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世界 - Wikipedia

世界せかい

地球ちきゅう、または宇宙うちゅうじょうにあるすべてをまとめて概念がいねん

世界せかいせかいえい: World: loka-dhaatu: mundus)とは、以下いか概念がいねんす。

概説がいせつ 編集へんしゅう

実用じつようじょう人類じんるい定常ていじょうてき活動かつどうしている物理ぶつりてき領域りょういき全体ぜんたいすことがおおい(「世界せかいてき〇〇」や「世界せかい各国かっこく」など)が、それ以外いがいにも上述じょうじゅつのように「世界せかい」という言葉ことば多義たぎてきもちいられる。しゅとしてなんらかの社会しゃかい関連かんれんのある空間くうかん意味いみする多義たぎてき言葉ことばである。人間にんげんなどいのちあるものと関連かんれんづけられた、社会しゃかいてき政治せいじてき経済けいざいてきないし人文じんぶん地理ちりてき概念がいねんとしてもちいられることがおおい。

類義語るいぎごにあたる「社会しゃかい」では、集団しゅうだん共同きょうどうたい焦点しょうてんてられており、縁故えんことう対人たいじん関係かんけいまでが連想れんそうされる。「世界せかい」は空間くうかん概念がいねんとしては現代げんだいでは(人々ひとびと活動かつどう範囲はんいひろがったため)「地球ちきゅうじょうぜん地域ちいき」を意味いみすることがおおいが、「地球ちきゅう」は日本語にほんごでは人類じんるい活動かつどうという意味合いみあいをあまりふくめず、自然しぜん科学かがくてき側面そくめんからみた物体ぶったい物理ぶつりてき空間くうかんとしての用例ようれいおおい。今後こんご人類じんるい定常ていじょうてき活動かつどう宇宙うちゅうにもひろがった場合ばあい、「世界せかい」にふくめる物理ぶつりてき領域りょういき宇宙うちゅう空間くうかん惑星わくせいにも拡張かくちょうされる可能かのうせいがある。

世界せかい、および、世界せかいにおける人間にんげんのありかたについての、まとまったかんがかたのことを「世界せかいかん」とんでいる[2]人生じんせいかんとも部分ぶぶんてきかさなるが、人生じんせいかんよりもひろ範囲はんいし、人生じんせいかん同様どうよう多分たぶん情緒じょうちょてき評価ひょうかづけをふくんでいる。なお、「世界せかいぞう」は世界せかいかんとはことなり、世界せかいそとからながめるような態度たいどであり、そこでは、世界せかいはあくまでも知的ちてき客観きゃっかんてき分析ぶんせき対象たいしょうである。ただし、世界せかいぞうはしばしばその時代じだいおうじた検証けんしょうけ、伝統でんとうてき世界せかいかんとっくずし、あたらしい世界せかいかん知的ちてき基盤きばんとなることがある。いいかえれば、世界せかいかんとはかく時代じだい各地かくちひとびとの生活せいかつ体験たいけん伝統でんとうてき観念かんねん基礎きそとし、知的ちてき体系たいけいとしての世界せかいぞうとむすびついて、各人かくじんかた行動こうどう指針ししんとなるかんがかたという意味いみである。

人間にんげんさかい個人こじん集団しゅうだん所属しょぞくないし活動かつどうする、物理ぶつりてき社会しゃかいてき心理しんりてき領域りょういきしてもちいられることがおおいが、人間にんげん以外いがい生物せいぶつのそれ、あるいは生物せいぶつ抽象ちゅうしょうてき事象じしょう領域りょういきとうたいしてもちいられることもある。本稿ほんこうにおいては、おも人間にんげんかいのそれについてべる。

かたり由来ゆらい歴史れきし 編集へんしゅう

日本語にほんごの「世界せかい」は、インドから中国ちゅうごく漢語かんごとして日本にっぽん伝来でんらいした来歴らいれきゆうしている。

源流げんりゅうとなっているサンスクリットはローカダートゥ(loka-dhaatu)である。"loka "は、「空間くうかん」や「(はやしなかの)場所ばしょ」「」のようなものを意味いみしていた。"dhaatu "はさかい意味いみする。"loka-dhaatu "は仏教ぶっきょう用語ようごとしてもちいられた歴史れきしがあり、「いのちあるものが生存せいぞん輪廻りんねする空間くうかんで、そこにおいていちほとけおしえをひろめる空間くうかん」を意味いみする。

このサンスクリットが漢語かんごやくされたとき「世界せかい」となった。「」には時間じかん観念かんねんおもきをおいたであり、「さかい」は空間くうかんおもきをおいたであり、「世界せかい」とは、時間じかん空間くうかん両方りょうほう配慮はいりょした訳語やくごである。ある経典きょうてんでは、東西とうざい南北なんぼく上下じょうげかいであり、過去かこ現在げんざい未来みらいさんせいである、といった主旨しゅしのことがべられている。

中国ちゅうごくにおいては、当初とうしょ仏教ぶっきょう用語ようごであった「世界せかい」であったが、詩歌しか分野ぶんやにおいて(とく唐詩とうしにおいて)次第しだいに「なか」や「世間せけん」といった意味いみ使用しようされるようになった。これらの歴史れきしかさなった状態じょうたい日本にっぽんにももたらされ、『たけ物語ものがたり』などでも「なか」「世間せけん」の意味いみで「世界せかい」のかたりもちいられている。

西洋せいようけてみると、古代こだいギリシアでは「kosmos」コスモス という言葉ことばもちいられ[3]、このかたりは《世界せかい》を意味いみしつつ、《うつくしいかざり》や《秩序ちつじょ》という意味いみそなえていた[3]。つまり、《カオス》という概念がいねん対比たいひされつつ、《うつくしい秩序ちつじょをそなえた世界せかい》を意味いみしていた[3]。このようにギリシア〜西洋せいようにおいては、世界せかい概念がいねんは、秩序ちつじょ関連かんれんづけられるめんがことさら重視じゅうしされたらしい[3]。『ヨハネによる福音ふくいんしょ』においても、「言葉ことば(コスモス)にあった。言葉ことばによってったが、言葉ことばみとめなかった」とある[3]最初さいしょふたつの「」(コスモス)は、かみによって創造そうぞうされかみてき秩序ちつじょをそなえたのことをしており[3]、3番目ばんめの「」は人間にんげんによって秩序ちつじょあたえられた世間せけんしている、という[3]。そしてアウグスティヌスはこのくだりにもとづいて、mundus(ラテン語らてんごで「世界せかい」)を、造物ぞうぶつ全体ぜんたいとしての世界せかいと、世俗せぞくてき世間せけんとしての世界せかい区別くべつしてかんがえたという[3]

 
世界せかい屏風びょうぶ』のもととなったマテオ・リッチの『ひつじさる輿こし万国ばんこくぜん

江戸えど時代じだいになって、当時とうじ世界せかい地図ちずをもとにした『世界せかい屏風びょうぶ[注釈ちゅうしゃく 1]ひろ流布るふしたが、ここにおける「世界せかい」は今日きょう用例ようれいどうじ、「地球ちきゅう」「万国ばんこく」の意味いみである。1867ねん慶応けいおう2ねん初版しょはんジェームス・カーティス・ヘボンの『英語えいごりん集成しゅうせい』では、これを踏襲とうしゅうして、地球ちきゅう万国ばんこくとしての「世界せかい」のかたりがみえる。また、井上いのうえ哲次郎てつじろうらの編集へんしゅうによる『哲学てつがく字彙じい』(1912)には、world、cosmosの訳語やくごとして、「宇宙うちゅう」とともに「世界せかい」をもあてている。

堺屋さかいや太一たいちは、チンギス・ハーンによって「世界せかい」がはじめて意識いしきされるようになったとしている。さかいによれば、チンギス・ハーン自身じしんが「東洋とうよう西洋せいようは1つ」という世界せかいかんをもっており、大量たいりょう報復ほうふく思想しそう信仰しんこう自由じゆうとともに「ジンギスカンのさんだい発明はつめい」とんでいる[4]

 

なお、世界せかいにかかわりのふか用語ようごである「国際こくさい(Internationalization)」は、17世紀せいきヨーロッパで成立せいりつし、その世界せかいてき拡大かくだいした主権しゅけん国家こっか体制たいせい存在そんざい前提ぜんていにしている。それにたいし、「グローバル(Globalization)」は政治せいじ文化ぶんか経済けいざいじょう国境こっきょうにとらわれないうごきである。すなわち、前者ぜんしゃでは国境こっきょう役割やくわり依然いぜんおおきく、たとえば文物ぶんぶつ国境こっきょう通過つうかすることは監視かんしすべきものとされるが、後者こうしゃではそもそも監視かんしすべきではなく、秘匿ひとくせい重要じゅうよう価値かちかんのひとつとして考慮こうりょされている。国際こくさいあるいはグローバル進展しんてんによって、かく領域りょういきかく分野ぶんやにおいてトランスナショナルな関係かんけいひろがっている。現代げんだいにおいては、経済けいざいにおけるグローバル進展しんてんとともに、とくに政治せいじ領域りょういきにおける地域ちいき(Regionalization)の進展しんてん顕著けんちょである。なお、歴史れきしてきには、地域ちいき相互そうごあいだ関係かんけいしょうするのに「いきぎわ(Interregional)」のかたり多用たようされてきた。17世紀せいきオランダいきぎわ貿易ぼうえきいきぎわ交流こうりゅうにおいて重要じゅうよう役割やくわりたしてきたといわれる。

世界せかいしょ地域ちいき 編集へんしゅう

半球はんきゅうによるふん 編集へんしゅう

大局たいきょくてき分類ぶんるい 編集へんしゅう

局地きょくちてき分類ぶんるい 編集へんしゅう

大州おおず 編集へんしゅう

国際こくさい機関きかん組織そしき 編集へんしゅう

現在げんざい活動かつどうちゅうおも国際こくさい機関きかん国際こくさい組織そしき政府せいふ組織そしき

NGO(政府せいふ組織そしき 編集へんしゅう

その 編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ マテオ・リッチの『ひつじさる輿こし万国ばんこくぜん』がもとになっていることがおおい。岡山おかやま妙覚寺みょうかくじ所蔵しょぞうの『世界せかい屏風びょうぶ』は岡山おかやまけん指定してい有形ゆうけい文化財ぶんかざいとなっている。

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ a b c d e f g h i j k 広辞苑こうじえんだい5はん
  2. ^ a b c d e こうりん だいはん
  3. ^ a b c d e f g h 岩波いわなみ 哲学てつがく思想しそう事典じてん、1988ねん pp.933-934【世界せかい
  4. ^ さかい東大とうだい講義こうぎろく』(2003)、どう堺屋さかいや太一たいちくチンギス・ハンの世界せかい』(2006)ほか

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

世界せかいかんする一覧いちらん 編集へんしゅう

世界せかい」に関連かんれんするさらにげた内容ないよう記事きじ 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう