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メールアドレス - Wikipedia

メールアドレス

電子でんしメールにおける送信そうしんさき発信はっしんもとあらわ

メールアドレス英語えいご: electronic mail address, email address, e-mail address)、Eメールアドレス(イーメールアドレス)、電子でんしメールアドレス[1] (でんしメールアドレス) とは、電子でんしメールにおける送信そうしんさき発信はっしんもとあらわす。略称りゃくしょうとしてアドレスメルアドメアドなどがある。

構成こうせい

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メールアドレスは、つぎ構文こうぶんつ。

ローカル@ドメイン(れいfoo@example.com

ローカル構成こうせいメールサーバ仕様しようによる。ユーザめいまたはユーザめい別名べつめい(alias)が基本きほんである。ドメインはホストめい(ホストにてられるドメインめい)であり、メールサーバを特定とくていする。このれいでは、「“example.com”で特定とくていできるメールサーバに登録とうろくしている“foo”というユーザ」が基本きほんである。 メールアドレスのフォーマットを規定きていする文書ぶんしょとして、RFCRFC 5321 (Simple Mail Transfer Protocol) [2]およびRFC 5322 (Internet Message Format) [3]存在そんざいし、メールアドレスに使用しようできる文字もじ定義ていぎしている[4]

ローカル使用しようできる文字もじ

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ローカル使用しようできる文字もじ以下いかASCII文字もじである。

  1. まず、つぎASCII文字もじをそのままならべた形式けいしきRFC 5321ではDot-stringRFC 5322ではdot-atomぶ)が使用しようできる。
    • 大小だいしょうラテン文字もじ本来ほんらい大文字おおもじ小文字こもんじ区別くべつされるが、実際じっさいには区別くべつされていない実装じっそうがほとんどである[5]一般いっぱんてきには小文字こもじ表記ひょうきされる)
    • 数字すうじ
    • ! # $ % & ' * + - / = ? ^ _ ` { | } ~実際じっさいには、プロバイダがわ利用りよう可能かのう記号きごう文字もじ一部いちぶのみに制限せいげんしている場合ばあいおおい)
    • .先頭せんとう末尾まつび以外いがい使用しよう可能かのう。2以上いじょう連続れんぞくしてはならない ※ドコモ,auの携帯けいたいメールアドレスでは利用りようできるケースがある。)
  2. さらに、“" "”でくくられたquoted-string形式けいしきであれば、くわえてつぎのASCII文字もじ使用しようできる[6]
    • ( ) < > [ ] : ; @ ,
    • .(quoted-stringちゅうでは制限せいげんはない)
    • スペース
  3. さらにquoted-stringちゅうでは、“\”をまえにつけたquoted-pair形式けいしきであれば、くわえてつぎのASCII文字もじ使用しようできる。
    • \ "

たとえば、以下いかRFC[どれ?]規定きていにおいて有効ゆうこうなメールアドレスである。

Abc@example.com (dot-atom)
Abc.123@example.com (dot-atom)
user+mailbox/department=shipping@example.com (dot-atom)
!#$%&'*+-/=?^_`.{|}~@example.com (dot-atom)[7]
"Abc@def"@example.com (quoted-string)
"Fred\ Bloggs"@example.com(quoted-pairをふくんだquoted-string)
"Joe.\\Blow"@example.com(quoted-pairをふくんだquoted-string)

RFC5322 p.12 の定義ていぎ

 dot-atom-text   =   1*atext *("." 1*atext)

から、「.」ののちかなら文字もじ必要ひつようであるため、以下いか無効むこうなメールアドレスである[8]

Abc.@example.com(“.”をローカル末尾まつび使用しようしている)
Abc..123@example.com(“.”が連続れんぞくしている)

ローカルながさの最大さいだいは64文字もじである[9]。(実際じっさいには、プロバイダがわ設定せっていや、メールソフト制約せいやくなどでローカルながさの最大さいだいを20~30文字もじ程度ていど制限せいげんしている場合ばあいおおい)

ドメインに使用しようできる文字もじ

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ドメインには、つぎのいずれかの形式けいしき使用しようできる。

ドメインのながさの最大さいだいは253文字もじ、メールアドレス全体ぜんたいながさの最大さいだいは254文字もじである[9]

#ローカル使用しようできる文字もじべたように、ローカルにはquoted-string形式けいしきでなければ“.”を先頭せんとう末尾まつび使用しようすることや2以上いじょう連続れんぞくして使用しようすることはできない。 しかし、一部いちぶ実装じっそう実例じつれい携帯けいたい電話でんわのメール)はこの仕様しよう逸脱いつだつしており、規定きていがい特殊とくしゅ文字もじ使用しよう可能かのう場合ばあいもある。

Postfixは、配送はいそうする電子でんしメールのエンベロープやヘッダに仕様しよう逸脱いつだつしたローカルつメールアドレスが存在そんざいすると、ローカル" "”でくくったかたち変形へんけいする。エンベロープちゅうのメールアドレスについてはこの機能きのう無効むこう設定せっていできる[12]が、ヘッダちゅうのメールアドレスについては無効むこうできない。

電子でんしメールでのメールアドレスの使用しよう

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メールアドレスは電子でんしメールのなかのいくつかの箇所かしょ使用しようされ、使用しようされる箇所かしょによりまった形式けいしきあらわれる。

電子でんしメールでメールアドレスが使用しようされる箇所かしょ

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  • エンベロープなかのパス。RFC 5321定義ていぎされる。
    reverse-path
    電子でんしメールの送信そうしんもと。エンベロープfromともばれる。
    forward-path
    電子でんしメールの送信そうしんさき。エンベロープtoともばれる。
  • メールヘッダなかのフィールド。RFC 5322定義ていぎされる。
    Fromフィールド
    電子でんしメールの著者ちょしゃ
    Senderフィールド
    電子でんしメールの送信そうしんしゃ著者ちょしゃことなる場合ばあいや、著者ちょしゃ複数ふくすう場合ばあいの、電子でんしメールの送信そうしんしゃ
    Toフィールド
    電子でんしメールの受信じゅしんしゃ
    Reply-Toフィールド
    電子でんしメールの返信へんしんさき
    Ccフィールド
    カーボンコピー受信じゅしんしゃ
    Bccフィールド
    ブラインドカーボンコピーの受信じゅしんしゃ
    再送さいそうフィールド (Resent-From・Resent-Sender・Resent-To・Resent-Cc・Resent-Bcc)
    電子でんしメール再送さいそう情報じょうほうを、もとのフィールドを変更へんこうせずに記入きにゅうするために使用しようされる。それぞれ、“Resent-”のつかないフィールドに対応たいおうする。
    Return-Pathフィールド
    SMTPサーバにより、reverse-pathの情報じょうほう記入きにゅうされる。

電子でんしメールでの使用しよう形式けいしき

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それぞれの使用しよう箇所かしょ使用しようできるメールアドレスの形式けいしきを、以下いかひょうしめす。

メールアドレスの使用しよう形式けいしき一覧いちらん
形式けいしき RFC 5321での呼称こしょう 使用しよう箇所かしょ(エンベロープ) RFC 5322での呼称こしょう 使用しよう箇所かしょ(ヘッダ)[1]
foo@example.com Mailbox - address mailbox addr-spec From Sender Reply-To To Cc Bcc
<foo@example.com> - - name-addr
foo <foo@example.com>
foobar:
 foo <foo@example.com>,
 bar <bar@example.com>;
- - group Reply-To To Cc Bcc
<foo@example.com> Path reverse-path forward-path path Return-Path
^再送さいそうフィールド (Resent-From・Resent-Sender・Resent-To・Resent-Cc・Resent-Bcc) で使用しようできるメールアドレスの形式けいしきは、それぞれ対応たいおうする“Resent-”のつかないフィールドと同様どうようである。
  • ローカル@ドメイン」の形式けいしきれい: foo@example.com)を、RFC 5321ではメールボックス (Mailbox) とび、 RFC 5322ではaddr-specぶ。
  • メールアドレスが使用しようされるヘッダフィールドのうちReturn-Path以外いがいのヘッダフィールドには、addr-specのほか、addr-specの形式けいしきを“< >”でくくったり、さらにまえ表示ひょうじめい挿入そうにゅうしたりしたname-addrれい: <foo@example.com>foo <foo@example.com>)が使用しようできる。RFC 5322では、addr-specとname-addrをあわせてメールボックス (mailbox) とぶ。
  • Fromフィールドには、メールボックスを“,”で区切くぎったメールボックスのリストをもちいて複数ふくすう著者ちょしゃ記入きにゅうできる。このとき、1つの送信そうしんしゃのメールボックスを記入きにゅうしたSenderフィールドが必須ひっすである。
  • Reply-To、To、Cc、Bccフィールドには、複数ふくすうじんのメールボックスを“,”で区切くぎり、まえ表示ひょうじめいと“:”、うしろに“;”を挿入そうにゅうしたグループ (group)(れい: foobar:foo <foo@example.com>,bar <bar@example.com>;)も使用しようでき、RFC 5322ではメールボックスとグループをあわせてアドレス (address) とぶ。Reply-To、To、Cc、Bccフィールドには、アドレスを“,”で区切くぎったアドレスのリストをもちいて複数ふくすう記入きにゅうできる(メールボックスもアドレスであるから、メールボックスのリストも使用しようできる)。Bccフィールドのそらでもよい。
  • reverse-pathおよびforward-pathには、Mailboxの形式けいしきを“< >”でくくったパス (Path)(れい: <foo@example.com>)をもちいる。Return-Pathフィールドも同様どうようである。

特別とくべつなメールアドレス

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Postmaster
メールシステムの管理かんりしゃのメールアドレスとして使つかわれる。SMTPサーバは、forward-pathに「Postmaster@ドメイン」、またはドメインのない“Postmaster”が指定していされた電子でんしメールをらなければならない。どちらも“Postmaster”の文字もじ大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつしない。
Nullアドレス
メール転送てんそうエージェント (MTA) は宛先あてさき間違まちがいなどで電子でんしメールを配送はいそうできない場合ばあいに、その電子でんしメールのreverse-pathあて配送はいそう不能ふのうらせるバウンスメール配送はいそうする。バウンスメールのreverse-pathには空値そらねNull)のアドレスをもちいたパス、すなわち“<>”が使用しようされる。
MAILER-DAEMON
sendmail、Postfix、qmailなどのMTAは、バウンスメールのFromフィールドに、ローカルに“MAILER-DAEMON”を使用しようしたメールアドレスを使用しようする。

そのほか、RFC 2142 (Mailbox Names for Common Services, Roles and Functions) [13]に、よく使つかうメールアドレスを定義ていぎしている。

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ https://kotobank.jp/word/電子でんしメールアドレス-6535
  2. ^ Klensin, J., ed. (Oct 2008), Simple Mail Transfer Protocol, RFC 5321 
  3. ^ Resnick, P., ed. (Oct 2008), Internet Message Format, RFC 5322 
  4. ^ RFC 5322 & 5321に沿ったメールアドレス(local-part)のテストデータをかんがえてみた https://qiita.com/yoshitake_1201/items/40268332cd23f67c504c
  5. ^ RFC 5321の2.4せつ“General Syntax Principles and Transaction Model”と4.1.2せつ“Command Argument Syntax”によれば、Quoted-stringを必要ひつようとするメールボックス、大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつするローカルをもつメールボックスを定義ていぎすることは、相互そうご運用うんようせいさまたげるため、けるべきであると定義ていぎされている。
  6. ^ RFC 5321 4.1.2せつ“Command Argument Syntax”によれば、quoted-string形式けいしき要求ようきゅうされるローカルをもつメールボックスを定義ていぎすることは、相互そうご運用うんようせいさまたげるため、けるべきである。
  7. ^ ただし、rfc976 https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc976 UUCP Mail Interchange Format Standard では、( ! でホストめいをつないでメールアドレスを表現ひょうげんする) bang path がある。bang path のれいとしては hosta!hostb!user などがある。
  8. ^ RFC 5322 Internet Message Format,IETF, 2008 https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc5322.txt
  9. ^ a b RFC 5321 4.5.3.1せつ“Size limits and minimums”
  10. ^ RFC 5321 3.6せつ“Relaying and Mail Routing”
  11. ^ RFC 5321実在じつざいのIPアドレスで例示れいじしているが、ここでは例示れいじようのIPアドレス使つかった。
  12. ^ smtp_quote_rfc821_envelope”パラメータを“no”に設定せっていする(Postfix設定せっていパラメータ”. Postfixのぺーじ (2007ねん6がつ2にち). 2007ねん12月8にち閲覧えつらん参照さんしょう)。
  13. ^ Crocker, D. (May 1997), Mailbox Names for Common Services, Roles and Functions, RFC 2142 

関連かんれん項目こうもく

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