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通話表 - Wikipedia

通話つうわひょう

通信つうしんぶん間違まちがいをふせぐための、文字もじ単語たんごわせひょう

通話つうわひょう(つうわひょう、フォネティックコード)とは、無線むせん電話でんわ通信つうしんぶん間違まちがいをふせぐために制定せいていされた規則きそくである。帯域たいいきせまく、ひずみ雑音ざつおんおお無線むせん電話でんわで、話者わしゃ発音はつおんくせなどがあっても、原文げんぶん一文字ひともじずつただしく伝達でんたつする目的もくてきまれた。

欧文おうぶん通話つうわひょう 編集へんしゅう

欧文おうぶん通話つうわひょう(ラテン文字もじ)は、一般いっぱんにフォネティックコード(phonetic code)とばれる。アルファベットの「B」と「D」や「M」と「N」のように、発音はつおん似通にかよっている言葉ことば弁別べんべつするため、国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう制定せいていされた。無線むせん通信つうしんかぎらずおおくの業種ぎょうしゅもちいられ、ここから派生はせいした規則きそくもあり、おもなものに北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう制定せいていした「NATOフォネティックコード」がある。たとえば、" ALPHABET"という文字もじれつつたえるときには Alfa Lima Papa Hotel Alfa Bravo Echo Tangoおくる。

現行げんこうひょうは、国際こくさい民間みんかん航空こうくう機関きかん国際こくさい民間みんかん航空こうくう条約じょうやくもとづき、使用しよう義務付ぎむづけられている(雑音ざつおん混信こんしんなどにより、この表現ひょうげんでも認識にんしきできない場合ばあいは、地名ちめい人名じんめいあらわすなどべつ表現ひょうげん使つかってもよいとされている。デルタ航空こうくうDelta Airlines)との誤認ごにんけるため、D については Deltaわりに Data, Dixie, David使つかわれることがある)。

文字もじ 使用しようするかたり 文字もじ 使用しようするかたり 文字もじ 使用しようするかたり
A Alfa M Mike Y Yankee
B Bravo N November Z Zulu
C Charlie O Oscar 0 Zero
D Delta P Papa 1 One
E Echo Q Quebec 2 Two
F Foxtrot R Romeo 3 Three
G Golf S Sierra 4 Four
H Hotel T Tango 5 Five
I India U Uniform 6 Six
J Juliett V Victor 7 Seven
K Kilo W Whiskey 8 Eight
L Lima X X-Ray 9 Nine

日本にっぽんでは、総務そうむ省令しょうれい無線むせんきょく運用うんよう規則きそく別表べっぴょうだい5ごうさだめられており、英字えいじ部分ぶぶん上表じょうひょう同一どういつであるが、数字すうじ部分ぶぶん下表かひょうのように海上かいじょう移動いどう業務ぎょうむ航空こうくう移動いどう業務ぎょうむけられている。

海上かいじょう移動いどう業務ぎょうむまたは航空こうくう移動いどう業務ぎょうむ無線むせん電話でんわ通信つうしんにおいて固有こゆう名称めいしょうりゃく符号ふごう数字すうじ、つづりの複雑ふくざつかたりとういちずつ区切くぎって送信そうしんする場合ばあいと、航空こうくう移動いどう業務ぎょうむ航空こうくう交通こうつう管制かんせいかんする無線むせん電話でんわ通信つうしんにおいて数字すうじ送信そうしんする場合ばあいは、このひょう使用しようしなければならない(どう規則きそくだい14じょうだい3こう)。また、それ以外いがい無線むせん電話でんわ通信つうしんにおいても、かたりいちずつ区切くぎって送信そうしんする場合ばあいは、なるべくこのひょう使用しようすることとされている(どうじょうだい4こう)。

だいいちきゅうだいきゅう総合そうごう無線むせん通信つうしんだいいちきゅうだいきゅうだいさんきゅう海上かいじょう無線むせん通信つうしんだいいちきゅう海上かいじょう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし航空こうくう無線むせん通信つうしんおよび航空こうくう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし無線むせん従事じゅうじしゃ国家こっか試験しけんならびにだいさんきゅう海上かいじょう無線むせん通信つうしんだいいちきゅう海上かいじょう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし航空こうくう無線むせん通信つうしんおよび航空こうくう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし養成ようせい課程かてい修了しゅうりょう試験しけんに、このひょうもちいた送受信そうじゅしん電気でんき通信つうしんじゅつ実技じつぎ試験しけんがある。

数字すうじ 海上かいじょう移動いどう業務ぎょうむ国際こくさい通信つうしん 片仮名かたかな表記ひょうき 航空こうくう移動いどう業務ぎょうむ
0 NADAZERO ジロ ZERO (ZE-RO)
1 UNAONE ワン ONE (WUN)
2 BISSOTWO トゥー TWO (TOO)
3 TERRATHREE トゥリー THREE (TREE)
4 KARTEFOUR フォウアー FOUR (FOW-er)
5 PANTAFIVE ファイフ FIVE (FIFE)
6 SOXISIX シックス SIX (SIX)
7 SETTESEVEN セブン SEVEN (SEV-en)
8 OKTOEIGHT エイト EIGHT (AIT)
9 NOVENINE ナイナー NINE (NIN-er)
00 ハンドレッド HUNDRED (HUN-dred)
000 タウザンド THOUSAND (TOU-SAND)
.小数点しょうすうてん DECIMAL デシマル DECIMAL (DAY-SEE-MAL)
.終点しゅうてん STOP ポイント POINT
括弧かっこない発音はつおん
海上かいじょう移動いどう業務ぎょうむ国内こくない通信つうしん使用しようするかたり和文わぶん通話つうわひょう同一どういつ

和文わぶん通話つうわひょう 編集へんしゅう

無線むせんきょく運用うんよう規則きそく別表べっぴょうだい5ごうにて、下表かひょうのようにさだめられており、よっ仮名がななどを間違まちがえぬよう、海上かいじょう移動いどう業務ぎょうむまたは航空こうくう移動いどう業務ぎょうむ無線むせん電話でんわ通信つうしんにおいて、固有こゆう名称めいしょうりゃく符号ふごう数字すうじ・つづりの複雑ふくざつかたりとういちずつ区切くぎって送信そうしんする場合ばあいと、航空こうくう移動いどう業務ぎょうむ航空こうくう交通こうつう管制かんせいかんする無線むせん電話でんわ通信つうしんにおいて数字すうじ送信そうしんする場合ばあいは、このひょう使用しようしなければならない(どう規則きそくだい14じょうだい3こう)。また、それ以外いがい無線むせん電話でんわ通信つうしんにおいても、かたりいちずつ区切くぎって送信そうしんする場合ばあいは、なるべくこのひょう使用しようすることと規定きていしている(どうじょうだい4こう)。

総合そうごう無線むせん通信つうしん海上かいじょう無線むせん通信つうしん航空こうくう無線むせん通信つうしんだいいちきゅうだいきゅう海上かいじょう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎしおよび航空こうくう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし国家こっか試験しけん、ならびにだいさんきゅうだいよんきゅう海上かいじょう無線むせん通信つうしんだいいちきゅうだいきゅう海上かいじょう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし、および航空こうくう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし無線むせん従事じゅうじしゃ養成ようせい課程かてい修了しゅうりょう試験しけんに、このひょうもちいた送受信そうじゅしん電気でんき通信つうしんじゅつ実技じつぎ試験しけんがあったが、2000年度ねんど平成へいせい12年度ねんど)に廃止はいしされた。

「つうわひょう」をおくときには「つるかめのツ、上野うえののウ、わらびのワ、飛行機ひこうきのヒ、吉野よしののヨ、上野うえののウ」とおくる。濁音だくおんはん濁音だくおんおくるときには「〜に濁点だくてん」「〜にはん濁点だくてん」とおくる。たとえば「かんづめ」をおくるときには「為替かわせのカ、おしまいのン、つるかめのツに濁点だくてん明治めいじのメ」とおくる。郵便ゆうびんおよび通信つうしん管轄かんかつしていたきゅう逓信ていしんしょう由来ゆらい業務ぎょうむ用語ようごおおられる。

文字もじ
文字もじ つづ 文字もじ つづ 文字もじ つづ 文字もじ つづ 文字もじ つづ
朝日あさひのア いろはのイ 上野うえののウ 英語えいごのエ 大阪おおさかのオ
為替かわせのカ 切手きってのキ クラブのク 景色けしきのケ 子供こどものコ
さくらのサ 新聞しんぶんのシ すずめのス 世界せかいのセ そろばんのソ
煙草たばこのタ ちどりのチ つるかめのツ 手紙てがみのテ 東京とうきょうのト
名古屋なごやのナ 日本にっぽん[1]のニ 沼津ぬまづのヌ ねずみのネ 野原のはらのノ
はがきのハ 飛行機ひこうきのヒ 富士山ふじさんのフ 平和へいわのヘ 保険ほけんのホ
マッチのマ 三笠みかさのミ 無線むせんのム 明治めいじのメ もみじのモ
大和やまとのヤ 弓矢ゆみやのユ 吉野よしののヨ
ラジオのラ りんごのリ るすいのル れんげのレ ローマのロ
わらびのワ ゐどのヰ かぎのあるヱ 尾張おわりのヲ
おしまいのン 濁点だくてん はん濁点だくてん
数字すうじ
文字もじ つづ
いち 数字すうじのひと[2]
数字すうじのに[3]
さん 数字すうじのさん
よん 数字すうじのよん[2]
数字すうじのご
ろく 数字すうじのろく
なな 数字すうじのなな[2]
はち 数字すうじのはち
きゅう 数字すうじのきゅう
数字すうじのまる[4]
記号きごう
文字もじ つづ
長音ちょうおん
区切くぎりてん
段落だんらく
下向げこう括弧かっこ
上向うわむき括弧かっこ

現代げんだい社会しゃかいでの「通話つうわひょう 編集へんしゅう

電子でんし通信つうしん技術ぎじゅつ社会しゃかいインフラストラクチャー進化しんかした現代げんだいでは、有線ゆうせん無線むせん通信つうしんともに通話つうわ品質ひんしつ音声おんせい明瞭めいりょう格段かくだん向上こうじょうしている。一方いっぽうで、いわゆる情報じょうほう社会しゃかいとなり、アドレス(電子でんしメールアドレスURLなど)、ユーザーID認証にんしょうコードなどの情報じょうほう通話つうわによって交換こうかんする機会きかいえている。間違まちがえ・混乱こんらんふせぐため、たとえば顧客こきゃく電話でんわサポートをおこなかく組織そしきコールセンターでは、通話つうわしゃとの文字もじ羅列られつ情報じょうほう伝達でんたつ交換こうかんに、独自どくじ通話つうわひょうそろえている場合ばあいおお[5]

かく組織そしき情報じょうほうシステム社内しゃない運用うんよう規約きやくにおいて、ききと間違まちがいのおお文字もじ日本語にほんごであれば、よっ仮名がな数字すうじの 9 とアルファベットの Q など)はユーザーIDや認証にんしょうコードなどに使用しようしないよう制限せいげんして、(通話つうわひょうもちいずとも)明瞭めいりょう簡潔かんけつ情報じょうほう交換こうかんできるよう対応たいおうする場合ばあいもある[6]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ 日本にっぽんのニ」の「日本にっぽん」は「にっぽん」と発声はっせいする。「にほん」はあやまり。
  2. ^ a b c いち」と「しち」、「」と「」のちがいをふせためにこのみが厳格げんかく指定していされている。
  3. ^ 自衛隊じえいたい鉄道てつどう事業じぎょうしゃ株式かぶしき市況しきょうなどでは数字すうじの2を「ふた」と慣習かんしゅうもある。 ただし、無線むせん従事じゅうじしゃ国家こっか試験しけんなどでは「数字すうじのふた」はあやまこたえとなる。
  4. ^ 数字すうじの0を鉄道てつどう事業じぎょうしゃは「ころ(コロ)」とむことがおおい。列車れっしゃ車輪しゃりん連想れんそうさせることからであるが、これもほんひょう使用しようしなければならない場合ばあいにはあやまりとなる。
  5. ^ 「お客様きゃくさまのメールアドレスを復唱ふくしょうします。イングランドのE、エックス線えっくすせんのX、アメリカのA、ミラノのM、パリのP、ロンドンのL、ふたたびイングランドのE、アットマーク、大阪おおさかのO、東京とうきょうのT・・・ドット、ジェイピーでただしいでしょうか?」のように利用りようされる。組織そしき通話つうわひょうさだめることにより、相応ふさわしくないいいかえ(汎用はんようてき言葉ことばでない、企業きぎょうイメージをわるくするなど)を通話つうわ担当たんとうしゃもちいてしまうことをふせぐ。
  6. ^ 視覚しかくてき表現ひょうげんにおいても、アルファベットの o / O(オー)と数字すうじの 0(れい)、アルファベットの i / I(アイ)・l(小文字こもんじエル)と数字すうじの 1(いち)は混同こんどうしやすいため、これらのくみのうちどれかひとつだけ利用りようするよう制限せいげんしたり、どれもまったく使用しようしないようにする場合ばあいもある。

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう