ギガース (古代 こだい ギリシャ語 ご : Γίγας , Gígas )は、ギリシア神話 しんわ の巨人 きょじん を指 さ す言葉 ことば である。ただし、この語形 ごけい は比較的 ひかくてき 稀 まれ で、複数 ふくすう 形 がた のギガンテス (古代 こだい ギリシャ語 ご : Γίγαντες , Gígantes )で巨人 きょじん 族 ぞく として言及 げんきゅう されることが多 おお い。日本語 にほんご では長 ちょう 母音 ぼいん を省略 しょうりゃく してギガス とも呼 よ ばれる。
ゼウス の支配 しはい を終 お わらせようと、山々 やまやま すら簡単 かんたん に投 な げ飛 と ばす怪力 かいりき を武器 ぶき に大軍 たいぐん でオリュンポス の神 かみ 々に戦 たたか いを挑 いど んだ。ギガースは神 かみ には殺 ころ されない能力 のうりょく を持 も っていたが、神 かみ 々によって島 しま や山脈 さんみゃく を投 な げ付 つ けられて封印 ふういん されたり、半分 はんぶん 人間 にんげん である大 だい 英雄 えいゆう ヘーラクレース によって射殺 しゃさつ されたりと、結局 けっきょく は惨敗 ざんぱい を喫 きっ してしまった。
ギガース
ヘーシオドス の『神 かみ 統 みつる 記 き 』によれば、ウーラノス がクロノス に男性 だんせい 器 き を切 き り落 お とされた時 とき 、そこから滴 したた り落 お ちた血 ち でガイア がみごもって生 う まれた種族 しゅぞく とされる。トラーキア のパレーネー半島 はんとう で生 う まれた。
ティーターノマキアー の後 のち 、ガイアが自分 じぶん の子 こ であるティーターン たちに対 たい する処置 しょち が気 き に入 い らなかったので、巨人 きょじん 戦争 せんそう 「ギガントマキアー 」が起 お こる。彼 かれ らは凄 すさ まじく巨大 きょだい で、山脈 さんみゃく や島々 しまじま を引 ひ き裂 さ きながら突 つ き進 すす み、燃 も え盛 さか る巨大 きょだい な樫 かし の木 き や山脈 さんみゃく などを武器 ぶき にして、ゼウスらオリュムポス の神 かみ 々に戦 たたか いを挑 いど んだが、ヘーラクレース を味方 みかた につけた神 かみ 々によって倒 たお されたという。
ギガースは、古 ふる くは光 ひか り輝 かがや く鎧 よろい を着込 きこ み、槍 やり や剣 けん を持 も った人間 にんげん のような姿 すがた に描 えが かれたが、のちには上半身 じょうはんしん が人間 にんげん 、両脚 りょうきゃく が蛇 へび の姿 すがた をした怪物 かいぶつ として描 えが かれた。
^ Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft , Supplement band III (1918), cols. 737-59. ただし、彼 かれ はリストに「ガイアからうまれた巨人 きょじん 」全般 ぜんぱん を含 ふく めている様 よう である(アルゴス 、トゥイストー なども挙 あ げられている)。
^ Lexicon Iconographicum Mythologiae Classicae , IV/1(1988), p. 268-69.「適当 てきとう に創作 そうさく された名前 なまえ も多 おお いのだろう」としている。