欧州おうしゅう連合れんごう

欧州おうしゅう連合れんごう

EU各かく公用こうよう語ご表記ひょうき

ブルガリア語ご:	Европейски съюз
スペイン語ご:	Unión Europea
チェコ語ご:	Evropská unie
デンマーク語ご:	Den Europæiske Union
ドイツ語ご:	Europäische Union
エストニア語ご:	Euroopa Liit
ギリシア語ご:	Ευρωπαϊκή Ένωση
英語えいご:	European Union
フランス語ふらんすご:	Union européenne
アイルランド語ご:	An tAontas Eorpach
クロアチア語ご:	Europska unija
イタリア語ご:	Unione Europea
ラトビア語ご:	Eiropas Savienība
リトアニア語ご:	Europos Sąjunga
ハンガリー語ご:	Európai Unió
マルタ語ご:	Unjoni Ewropea
オランダ語ご:	Europese Unie
ポーランド語ご:	Unia Europejska
ポルトガル語ご:	União Europeia
ルーマニア語ご:	Uniunea Europeană
スロバキア語ご:	Európska únia
スロベニア語ご:	Evropska unija
フィンランド語ご:	Euroopan unioni
スウェーデン語ご:	Europeiska unionen

（欧州おうしゅう旗はた）

欧州おうしゅう連合れんごうの標語ひょうご: In varietate concordia
（ラテン語らてんご: 多様たよう性せいにおける統一とういつ）

欧州おうしゅう連合れんごうの歌うた: 交響こうきょう曲きょく第だい9番ばん第だい4楽章がくしょう「歓喜かんきの歌うた」

公用こうよう語ご	24言語げんご ブルガリア語ご チェコ語ご デンマーク語ご オランダ語ご 英語えいご エストニア語ご フィンランド語ご フランス語ふらんすご ドイツ語ご ギリシャ語ご クロアチア語ご ハンガリー語ご アイルランド語ご イタリア語ご ラトビア語ご リトアニア語ご マルタ語ご ポーランド語ご ポルトガル語ご ルーマニア語ご スロバキア語ご スロベニア語ご スペイン語ご スウェーデン語ご
拠点きょてん都市とし	ブリュッセル ストラスブール ルクセンブルク市し
加盟かめい国こく	27か国こく  オーストリア  ベルギー  ブルガリア  クロアチア  キプロス  チェコ  デンマーク  エストニア  フィンランド  フランス  ドイツ  ギリシャ  ハンガリー  アイルランド  イタリア  ラトビア  リトアニア  ルクセンブルク  マルタ  オランダ  ポーランド  ポルトガル  ルーマニア  スロバキア  スロベニア  スペイン  スウェーデン
大統領だいとうりょう	シャルル・ミシェル
欧州おうしゅう委員いいん会かい委員いいん長ちょう	ウルズラ・フォン・デア・ライエン
欧州おうしゅう議会ぎかい議長ぎちょう	ロベルタ・メツォラ
設立せつりつ - ローマ条約じょうやく発効はっこう - マーストリヒト条約じょうやく発効はっこう	1958年ねん1月がつ1日にち 1993年ねん11月1日にち
面積めんせき - 総計そうけい - 水面すいめん積せき率りつ	世界せかい第だい7位い - 4,233,262㎢ - 3.08%
人口じんこう - 総計そうけい（2020年ねん） - 人口じんこう密度みつど	世界せかい第だい3位い - 447,206,135 人にん
GDP(PPP) - 総計そうけい - 1人ひとりあたり	2020年ねん - 20兆ちょう366億おくドル - 45,541ドル
GDP（名目めいもく） - 総計そうけい - 1人ひとりあたり	2020年ねん (IMF) - 16兆ちょう33億おくドル - 35,851ドル
通貨つうか	8通貨つうか ユーロ（単一たんいつ通貨つうか） ブルガリア・レフ チェコ・コルナ デンマーク・クローネ ハンガリー・フォリント ポーランド・ズウォティ ルーマニア・レウ スウェーデン・クローナ
時間じかん帯たい	UTC ±0 から +2 （DST: +1 から +3）
ccTLD	.eu

欧州おうしゅう連合れんごう（おうしゅうれんごう、略称りゃくしょう：EU、UE; 英えい: European Union、仏ふつ: L'Union européenne、独どく: Europäische Union、伊い: Unione Europea）は、ヨーロッパを中心ちゅうしんに27か国こくが加盟かめいする国家こっか連合れんごうである。総そう面積めんせきは4,233,255.3平方へいほうキロメートル (1,634,469.0 sq mi) で、総そう人口じんこうは約やく4億おく4700万まん人にんと推定すいていされている。EUは、加盟かめい国こくが一体いったいとなって行動こうどうすることに同意どういした場合ばあいにのみ、これらの事項じこうについてすべての加盟かめい国こくに適用てきようされる標準ひょうじゅん化かされた法ほう制度せいどを通つうじて、域内いきない単一たんいつ市場いちばを発展はってんさせてきた。EUの政策せいさくは、域内いきない市場いちばにおける人ひと、物もの、サービスおよび資本しほんの自由じゆうな移動いどうを確保かくほし、司法しほうおよび内政ないせいに関かんする法律ほうりつを制定せいていし、貿易ぼうえき、農業のうぎょう、漁業ぎょぎょうおよび地域ちいき開発かいはつに関かんする共通きょうつう政策せいさくを維持いじすることを目的もくてきとしている。シェンゲン圏けん内うちの旅行りょこうについては、パスポートによる管理かんりが廃止はいしされた。通貨つうか同盟どうめいは1999年ねんに設立せつりつ、2002年ねんに完全かんぜん施行しこうされ、ユーロ通貨つうかを使用しようする20のEU加盟かめい国こくで構成こうせいされている。

EUおよびEU市民しみん権けんは、1993年ねんのマーストリヒト条約じょうやくの発効はっこうによって確立かくりつされた。その起源きげんは、それぞれ1951年ねんのパリ条約じょうやくと1957年ねんのローマ条約じょうやくによって設立せつりつされた欧州おうしゅう石炭せきたん鉄鋼てっこう共同きょうどう体たい (ECSC) と欧州おうしゅう経済けいざい共同きょうどう体たい (EEC) にある。欧州おうしゅう経済けいざい共同きょうどう体たいとして知しられるようになった最初さいしょのメンバーは、フランス、西にしドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの6か国こくであった。共同きょうどう体たいとその後継こうけい組織そしきは、新あらたな国くにの加盟かめいによって規模きぼを拡大かくだいし、その権限けんげんに政策せいさく分野ぶんやを加くわえることで権力けんりょくを拡大かくだいした。EUの憲法けんぽう上じょうの基盤きばんに対たいする最近さいきんの大おおきな改正かいせいであるリスボン条約じょうやくが2009年ねんに発効はっこうした。

イギリスは2020年ねん1月がつにEUを離脱りだつした。2016年ねんの国民こくみん投票とうひょうを経へて離脱りだつの意思いしを表明ひょうめいし、離脱りだつ協定きょうていを交渉こうしょうした。イギリスは2020年ねん12月31日にちまでは過渡かと期きにあり、その間あいだはEU法ほうとEU単たん一いち市場いちば・関税かんぜい同盟どうめいの一部いちぶの適用てきようを受うけていた。これまでEUやその前身ぜんしんとなる地域ちいきから離脱りだつしたのは、フランス領りょうアルジェリア（1962年ねん、独立どくりつに際さいして）、グリーンランド（1985年ねんの住民じゅうみん投票とうひょうの結果けっか）、サンバルテルミー（2012年ねん）の3の国くにと地域ちいきのみであった。

EUは、2020年ねんには世界せかい人口じんこうの約やく5.8%を占しめており、2017年ねん（イギリスを含ふくむ）の名目めいもくGDPは約やく20兆ちょうドルと、世界せかいの名目めいもくGDPの約やく25%を占しめていた。また、国際こくさい連合れんごう開発かいはつ計画けいかくによれば、EU各国かっこくとも非常ひじょうに高たかい人間にんげん開発かいはつ指数しすうを持もっている。2012年ねん、EUはノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうした。共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくを通つうじて、EUは対外たいがい関係かんけいと防衛ぼうえいにおける役割やくわりを発展はってんさせてきた。国連こくれん、 WTO 、G20、G7に代表だいひょうされる世界せかい各地かくちに常設じょうせつの在外ざいがい公館こうかんを持もち、グローバルな影響えいきょう力りょくを持もつEUは、新興しんこう大国たいこくと言いわれている。

歴史れきし

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごうの歴史れきし」を参照さんしょう

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごう基本きほん条約じょうやく」および「欧州統合おうしゅうとうごう」を参照さんしょう

準備じゅんび作業さぎょうとパリ条約じょうやく（1945年ねん - 1957年ねん）

詳細しょうさいは「1945年ねん以前いぜんの欧州統合おうしゅうとうごうの理念りねん」を参照さんしょう

第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん後ご、特とくに第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんでは、1944年ねんのブレトンウッズ体制たいせい、1945年ねんの国際こくさい連合れんごう、フランス連合れんごう（1946-1958）の設立せつりつにより、国際こくさい主義しゅぎが台頭たいとうし、後者こうしゃは植民しょくみん地ちを欧州おうしゅうコミュニティに統合とうごうする可能かのう性せいを持もって脱だつ植民しょくみん地ち化かを指導しどうした。このような観点かんてんから、欧州統合おうしゅうとうごうは既すでに戦争せんそう中ちゅうに大陸たいりくの一部いちぶを荒廃こうはいさせた極端きょくたんなナショナリズムに対たいする解毒げどく剤ざいと見みなされていた。

アルティエロ・スピネッリによる1941年ねんの「ヴェントテネ監獄かんごく宣言せんげん」は、イタリアのレジスタンスを通つうじ、また1943年ねん以降いこうはヨーロッパ連邦れんぽう主義しゅぎ運動うんどうを通つうじて、欧州統合おうしゅうとうごうを推進すいしんした。ウィンストン・チャーチルは1943年ねんに戦後せんごの「欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かい」を提唱ていしょうし 、1946年ねん9月がつ19日にちにはチューリッヒ大学だいがくで、偶然ぐうぜんにも欧州おうしゅう連邦れんぽう主義しゅぎ者しゃ連合れんごうのヘルテンシュタイン会議かいぎと並行へいこうして、「欧州おうしゅう合衆国がっしゅうこく」を提唱ていしょうした。戦せん間あいだ期きにヨーロッパ統合とうごうのための最古さいこの組織そしきである「汎ひろしヨーロッパ連合れんごう」を成功せいこうさせたリヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギーは、1947年ねん6月がつに「欧州おうしゅう議会ぎかい連合れんごう（EPU）」を設立せつりつした。

連合れんごう国こくは戦時せんじ中ちゅうの1943年ねんのモスクワ会議かいぎで、1944年ねんに欧州おうしゅう諮問しもん委員いいん会かいの設立せつりつを決定けっていし、1945年ねんの終戦しゅうせんとともに連合れんごう国こく統制とうせい会議かいぎが設立せつりつされた。1947年ねん3月がつ、フランスとイギリスはダンケルク条約じょうやくに調印ちょういんした。1948年ねん2月がつのチェコスロバキア共産党きょうさんとうによるクーデター直後ちょくご、ロンドン6か国こく会議かいぎが開催かいさいされ、ルール国際こくさい機構きこうが設立せつりつされ、ソ連それんは連合れんごう国こく統制とうせい会議かいぎから離脱りだつした。さらに1948年ねん3月がつにはブリュッセル条約じょうやくが締結ていけつされ、ウエスタンユニオン（WU）が設立せつりつされ、1954年ねんには西欧せいおう同盟どうめい（WEU）の設立せつりつのための条約じょうやくが拡大かくだいされた。さらに1948年ねん4月がつには、より広範こうはんな経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)も設立せつりつされた。

ハーグの騎士きしの館かんでの会議かいぎ（1948年ねん5月がつ9日にち）

欧州統合おうしゅうとうごうにおいて極きわめて重要じゅうような出来事できごとは、1948年ねん5月がつのハーグ会議かいぎであった。この会議かいぎによって、欧州おうしゅう運動うんどうインターナショナル、欧州おうしゅう大学だいがく、そして最もっとも重要じゅうような1949年ねん5月がつ5日にち（今日きょうの欧州おうしゅうの日ひ）の欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいの設立せつりつにつながったからである。欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいは、ヨーロッパの主権しゅけん国家こっかを結集けっしゅうした最初さいしょの機関きかんであり、その後ごの2年間ねんかん、さらなるヨーロッパ統合とうごうに向むけて大おおきな希望きぼうと熱狂ねっきょう的てきな議論ぎろんを巻まき起おこした。それ以来いらい、欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいは、協力きょうりょくと共有きょうゆうの問題もんだいをさらに進すすめるための幅広はばひろいフォーラムとなり、1950年ねんに署名しょめいされた欧州おうしゅう人権じんけん条約じょうやくのようなものを達成たっせいした。

EUの制度せいどが実際じっさいに誕生たんじょうするために不可欠ふかけつだったのは、1950年ねん5月がつ9日にちのシューマン宣言せんげん（第だい5回戦かいせん勝かち記念きねん日びの翌日よくじつ、今日きょうの欧州おうしゅうの日ひ）、そしてシューマンに従したがって6か国こく（フランス、西にしドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク）がパリ条約じょうやくを起草きそうし、1952年ねんまでにルールに関かんする国際こくさい自治じち権けんを設置せっちした連合れんごう国こくを基盤きばんとして、欧州おうしゅう石炭せきたん鉄鋼てっこう共同きょうどう体たい（ECSC）を発足ほっそくさせた決定けっていであった。1948年ねん以降いこう、アメリカから多額たがくの資金しきんが提供ていきょうされたマーシャル・プランに支ささえられ、ECSCは欧州おうしゅう経済けいざいの発展はってんと統合とうごうを可能かのうにする画期的かっきてきな組織そしきとなり、欧州おうしゅう委員いいん会かいや議会ぎかいといったEUの主要しゅよう機関きかんの原点げんてんとなった。EUの設立せつりつ者しゃたちは、石炭せきたんと鉄鋼てっこうが戦争せんそうに不可欠ふかけつな産業さんぎょうであることを理解りかいし、自国じこくの産業さんぎょうを結むすびつけることによって、将来しょうらい国家こっか間あいだの戦争せんそうが起おこる可能かのう性せいを低ひくくすることができると考かんがえていた。この共同きょうどう体たいには、トルーマン・ドクトリンのもと1949年ねんに設立せつりつされたNATOに西にしドイツが加盟かめいする代かわりに提案ていあんされた欧州おうしゅう防衛ぼうえい共同きょうどう体たいも含ふくまれることになっていた。

1954年ねん、NATOがWUから権限けんげんを引ひき継つぎ、西にしドイツが加盟かめいした後のち、西欧せいおう同盟どうめいが設立せつりつされた。1955年ねんにはソ連それんがワルシャワ条約じょうやくを結むすび、東欧とうおうでの地位ちいを強化きょうかすることになった。1955年ねんに開催かいさいされたメッシーナ会議かいぎでは、欧州統合おうしゅうとうごうの進展しんてんが評価ひょうかされ、1956年ねんにスパーク報告ほうこく書しょが出だされ、欧州統合おうしゅうとうごうの次つぎの重要じゅうようなステップが提言ていげんされた。

ローマ条約じょうやく（1957年ねん - 1992年ねん）

詳細しょうさいは「ローマ条約じょうやく」を参照さんしょう

EUの加盟かめい国こく（1993年ねん以前いぜんの欧州共同体おうしゅうきょうどうたい）の領域りょういきを加盟かめい順じゅんに色付いろづけしたもの

1957年ねん、フランス、西にしドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクはローマ条約じょうやくに調印ちょういんし、欧州おうしゅう経済けいざい共同きょうどう体たい（EEC）を創設そうせつし、関税かんぜい同盟どうめいを確立かくりつした。また、原子力げんしりょく開発かいはつに協力きょうりょくするため、欧州おうしゅう原子力げんしりょく共同きょうどう体たい（Euratom）を創設そうせつする条約じょうやくにも調印ちょういんした。両りょう条約じょうやくは1958年ねんに発効はっこうした。

EECとEuratomはECSCとは別べつに設立せつりつされ、同おなじ裁判所さいばんしょと共通きょうつう議会ぎかいを共有きょうゆうした。EECのトップはヴァルター・ハルシュタイン（ハルシュタイン委員いいん会かい）、Euratomのトップはルイ・アルマン（アルマン委員いいん会かい）、その後ごエティエンヌ・ヒルシュが務つとめた。EECが加盟かめい国こく間あいだの関税かんぜい同盟どうめいを発展はってんさせるのに対たいして、Euratomは原子力げんしりょくにおける分野ぶんや統合とうごうを行おこなうことになっていた 。

1960年代ねんだいには、フランスが超ちょう国家こっか的てきな力ちからを制限せいげんしようとする緊張きんちょうが見みえ始はじめた。しかし、1965年ねんに合意ごういに達たっし、1967年ねん7月がつ1日にち、統合とうごう条約じょうやくにより、3つの共同きょうどう体たいのための単一たんいつの制度せいどが創設そうせつされ、これらは総称そうしょうして「欧州共同体おうしゅうきょうどうたい」と呼よばれるようになった 。ジャン・レイは、最初さいしょの統合とうごう委員いいん会かいの委員いいん長ちょうを務つとめた。

1973年ねん、共同きょうどう体たいはイギリス、デンマーク（グリーンランドを含ふくむ）、アイルランドに拡大かくだいされた（グリーンランドは漁業ぎょぎょう権けんをめぐって1985年ねんに共同きょうどう体たいから離脱りだつ）。同時どうじにノルウェーも加盟かめいを交渉こうしょうしていたが、ノルウェーの有権者ゆうけんしゃは国民こくみん投票とうひょうで加盟かめいを拒否きょひした。1979年ねんには、初はつの欧州おうしゅう議会ぎかい直接ちょくせつ選挙せんきょが実施じっしされた。

1981年ねんにギリシャが、1986年ねんにポルトガルとスペインが加盟かめいした。1985年ねん、シェンゲン協定きょうていにより、ほとんどの加盟かめい国こくと一部いちぶの非ひ加盟かめい国こくの間あいだで、旅券りょけん規制きせいのない開ひらかれた国境こっきょうが実現じつげんした。1986年ねん、EECは欧州おうしゅう旗はたの使用しようを開始かいしし、単一たんいつ欧州おうしゅう議定ぎてい書しょが調印ちょういんされた。

1990年ねん、東側ひがしがわ諸国しょこくの崩壊ほうかい後ご、旧きゅう東ひがしドイツは再さい統一とういつされたドイツの一部いちぶとして共同きょうどう体たいの一員いちいんとなった。

マーストリヒト条約じょうやく（1992年ねん - 2007年ねん）

詳細しょうさいは「マーストリヒト条約じょうやく」を参照さんしょう

マーストリヒト条約じょうやく。国家こっか元首げんしゅを代表だいひょうする閣僚かくりょうの署名しょめいが入はいっている。

1993年ねん11月1日にち、ホルスト・ケーラー、ヘルムート・コール、フランソワ・ミッテランが中心ちゅうしんとなって策定さくていしたマーストリヒト条約じょうやくが発効はっこうし、欧州おうしゅう連合れんごうが正式せいしきに設立せつりつされた 。この条約じょうやくにより、それまでEECと呼よばれていたものが、欧州共同体おうしゅうきょうどうたい（European Community）と呼よばれるようになった。1993年ねん6月がつには、旧きゅう共産きょうさん圏けんの中なか・東欧とうおう諸国しょこくやキプロスとマルタを含ふくむさらなる拡大かくだいが計画けいかくされ、EU加盟かめい候補こうほ国こくに対たいするコペンハーゲン基準きじゅんが合意ごういされた。EUの拡大かくだいは、新あらたなレベルの複雑ふくざつさと不和ふわをもたらした。1995年ねん、フィンランド、スウェーデン、オーストリアがEUに加盟かめいした。

2002年ねんには、加盟かめい国こくのうち12か国こくでユーロ紙幣しへいと硬貨こうかが自国じこく通貨つうかに取とって代かわった。それ以来いらい、ユーロ圏けんは20か国こくを含ふくむまでに拡大かくだいした。ユーロは世界せかい第だい2位いの基軸きじく通貨つうかとなった。2004年ねんには、キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニアが加盟かめいし、EUはこれまでで最大さいだいの規模きぼに拡大かくだいした。

リスボン条約じょうやく（2007年ねん - 現在げんざい）

詳細しょうさいは「リスボン条約じょうやく」を参照さんしょう

ポルトガル、リスボンのジェロニモス修道院しゅうどういんで調印ちょういん

2007年ねん、ルーマニアとブルガリアがEUに加盟かめいした。その後ご、同年どうねんスロベニアが、2008年ねんにキプロスとマルタ、2009年ねんにスロバキア、2011年ねんにエストニア、2014年ねんにラトビア、2015年ねんにリトアニアがユーロを導入どうにゅうした。

2009年ねん12月1日にち、リスボン条約じょうやくが発効はっこうし、EUの多おおくの側面そくめんが改革かいかくされた。特とくに、EUの法的ほうてき構造こうぞうを変更へんこうし、EUの3本ほん柱ばしら体制たいせいを法人ほうじん格かくを備そなえた単一たんいつの法人ほうじんに統合とうごうし、大統領だいとうりょう（初代しょだいはヘルマン・ファン・ロンパウ）を創設そうせつし、外務がいむ・安保あんぽ政策せいさく上級じょうきゅう代表だいひょうの地位ちいを強化きょうかした。

2012年ねん、EUは 「欧州おうしゅうにおける平和へいわと和解わかい、民主みんしゅ主義しゅぎ、人権じんけんの進展しんてんに貢献こうけんした」としてノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうした 。2013年ねん、クロアチアは28番目ばんめのEU加盟かめい国こくとなった。

2010年代ねんだいに入はいってからは、ユーロ圏けんの一部いちぶの国々くにぐににおける債務さいむ危機きき、アフリカやアジアからの移民いみんの増加ぞうか、イギリスのEU離脱りだつなど、いくつかの問題もんだいによってEUの結束けっそく力りょくが試ためされている。イギリスでは2016年ねんにEU加盟かめいに関かんする国民こくみん投票とうひょうが行おこなわれ、参加さんか者しゃの51.9%が離脱りだつに投票とうひょうした。イギリスは2017年ねん3月がつ29日にちに離脱りだつの決定けっていを欧州おうしゅう理事りじ会かいに正式せいしきに通知つうちし、EU離脱りだつのための正式せいしきな離脱りだつ手続てつづきを開始かいしした。手続てつづきの延長えんちょうを経へて、イギリスは2020年ねん1月がつ31日にちにEUを離脱りだつしたが、2020年ねん12月31日にち23時じ（GMT）まで続つづく移行いこう期間きかん中ちゅうはEU法ほうのほとんどの分野ぶんやがイギリスに継続けいぞくして適用てきようされることとなった。

加盟かめい国こく

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごう加盟かめい国こく」および「欧州おうしゅう連合れんごう加盟かめい国こくの特別とくべつ領域りょういき」を参照さんしょう

欧州おうしゅう連合れんごう加盟かめい国こくの地図ちず（クリック可能かのう）

欧州おうしゅう連合れんごうはフランス、西にしドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの6か国こくから始はじまり、その後ご、拡大かくだいされ、現在げんざいでは27か国こくが加盟かめいしている。各国かっこくは、設立せつりつ条約じょうやくに加盟かめいすることでEUに加盟かめいし、EU加盟かめい国こくとしての特権とっけんと義務ぎむを負おう。加盟かめいするためには、加盟かめい国こくの主権しゅけんをEUの機関きかんに一部いちぶ委譲いじょうし、その代かわりにEUの機関きかん内ないに代表だいひょうを置おくという、いわゆる「主権しゅけんの共有きょうゆう」が必要ひつようとされる 。ヨーロッパ人じんの 65%が、欧州おうしゅう連合れんごうに加盟かめいすることは良よいことだと考かんがえている。

EUに加盟かめいするためには、1993年ねんにコペンハーゲンで開催かいさいされた欧州おうしゅう理事りじ会かいで定さだめられた「コペンハーゲン基準きじゅん」を満みたす必要ひつようがある。この基準きじゅんでは、人権じんけんと法ほうの支配しはいを尊重そんちょうする安定あんていした民主みんしゅ主義しゅぎ(例れい:死刑しけい制度せいどの廃止はいし)、機能きのうする市場いちば経済けいざい、EU法ほうを含ふくむ加盟かめい国こくとしての義務ぎむの受諾じゅだくが要求ようきゅうされている。評価ひょうかは欧州おうしゅう理事りじ会かいが行おこなう。リスボン条約じょうやく第だい50条じょうは、加盟かめい国こくがEUから離脱りだつするための根拠こんきょとなるものである。これまでに2つの地域ちいきが離脱りだつしている。デンマークの自治じち州しゅうであるグリーンランドは1985年ねんに脱退だったい、イギリスは2017年ねんにEUに関かんする連結れんけつ条約じょうやく第だい50条じょうを正式せいしきに発動はつどうし、2020年ねんにはEUを離脱りだつした唯一ゆいいつの主権しゅけん国家こっかとなった。

加盟かめい候補こうほ国こくとして認みとめられているのはアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、モルドバ、モンテネグロ、北きたマケドニア、セルビア、トルコ、ウクライナの9か国こくである。アイスランド、スイス、ノルウェーは過去かこに加盟かめい申請しんせい書しょを提出ていしゅつしたが、その後ご凍結とうけつまたは取とり下さげたことがある。さらに、コソボが潜在せんざい的てき加盟かめい候補こうほ国こくとして認識にんしきされており、加盟かめい申請しんせい書しょを提出ていしゅつしている。

2022年ねん、ロシアがウクライナに侵攻しんこうしたことを受うけ、ウクライナは2022年ねん2月がつに正式せいしきにEU加盟かめい申請しんせい書しょを提出ていしゅつした 。ウクライナ大統領だいとうりょうのウォロディミル・ゼレンスキーは、ウクライナの即時そくじ加盟かめいを要請ようせいした。ジョージアとモルドバも2022年ねん3月がつ上旬じょうじゅんにEUへの加盟かめいを申請しんせいした 。2022年ねん6月がつ23日にち、ウクライナとモルドバは加盟かめい候補こうほ国こくとなった。。2023年ねん12月14日にち、EU首脳しゅのう会議かいぎはウクライナとモルドバの加盟かめい交渉こうしょうを正式せいしきに開始かいしすることを決定けっていした。また、ジョージアが正式せいしきな加盟かめい候補こうほ国こくとなった。

欧州おうしゅう自由じゆう貿易ぼうえき連合れんごう（EFTA）を形成けいせいする4か国こくは、EU加盟かめい国こくではないが、EUの経済けいざいと規制きせいに一部いちぶコミットしている。アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーは欧州おうしゅう経済けいざい領域りょういきを通つうじて単一たんいつ市場いちばの一員いちいんであり、スイスは二に国こく間あいだ条約じょうやくを通つうじて同様どうようの関係かんけいを持もっている 。欧州おうしゅうの小国しょうこくであるアンドラ、モナコ、サンマリノ、バチカン市し国こくは、ユーロの使用しようなどの協力きょうりょく関係かんけいを結むすんでいる。

加盟かめい国こく一覧いちらん

国くに	首都しゅと	加盟かめい日び	人口じんこう(2024)	面積めんせき	人口じんこう密度みつど	欧州おうしゅう議員ぎいん数かず
オーストリア	ウィーン	1995年ねん1月がつ1日にち	8,977,139	83,855 km 2	106 / km 2	19
ベルギー	ブリュッセル	創設そうせつ国こく	11,715,774	30,528 km 2	376 / km 2	21
ブルガリア	ソフィア	2007年ねん1月がつ1日にち	6,618,615	110,994 km 2	63 / km 2	17
クロアチア	ザグレブ	2013年ねん7月がつ1日にち	3,986,626	56,594 km 2	72 / km 2	12
キプロス	ニコシア	2004年ねん5月がつ1日にち	1,268,467	9,251 km 2	95 / km 2	6
チェコ	プラハ	2004年ねん5月がつ1日にち	10,503,733	78,866 km 2	135 / km 2	21
デンマーク	コペンハーゲン	1973年ねん1月がつ1日にち	5,939,695	43,075 km 2	135 / km 2	14
エストニア	タリン	2004年ねん5月がつ1日にち	1,319,041	45,227 km 2	29 / km 2	7
フィンランド	ヘルシンキ	1995年ねん1月がつ1日にち	5,549,885	338,424 km 2	16 / km 2	14
フランス	パリ	創設そうせつ国こく	64,881,830	640,679 km 2	105 / km 2	79
ドイツ	ベルリン	創設そうせつ国こく	83,252,474	357,021 km 2	233 / km 2	96
ギリシャ	アテネ	1981年ねん1月がつ1日にち	10,302,720	131,990 km 2	81 / km 2	21
ハンガリー	ブダペスト	2004年ねん5月がつ1日にち	9,994,992	93,030 km 2	105 / km 2	21
アイルランド	ダブリン	1973年ねん1月がつ1日にち	5,089,478	70,273 km 2	70 / km 2	13
イタリア	ローマ	創設そうせつ国こく	58,697,744	301,338 km 2	200 / km 2	76
ラトビア	リガ	2004年ねん5月がつ1日にち	1,810,240	64,589 km 2	30 / km 2	8
リトアニア	ビリニュス	2004年ねん5月がつ1日にち	2,692,798	65,200 km 2	43 / km 2	11
ルクセンブルク	ルクセンブルク市し	創設そうせつ国こく	661,594	2,586 km 2	237 / km 2	6
マルタ	バレッタ	2004年ねん5月がつ1日にち	536,740	316 km 2	1,562 / km 2	6
オランダ	アムステルダム	創設そうせつ国こく	17,671,125	41,543 km 2	416 / km 2	29
ポーランド	ワルシャワ	2004年ねん5月がつ1日にち	40,221,725	312,685 km 2	121 / km 2	52
ポルトガル	リスボン	1986年ねん1月がつ1日にち	10,223,348	92,390 km 2	111 / km 2	21
ルーマニア	ブカレスト	2007年ねん1月がつ1日にち	19,618,995	238,391 km 2	81 / km 2	33
スロバキア	ブラチスラバ	2004年ねん5月がつ1日にち	5,702,832	49,035 km 2	111 / km 2	14
スロベニア	リュブリャナ	2004年ねん5月がつ1日にち	2,118,964	20,273 km 2	103 / km 2	8
スペイン	マドリード	1986年ねん1月がつ1日にち	47,473,373	504,030 km 2	93 / km 2	59
スウェーデン	ストックホルム	1995年ねん1月がつ1日にち	10,673,669	449,964 km 2	23 / km 2	21
合計ごうけい27			526000000	4,233,262 km 2	106 / km 2	705

政治せいじ

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごうの政治せいじ」、「EU法ほう」、および「欧州おうしゅう連合れんごうの機構きこう」を参照さんしょう

欧州おうしゅう連合れんごう理事りじ会かいの会議かいぎ場じょう
ブリュッセルのユストゥス・リプシウス・ビル内うちにある

EUの最高さいこう意思いし決定けってい機関きかんは全ぜん加盟かめい国こくの政府せいふの長ながと欧州おうしゅう委員いいん会かい委員いいん長ちょうおよび大統領だいとうりょうにも相当そうとうするとされる常任じょうにん議長ぎちょうによる欧州おうしゅう理事りじ会かいである。欧州おうしゅう理事りじ会かいは、1年ねんに最低さいてい4回かいの公式こうしき会合かいごうと、不定期ふていきの非公式ひこうしき会合かいごうを開ひらき、そこでEUの方針ほうしんや政策せいさくの大局たいきょくを決定けっていする。また、常任じょうにん議長ぎちょうは、欧州おうしゅう委員いいん会かい委員いいん長ちょうとともに、対外たいがい的てきにEUを代表だいひょうする。一方いっぽうで個別こべつ・具体ぐたい的てきな政策せいさくの詳細しょうさいを定さだめるのは加盟かめい国こくの閣僚かくりょうから成なるEU理事りじ会かい（閣僚かくりょう理事りじ会かい、あるいは単たんに理事りじ会かいとも呼よばれる）である。 EU理事りじ会かいは各かく分野ぶんやの政策せいさくごとに分わかれておりそれぞれの担当たんとう閣僚かくりょうが出席しゅっせきしている。

ストラスブールのルイーズ・ワイス・ビルにある欧州おうしゅう議会ぎかいの本ほん会議かいぎ場じょう

2014年ねん竣工しゅんこうの欧州おうしゅう中央ちゅうおう銀行ぎんこう新しん本店ほんてん（フランクフルト）

EU理事りじ会かいでまとめられた政策せいさく案あんは欧州おうしゅう議会ぎかいに諮はかられる。欧州おうしゅう議会ぎかいは5年ねんに1度どのEU市民しみんによる直接ちょくせつ選挙せんきょ（普通ふつう選挙せんきょ）で選出せんしゅつされる750名めいの議員ぎいんで構成こうせいされている。2009年ねん発効はっこうのリスボン条約じょうやくにより欧州おうしゅう議会ぎかいが行おこなう共同きょうどう決定けってい手続てつづきが適用てきようされる範囲はんいが広ひろがり、一部いちぶの例外れいがいを除のぞくほぼすべての政策せいさく分野ぶんやで適用てきようされることになる。ただし、一部いちぶ分野ぶんやでは諮問しもん手続てつづきが適用てきようされる。また、欧州おうしゅう議会ぎかいは非ひ義務ぎむ的てき支出ししゅつだけでなくEUの予算よさん全般ぜんぱんにわたっての権限けんげんも新あらたに得えることになる。

また一部いちぶの分野ぶんやの政策せいさく決定けってい手続てつづきにおいては、地方ちほう政府せいふの代表だいひょうらからなる地域ちいき委員いいん会かいや様々さまざまな企業きぎょう団体だんたいや労働ろうどう組織そしきの代表だいひょうらからなる経済けいざい社会しゃかい評議ひょうぎ会かいの関与かんよが求もとめられている。

EUの政策せいさく執行しっこうを担当たんとうするのは欧州おうしゅう委員いいん会かいである。欧州おうしゅう委員いいん会かいは加盟かめい国こくからそれぞれ1人にんずつ出だされる委員いいんで構成こうせいされ、政策せいさく分野ぶんやごとの担当たんとうが与あたえられている。また委員いいん長ちょうは欧州おうしゅう理事りじ会かいに出席しゅっせきするほか、対外たいがい的てきにEUを代表だいひょうするという場面ばめんがあり、たとえば主要しゅよう国こく首脳しゅのう会議かいぎにおいてもオブザーバとして出席しゅっせきする。欧州おうしゅう委員いいん会かいは政策せいさく分野ぶんやごとに総局そうきょくと呼よばれる、国内こくない政府せいふの省庁しょうちょうに相当そうとうする組織そしきを持もつ。

欧州おうしゅう司法しほう裁判所さいばんしょは基本きほん条約じょうやくやEU法ほうの解釈かいしゃく・適用てきようを判断はんだんする機関きかんである。欧州おうしゅう司法しほう裁判所さいばんしょは加盟かめい国こく政府せいふによる基本きほん条約じょうやくやEU法ほうによる義務ぎむ不履行ふりこうに対たいする制裁せいさい措置そちを決定けっていしたり、また第だい一いち審しん裁判所さいばんしょでの控訴こうそ審しんを担になったりしている。第だい一いち審しん裁判所さいばんしょは主おもに個人こじんや企業きぎょうなどが欧州おうしゅう連合れんごうの諸しょ機関きかんの行為こういに対たいする不服ふふくの訴うったえを扱あつかっている。このほかにもEUの諸しょ機関きかんとその職員しょくいんとのあいだでの紛争ふんそうを扱あつかうEU公務員こうむいん裁判所さいばんしょがあったが2016年ねんに閉鎖へいさされた。

欧州おうしゅう会計かいけい監査かんさ院いんはEUの諸しょ機関きかんの業務ぎょうむや予算よさんの執行しっこうが適切てきせつであるかを監査かんさする役割やくわりを担になっている。

リスボン条約じょうやくにより、EUの3本ほん柱ばしら構造こうぞうは廃止はいしされた。これにより、共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくも廃止はいしされている。リスボン条約じょうやく下かでは、共通きょうつう外交がいこう・安保あんぽ政策せいさく上級じょうきゅう代表だいひょう職しょくと欧州おうしゅう委員いいん会かいの対外たいがい関係かんけい・欧州おうしゅう近隣きんりん政策せいさく担当たんとう委員いいん職しょくが統合とうごうされた、EU外務がいむ・安保あんぽ政策せいさく上級じょうきゅう代表だいひょうが新設しんせつされ、欧州おうしゅう対外たいがい行動こうどう局きょくを率ひきいることになっている。

これまで述のべてきた以外いがいにも専門せんもん機関きかんが設置せっちされており、EUの基本きほん条約じょうやくの目的もくてき達成たっせいのために機能きのうしている。

経済けいざい

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごうの経済けいざい」および「次世代じせだいの欧州おうしゅう連合れんごう」を参照さんしょう

ドイツ・チェコ国境こっきょう（バート・エルスター）
国境こっきょう検査けんさ所しょは廃止はいしされている。

EUは、政治せいじ的てき主体しゅたいとしてWTO（世界せかい貿易ぼうえき機関きかん）に加盟かめいしている。EU加盟かめい国こくは、アメリカ（105兆ちょうドル）に次ついで世界せかい第だい2位いの純資産じゅんしさんを保有ほゆうしていると推定すいていされ、これは世界せかいの富とみ36兆ちょうドル（約やく300兆ちょうユーロ）の約やく20%（約やく60兆ちょうユーロ）に相当そうとうする。

20の加盟かめい国こくが、ユーロを単一たんいつ通貨つうかとするユーロ圏けんとして知しられる通貨つうか統合とうごうに参加さんかしている。この通貨つうか同盟どうめいは3億おく4200万まん人にんのEU市民しみんを代表だいひょうしている。ユーロは米あめりかドルに次ついで世界せかい第だい2位いの準備じゅんび通貨つうかであり、世界せかい第だい2位いの貿易ぼうえき通貨つうかでもある 。

2010年ねんの売上うりあげ高だかによる世界せかいの大だい企業きぎょう上位じょうい500社しゃのうち、161社しゃがEUに本社ほんしゃを構かまえている。2016年ねん、EUの失業しつぎょう率りつは8.9%、インフレ率りつは2.2%、財政ざいせい収支しゅうしはGDP比ひ-0.9%であった。EUにおける2015年ねんの平均へいきん年間ねんかん純じゅん所得しょとくは約やく24,000ユーロ（30,000ドル）であった。

EUの個々ここの国家こっか内ないでは、一人ひとり当あたりの名目めいもくGDPに大おおきなばらつきがある。最もっとも豊ゆたかな地域ちいきと最もっとも貧まずしい地域ちいき（地域ちいき統計とうけい分類ぶんるい単位たんいの281 NUTS-2地域ちいき）の差さは、2017年ねんには、EU28か国こく平均へいきん（3万まんユーロ）の31%（ブルガリアのセベロザパデン）から253%（ルクセンブルグ）、すなわち4,600ユーロから92,600ユーロまでであった。

域内いきない市場いちば

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう単一たんいつ市場いちば」、「tデジタル単一たんいつ市場いちば」、および「欧州おうしゅう消費しょうひ者しゃ法ほう」を参照さんしょう

欧州おうしゅう経済けいざい共同きょうどう体たいの当初とうしょの中核ちゅうかく的てきな目的もくてきは、共通きょうつう市場いちばの発展はってん（後のちに単一たんいつ市場いちばとなる）と加盟かめい国こく間あいだの関税かんぜい同盟どうめいの2つであった。単一たんいつ市場いちばとはEU域内いきないの財ざい、資本しほん、人ひと、サービスの自由じゆうな流通りゅうつうを意味いみし、関税かんぜい同盟どうめいとは市場いちばに入はいるすべての物品ぶっぴんに共通きょうつうの対外たいがい関税かんぜいを適用てきようすることである。いったん市場いちばに投入とうにゅうした物品ぶっぴんは、内部ないぶを移動いどうするため、関税かんぜい、差別さべつ的てきな税ぜい、輸入ゆにゅう割当わりあてを受うけることはできない。EU非ひ加盟かめい国こくのアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタイン、スイスは単一たんいつ市場いちばには参加さんかしているが、関税かんぜい同盟どうめいには加盟かめいしていない。EU域内いきないの貿易ぼうえきの半分はんぶんは、EUによって調整ちょうせいされた法律ほうりつでカバーされている。

資本しほんの自由じゆうな移動いどうは、国家こっか間あいだの不動産ふどうさん購入こうにゅうや株式かぶしき購入こうにゅうなどの投資とうしの移動いどうを許可きょかすることを目的もくてきとしている。経済けいざい通貨つうか同盟どうめいを推進すいしんするまでは、資本しほん条項じょうこうの整備せいびは遅おくれていた。マーストリヒト条約じょうやく批准ひじゅん以後いご、当初とうしょは軽視けいしされていたこの自由じゆうに関かんして、ECJの判例はんれいが急速きゅうそくに発展はってんしている。資本しほんの自由じゆうな移動いどうは、非ひ加盟かめい国こくにも等ひとしく認みとめられているという点てんで独特どくとくである。

人ひとの移動いどうの自由じゆうとは、EU市民しみんが加盟かめい国こく間あいだで自由じゆうに移動いどうし、他国たこくに居住きょじゅう、就労しゅうろう、就学しゅうがく、引退いんたいできることを意味いみする。そのためには、行政ぎょうせい手続てつづきの軽減けいげんや他国たこくの職業しょくぎょう資格しかくの承認しょうにんが必要ひつようであった。

サービスおよび事業じぎょう所しょの自由じゆうな移動いどうは、自営業じえいぎょう者しゃが一時いちじ的てきまたは恒久こうきゅう的てきにサービスを提供ていきょうするために加盟かめい国こく間あいだを移動いどうすることを可能かのうにする。サービス業ぎょうはGDPの60%から70%を占しめるが、この分野ぶんやの法律ほうりつは他たの分野ぶんやほど発達はったつしていない。この欠点けってんは、国境こっきょうを越こえたサービスの提供ていきょうを自由じゆう化かすることを目的もくてきとした「域内いきない市場いちばにおけるサービス指令しれい2006」によって解決かいけつされている。この条約じょうやくによると、サービスの提供ていきょうは他たの自由じゆうが行使こうしされていない場合ばあいにのみ適用てきようされる残のこされた自由じゆうである。

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  EEAのナショナルIDカード（写真しゃしんはドイツ語どいつご版ばん）
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  欧州おうしゅう運転うんてん免許めんきょ証しょう（写真しゃしんはクロアチア版ばん）
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  欧州おうしゅう健康けんこう保険ほけん証しょう（EHIC）（写真しゃしんはオーストリア版ばん）
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  EUパスポートには、加盟かめい国名こくめい、国くに章あきら、公用こうよう語ごで書かかれた「欧州おうしゅう連合れんごう」の文字もじが表示ひょうじされている(写真しゃしんはアイルランド版ばん）
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  欧州おうしゅうの自動車じどうしゃ登録とうろくプレートは左側ひだりがわに欧州おうしゅう旗はたのマークが入はいった青あおい帯おびと、その自動車じどうしゃが登録とうろくされている加盟かめい国こくの国くに番号ばんごうで構成こうせいされている(写真しゃしんはスロバキア版ばん）

通貨つうか統合とうごうと金融きんゆうサービス

詳細しょうさいは「ユーロ圏けん」、「欧州おうしゅう連合れんごうの経済けいざい通貨つうか統合とうごう」、「欧州おうしゅう銀行ぎんこう同盟どうめい」、「Euro Stoxx 50」、および「ユーロ債さい」を参照さんしょう

左ひだり：フランクフルトのオステンドにある欧州おうしゅう中央ちゅうおう銀行ぎんこうの本部ほんぶ。右みぎ：EU加盟かめい27か国こくのうち19か国こくがユーロを法定ほうてい通貨つうかとして採用さいようしている。ユーロ圏けん（紺色こんいろ）は3億おく4,000万まん人にんの人口じんこうを持もつ。

欧州おうしゅう単一たんいつ通貨つうかの創設そうせつは、1969年ねんにEEC（欧州おうしゅう経済けいざい共同きょうどう体たい）の公式こうしき目的もくてきとなった。1992年ねん、通貨つうか統合とうごうの仕組しくみと手続てつづきについて交渉こうしょうした後のち、参加さんか国こくはマーストリヒト条約じょうやくに署名しょめいし、通貨つうか統合とうごうに参加さんかする場合ばあいは、収斂しゅうれん基準きじゅんを含ふくむ合意ごういされたルールを履行りこうすることが法的ほうてきに義務ぎむづけられた。参加さんかを希望きぼうする国くには、まず欧州おうしゅう為替かわせ相場そうばメカニズムに参加さんかしなければならなかった。

1999年ねん、通貨つうか統合とうごうはまず11か国こくの参加さんかにより会計かいけい通貨つうかとしてスタートした。2002年ねんには、ユーロ紙幣しへいと硬貨こうかが発行はっこうされ、12か国こくで構成こうせいされるユーロ圏けんで各国かっこく通貨つうかが段階だんかい的てきに廃止はいしされ、通貨つうか統合とうごうが完全かんぜんに実施じっしされた。その後ご、ユーロ圏けん（ユーロを導入どうにゅうしているEU加盟かめい国こくで構成こうせい）は20か国こくに拡大かくだいした。

ユーロは2002年ねんに導入どうにゅうされ、12か国こくの通貨つうかに取とって代かわった。それ以来いらい、8か国こくが参加さんかしている。

ユーロと、EUと合意ごういしてユーロを採用さいようした国々くにぐにの金融きんゆう政策せいさくは、ECBの管理かんり下かにある。ECBはユーロ圏けんの中央ちゅうおう銀行ぎんこうであり、物価ぶっかの安定あんていを図はかることを目的もくてきに、ユーロ圏けんの金融きんゆう政策せいさくをコントロールしている。ECBは、欧州おうしゅう理事りじ会かいが任命にんめいするECB総裁そうさい、ECB副ふく総裁そうさい、EU加盟かめい国こく27か国こくの中央ちゅうおう銀行ぎんこう総裁そうさいから成なる理事りじ会かいによって統括とうかつされ、EU加盟かめい国こく全すべての中央ちゅうおう銀行ぎんこうからなる欧州おうしゅう中央ちゅうおう銀行ぎんこう制度せいどの中心ちゅうしん的てき存在そんざいとなっている。

欧州おうしゅう金融きんゆう監督かんとくシステムは、欧州おうしゅう銀行ぎんこう監督かんとく局きょく、欧州おうしゅう保険ほけん・企業きぎょう年金ねんきん監督かんとく局きょく、欧州おうしゅう証券しょうけん市場いちば監督かんとくの3の当局とうきょくから成なるEUの金融きんゆう監督かんとくの枠組わくぐみを構成こうせいする制度せいど設計せっけいである。この枠組わくぐみを補完ほかんするために、中央ちゅうおう銀行ぎんこうの責任せきにんのもと、欧州おうしゅうシステミックリスク理事りじ会かいも存在そんざいする。この金融きんゆう管理かんりシステムの目的もくてきは、EUの経済けいざい的てき安定あんていを確保かくほすることである。

参加さんか国こくが通貨つうか統合とうごう後ごに財政ざいせい問題もんだいや危機ききに陥おちいることを防ふせぐため、マーストリヒト条約じょうやくにおいて、特とくに予算よさん規律きりつと持続じぞく可能かのうな高度こうどな経済けいざい収斂しゅうれんを示しめすとともに、過度かどの政府せいふ赤字あかじを避さけ、政府せいふ債務さいむを持続じぞく可能かのうな水準すいじゅんに抑おさえるという重要じゅうような財政ざいせい義務ぎむや手続てつづきの履行りこうが義務ぎむづけられている。

産業さんぎょうとデジタル経済けいざい

欧州おうしゅう委員いいん会かいの活動かつどう分野ぶんやは、航空こうくう、自動車じどうしゃ、バイオテクノロジー、化学かがく、建設けんせつ、化粧けしょう品ひん、防衛ぼうえい、電子でんし、銃器じゅうき、食品しょくひん・飲料いんりょう、ギャンブル、医療いりょう、海事かいじ、機械きかい、郵便ゆうびん、原材料げんざいりょう、宇宙うちゅう、繊維せんい、観光かんこう、玩具おもちゃ、社会しゃかい経済けいざい（Societas cooperativa Europaea）となっている。

エネルギー

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごうのエネルギー政策せいさく」を参照さんしょう

消費しょうひエネルギー（2012年ねん）

  原油げんゆ、輸入ゆにゅう (33%)

  原油げんゆ、国産こくさん (6%)

  天然てんねんガス、輸入ゆにゅう (14%)

  天然てんねんガス、国産こくさん (9%)

  原子力げんしりょく、国産こくさん (13%)

  石炭せきたん・褐炭かったん、国産こくさん (10%)

  再生さいせい可能かのう、国産こくさん (7%)

  その他た、輸入ゆにゅう (7%)

  その他た、国産こくさん (1%)

2006年ねん、EU27か国こくの内陸ないりく部ぶにおける総そうエネルギー消費しょうひ量りょうは、石油せきゆ換算かんさんで18億おく2,500万まんtであった。消費しょうひされたエネルギーの約やく46%は加盟かめい国内こくないで生産せいさんされ、54%は輸入ゆにゅうされた。この統計とうけいでは、原子力げんしりょくはウランの出所しゅっしょに関係かんけいなく、EU域内いきないで生産せいさんされた一いち次じエネルギーとして扱あつかわれているが、EU域内いきないで生産せいさんされるのは3%未満みまんである。

EUはそのほとんどの期間きかん、エネルギー政策せいさくの分野ぶんやで立法りっぽう権けんを持もち続つづけている。これは、もともとの欧州おうしゅう石炭せきたん鉄鋼てっこう共同きょうどう体たいにルーツがある。2005年ねん10月がつの欧州おうしゅう理事りじ会かいでは、義務ぎむ的てきかつ包括ほうかつ的てきな欧州おうしゅうエネルギー政策せいさくの導入どうにゅうが承認しょうにんされ、2007年ねん1月がつに最初さいしょの政策せいさく案あんが発表はっぴょうされた。

2020年ねん、再生さいせい可能かのうエネルギーは、EUの主要しゅような電力でんりょく源げんとして初はじめて化石かせき燃料ねんりょうを追おい抜ぬいた

EUのエネルギー政策せいさくのポイントは、域内いきない市場いちばにおける競争きょうそうの激化げきか、投資とうしの促進そくしん、電力でんりょく網もうの相互そうご接続せつぞくの促進そくしん、危機ききへの対応たいおう体制たいせいの充実じゅうじつによるエネルギー資源しげんの多様たよう化か、ロシアとのエネルギー協力きょうりょくのための新あたらしい条約じょうやくの枠組わくぐみの確立かくりつと中央ちゅうおうアジアや北きたアフリカのエネルギー資源しげん国こくとの関係かんけい改善かいぜん、既存きそんのエネルギー供給きょうきゅうをより効率こうりつ的てきに利用りようしながら再生さいせい可能かのうエネルギーの商業しょうぎょう化かを促進そくしん、最後さいごに新しんエネルギー技術ぎじゅつに対たいする資金しきん援助えんじょの強化きょうかの5点てんである。

2007年ねん、EU諸国しょこくは全体ぜんたいとして、石油せきゆの82%、天然てんねんガスの57%、ウラン需要じゅようの97.48%を輸入ゆにゅうしている。EUへの天然てんねんガスの三さん大だい供給きょうきゅう国こくは、ロシア、ノルウェー、アルジェリアで、2019年ねんの輸入ゆにゅう量りょうの約やく3⁄4を占しめている。ロシアのエネルギー依存いぞん度どが高たかく、EUはこれを減へらそうとしてきた。しかし、2022年ねん5月がつ、EUがウクライナ侵攻しんこうをめぐり、ロシアに対たいする別べつの制裁せいさいを準備じゅんびしていることが報ほうじられた。ロシアの石油せきゆ、ロシアとベラルーシの銀行ぎんこう、そして個人こじん・企業きぎょうが対象たいしょうになるとみられている。ロイターの記事きじによると、2人ふたりの外交がいこう官かんが、EUは2022年ねん末まつまでにロシア産さん石油せきゆの輸入ゆにゅう禁止きんしを課かす可能かのう性せいがあると述のべたという。2022年ねん5月がつ、EU委員いいん会かいは「RePowerEU」構想こうそうを発表はっぴょうし、2030年ねんまでにEUの化石かせき燃料ねんりょうのロシア依存いぞんを解消かいしょうし、クリーンエネルギーへの移行いこうを加速かそくするための道筋みちすじを示しめした3000億おくユーロ規模きぼの計画けいかくを発表はっぴょうした。

インフラストラクチャー

詳細しょうさいは「EUにおける輸送ゆそう」を参照さんしょう

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう委員いいん会かい運輸うんゆ担当たんとう委員いいん」を参照さんしょう

デンマークとスウェーデンを結むすぶオーレスンド橋きょうは、欧州おうしゅう横断おうだんネットワーク（Trans-European Networks）の一部いちぶである

EUは、欧州おうしゅう横断おうだんネットワーク（Trans-European Networks：TEN）などを通つうじて、国境こっきょうを越こえたインフラの整備せいびに取とり組くんでいる。TENのプロジェクトには、英仏海峡えいふつかいきょうトンネル、LGV東ひがしヨーロッパ線せん、フレジュス鉄道てつどうトンネル、オーレスン橋きょう、ブレンナーベーストンネル、メッシーナ海峡かいきょう大橋おおはしが含ふくまれる。2010年ねんの推定すいていネットワークは、道路どうろ75,200km、鉄道てつどう78,000km、空港くうこう330か所しょ、港湾こうわん270か所しょ、内うち港こう210か所しょである 。

欧州おうしゅうの鉄道てつどう輸送ゆそうは、欧州おうしゅう鉄道てつどう交通こうつう管理かんりシステム（ERTMS）と同期どうきしている。これは、信号しんごう装置そうちをデジタル化かした主おもに無線むせん式しきのものに置おき換かえ、列車れっしゃ制御せいぎょ・指令しれいシステムの欧州おうしゅう統一とういつ規格きかくを策定さくていすることによって、欧州おうしゅうの鉄道てつどう輸送ゆそうの安全あんぜん性せいを大幅おおはばに高たかめ、列車れっしゃの効率こうりつを上あげ、国境こっきょうを越こえた相互そうご運用うんよう性せいを強化きょうかする構想こうそうである。

発展はってん途上とじょうの欧州おうしゅう交通こうつう政策せいさくは、交通こうつう網もうの拡大かくだいにより、多おおくの地域ちいきで環境かんきょうに対たいする圧力あつりょくを高たかめることになる。2004年ねん以前いぜんのEU加盟かめい国こくでは、交通こうつうにおける主要しゅような問題もんだいは混雑こんざつと公害こうがいに対処たいしょすることであった。近年きんねんの拡大かくだいにより、2004年ねん以降いこうに加盟かめいした新あたらしい国々くにぐには、交通こうつうのアジェンダにアクセシビリティの解決かいけつという問題もんだいを追加ついかした。ポーランドの道路どうろ網もうは、A4アウトストラーダなどへのアップグレードが行おこなわれた。

電気でんき通信つうしんと宇宙うちゅう

詳細しょうさいは「EUローミング規制きせい」、「欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん」、および「欧州おうしゅう連合れんごう宇宙うちゅう計画けいかく局きょく」を参照さんしょう

ドイツのダルムシュタットにあるESOCでの欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかんの宇宙うちゅう管制かんせいセンター

EU全域ぜんいき、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーでモバイル通信つうしんのローミング料金りょうきんが廃止はいしされた。

ガリレオ測位そくいシステムは、EUのインフラストラクチャー・プロジェクトである。ガリレオは、EUが建設けんせつし、欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん（ESA）が立たち上あげる予定よていの衛星えいせい測位そくいシステムである。ガリレオ計画けいかくは、アメリカが運営うんえいする全ぜん地球ちきゅう測位そくいシステムに対たいするEUの依存いぞん度どを下さげることも目的もくてきとして開始かいしされたが、GPSシステムの老朽ろうきゅう化かに伴ともない、より完全かんぜんなグローバルカバレッジと高たかい精度せいどを実現じつげんする目的もくてきもある。

農業のうぎょう・漁業ぎょぎょう

詳細しょうさいは「共通きょうつう農業のうぎょう政策せいさく」を参照さんしょう

ルーマニアのブドウ園えん。EUの農場のうじょうは、最大さいだいの予算よさん支出ししゅつである共通きょうつう農業のうぎょう政策せいさくによって支ささえられている。

共通きょうつう農業のうぎょう政策せいさく（CAP）は、欧州共同体おうしゅうきょうどうたいの長期ちょうき的てきな政策せいさくの一ひとつである。この政策せいさくは、農業のうぎょう生産せいさんの拡大かくだい、食料しょくりょう供給きょうきゅうの確実かくじつ性せい、農民のうみんの質しつの高たかい生活せいかつの確保かくほ、市場いちばの安定あんてい、消費しょうひ者しゃへの適正てきせい価格かかくの確保かくほを目的もくてきとしている。最近さいきんまで、補助ほじょ金きんと市場いちば介入かいにゅうのシステムによって運営うんえいされていた。1990年代ねんだいまで、この政策せいさくは欧州共同体おうしゅうきょうどうたいの年間ねんかん予算よさんの60%以上いじょうを占しめていたが、2013年ねんには約やく34%を占しめる。

この政策せいさくによる価格かかく統制とうせいと市場いちば介入かいにゅうは、かなりの過剰かじょう生産せいさんにつながった。これは、最低さいてい価格かかく水準すいじゅんを維持いじするために共同きょうどう体たいが買かい集あつめた製品せいひんの介入かいにゅう備蓄びちく品ひんである。余剰よじょう在庫ざいこを処分しょぶんするために、コミュニティーの保証ほしょう価格かかくを大幅おおはばに下回したまわる価格かかくで世界せかい市場いちばで販売はんばいしたり、農家のうかがコミュニティーの外そとに輸出ゆしゅつするために補助ほじょ金きん（コミュニティー価格かかくと世界せかい価格かかくの差額さがくに相当そうとうする額がく）を提供ていきょうしたりすることがしばしばあった。この制度せいどは、ヨーロッパ以外いがいの国々くにぐに、特とくに発展はってん途上とじょう国こくの農家のうかを切きり捨すてていると批判ひはんされている。CAPの支持しじ者しゃは、CAPが農家のうかを経済けいざい的てきに支援しえんすることで、農家のうかの生活せいかつ水準すいじゅんが相応そうおうに保たもたれていると主張しゅちょうする。

1990年代ねんだいの初はじめ以来いらい、CAPは一連いちれんの改革かいかくの対象たいしょうとなってきた。当初とうしょは、1988年ねんに農地のうちの一定いってい割合わりあいを意図いと的てきに生産せいさんから外はずすSet-asideの導入どうにゅう、ミルク・クォータ、最近さいきんでは、農家のうかがEUから受うけ取とるお金かねと生産せいさん量りょうの「デカップリング」（分離ぶんり）（2004年ねんのフィシュラー改革かいかくによる）などが行おこなわれた。農業のうぎょう支出ししゅつは、特定とくていの農産物のうさんぶつに連動れんどうする補助ほじょ金きん支払しはらいから、農場のうじょう規模きぼに基もとづく直接ちょくせつ支払しはらいに移行いこうする。これは、市場いちばが生産せいさんレベルを決定けっていできるようにすることを意図いとしている。また、EUの砂糖さとう制度せいどは、加盟かめい国こくとEUと特権とっけん的てきな関係かんけいにあるアフリカ・カリブ海かりぶかい諸国しょこくとの間あいだで砂糖さとう市場いちばを分割ぶんかつしていたが、これを修正しゅうせいすることも改革かいかくの一ひとつであった。

競争きょうそう

詳細しょうさいは「EU競争きょうそう法ほう」、「欧州おうしゅう委員いいん会かい競争きょうそう担当たんとう委員いいん」、および「シリコンドック」を参照さんしょう

EUは、単一たんいつ市場いちば内ないにおける歪ゆがみのない競争きょうそうを確保かくほすることを目的もくてきとした競争きょうそう政策せいさくを実施じっししている。

2001年ねん、欧州おうしゅう委員いいん会かいは、アメリカに拠点きょてんを置おく2社しゃ（ゼネラル・エレクトリックとハネウェル）の合併がっぺいを初はじめて阻止そししたが、この合併がっぺいはすでに各国かっこく当局とうきょくによって承認しょうにんされていた。また、マイクロソフト社しゃに対たいする訴訟そしょうでは、9年間ねんかんの訴訟そしょうの末すえ、7億おく7700万まんユーロの制裁せいさい金きんを科かした。

労働ろうどう市場いちば

2018年ねん9月がつのEUの季き節ぶし調整ちょうせい済ずみ失業しつぎょう率りつは6.7%であった。ユーロ圏けんの失業しつぎょう率りつは8.1%であった。加盟かめい国こくのうち、失業しつぎょう率りつが最もっとも低ひくいのはチェコ（2.3%）、ドイツ・ポーランド（ともに3.4%）、最もっとも高たかいのはスペイン（14.9%）とギリシャ（2018年ねん7月がつ19.0）であった。

人口じんこう統計とうけい

人口じんこう推移すいい

2021年ねん1月がつ1日にちの時点じてんで、EUの人口じんこうは約やく4億おく4,700万まん人にん（世界せかい人口じんこうの5.8%）である。2015年ねん、EU28か国こくでは510万まん人にんの子供こどもが生うまれ、1000人にんあたり10人にんの出生しゅっしょう率りつとなり、世界せかい平均へいきんより8人にん低ひくくなっている。EU28か国こくの出生しゅっしょう率りつは、2000年ねんに10.6、1985年ねんに12.8、1970年ねんに16.3であった。その人口じんこう増加ぞうか率りつは、2016年ねんには推定すいてい0.23%とプラスになった。

2010年ねん、EUに住すむ4,730万まん人にんは居住きょじゅう国こく以外いがいで生うまれている。これはEU総そう人口じんこうの9.4%に相当そうとうする。このうち、3140万まん人にん（6.3%）がEU域外いきがい生うまれで、1600万まん人にん（3.2%）が他たのEU加盟かめい国こくで生うまれている。EU圏外けんがいで生うまれた人ひとの絶対ぜったい数すうが最もっとも多おおかったのは、ドイツ（640万まん人にん）、フランス（510万まん人にん）、イギリス（470万まん人にん）、スペイン（410万まん人にん）、イタリア（320万まん人にん）、オランダ（140万まん人にん）であった。2017年ねんには、約やく82万まん5千せん人にんがEU加盟かめい国こくの市民しみん権けんを取得しゅとくした。最大さいだいのグループは、インド、トルコ、パキスタン、アルバニア、モロッコの国民こくみんであった。2017年ねんには、非ひEU諸国しょこくから240万まん人にんの移民いみんがEUに入国にゅうこくした 。

都市とし化か

「欧州おうしゅう連合れんごうの都市としの一覧いちらん」も参照さんしょう

EUには、人口じんこう100万まん人にん以上いじょうの都市とし部ぶが約やく40か所しょある。1300万まん人にん以上いじょうの人口じんこうを抱かかえるパリは最大さいだいの都市とし圏けんであり、EUで唯一ゆいいつのメガシティである。パリに続つづくのは、マドリード、バルセロナ、ベルリン、ルール地方ちほう、ミラノ、ローマで、いずれも都市とし圏けん人口じんこうは400万まん人にんを超こえている。

また、ライン・ルール（ケルン、ドルトムント、デュッセルドルフなど）、ランスタッド（アムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒトなど）、フランクフルト・ラインマイン（フランクフルト、ヴィースバーデン、マインツなど）、フラミッシュ・ダイヤモンド（アントワープ、ブリュッセル、ルーヴェン、ゲントなど）や上部じょうぶシレジア地域ちいき（カトヴィツェ、オストラバなど）といった多た心しん的てき都市とし化か地域ちいきがEUには多おおく存在そんざいしている。

言語げんご

詳細しょうさいは「EUの言語げんご」を参照さんしょう

「ヨーロッパの英語えいご」も参照さんしょう

公用こうよう語ごの話者わしゃ数すう率りつ

言語げんご	ネイティブ	合計ごうけい
英語えいご	13%	51%
ドイツ語ご	16%	27%
フランス語ふらんすご	13%	24%
イタリア語ご	12%	16%
スペイン語ご	8%	15%
ポーランド語ご	8%	9%
ルーマニア語ご	5%	5%
オランダ語ご	4%	5%
ギリシャ語ご	3%	4%
ハンガリー語ご	3%	3%
ポルトガル語ご	2%	3%
チェコ語ご	2%	3%
スウェーデン語ご	2%	3%
ブルガリア語ご	2%	2%
スロヴァキア語ご	1%	2%
デンマーク語ご	1%	1%
フィンランド語ご	1%	1%
リトアニア語ご	1%	1%
クロアチア語ご	1%	1%
スロヴェニア語ご	<1%	<1%
エストニア語ご	<1%	<1%
アイルランド語ご	<1%	<1%
ラトビア語ご	<1%	<1%
マルタ語ご	<1%	<1%

EUには24の公用こうよう語ご：ブルガリア語ご、クロアチア語ご、チェコ語ご、デンマーク語ご、オランダ語ご、英語えいご、エストニア語ご、フィンランド語ご、フランス語ふらんすご、ドイツ語ご、ギリシャ語ご、ハンガリー語ご、イタリア語ご、アイルランド語ご、ラトビア語ご、リトアニア語ご、マルタ語ご、ポーランド語ご、ポルトガル語ご、ルーマニア語ご、スロベニア語ご、スロベニア語ご、スペイン語ご、およびスウェーデン語ごがある。法律ほうりつなどの重要じゅうよう文書ぶんしょは全すべての公用こうよう語ごに翻訳ほんやくされ、欧州おうしゅう議会ぎかいでは文書ぶんしょや本ほん会議かいぎでの翻訳ほんやくが行おこなわれている 。2020年ねん、EUは翻訳ほんやく・通訳つうやく費用ひようが年間ねんかん予算よさん1480億おくユーロの1%未満みまんであることを示しめしている。

公用こうよう語数ごすうが多おおいため、ほとんどの機関きかんでは、ほんの一いち握にぎりの作業さぎょう言語げんごしか使つかっていない。欧州おうしゅう委員いいん会かいは、3つの手続てつづき用よう言語げんごで内部ないぶ業務ぎょうむを行おこなう。同様どうように、欧州おうしゅう司法しほう裁判所さいばんしょはフランス語ふらんすごを作業さぎょう言語げんごとして使用しようし、欧州おうしゅう中央ちゅうおう銀行ぎんこうは主おもに英語えいごで業務ぎょうむを遂行すいこうしている 。

言語げんご政策せいさくは加盟かめい国こくの責任せきにんであるが、EUの機関きかんは市民しみんの多た言語げんご化かを推進すいしんしている。2012年ねん、英語えいごはEUで最もっとも広ひろく話はなされている言語げんごであり、ネイティブスピーカーと非ひネイティブスピーカーの両方りょうほうを数かぞえると、EU人口じんこうの51%が理解りかいしていることがわかった。しかし、2020年ねん初頭しょとうにイギリスがEUから離脱りだつすると、英語えいごを母国ぼこく語ごとするEU人口じんこうの割合わりあいは13%から1%に減少げんしょうした。ドイツ語ごは最もっとも広ひろく話はなされている母語ぼごであり（EU人口じんこうの18%）、フランス語ふらんすご（EU人口じんこうの13%）に次ついで広ひろく理解りかいされている外国がいこく語ごである。さらに、どちらもいくつかのEU加盟かめい国こくの公用こうよう語ごとなっている。EU市民しみんの半数はんすう以上いじょう（56%）が、母語ぼご以外いがいの言語げんごで会話かいわをすることができる。

EUの公用こうよう語ごは、バルト・スラヴ語ご派は、イタリック語ご派は、ゲルマン語ご派は、ヘレニック語ご派は、ケルト語ご派はに代表だいひょうされるインド・ヨーロッパ語族ごぞくに属ぞくする20の言語げんごがある。インド・ヨーロッパ語族ごぞくに属ぞくさないのは、ハンガリー語ご、フィンランド語ご、エストニア語ご（いずれもウラル語族ごぞく）、マルタ語ご（セム語ご派は）の4言語げんごだけである。EUの3つの公用こうようアルファベット（キリル文字もじ、ラテン文字もじ、現代げんだいギリシア文字もじ）は、すべて西方にしかたギリシア文字もじに由来ゆらいしている 。

ルクセンブルク語ご（ルクセンブルク）とトルコ語ご（キプロス）は、EUの公用こうよう語ごでない唯一ゆいいつの国語こくごである。2016年ねん2月がつ26日にち、キプロスがトルコ語ごをEUの公用こうよう語ごにするよう要請ようせいしたことが公表こうひょうされたが、これは国くにの分裂ぶんれつを解決かいけつするための「ジェスチャー」である。

24の公用こうよう語ご以外いがいに、約やく150の地域ちいき言語げんごや少数しょうすう言語げんごがあり、最大さいだい5000万まん人にんが話はなしている。カタルーニャ語ご、ガリシア語ご、バスク語ごはEUの公用こうよう語ごとは認みとめられていないが、加盟かめい国こくのひとつ（スペイン）では公用こうよう語ごとして認みとめられている。したがって、条約じょうやくの公式こうしき翻訳ほんやくはこれらの言語げんごで行おこなわれ、市民しみんはこれらの言語げんごで機関きかんに対応たいおうする権利けんりを持もっている 。ほとんどのEU加盟かめい国こくが批准ひじゅんしている地方ちほう言語げんごまたは少数しょうすう言語げんごのための欧州おうしゅう憲章けんしょうは、自国じこくの言語げんご遺産いさんを保護ほごするために国家こっかが従したがうべき一般いっぱん的てきなガイドラインを規定きていしている。毎年まいとし9月がつ26日にちの「欧州おうしゅう言語げんごの日ひ」は、ヨーロッパ全体ぜんたいの言語げんご学習がくしゅうを奨励しょうれいすることを目的もくてきとして開催かいさいされている。

宗教しゅうきょう

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごうの宗教しゅうきょう」を参照さんしょう

EUの宗教しゅうきょう(2015年ねん)

宗教しゅうきょう、信仰しんこう	割合わりあい(%)
キリスト教きりすときょう	72	72
カトリック教会きょうかい	45	45
プロテスタント	11	11
正教会せいきょうかい	10	10
他たのキリスト教きりすときょう諸派しょは	6	6
イスラム教いすらむきょう	2	2
その他たの宗教しゅうきょう	3	3
不可知論ふかちろん	14	14
無む神かみ論ろん	10	10
合計ごうけい	100	100

EUはどの宗教しゅうきょうとも正式せいしきには関係かんけいがない。EU機能きのう条約じょうやく第だい17条じょうは、「教会きょうかいおよび宗教しゅうきょう団体だんたいの国内こくない法ほう上じょうの地位ちい」と「哲学てつがく的てきおよび非ひ信仰しんこう的てき組織そしき」のそれを認みとめている。

EU条約じょうやくの前文ぜんぶんでは、「欧州おうしゅうの文化ぶんか的てき、宗教しゅうきょう的てき、人文じんぶん主義しゅぎ的てき遺産いさん」に言及げんきゅうしている。欧州おうしゅう憲法けんぽうの草稿そうこうやその後ごのリスボン条約じょうやくをめぐる議論ぎろんでは、前文ぜんぶんでキリスト教きりすときょうか神かみ、あるいはその両方りょうほうに言及げんきゅうする案あんもあったが、反対はんたいに遭あい、取とり下さげられた。

EUのキリスト教徒きりすときょうとは、カトリック（ローマ教皇きょうこう派は、東方とうほう典礼てんれい派は）、プロテスタント（聖せい公会こうかい、ルーテル派は、改革かいかく派はが多おおい）、東方とうほう正教会せいきょうかいに分わかれている。2009年ねん現在げんざい、EUのイスラム教いすらむきょう人口じんこうは1,300万まん人にん、ユダヤ教きょう人口じんこうは100万まん人にん以上いじょうと推定すいていされている。また、仏教ぶっきょう、ヒンドゥー教きょう、シク教きょうなどの世界せかい宗教しゅうきょうもEUの人口じんこうに含ふくまれている。

ユーロバロメーターによる2015年ねんのEUの宗教しゅうきょう性せいに関かんする新あたらしい世論せろん調査ちょうさによると、キリスト教きょうはEU最大さいだいの宗教しゅうきょうであり、EU人口じんこうの71.6%を占しめている。カトリック教徒きょうとが最大さいだいのキリスト教徒きりすときょうとで、EU人口じんこうの45.3%を占しめ、プロテスタントが11.1%、東方とうほう正教会せいきょうかいが9.6%、その他たのキリスト教徒きりすときょうとが5.6%を占しめている。

ユーロスタットが2005年ねんに行いった世論せろん調査ちょうさ「ユーロバロメーター」によると、EU市民しみんの52%が神かみを信しんじており、27%が「ある種しゅの精神せいしんや生命せいめい力りょく」を信しんじており、18%が何なんの信仰しんこうも持もっていないことが明あきらかになった。近年きんねん、多おおくの国々くにぐにで、教会きょうかいの出席しゅっせき者しゃ数すうや信者しんじゃ数すうが減少げんしょうしている。最もっとも信心しんじん深ふかいと答こたえた人ひとが少すくなかった国くには、エストニア（16%）とチェコ（19%）であった。最もっとも信仰しんこう心しんの厚あつい国くには、マルタ（95%、カトリックが主流しゅりゅう）、キプロス、ルーマニア（ともに正教せいきょうが主流しゅりゅう）で、それぞれ約やく90%の国民こくみんがそれぞれの神かみを信しんじていると公言こうげんしている。EU全体ぜんたいでは、女性じょせい、高齢こうれい者しゃ、宗教しゅうきょう的てきな教育きょういくを受うけている人ひと、15歳さいか16歳さいで学校がっこうを卒業そつぎょうした人ひと、「政治せいじ的てき尺度しゃくどの右側みぎがわに位置いちする」人にんの間あいだで信仰しんこうが高たかかった。

差別さべつ

2015年ねんには、欧州おうしゅう連合れんごうの人々ひとびとの約やく17％がアジア人じんとの仕事しごとに不快ふかい感かんを覚おぼえ、約やく31％が、子供こどもがアジア人じんを愛あいするようになると不快ふかい感かんを覚おぼえたと報告ほうこくした。アジア人じんに対たいする差別さべつの程度ていども国くにによって大おおきく異ことなる：2019年ねん5月がつの調査ちょうさによると、アジア人じんに対たいする差別さべつがEU平均へいきんより高たかい国くには、ドイツより東ひがしの国々くにぐにとイタリアおよびポルトガルである。アジア人じんに対たいする差別さべつが平均へいきんより具体ぐたい的てきに少すくない国くには、イギリス、アイルランド、ベルギー、フランスなど。また、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで、アジア人じんが差別さべつ的てき言動げんどうを受うける例れいも報告ほうこくされている。

対外たいがい関係かんけい

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう連合れんごうの外交がいこう」を参照さんしょう

「日本にっぽんと欧州おうしゅう連合れんごうの関係かんけい」も参照さんしょう

ヨーロッパの国くにと地域ちいき的てき機関きかんの相互そうご関係かんけい

2019年ねんに日本にっぽんの大阪おおさかで開催かいさいされた第だい14回かい20ヶ国かこく・地域ちいき首脳しゅのう会合かいごう (G20)。EUはG20とG7の全すべてのサミットに参加さんかしている。

EU加盟かめい国こく間あいだの外交がいこう協力きょうりょくは、1957年ねんの共同きょうどう体たい設立せつりつ時じに、EUの共通きょうつう商業しょうぎょう政策せいさくの下したで加盟かめい国こくが一ひとつとして国際こくさい貿易ぼうえき交渉こうしょうを行おこなったことに始はじまる。外交がいこう関係かんけいにおけるより広範こうはんな連携れんけいのために、1970年ねんに欧州おうしゅう政治せいじ協力きょうりょくが設立せつりつされ、共通きょうつうの外交がいこう政策せいさくを形成けいせいすることを目的もくてきとした加盟かめい国こく間あいだの非公式ひこうしきな協議きょうぎプロセスが設もうけられた。1987年ねん、単一たんいつ欧州おうしゅう議定ぎてい書しょにより、欧州おうしゅう政治せいじ協力きょうりょくが正式せいしきに導入どうにゅうされ、単一たんいつ欧州おうしゅう議定ぎてい書しょは、マーストリヒト条約じょうやくにより共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくと改称かいしょうされた。

共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくの目的もくてきは、国際こくさい協力きょうりょく、人権じんけんの尊重そんちょう、民主みんしゅ主義しゅぎ、法ほうの支配しはいの促進そくしんなど、欧州おうしゅう連合れんごう自身じしんの利益りえきと国際こくさい社会しゃかい全体ぜんたいの利益りえきの両方りょうほうを促進そくしんすることにある。共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくでは、どのような問題もんだいに対たいしても、加盟かめい国こくの全会ぜんかい一致いっちで適切てきせつな政策せいさくをとることが求もとめられている。共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくの下したでは、全会ぜんかい一致いっちであることや難むずかしい問題もんだいを扱あつかうことから、イラク戦争せんそうのように意見いけんの相違そういが生しょうじることもある。

ジョセップ・ボレル（EU外務がいむ・安保あんぽ政策せいさく上級じょうきゅう代表だいひょう）

EUにおける共通きょうつう外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくの調整ちょうせい役やく兼けん代表だいひょう者しゃは、共通きょうつう外交がいこう・安保あんぽ政策せいさく上級じょうきゅう代表だいひょうであり、外交がいこう政策せいさくと防衛ぼうえい問題もんだいについてEUを代表だいひょうして発言はつげんし、これらの政策せいさく分野ぶんやで加盟かめい国こくが表明ひょうめいした立場たちばを共通きょうつうの調整ちょうせい事項じこうとして明確めいかく化かする任務にんむを担になっている。上級じょうきゅう代表だいひょうは、リスボン条約じょうやく発効はっこう1周年しゅうねんの2010年ねん12月1日にちから正式せいしきに実施じっし・運用うんようされているEU独自どくじの部門ぶもんである欧州おうしゅう対外たいがい行動こうどう局きょくを統括とうかつしている。欧州おうしゅう対外たいがい行動こうどう局きょくは、EUの外務省がいむしょうおよび外交がいこう団だんの役割やくわりを果はたしている。EUの国際こくさい的てき影響えいきょう力りょくは、国際こくさい的てきな政策せいさくに加くわえて、拡大かくだいを通つうじても見受みうけられる。EUの加盟かめい国こくになることで得えられるメリットは、加盟かめい基準きじゅんを満みたすことを望のぞむ国々くにぐにの政治せいじ・経済けいざい改革かいかくのインセンティブとして働はたらき、ヨーロッパの旧きゅう共産きょうさん圏けん諸国しょこくの改革かいかくに貢献こうけんする重要じゅうような要因よういんと考かんがえられている。このような他国たこくの内政ないせいに対たいする影響えいきょう力りょくは、軍事ぐんじ的てきな「ハードパワー」とは異ことなり、一般いっぱん的てきに「ソフトパワー」と呼よばれている。

また、2009年ねん5月には東欧とうおう諸国しょこくとの関係かんけい強化きょうかを目指めざす常設じょうせつ協議きょうぎ「東方とうほうパートナーシップ」を創設そうせつした。対象たいしょう国こくはウクライナ、モルドバ、ジョージア（旧きゅうグルジア）、アルメニア、アゼルバイジャンである。

スイスは、EUとの人ひとの自由じゆうな移動いどうに関かんする協定きょうていを2020年ねん9月に終了しゅうりょうするかどうかの投票とうひょうを求もとめられていた。しかし、スイス国民党こくみんとうの「移民いみん管理かんりの復活ふっかつ」という要求ようきゅうは、有権者ゆうけんしゃに拒否きょひされた。

安全あんぜん保障ほしょうおよび防衛ぼうえい

詳細しょうさいは「共通きょうつう安全あんぜん保障ほしょう防衛ぼうえい政策せいさく」および「ベルリン・プラス合意ごうい」を参照さんしょう

EU加盟かめい国こく27か国こくのうち、22か国こくがNATOに加盟かめいしている。また、NATO加盟かめい国こくのうち、アルバニア、モンテネグロ、トルコ、北きたマケドニアの4か国こくはEU加盟かめいを希望きぼうしている。

EUの前身ぜんしんは、防衛ぼうえい目的もくてきにはNATOが適切てきせつかつ十分じゅうぶんであると考かんがえられていたため、軍事ぐんじ同盟どうめいとして考案こうあんされたものではなかった。EU加盟かめい国こくのうち21か国こくがNATOに加盟かめいしており、残のこりの加盟かめい国こくは中立ちゅうりつ政策せいさくをとっている。1948年ねん調印ちょういんのブリュッセル条約じょうやくで設立せつりつされ、相互そうご防衛ぼうえい条項じょうこうを持もつ軍事ぐんじ同盟どうめいであった西欧せいおう同盟どうめいは、その役割やくわりがEUに移うつったため、2010年ねんに解散かいさんした。

イギリスの離脱りだつ以降いこう、フランスは公式こうしきに核兵器かくへいき国くにとして認みとめられている唯一ゆいいつの加盟かめい国こくであり、国連こくれん安保理あんぽりの常任じょうにん理事りじ国こくでもある。また、EU最大さいだいの軍隊ぐんたいと最大さいだいの国家こっか防衛ぼうえい予算よさんを有ゆうするフランスは、EU諸国しょこくの中なかで唯一ゆいいつ、欧州おうしゅう外がいへの戦力せんりょく投射とうしゃ能力のうりょくを有ゆうしている。ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーはNATOの核かく共有きょうゆうに参加さんかしている。

EU加盟かめい国こくのほとんどが核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくに反対はんたいしていた。

1999年ねんのコソボ紛争ふんそうを受うけて、欧州おうしゅう理事りじ会かいは、「欧州おうしゅう連合れんごうは、北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこうの行動こうどうを害がいすることなく国際こくさい的てきな危機ききに対応たいおうするために、信頼しんらいできる軍事ぐんじ力りょくに裏打うらうちされた自律じりつ的てきな行動こうどう能力のうりょく、その使用しようを決定けっていする手段しゅだん、そしてその準備じゅんびを備そなえていなければならない」と合意ごういした。この目的もくてきのために、EUの軍事ぐんじ力りょくを高たかめるための様々さまざまな努力どりょくがなされ、特とくにヘルシンキ目標もくひょうが行おこなわれた。多おおくの議論ぎろんを経へて、最もっとも具体ぐたい的てきな成果せいかとなったのが、EU戦闘せんとう群ぐん構想こうそうであり、約やく1500人にんの人員じんいんを迅速じんそくに展開てんかいできるよう計画けいかくされている。

EU軍事ぐんじ参謀さんぼう部ぶ(EUMS)の紋章もんしょう。紋章もんしょうには、ヨーロッパの王冠おうかんである12の金色きんいろの星ほし、錨いかり、翼つばさ、2本ほんの交差こうさした剣けんが描えがかれている。

EU部隊ぶたいは、中部ちゅうぶ・北きたアフリカから西にしバルカン半島ばるかんはんとう、西にしアジアまでの平和へいわ維持いじ任務にんむに派遣はけんされている。EUの軍事ぐんじ活動かつどうは、欧州おうしゅう防衛ぼうえい機関きかん、EU衛星えいせいセンター、EU軍事ぐんじ参謀さんぼう部ぶなど、数すう多おおくの組織そしきによって支ささえられている。EU軍事ぐんじ参謀さんぼう部ぶは、欧州おうしゅう理事りじ会かいの枠わく内ないで設立せつりつされたEUの最高さいこう軍事ぐんじ機関きかんであり、恒久こうきゅう的てきな政治せいじ・軍事ぐんじ機関きかんの設立せつりつを求もとめたヘルシンキ欧州おうしゅう理事りじ会かい（1999年ねん12月10-11日にち）の決定けっていを受うけ、設立せつりつされたものである。EU軍事ぐんじ幕僚監部ばくりょうかんぶは、EU外務がいむ・安保あんぽ政策せいさく上級じょうきゅう代表だいひょうと政治せいじ・安全あんぜん保障ほしょう委員いいん会かいの権限けんげん下かにある。共通きょうつう安全あんぜん保障ほしょう防衛ぼうえい政策せいさくの枠組わくぐみにおける軍事ぐんじミッションや作戦さくせんの計画けいかく・実施じっし、軍事ぐんじ能力のうりょくの開発かいはつなど、EUの文脈ぶんみゃくにおけるあらゆる軍事ぐんじ活動かつどうを指揮しきし、政治せいじ・安全あんぜん保障ほしょう委員いいん会かいに軍事ぐんじ問題もんだいに関かんする助言じょげんや勧告かんこくを提供ていきょうする。欧州おうしゅう国境こっきょう沿岸えんがん警備けいび機関きかんは、EUの対外たいがい国境こっきょうを守まもる各国かっこくの国境警備隊こっきょうけいびたいの協力きょうりょく体制たいせいを管理かんりするために設立せつりつされたEUの専門せんもん機関きかんである。不法ふほう移民いみん、人身じんしん売買ばいばい、テロリストの侵入しんにゅうを検知けんちし、阻止そしすることを目的もくてきとしている。2015年ねんに欧州おうしゅう委員いいん会かいは、各国かっこくの国境こっきょう管理かんり当局とうきょくとともに、より強力きょうりょくな役割やくわりと権限けんげんを持もつ新あたらしい欧州おうしゅう国境こっきょう沿岸えんがん警備けいび機関きかんの提案ていあんを発表はっぴょうした。27か国こくで構成こうせいされるEUでは、実質じっしつ的てきな安全あんぜん保障ほしょうと防衛ぼうえいの協力きょうりょくは、すべての加盟かめい国こくの協力きょうりょくにますます依存いぞんするようになっている。

人道じんどう援助えんじょ

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう委員いいん会かい人道じんどう援助えんじょ・市民しみん保護ほご総局そうきょく」を参照さんしょう

欧州おうしゅう委員いいん会かい人道じんどう援助えんじょ・市民しみん保護ほご総局そうきょくによる物資ぶっし

欧州おうしゅう委員いいん会かい人道じんどう援助えんじょ・市民しみん保護ほご総局そうきょく、通称つうしょう「ECHO」は、EUから発展はってん途上とじょう国こくへの人道じんどう援助えんじょを行おこなっている。2012年ねんの予算よさんは8億おく7,400万まんユーロで、そのうち51%がアフリカ、20%がアジア、ラテンアメリカ、カリブ、太平洋たいへいよう地域ちいき、20%が中東ちゅうとうと地中海ちちゅうかい地域ちいきに割わり当あてられている。

人道じんどう援助えんじょは、対外たいがい活動かつどうのための財政ざいせい手段しゅだんの一部いちぶとして、予算よさん (70%) で直接ちょくせつ賄まかなわれているほか、欧州おうしゅう開発かいはつ基金ききん (30%) でも賄まかなわれている。対外たいがい活動かつどう資金しきんは、「地理ちり的てき」手段しゅだんと「テーマ的てき」手段しゅだんに分わけられる。「地理ちり的てき」手段しゅだんでは、予算よさんの95%をODAに支出ししゅつしなければならない開発かいはつ協力きょうりょく手段しゅだん（DCI、169億おくユーロ、2007年ねん - 2013年ねん）と、いくつかの関連かんれんプログラムを含ふくむ欧州おうしゅう近隣きんりん・パートナーシップ手段しゅだん (ENPI) を通つうじて援助えんじょを提供ていきょうしている。欧州おうしゅう開発かいはつ基金ききん（EDF、2008年ねん - 2013年ねんは227億おくユーロ、2014年ねん - 2020年ねんは305億おくユーロ）は、加盟かめい国こくの自発じはつ的てきな拠出きょしゅつによって成なり立たっているが、0.7%の目標もくひょうに合あわせて拠出きょしゅつ額がくの増加ぞうかを促うながし、欧州おうしゅう議会ぎかいの監視かんしを強化きょうかするために、欧州おうしゅう開発かいはつ基金ききんを予算よさん調達ちょうたつ手段しゅだんに統合とうごうしようという圧力あつりょくがかかっている。2016年ねん、EU諸国しょこくの平均へいきんは0.4%で、イギリス、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、ルクセンブルクの5か国こくが0.7%の目標もくひょうを達成たっせいまたは上回うわまわっていた。EU加盟かめい国こくは、世界せかい最大さいだいの対外たいがい援助えんじょ国こくとされている。

国際こくさい協力きょうりょくと開発かいはつパートナーシップ

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう開発かいはつ基金ききん」および「欧州おうしゅう近隣きんりん政策せいさく」を参照さんしょう

ラトビアのリガで行おこなわれた東方とうほうパートナーシップ・サミット2015

EUは、欧州おうしゅう近隣きんりん政策せいさくのような外交がいこう手段しゅだんを用もちいて、欧州おうしゅう領土りょうどの東ひがしと南みなみに位置いちする国々くにぐにを連合れんごうに結むすびつけようとしている。これらの国々くにぐには主おもに発展はってん途上とじょう国こくであり、その中なかにはいつかEU加盟かめい国こくになることを目指めざしている国くにや、EUとより密接みっせつに統合とうごうされることを目指めざしている国くにも含ふくまれている。EUは、欧州おうしゅう近隣きんりん諸国しょこくが政府せいふ改革かいかく、経済けいざい改革かいかく、その他たの積極せっきょく的てきな変革へんかくを求もとめる厳きびしい条件じょうけんを満みたす限かぎり、資金しきん援助えんじょを行おこなっている。この過程かていは通常つうじょう、ブリュッセルと対象たいしょう国こくの双方そうほうが合意ごういした行動こうどう計画けいかくによって支ささえられている。

持続じぞく可能かのうな開発かいはつが重要じゅうような要素ようそであるという国際こくさい認識にんしきは、着実ちゃくじつに高たかまっている。その役割やくわりは、1992年ねんにブラジルのリオデジャネイロで開催かいさいされた「環境かんきょうと開発かいはつに関かんする国際こくさい連合れんごう会議かいぎ (UNCED)」、2002年ねんに南みなみアフリカのヨハネスブルグで開催かいさいされた「持続じぞく可能かのうな開発かいはつに関かんする世界せかいサミット (WSSD)」、そして2012年ねんにリオデジャネイロで開催かいさいされた「国連こくれん持続じぞく可能かのうな開発かいはつ会議かいぎ (UNCSD)」という、持続じぞく可能かのうな開発かいはつに関かんする3つの主要しゅような国連こくれんサミットで認識にんしきされた。

その他たの重要じゅうようなグローバル合意ごういは、パリ協定きょうていと持続じぞく可能かのうな開発かいはつのための2030アジェンダである（2015年ねん、国連こくれん）。持続じぞく可能かのうな開発かいはつ目標もくひょうは、人類じんるいの生存せいぞんに不可欠ふかけつな地球ちきゅう規模きぼの課題かだいに取とり組くむために、全すべての国々くにぐにが次つぎの重要じゅうような分野ぶんやである「人々ひとびと」「地球ちきゅう」「繁栄はんえい」「平和へいわ」「パートナーシップ」において行動こうどうを喚起かんきしなければならないと認識にんしきしている。

EUの開発かいはつ活動かつどうは、2005年ねん12月20日にちにEU加盟かめい国こく、欧州おうしゅう理事りじ会かい、欧州おうしゅう議会ぎかい、欧州おうしゅう委員いいん会かいによって承認しょうにんされた「開発かいはつに関かんする欧州おうしゅうコンセンサス」に基もとづいている。この合意ごういは、加盟かめい国こく、議会ぎかい、委員いいん会かいによって承認しょうにんされたもので、潜在せんざい能力のうりょくアプローチと人権じんけんに基もとづく開発かいはつアプローチの原則げんそくに基もとづいている。

パートナーシップ・協力きょうりょく協定きょうていは、非ひ加盟かめい国こくとの二に国こく間あいだ協定きょうていを指さしている。

パートナーシップと協力きょうりょく協定きょうていの締結ていけつ (PCA)

非ひEU加盟かめい国こく	PCA名めい	調印ちょういん	協定きょうていの優先ゆうせん順位じゅんい
アルメニア	EU - アルメニア包括ほうかつ的てき・強化きょうかパートナーシップ協定きょうてい	2018	EU - アルメニアパートナーシップ・協力きょうりょく協定きょうてい（1999年ねん）
キルギス	EU - キルギスの強化きょうかされたパートナーシップ・協力きょうりょく協定きょうてい	2019	–

貿易ぼうえき

EUは、2008年ねん現在げんざい、世界せかい最大さいだいの輸出ゆしゅつ国こくであると同時どうじに、商品しょうひんやサービスの最大さいだいの輸入ゆにゅう国こくでもある。加盟かめい国こく間あいだの国内こくない貿易ぼうえきは、関税かんぜいや国境こっきょう管理かんりなどの貿易ぼうえき障壁しょうへきを取とり除のぞくことで促進そくしんされている。ユーロ圏けんでは、ほとんどの加盟かめい国こくに通貨つうかの違ちがいがないため、貿易ぼうえきの助たすけになっている。

EUの連合れんごう協定きょうていは、より広ひろい範囲はんいの国々くにぐにに対たいして同様どうようのことを行おこなっており、一部いちぶはその国々くにぐにの政治せいじに影響えいきょうを与あたえるための、いわゆるソフトなアプローチでもある。EUは、WTOにおいて全ぜん加盟かめい国こくを代表だいひょうし、あらゆる紛争ふんそうにおいて加盟かめい国こくを代表だいひょうして行動こうどうしている。EUがWTOの枠外わくがいで貿易ぼうえき関連かんれんの協定きょうていを交渉こうしょうする場合ばあい、その後ごの協定きょうていは各かくEU加盟かめい国こく政府せいふの承認しょうにんを得えなければならない。

EUは、世界せかいの多おおくの国々くにぐにと自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうてい (FTA) や貿易ぼうえき要素ようそを含ふくむその他たの協定きょうていを締結ていけつしており、さらに多おおくの国々くにぐにと交渉こうしょう中ちゅうである。

2020年ねんには、新型しんがたコロナウイルスの世界せかい的てき流行りゅうこうの影響えいきょうもあり、中国ちゅうごくがアメリカを差さし置おいてEU最大さいだいの貿易ぼうえき相手あいて国こくとなった。

批判ひはん・懐疑かいぎ論ろん

詳細しょうさいは「欧州おうしゅう懐疑かいぎ主義しゅぎ」を参照さんしょう

ストックホルムにおいて行おこなわれた、リスボン条約じょうやく批准ひじゅんに反対はんたいするデモ活動かつどう 横断幕おうだんまくにはスウェーデン語ごで「EU条約じょうやくは国民こくみん投票とうひょうで！」と大書たいしょされている

ヨーロッパの統合とうごうが進すすめられる中なかで、加盟かめい国こくの主権しゅけんとEUの権限けんげんの優劣ゆうれつ関係かんけいや、EUの制度せいどの下したで享受きょうじゅされる恩恵おんけいが加盟かめい国こく間あいだで不平等ふびょうどうであるといった批判ひはんや疑問ぎもんを唱となえる論調ろんちょうも存在そんざいする。政治せいじ分野ぶんやでの統合とうごうを目的もくてきに欧州おうしゅう政治せいじ共同きょうどう体たいの設置せっち構想こうそうが掲かかげられ、この手前てまえの段階だんかいとして1952年ねんには欧州おうしゅう防衛ぼうえい共同きょうどう体たいの創設そうせつに向むけた作業さぎょうが進すすめられていた。しかしフランスにおいて設置せっち条約じょうやくの批准ひじゅんが国民こくみん議会ぎかいにおいて諮はかられていたが、国民こくみん議会ぎかいはこれを拒否きょひした。

2004年ねん10月がつ、将来しょうらいの拡大かくだいにおける受うけ入いれ態勢たいせいの整備せいびと肥大ひだい化かした機構きこうの効率こうりつ化か、さらには政策せいさく決定けってい手続てつづきの簡素かんそ化かを盛もり込こんだ欧州おうしゅう憲法けんぽう条約じょうやくが調印ちょういんされたが、同どう条約じょうやくでは「欧州おうしゅう連合れんごうの旗はた」や「欧州おうしゅう連合れんごうの歌うた」といったものを盛もり込こみ、さながらEUをひとつの国家こっかとするような性格せいかくを持もっていた。これに対たいして加盟かめい国こくの国民こくみんからは自国じこくがEUにとって替かえられるという不安ふあんから欧州おうしゅう憲法けんぽう条約じょうやくを危険きけん視しする風潮ふうちょうが起おこり、2005年ねん5月がつにフランスで、翌よく6月がつにオランダで行おこなわれた同どう条約じょうやくの批准ひじゅんの是非ぜひを問とう国民こくみん投票とうひょうで反対はんたい票ひょうが賛成さんせい票ひょうを上回うわまわるという結果けっかが出だされた。この事態じたいにヨーロッパ統合とうごうを進すすめていたEUの首脳しゅのうは動揺どうようし、また一部いちぶの首脳しゅのうからはEUのあり方かたについて疑問ぎもんや批判ひはんが出だされるようになった。

2007年ねん3月がつにベルリン宣言せんげんが発表はっぴょうされ、EUの統合とうごうを進すすめていくことが再さい確認かくにんされた。その後ご、欧州おうしゅう憲法けんぽう条約じょうやくから超ちょう国家こっか主義しゅぎ的てき要素ようそを排除はいじょし、EUの改革かいかくを進すすめるための新あらたな基本きほん条約じょうやくの策定さくていが合意ごういされた。「改革かいかく条約じょうやく」と位置いちづけられたこの条約じょうやくは2007年ねん12月にリスボン条約じょうやくとして調印ちょういんされる。ところがこの条約じょうやくに対たいしても、市民しみんにとって機構きこう改革かいかくの必要ひつよう性せいがわかりにくいなどの批判ひはんが起おこり、2008年ねん6月がつに行おこなわれたアイルランドでの国民こくみん投票とうひょうでEUに批判ひはん的てきな政党せいとうが「わからないものには No を」と呼よびかけるなどした結果けっか、反対はんたい票ひょうが53.4%、賛成さんせい票ひょうが46.6%（投票とうひょう率りつ 53.1%）となり、ヨーロッパ統合とうごうは再ふたたび暗礁あんしょうに乗のり上あげ、リスボン条約じょうやくを推おし進すすめてきた各国かっこく首脳しゅのうらは欧州おうしゅう連合れんごうに対たいする市民しみんの厳きびしい見方みかたの存在そんざいを改あらためて痛感つうかんすることになった。さらにポーランドやチェコでは議会ぎかいで批准ひじゅんが承認しょうにんされたリスボン条約じょうやくに大統領だいとうりょうが署名しょめいを拒こばみ続つづけるということもあった。

またイギリスは1990年代ねんだい後半こうはんから2000年代ねんだいにかけて、EUのもとでヨーロッパ統合とうごうに前向まえむきであったにもかかわらず、ユーロの導入どうにゅうに関かんして、1990年ねんの欧州おうしゅう為替かわせ相場そうばメカニズム参加さんかを契機けいきに起おこったポンド危機ききの経験けいけんから消極しょうきょく的てきな姿勢しせいが見みられる。このイギリスの消極しょうきょく的てきな姿勢しせいは2016年ねんのEU離脱りだつへ至いたる。くわえて、基本きほん条約じょうやくにおいてユーロ導入どうにゅうが義務付ぎむづけられているスウェーデンも、1994年ねんのEUへの加盟かめいを問とう国民こくみん投票とうひょうで加盟かめい賛成さんせいが53%を占しめていたものの、議会ぎかいがユーロ導入どうにゅう時期じきの決定けっていについて事実じじつ上じょうの棚上たなあげを宣言せんげんし、その後ご2003年ねんのユーロ導入どうにゅうを問とう国民こくみん投票とうひょうで反対はんたいが56%を占しめるという結果けっかが出だされている。

ECBへの反発はんぱつ

イギリス労働党ろうどうとう所属しょぞくのジェレミー・コービンは、ユーロによって「銀行ぎんこう員いん達たちの欧州おうしゅう」(bankers' Europe) を加盟かめい国こくに課かす状況じょうきょうになると考かんがえていた。1993年ねんのマーストリヒト条約じょうやく発効はっこうに先立さきだち、コービンはECB設立せつりつは欧州おうしゅうの国家こっかが独自どくじの政策せいさくをとる能力のうりょくを弱よわめるだろうと予言よげんしていた。

「マーストリヒト条約じょうやくの中心ちゅうしんはECBの設立せつりつだ。国家こっかと国家こっか経済けいざいから独立どくりつしたECBは銀行ぎんこう員いんたちによって運営うんえいされ物価ぶっかの安定あんていだけがECBの政策せいさくとなる。それは労働党ろうどうとう政権せいけんやその他たの政権せいけんが実現じつげんさせたい社会しゃかい的てき目標もくひょうを下さげてしまうだろう。マーストリヒト条約じょうやくはアメリカのような連邦れんぽう政府せいふへの道みちにならないどころか逆ぎゃくの方向ほうこうに加盟かめい国こくを誘導ゆうどうすることになる。外交がいこう政策せいさくでは、選挙せんきょで選えらばれてもいない者もので構成こうせいされる委員いいん会かいが外交がいこう政策せいさくを加盟かめい国こくに押おし付つけそれらの者もののために戦たたかうことになるだろう。」と述のべていた。

拡大かくだいに伴ともなう不協和音ふきょうわおん

2000年ねん以降いこう、旧きゅう共産きょうさん圏けん構成こうせい国こくへの拡大かくだいを続つづけている。しかしながら、2010年ねん以降いこうこれらの国々くにぐにの中なかに強権きょうけん的てきな政権せいけんが生うまれ、「法ほうの支配しはい」を逸脱いつだつする行動こうどうを始はじめた。ハンガリーではオルバーン・ヴィクトルが長期ちょうき政権せいけんを築きずき、司法しほう・メディア・教育きょういく機関きかんへの介入かいにゅう、シリア難民なんみんの受うけ入いれ拒否きょひ、同性愛どうせいあい禁止きんしなどを巡めぐってEUとの対立たいりつを繰くり返かえしている。ポーランドでは2015年ねんに「法ほうと正義まさよし〔PiS〕」が政権せいけんを握にぎると、憲法けんぽう違反いはんの可能かのう性せいのある法律ほうりつを次々つぎつぎに制定せいていし、違憲いけん審査しんさ権けんを行使こうしする憲法けんぽう法廷ほうてい（憲法けんぽう裁判所さいばんしょ）の掌握しょうあくを進すすめた。これを受うけて、欧州おうしゅう委員いいん会かいは欧州おうしゅう司法しほう裁判所さいばんしょに提訴ていそ。裁判所さいばんしょはポーランドに対たいし、1日にち100万まんユーロ（約やく1億おく3000万まん円えん）の制裁せいさい金きんを欧州おうしゅう委員いいん会かいへ支払しはらうことを命めいじた。さらに2021年ねん10月がつ7日にち、ポーランドの憲法けんぽう裁さいはEU基本きほん条約じょうやくのうち、司法しほう制度せいどなどに関かんする一部いちぶ条項じょうこうが自国じこく憲法けんぽうと「相あいいれない」と判断はんだん。EU法ほうで国家こっか主権しゅけんが制約せいやくされ、憲法けんぽうが国内こくない最高さいこう法ほうとして扱あつかわれない状況じょうきょうも違憲いけんだと認定にんていした。欧州おうしゅう委員いいん長ちょうのフォンデアライエンは「ＥＵの法ほう秩序ちつじょの一体いったい性せいに対たいする真まっ向こうからの挑戦ちょうせんだ」として資金しきん提供ていきょう停止ていしをちらつかせた。これに対たいし、ポーランド首相しゅしょうのマテウシュ・モラヴィエツキは「脅おどしだ」と強つよく反発はんぱつした。2022年ねんより、加盟かめい国こくによる法ほうの支配しはいの原則げんそくに対たいする違反いはんが認みとめられる場合ばあいに、当該とうがい加盟かめい国こくへのEU予算よさん執行しっこうの停止ていしなどの措置そちをとることができる規則きそくが制定せいていされ、欧州おうしゅう司法しほう裁判所さいばんしょもこれを認みとめた。

一方いっぽう、2022年ねん、ロシアがウクライナに侵攻しんこうし、ポーランドがロシアとの対決たいけつ姿勢しせいを鮮明せんめいにすると、西側にしがわ諸国しょこくは一転いってんしてポーランドを称賛しょうさんし、強つよく支援しえんし始はじめる矛盾むじゅんを見みせているとの指摘してきもある。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 羽場はば久美子くみこ『EU（欧州おうしゅう連合れんごう）を知しる63章しょう』明石書店あかししょてん、2013年ねん。ISBN 978-4-7503-3900-9。 
• 藤井ふじい良広よしひろ『EUの知識ちしき』（第だい14版はん）日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ〈日経にっけい文庫ぶんこ〉、2005年ねん。ISBN 978-4532110796。 
• 佐藤さとう幸男ゆきお、高橋たかはし和かず・臼井うすい陽一郎よういちろう・浪岡なみおか新太郎しんたろう『拡大かくだいEU辞典じてん』小学館しょうがくかん、2006年ねん。ISBN 978-4095043371。 
• 金丸かねまる輝男てるお 編へん『ヨーロッパ統合とうごうの政治せいじ史し-人物じんぶつを通とおして見みたあゆみ』有斐閣ゆうひかく、1996年ねん。ISBN 978-4641049598。 
• 島野しまの卓たく爾なんじ、田中たなか俊郎としお・岡村おかむら堯『EU入門にゅうもん―誕生たんじょうから、政治せいじ・法律ほうりつ・経済けいざいまで』有斐閣ゆうひかく、2000年ねん。ISBN 978-4641049758。 
• 松橋まつはし和夫かずお 編へん『総合そうごう調査ちょうさ 拡大かくだいEU -機構きこう・政策せいさく・課題かだい-』国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん、2007年ねん。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1000914。2008年ねん5月がつ14日にち閲覧えつらん。 
• 中村なかむら民雄たみお『EU研究けんきゅうの新しん地平ちへい―前例ぜんれいなき政体せいたいへの接近せっきん』ミネルみねるヴァ書房ぁしょぼう、2005年ねん。ISBN 978-4623042975。 
• 中村なかむら健吾けんご『欧州統合おうしゅうとうごうと近代きんだい国家こっかの変容へんよう―EUの多次元たじげん的てきネットワーク・ガバナンス』昭和堂しょうわどう、2007年ねん。ISBN 978-4812205310。 
• 西部せいぶ邁「流言りゅうげん流行りゅうこうへの一撃いちげき（157） EUは必然ひつぜん的てきに瓦解がかいする」『VERDAD』2012年ねん8月がつ号ごう、株式会社かぶしきがいしゃベストブック、38-39頁ぺーじ。 
• 脇わき阪ばん紀行のりゆき『大だい欧州おうしゅうの時代じだい―ブリュッセルからの報告ほうこく』岩波書店いわなみしょてん〈岩波いわなみ新書しんしょ 新しん赤あか版ばん〉、2006年ねん。ISBN 978-4004309970。 
• 羽場はば久美子くみこ『拡大かくだいヨーロッパの挑戦ちょうせん―アメリカに並ならぶ多元的たげんてきパワーとなるか』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ〉、2004年ねん。ISBN 978-4121017512。 
• 小林こばやし浩二こうじ、呉羽くれは正せい昭あきら『EU拡大かくだいと新あたらしいヨーロッパ』原はら書房しょぼう、2007年ねん。ISBN 978-4562091218。 
• トム・リード 著ちょ、金子かねこ宣子のぶこ 訳やく『「ヨーロッパ合衆国がっしゅうこく」の正体しょうたい』新潮社しんちょうしゃ、2005年ねん。ISBN 978-4105458010。 
• 坂田さかた豊光とよみつ『欧州おうしゅう通貨つうか統合とうごうのゆくえ―ユーロは生いき残のこれるか』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ〉、2005年ねん。ISBN 978-4121017802。 
• 羽場はば久美子くみこ、小しょう森田もりた秋夫あきお、田中たなか素もと香が『ヨーロッパの東方とうほう拡大かくだい』岩波書店いわなみしょてん、2006年ねん。ISBN 4-00-025453-7。 
• 森井もりい裕一ひろいちほか『国際こくさい関係かんけいの中なかの拡大かくだいEU』信しん山やま社しゃ出版しゅっぱん、2005年ねん。ISBN 978-4797233377。 
• Hix, Simon (2008). Whats Wrong with the European Union and How to Fix it. Polity Press. ISBN 978-0745642055 
• 児玉こだま昌己まさみ「「欧州おうしゅう連合れんごう」という日本語にほんご表記ひょうき問題もんだい再訪さいほう : EU研究けんきゅうおける言葉ことばと認識にんしきの問題もんだい」『同志社大学どうししゃだいがくワールドワイドビジネスレビュー』第だい3巻かん第だい2号ごう、2002年ねん3月がつ、27-46頁ぺーじ、doi:10.14988/re.2017.0000015849、ISSN 1880-6198、NAID 110006238384、2008年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。  また同誌どうしに掲載けいさいされた資料しりょう 児玉こだま昌己まさみ「EUの日本語にほんご表記ひょうきとしての「欧州おうしゅう連合れんごう」の使用しよう停止ていしと「欧州おうしゅう同盟どうめい」への変更へんこうを求もとめる「欧州おうしゅう議会ぎかいからの書面しょめん質問しつもん書しょ」と「欧州おうしゅう委員いいん会かいからの答弁とうべん書しょ」、および表記ひょうき問題もんだいに関かんするR・コルベット欧州おうしゅう社会党しゃかいとう事務じむ総長そうちょう代理だいりからの書簡しょかんとその経緯けいい」『同志社大学どうししゃだいがくワールドワイドビジネスレビュー』第だい3巻かん第だい2号ごう、2002年ねん3月がつ、116-123頁ぺーじ、doi:10.14988/re.2017.0000015851、ISSN 1880-6198、NAID 110006238389。 も参照さんしょう。

関連かんれん項目こうもく

• 欧州おうしゅう連合れんごうのエネルギー政策せいさく
• 欧州おうしゅう連合れんごうの機関きかん
• 欧州おうしゅう連合れんごうにおける祝日しゅくじつ
• In between
• EUSCBB - 欧州おうしゅう連合れんごうにおける「科学かがく技術ぎじゅつ面めんでの協力きょうりょく」を目的もくてきとした国際こくさい協力きょうりょく計画けいかくの一ひとつ
• 汎ひろしヨーロッパ主義しゅぎ
• リヒャルト・クーデンホーフ＝カレルギー
• ビッグ4
• PIIGS
• 欧州おうしゅう研究けんきゅう領域りょういき機構きこう（ERA）
• 欧州おうしゅう文化ぶんか首都しゅと
• 欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かい
• 欧州共同体おうしゅうきょうどうたい
• 欧州統合おうしゅうとうごう
• 駐ちゅう日にち欧州おうしゅう連合れんごう代表だいひょう部ぶ

外部がいぶリンク

公式こうしき

• 欧州おうしゅう連合れんごうポータルサイト "EUROPA"（欧州おうしゅう連合れんごうにおける公用こうよう23言語げんごでの目次もくじ）
• 駐ちゅう日にち欧州おうしゅう連合れんごう代表だいひょう部ぶ（日本語にほんご）（英語えいご）
• 駐ちゅう日にち欧州おうしゅう連合れんごう代表だいひょう部ぶ (@EUinJapan) - X（旧きゅうTwitter）（日本語にほんご）

その他た

• 日本国にっぽんこく外務省がいむしょう 欧州おうしゅう連合れんごうの情報じょうほう
• 『ヨーロッパ連合れんごう』 - コトバンク