars with Bayer designations」というおおきな一覧いちらんひょうがあり、日本語にほんごばんには「恒星こうせい一覧いちらん」という簡素かんそ記事きじがある。

かけのあかるさによる分類ぶんるい

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かけの等級とうきゅうべつ
ほしかず
かけの
等級とうきゅう
ほし
個数こすう[8]
-1 2
0 7
1 12
2 67
3 190
4 710
5 2,000
6 5,600
7 16,000

恒星こうせいかけのあかるさはさまざまである。太陽たいようのぞき、もっともあかるくえる恒星こうせいシリウスおおいぬαあるふぁほし)、いでカノープスりゅうこつαあるふぁほし)である。しかしこのような視認しにんできるあかるさは、恒星こうせい本来ほんらいあかるさとはことなり、単位たんい面積めんせき光量ひかりりょう距離きょりの2じょうぎゃく比例ひれいしてすくなくなる[9]

このかけのあかるさは等級とうきゅう写真しゃしん等級とうきゅうあらわされる。等級とうきゅうmは、ことαあるふぁほしが0(ゼロ)等級とうきゅうになるよう定数ていすうCをさだめ、地球ちきゅうじょう単位たんい面積めんせきあたりにとどひかり強度きょうどIから、

m = -2.5 log I + C

あらわされる[10]。2つの恒星こうせい等級とうきゅうは、

m1 - m2 = -2.5 log ( I1/I2)

あらわされ、これをボグソンのしきという[10]

かけの等級とうきゅう肉眼にくがんえるあかるさのものを6つに分割ぶんかつしており、数字すうじちいさくなるほどあかるくなる。この6分割ぶんかつほう紀元前きげんぜん150ねんごろ古代こだいギリシアのヒッパルコスによってはじめられたとつたえられており、その観測かんそく機器きき技術ぎじゅつ向上こうじょうにより肉眼にくがんえないほし発見はっけんされるようになると7とうぼし以上いじょう区分くぶん追加ついかされるようになり、また1とうぼしなかでもとくあかるいものには0等級とうきゅうや、さらにはマイナスの等級とうきゅうもつけられるようになった[11]

観測かんそく

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距離きょりあかるさ

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恒星こうせいまでの距離きょり測定そくていには、一般いっぱんてきとししゅう視差しさもちいられる。これは地球ちきゅう公転こうてん運動うんどうするなかで、近距離きんきょり恒星こうせい遠距離えんきょり恒星こうせいたいしてかけじょう位置いちしょうじる観測かんそくするもので、1びょうかく視差しさがあるとき公転こうてん軌道きどう中心ちゅうしんにある太陽たいようからその対象たいしょうまでの距離きょりパーセク(pc)であらわす。1pcは3.26光年こうねん、2.06×105AUえーゆーそして3.08×1013kmである。現在げんざい判明はんめいしているとししゅう視差しさ最大さいだい、すなわち太陽たいようつぎちか恒星こうせいケンタウルスαあるふぁほしであり、視差しさ0.76びょうかく距離きょり1.32pcつまり2.72×105AUえーゆーとなる[9]。このとししゅう視差しさもちいる計算けいさんほう地動説ちどうせつ確立かくりつあいだもなく意識いしきされ、18 - 19世紀せいきごろから観測かんそくはじまり、1837 - 38ねんごろに手段しゅだんとしてただしさが確認かくにんされた[9]。この測定そくてい最初さいしょ成功せいこうしたのはフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルであり、はくちょう61ばんほしまでの距離きょりやく10.3光年こうねん算出さんしゅつした[12]。そのさまざまなほし視差しさ測定そくていされ、1989ねん欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかんげたヒッパルコス衛星えいせいやく11まん8000恒星こうせい位置いちおよびとししゅう視差しさ測定そくていし、その結果けっかヒッパルコスほしひょうおよびティコほしひょうとして公表こうひょうされた[13]

ただし、非常ひじょう遠方えんぽうにあるほしには視差しさ使用しようできないため、周期しゅうきてき脈動みゃくどう変光星へんこうせいである古典こてんてきセファイド変光星へんこうせい利用りようした距離きょり測定そくていがなされる[14]。1908ねんにハーバード大学だいがく天文台てんもんだいヘンリエッタ・スワン・リービットケフェイド変光星へんこうせいへんこう周期しゅうき絶対ぜったい等級とうきゅう比例ひれいする、いわゆる周期しゅうき-光度こうど関係かんけい発見はっけんしたことにより開発かいはつされた方法ほうほうで、ケフェイド変光星へんこうせい周期しゅうきもとめることで絶対ぜったい等級とうきゅう算出さんしゅつし、それをかけの等級とうきゅう比較ひかくすることで距離きょり[15]

恒星こうせいまでの距離きょり判明はんめいすれば、本来ほんらいあかるさである絶対ぜったい等級とうきゅう計算けいさんできる。ある恒星こうせいまでの距離きょりを10パーセクとした場合ばあいえる等級とうきゅうあらわ[10]等級とうきゅう絶対ぜったい等級とうきゅうかならずしも一致いっちせず、たとえば太陽たいよう地球ちきゅうからの等級とうきゅうは-26.78とうぼしであるのにたいし、絶対ぜったい等級とうきゅうでは4.83とうぼしにすぎない[16]

恒星こうせい分光ぶんこう

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表面ひょうめん温度おんどによるいろかたちが
かた 温度おんど(ケルビン)[17] 代表だいひょうてき恒星こうせい[18]
O 33,000 K or 以上いじょう ともζぜーたほし
B 10,500–30,000 K オリオンγがんまほし
A 7,500–10,000 K シリウス
F 6,000–7,200 K プロキオン
G 5,500–6,000 K 太陽たいようカペラ
K 4,000–5,250 K アークトゥルス
M 2,600–3,850 K ベテルギウスミラ

恒星こうせいひかり分光ぶんこうにかけ、そのスペクトル観察かんさつすると、くらすじであるフラウンホーファーせんられる。このせんあらわれる位置いち恒星こうせい表面ひょうめん温度おんど反映はんえいしており、19世紀せいきまつから20世紀せいきにかけてハーバード大学だいがく天文台てんもんだい高温こうおんのOがたから低温ていおんのMかたまでの7種類しゅるい分類ぶんるいほどこした[19]。スペクトルによる分類ぶんるい最初さいしょ着手ちゃくしゅしたのはハーバード大学だいがく天文台てんもんだいエドワード・ピッカリング助手じょしゅウィリアミーナ・フレミングであり、水素すいそおおいものをAからじゅん分類ぶんるいしていく方式ほうしきったがこれは不十分ふじゅうぶんなもので、のちにどう天文台てんもんだいアニー・ジャンプ・キャノンがOからMまでの7タイプに分類ぶんるいするハーバードほう確立かくりつした[20]

ハーバードほうによる分類ぶんるいは、以下いかのようになる。

  • Oがた電離でんりしたヘリウム、高階たかしな電離でんり状態じょうたい炭素たんそ窒素ちっそ酸素さんそなどのせんあらわれる。
  • Bがたつよ中性ちゅうせいヘリウムや水素すいそ吸収きゅうしゅうせんあらわれる。
  • Aがたつよ水素すいそ吸収きゅうしゅうせんと、金属きんぞく吸収きゅうしゅうせんあらわれる。
  • Fがたよわ水素すいそ吸収きゅうしゅうせんと、つよ電離でんりカルシウムのH・Kせんあらわれる。
  • Gがた:Fがたよりも水素すいそ吸収きゅうしゅうせんよわく、H・Kせんはよりつよ
  • Kがたおおくの金属きんぞく吸収きゅうしゅうせんあらわれる。
  • Mがた:Kがたに、酸化さんかチタン(TiO)の吸収きゅうしゅうたい際立きわだつ。

現在げんざいは、この7しゅそれぞれをさらに9段階だんかいのサブクラスにけ、合計ごうけい63段階だんかい表示ひょうじされる[19]

1940年代ねんだいに、おなじスペクトルにあらわれるせんふとさやつよさが着目ちゃくもくされ、これが恒星こうせい絶対ぜったい等級とうきゅう関係かんけいすることがあきらかになった。たとえばBやAがた恒星こうせいでは、絶対ぜったい等級とうきゅうあかるいほしほど水素すいそのパルマーせんはばせまく、絶対ぜったい等級とうきゅう効果こうかばれる。これをもと光度こうど階級かいきゅうという指標しひょう導入どうにゅうされ、ローマ数字すうじのIからVまでの5段階だんかいあらわ[19]

  • Iがた:もっとも直径ちょっけいおおきい恒星こうせいちょう巨星きょせい[19]
  • IIがたつぎ直径ちょっけいおおきい恒星こうせい[19]てる巨星きょせい[21]
  • IIIがた直径ちょっけいおおきい恒星こうせい巨星きょせい[19]
  • IVがた巨星きょせいと矮星のあいだたる恒星こうせい[19]じゅん巨星きょせい[21]
  • Vがた:矮星(しゅ系列けいれつぼし[19]

上記じょうき2種類しゅるい分類ぶんるいわせる表示法ひょうじほうはMK2次元じげん分類ぶんるいばれる。たとえば太陽たいようはG2V、ベガはA0V、はくちょうデネブはA2Iである[19]。MK分類ぶんるいは、開発かいはつしゃウィリアム・ウィルソン・モーガンフィリップ・チャイルズ・キーナン英語えいごばん名前なまえ由来ゆらいし、モルガン・キーナン分類ぶんるいともばれる[22]。「スペクトル分類ぶんるい」もわせて参照さんしょうのこと。

スペクトルを分析ぶんせきすると、特定とくてい元素げんそしめすフラウンホーファーせん実験じっけんしつ観察かんさつするせんとずれがられる場合ばあいがある。これは、恒星こうせい固有こゆう運動うんどうによって距離きょり変化へんかするためにしょうじるドップラー効果こうか影響えいきょうする。ここからぎゃくに、恒星こうせいがどのような運動うんどうをしているかを分析ぶんせきすることができる[23]。また、恒星こうせいふく元素げんそ構成こうせい測定そくていすることも可能かのうであり、恒星こうせい進化しんかじょうきょう判断はんだんする材料ざいりょうあたえる[23]

恒星こうせいくろたい放射ほうしゃにほぼひとしいひかり連続れんぞくしてはなっている。これを利用りようして表面ひょうめん温度おんど測定そくていする方法ほうほうでは、B(Blue あお)と V(Visual 可視かし) の2種類しゅるいのフィルターをとおして等級とうきゅう測定そくていし、その(B-V)から温度おんど推計すいけいする方法ほうほうもちいられる。このB-V透過とうかりついろ指数しすうばれ、A0がた恒星こうせいをゼロとき、あおつよいと等級とうきゅうすうちいさくなるため、いろ指数しすうおおきいと温度おんどひくく、ちいさいと温度おんどたかいとかんがえられる[24]

ヘルツシュプルング・ラッセル

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ヘルツシュプルング・ラッセル

20世紀せいきはじめに、アメリカのヘンリー・ノリス・ラッセル恒星こうせいのスペクトルと絶対ぜったい等級とうきゅう相関そうかん関係かんけいならべたところ、おおくのほし左上ひだりうえみぎむすおびすことがしめされた。また、デンマークのアイナー・ヘルツシュプルング独立どくりつ恒星こうせいいろあかるさの関係かんけいかたよりがあることをしめした。この相関そうかんヘルツシュプルング・ラッセル(HR)としてまとめられ、恒星こうせい進化しんかしめしたものを認識にんしきされるようになった[25]。HRよこじくはスペクトルのかたあらわ場合ばあいいろ指数しすうあらわ場合ばあいがあるが、どちらも基本きほんてき恒星こうせい表面ひょうめん温度おんど指標しひょうである。なお後者こうしゃいろ-等級とうきゅうばれる場合ばあいもある[25]

HRにある恒星こうせい位置いちは、そのほしおおきさをがかりをあたえる。恒星こうせい放射ほうしゃするエネルギー総量そうりょうは、単位たんい面積めんせきたり放射ほうしゃりょうほし表面積ひょうめんせきせきあらわされる。面積めんせきたり放射ほうしゃりょう半径はんけいの2じょう比例ひれいし、シュテファン=ボルツマンの法則ほうそくから温度おんどの4じょう比例ひれいする。スペクトル、つまり表面ひょうめん温度おんどおなじで絶対ぜったい等級とうきゅうが0とうと10とうのふたつのほしは、そう放射ほうしゃりょうは1まんばいになる。これを半径はんけいえると100ばいがあることになる[25]おな絶対ぜったい等級とうきゅう場合ばあい、Aがた表面ひょうめん温度おんど1まんK)とMがたどう3,000K)では、AがたはMがたの3.3ばいであり、この4じょう単位たんい面積めんせきたり放射ほうしゃりょうになるためは120ばいとなる。しかしそう放射ほうしゃりょうおなじであるため、表面積ひょうめんせきではAがた表面積ひょうめんせきMがたの120ぶんの1となり、半径はんけいでは11ぶんの1となる[25]

Xせん恒星こうせい死後しご姿すがたである中性子星ちゅうせいしせいや、恒星こうせい放射ほうしゃぶつれんぼし高密度こうみつどぼしきずりまれるさい発生はっせいすることがられるが[26]単独たんどく恒星こうせいからも観察かんさつされる。

太陽たいようXせん観測かんそくすると、磁力じりょくせんのねじれとさい結合けつごうさいにエネルギーが解放かいほうされ、コロナフレアはっするさい放射ほうしゃこることがられている。形成けいせいちゅうわかく、まだ中心ちゅうしん水素すいそかく融合ゆうごうこすぜん段階だんかいにあるぜんしゅ系列けいれつぼしという恒星こうせいは、太陽たいようよりもつよ短波たんぱちょうかたXせんはな現象げんしょうられる。形成けいせい途上とじょう恒星こうせい周囲しゅういから収縮しゅうしゅく途上とじょうのガスの流入りゅうにゅうつづき、そのかく運動うんどうりょうまれて自転じてんはやくなる。するとほし内部ないぶ対流たいりゅうだい規模きぼこり、発生はっせいするフレアも太陽たいようすうまんばい規模きぼになってつよいXせんしょうじるとかんがえられている。ぜんしゅ系列けいれつぼしほしあいだガスにかこまれて可視かし光線こうせんでは観測かんそくしづらい。しかしかたXせん使つかえばその位置いち手段しゅだんのひとつになる[27]

太陽たいよう質量しつりょうの5ばい以上いじょう恒星こうせい表面ひょうめん対流たいりゅうこしておらずコロナやフレアがしょうじないためXせん放射ほうしゃしないとかんがえられていたが、Xせん天文てんもん衛星えいせいHEAO-2はこのようなほしからXせん観測かんそくした。だい質量しつりょうぼしおおくの質量しつりょうほしふうかたち放出ほうしゅつしており、これが周囲しゅういのガスと衝突しょうとつすると高温こうおんのプラズマが発生はっせいし、Xせん放射ほうしゃしている。これらの観測かんそくほしあいだガスの分布ぶんぷるうえで有用ゆうようである[28]。なお、だいちゅう質量しつりょうぼしでもフレアのような磁力じりょくせん由来ゆらいのXせんおもわれるXせん観測かんそくされたれいもあるが、そのメカニズムはわかっていない[28]

性質せいしつ

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恒星こうせい物理ぶつり

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理想りそう気体きたい状態じょうたい方程式ほうていしきしめとおり、ガスたい天体てんたい重力じゅうりょく対抗たいこうするために内部ないぶ高温こうおんこうあつにならなければならない。しかし、その一方いっぽう宇宙うちゅう空間くうかん温度おんどは3Kにすぎず、かならエネルギーぜん方位ほういながることになる。これが恒星こうせいかがや理由りゆうであり、そのためにエネルギーを供給きょうきゅうするみなもと必要ひつようになる[1]

そのエネルギーげん誕生たんじょう直後ちょくご恒星こうせいでは自己じこ重力じゅうりょく収縮しゅうしゅくであるが、やがて水素すいそ原子核げんしかく融合ゆうごうをエネルギーげんとするようになり、一生いっしょうのほとんどをその状態じょうたいごす[1]おも恒星こうせいでは、一生いっしょうわりちかくになるとかく融合ゆうごうする元素げんそ水素すいそからヘリウムえ、順次じゅんじ原子げんし番号ばんごうおおきな元素げんそ使つかうようになり、その過程かてい収縮しゅうしゅく膨張ぼうちょうかえ[29]

恒星こうせい水素すいそヘリウムをおもな成分せいぶんとしたガスかたまりである。恒星こうせい中心ちゅうしんでは、原子核げんしかく融合ゆうごうによりエネルギーがされており、中心ちゅうしんから表層ひょうそうへかけて密度みつど温度おんど次第しだい減少げんしょうする構造こうぞうになっている。これによって恒星こうせい内部ないぶには圧力あつりょく発生はっせいし、おおくの場合ばあい自己じこ重力じゅうりょくによる圧縮あっしゅくとのいがたもたれている。また、ねつエネルギーは高温こうおんから低温ていおん移動いどうするため、中心ちゅうしん発生はっせいしたねつ放射ほうしゃ対流たいりゅうによって表層ひょうそうけてはこばれ、最終さいしゅうてきにはひかりエネルギーとして宇宙うちゅう空間くうかん放出ほうしゅつされる[30]

恒星こうせい惑星わくせいくらべて質量しつりょうおおきく表面ひょうめん温度おんどたかい。人類じんるいにとってもっとも身近みぢか恒星こうせいである太陽たいようは、地球ちきゅうの33まんばい質量しつりょうと109ばい半径はんけい、5,780K(5,510℃)の表面ひょうめん温度おんど[31]太陽系たいようけい最大さいだい惑星わくせいである木星もくせい太陽たいようくらべても、質量しつりょうは1,000ばい半径はんけいは10ばいがある。

恒星こうせい性質せいしつにはさまざまなものがあるが、太陽たいようのように安定あんていした段階だんかいにある恒星こうせいしゅ系列けいれつぼし)では、質量しつりょうおおきいほど半径はんけいおおきく高温こうおんになるという単純たんじゅん関係かんけいられる。たとえば太陽たいようおな質量しつりょうしゅ系列けいれつぼしはいずれも太陽たいよう半径はんけい温度おんどつことになり、太陽たいようの7ばい質量しつりょうつスペクトルがたB5のしゅ系列けいれつぼしでは、半径はんけい太陽たいようの4ばい温度おんどは1まん5,500K前後ぜんごになる[32]。ただし恒星こうせいしゅ系列けいれつぼしからだっして巨星きょせいすると温度おんど低下ていか半径はんけい膨張ぼうちょうき、この法則ほうそくから逸脱いつだつする。

質量しつりょう太陽たいようの8%程度ていど[33]よりちいさい天体てんたいは、中心ちゅうしんけい水素すいそかく融合ゆうごう反応はんのうきるほど高温こうおんにならないため、恒星こうせいではなく褐色かっしょく矮星分類ぶんるいされる[34]。この恒星こうせい質量しつりょう下限かげんといえる。また、質量しつりょう太陽たいようの100ばいえるような恒星こうせい強烈きょうれつ恒星こうせいふうによってみずからをばしてしまうため、形成けいせいされうる恒星こうせい質量しつりょうには上限じょうげんせられる。

褐色かっしょく矮星と恒星こうせい境界きょうかい付近ふきん質量しつりょうった恒星こうせいでは、半径はんけい太陽たいようの10ぶんの1程度ていどになる。しゅ系列けいれつぼし段階だんかいえた恒星こうせい非常ひじょう巨大きょだいし、たとえばおおいぬVYほしという赤色あかいろちょう巨星きょせい太陽たいようの1,000ばいえる半径はんけいつとかんがえられている。太陽たいよう自体じたいすうじゅうおくねん巨星きょせい段階だんかいむかえると現在げんざいの100ばい以上いじょうにまでふくがると予想よそうされている。

恒星こうせい誕生たんじょうするさいには、質量しつりょうちいさい恒星こうせいほど形成けいせいされる可能かのうせいたかい。銀河系ぎんがけい存在そんざいする恒星こうせいだい部分ぶぶんは、太陽たいようより質量しつりょうちいさいKがたMがたしゅ系列けいれつぼしだとかんがえられている。しかしてい質量しつりょうほしくらいために地球ちきゅうちかいものしか観測かんそくできない。夜空よぞらえるあかるいほしおおくは、とおくにあるだい質量しつりょうしゅ系列けいれつぼし赤色あかいろ巨星きょせいなどの数量すうりょうてきにはまれだが極端きょくたんあかるい天体てんたい姿すがたである[33]

恒星こうせいは、質量しつりょうの10ぶんの1ほどの水素すいそ原子げんしがヘリウム原子げんしわるまで、しゅ系列けいれつぼしでいる[35]

形成けいせい進化しんか

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恒星こうせいは、周囲しゅういよりわずかに物質ぶっしつ密度みつどたかい(それでも地球ちきゅうじょう実験じっけんしつつくることができる真空しんくうよりはずっと希薄きはくな)領域りょういきである分子ぶんしくもからまれる。分子ぶんしくもちかくで超新星ちょうしんせい爆発ばくはつしたり恒星こうせいちかくを通過つうかしたりするなどして分子ぶんしくも擾乱じょうらんこると、その衝撃波しょうげきは密度みつどらぎによって分子ぶんしくもなか圧縮あっしゅくされる部分ぶぶんしょうじ、重力じゅうりょくてき不安定ふあんていになり収縮しゅうしゅくしていく。だい質量しつりょうぼしつくられると、その周囲しゅうい分子ぶんしくもほしからのむらさきがいこう電離でんりされて散光さんこう星雲せいうん輝線きせん星雲せいうん)をつくったり、強烈きょうれつらしされて反射はんしゃ星雲せいうんとして観測かんそくされたりするようになる。このような星雲せいうんれいとして、有名ゆうめいオリオンだい星雲せいうんプレアデス星団せいだん周囲しゅういあお星雲せいうんなどがられている。

ガスかたまり質量しつりょう十分じゅうぶんおおきい場合ばあいねつ放射ほうしゃでエネルギーをうしなうと自己じこ重力じゅうりょくによって収縮しゅうしゅく温度おんどはかえって上昇じょうしょうする。このようなけいを「有効ゆうこう比熱ひねつまけけい」という[1]重力じゅうりょくポテンシャルのエネルギーのうち半分はんぶん赤外線せきがいせん放射ほうしゃされ[36]のこりは天体てんたい内部ないぶ温度おんど上昇じょうしょう寄与きよする[1]。こうしてねつ放射ほうしゃはますますさかんになり、やがてかがやくようになる。これが原始げんしぼしである[37]

原始げんしぼし中心ちゅうしん温度おんどすうひゃくまんからやく1,000まんK[38]たっすると、中心ちゅうしん水素すいそかく融合ゆうごう反応はんのうはじまる。すなわち、4水素すいそ原子げんし1個いっこのヘリウム原子げんしえ、エネルギーを発生はっせいさせることができるようになる。するとこれが熱源ねつげんとなって圧力あつりょく発生はっせいし、重力じゅうりょくによる収縮しゅうしゅくまる。この段階だんかい恒星こうせいしゅ系列けいれつぼしという[39]恒星こうせい一生いっしょうのうちやく90%の時間じかんおも系列けいれつぼしとしてごす。なおほし寿命じゅみょう質量しつりょうちいさいほどながくなる[39]

質量しつりょう太陽たいようやく8%よりもちいさく、かく融合ゆうごう反応はんのう持続じぞくすることができないほし褐色かっしょく矮星ばれる)は、みずからの重力じゅうりょくにより、すうせんおくねん宇宙うちゅう誕生たんじょうしてから現在げんざいまでの時間じかんよりもながい)というきわめてなが時間じかんをかけて、位置いちエネルギーねつエネルギー変換へんかんしながらゆっくりと収縮しゅうしゅくしていく。最後さいごにはそのままゆっくりとくらくなっていき、黒色こくしょく矮星へとうつっていく。

褐色かっしょく矮星よりもおもいが質量しつりょう太陽たいようの46%よりはちいさい恒星こうせい赤色あかいろ矮星ばれる)は、かく融合ゆうごう反応はんのう発生はっせいするためしゅ系列けいれつぼしにはぞくするもののかく反応はんのうおそく、すうせんおくねんからすうちょうねんかけて燃料ねんりょうである水素すいそ使つかたしたあと、ヘリウムがた白色はくしょく矮星になるとされている[40]

 
赤色あかいろ巨星きょせい断面だんめん

だい部分ぶぶん恒星こうせいは、燃料ねんりょうとなる中心ちゅうしん水素すいそをほぼ使つかたすと、外層がいそう膨張ぼうちょう巨大きょだいあか恒星こうせい変化へんかしていく。これは赤色あかいろ巨星きょせいばれる[41]やく50おくねん太陽たいよう赤色あかいろ巨星きょせいになったときには、金星かなぼしむほどに膨張ぼうちょうするとわれる)。やがてかく温度おんど圧力あつりょく上昇じょうしょうし、ヘリウムが炭素たんそわるかく融合ゆうごうはじまる。恒星こうせい十分じゅうぶん質量しつりょうっている場合ばあいは、外層がいそうはさらに膨張ぼうちょうして温度おんどがる一方いっぽう中心ちゅうしんかくはどんどんかく融合ゆうごうすすみ、窒素ちっそ酸素さんそネオンマグネシウムケイ素けいそてつというように、おも元素げんそ形成けいせいされていく。

太陽たいよう程度ていどの、平均へいきんてき質量しつりょうった恒星こうせいでは、中心ちゅうしんかくでのかく融合ゆうごう反応はんのう窒素ちっそ酸素さんそ段階だんかいまり、外層がいそうのガスを放出ほうしゅつして惑星わくせいじょう星雲せいうん形成けいせいする[42]中心ちゅうしんかく外層がいそう重力じゅうりょくささえきれず収縮しゅうしゅくし、収縮しゅうしゅくするとエネルギーをしょうふたた膨張ぼうちょうする。こうして膨張ぼうちょう収縮しゅうしゅくかえ脈動みゃくどう変光星へんこうせいとなる。高密度こうみつどになったものの、もはやかく融合ゆうごうこすことができなくなると縮退しゅくたい物質ぶっしつのこる。これは白色はくしょく矮星ばれる。白色はくしょく矮星はゆっくりとねつ放出ほうしゅつしていき、きわめてなが時間じかんをかけて黒色こくしょく矮星になっていく。

太陽たいようの8ばいよりも質量しつりょうおおきい恒星こうせいでは、密度みつど比較的ひかくてきちいさいために中心ちゅうしんかく縮退しゅくたいすることなくかく融合ゆうごう反応はんのうすすんで次々つぎつぎおも元素げんそつくられてく。最終さいしゅうてきてつ生成せいせいされたところで、てつ原子げんし安定あんていであるためそれ以降いこうかく融合ゆうごう反応はんのうすすまなくなり、重力じゅうりょく収縮しゅうしゅくしながら温度おんどがっていく。中心ちゅうしん温度おんどやく100おくたっするとてつひかり分解ぶんかいという吸熱反応はんのうき、中心ちゅうしんかく圧力あつりょく急激きゅうげきがって重力じゅうりょく崩壊ほうかいこす。その反動はんどう恒星こうせい超新星ちょうしんせい爆発ばくはつばれるだい爆発ばくはつこす[43]。これは宇宙うちゅうこる現象げんしょうなかで、人間にんげんてきなタイムスケールでこる数少かずすくないものである。恒星こうせい質量しつりょうだい部分ぶぶん爆発ばくはつばされ、かに星雲せいうんのような超新星ちょうしんせい残骸ざんがいつくる。このとき恒星こうせい急激きゅうげきあかるくなり、あかるさでおよそ1おくばい等級とうきゅうやく20とうぞうひからし、すう週間しゅうかんあいだ超新星ちょうしんせいひとつが銀河ぎんが全体ぜんたいおなあかるさでかがやくこともおおい。

歴史れきしじょう超新星ちょうしんせいは、いままでほしなにもなかったところに突如とつじょ出現しゅつげんした「あたらしいほし」として「発見はっけん」されてきた。超新星ちょうしんせい爆発ばくはつこったあとの中心ちゅうしんかく運命うんめい恒星こうせいもと質量しつりょうによりことなる。太陽たいようの30ばいから40ばい程度ていどまでの質量しつりょうった恒星こうせい場合ばあい中心ちゅうしんかく中性子星ちゅうせいしせいパルサーXせんバースター)とばれる天体てんたいとなる。さらにおも恒星こうせい場合ばあいには中心ちゅうしんかく完全かんぜん重力じゅうりょく崩壊ほうかいこしてブラックホールとなる[43]

ビッグバン直後ちょくごには、水素すいそ・ヘリウム・リチウムベリリウムといったかる元素げんそ形成けいせいされたものの、それ以上いじょうおもじゅう元素げんそ形成けいせいされなかった。その恒星こうせい形成けいせいされ、内部ないぶでのかく融合ゆうごうによって、はじめて炭素たんそ窒素ちっそてつといったじゅう元素げんそ形成けいせいされることとなった。恒星こうせい内部ないぶかく融合ゆうごう形成けいせいされるのはてつまでであり、きむウランのようにてつよりさらにおも元素げんそは、超新星ちょうしんせい爆発ばくはつ中性子星ちゅうせいしせい衝突しょうとつ形成けいせいされるとかんがえられている[44]。こうしたじゅう元素げんそおおふくむ、ばされた恒星こうせい外層がいそうは、やがてふたた分子ぶんしくもつくり、あたらしい恒星こうせい惑星わくせいつく材料ざいりょうとなる。このため、太陽系たいようけいなどのように形成けいせいおそ恒星こうせいけいほどじゅう元素げんそおおふくまれることになる。このように、超新星ちょうしんせいから放出ほうしゅつされた物質ぶっしつ巨星きょせいからの恒星こうせいふうは、恒星こうせいあいだ環境かんきょう形成けいせいするのに重要じゅうよう役割やくわりたしている[45]

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e 尾崎おざき洋二ようじ 2010, pp. 95–96.
  2. ^ a b 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』(ニッポニカ)
  3. ^ 水谷みずたにひとし 2009, pp. 30–31.
  4. ^ a b c d 尾崎おざき洋二ようじ 2010, p. 71.
  5. ^ 水谷みずたにひとし 2009, p. 4.
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  10. ^ a b c 岡村おかむらじょうのり 2001, pp. 3–4.
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参考さんこう文献ぶんけん

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  • へん岡村おかむらじょうのり天文学てんもんがくへの招待しょうたい朝倉書店あさくらしょてん、2001ねんISBN 4-254-15016-4 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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