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クレヨン - Wikipedia

クレヨンフランス語ふらんすご: crayon de cire)とは、かしたろう顔料がんりょうなどをぜて棒状ぼうじょうやしがためた画材がざいである。

クレヨン
クレヨンを使つかった
クレヨンのばちすいせい利用りようした描画びょうが

概要がいよう 編集へんしゅう

エンカウスティーク原型げんけいとし、レオナルド・ダ・ヴィンチ手記しゅき類似るいじ画材がざい製法せいほう記載きさいされるなど成立せいりつには諸説しょせつあるが、現代げんだい様式ようしきのものは19世紀せいきフランス発明はつめいされた[1][2]。アメリカでは1903ねんにビニー&スミスが「クレヨラ英語えいごばん」クレヨンを生産せいさん日本にっぽんでは大正たいしょう自由じゆう教育きょういく普及ふきゅうした。

よごさず手軽てがる彩色さいしき描画びょうがができ、色鉛筆いろえんぴつのようにとがっておらず鉛筆えんぴつけず必要ひつようなく、おおく無害むがいであることから、初等しょとう教育きょういく児童じどうによく利用りようされる。クレヨンは基本きほんてき硬質こうしつかさねを苦手にがてとするが、かみはだ反映はんえいした素朴そぼくマチエールった、たい水性すいせいのあるあざやかな描線がられる。クレヨンから発展はってんしたオイルパステル(「クレパス」など)はよりやわらかく技法ぎほう応用おうようせい[3]日本にっぽんではオイルパステルの製法せいほう材料ざいりょう液体えきたいあぶら体質たいしつ顔料がんりょうくわわる)を一部いちぶれてめん描適せい改善かいぜんした軟質なんしつクレヨンが1957ねん開発かいはつされ、以来いらい主流しゅりゅうとして普及ふきゅうしている[2]材質ざいしつからこするとびるという性質せいしつがあり、児童じどうのいたずらきの除去じょきょには苦労くろうする反面はんめん画家がか使用しようする場合ばあいには微妙びみょう色合いろあいを表現ひょうげんする技法ぎほうとして活用かつようされる。

crayon は、フランス語ふらんすご‘craie’白亜はくあ)に接尾せつび ‘on’小片しょうへん)がわさった言葉ことばで、18世紀せいきまつまではパステルやよう木炭もくたんふく固形こけい描画びょうがざい一般いっぱんした[1][2][4]現代げんだいにおける用法ようほう厳密げんみつさだまっていないが、美術びじゅつ分野ぶんやでは、つなぎざい(とりわけ油性ゆせいのものとする意見いけんもある[4][5])をもちいた固形こけい描画びょうがざい[6][7]欧米おうべいでは crayon鉛筆えんぴつしたり、棒状ぼうじょう画材がざい諸々もろもろが「チャコールクレヨン」や「コンテクレヨン」などとばれることがあるが、それぞれろうせいのクレヨンとは区別くべつされる[8]

種類しゅるい 編集へんしゅう

通常つうじょうのタイプのほか各種かくしゅ各社かくしゃから販売はんばいされている。

  • ふとし - ふとせんめんりにてきしており、れにくい。
  • 水性すいせい - みず石鹸せっけんとすこと可能かのう材料ざいりょう乳化にゅうかされたろうポリエチレングリコールなどが使用しようされる[9]
  • リトクレヨン - リトグラフよう油脂ゆしぶんおおいクレヨン。グリースペンシルのような形態けいたいでもつくられる(リトペンシル)[10]

ヨーロッパの玩具おもちゃ安全あんぜん規格きかく(EN 71)をたした製品せいひんにはCEマークされ、米国べいこく画材がざい工芸こうげい材料ざいりょう協会きょうかい(ACMI)の基準きじゅんたした製品せいひんにはAPマークがされる。日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく(JIS)にもEN 71にじゅんじる安全あんぜん規格きかくふくんだJIS S 6026「クレヨンおよびパス」があるが、1998ねん以降いこう日本にっぽん絵具えのぐクレヨン工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあいがJIS表示ひょうじ許可きょか返上へんじょうしたことから[11]、JISマークはさず規格きかく沿った自主じしゅ検査けんさおこなわれている。クレヨンをふく玩具おもちゃ安全あんぜんせいかかわる国際こくさい規格きかくには、ISO 8124がある。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ a b Q&Aコーナー 8.クレヨンとパスの起源きげん歴史れきし, 日本にっぽん絵具えのぐクレヨン工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい, 2015ねん9がつ11にち閲覧えつらん.
  2. ^ a b c 亀川かめかわがく絵具えのぐ講座こうざ (だいVIIIこう) クレヨン・パス」『いろざい協会きょうかいだい75かんだい10ごういろざい協会きょうかい、2002ねん、500-504ぺーじdoi:10.4011/shikizai1937.75.500 
  3. ^ 清水しみず靖子やすこ , サクラコラム「クレパス・クレヨンはどうちがう」, 株式会社かぶしきがいしゃサクラクレパス, 2015ねん9がつ11にち閲覧えつらん.
  4. ^ a b 金子かねこ とおる速水はやみ たかし一郎いちろう西川にしかわ 正恒まさつねむら 奈々恵ななえ佐藤さとう みちる「素描そびょうかんするいち考察こうさつ─ リアリズム絵画かいが中心ちゅうしんに ─」『東京学芸大学とうきょうがくげいだいがく紀要きよう. 芸術げいじゅつ・スポーツ科学かがくけいだい64かん東京学芸大学とうきょうがくげいだいがく学術がくじゅつ情報じょうほう委員いいんかい、2012ねん10がつ31にち、11-35ぺーじhdl:2309/131955 
  5. ^ The Complete Drawing & Painting Course. Sterling Publishing Company. (2003). p. 279. https://books.google.co.jp/books?id=t9h8MV6nWR4C&lpg=PP1&hl=ja&pg=PA279#v=onepage&q&f=false 
  6. ^ "クレヨン". 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ). コトバンクより2023ねん3がつ10日とおか閲覧えつらん
  7. ^ Carlo James; Marjorie B. Cohn (1997). “Chalks and crayons”. Old Master Prints and Drawings: A Guide to Preservation and Conservation. Amsterdam University Press. pp. 68-72. https://books.google.co.jp/books?id=Udqbo8cL6CwC&lpg=PP1&hl=ja&pg=PA68#v=onepage&q&f=false 
  8. ^ Crayon, Conservation & Art Materials Encyclopedia Online, Museum of Fine Arts Boston, 2015ねん9がつ11にち閲覧えつらん.
  9. ^ Wax crayon”. Conservation & Art Materials Encyclopedia Online. Museum of Fine Arts, Boston (2016ねん). 2019ねん10がつ15にち閲覧えつらん
  10. ^ リトクレヨン”. 造形ぞうけいファイル. 武蔵野美術大学むさしのびじゅつだいがく (2007ねん). 2019ねん10がつ15にち閲覧えつらん
  11. ^ 日本にっぽん絵具えのぐクレヨン工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい沿革えんかく, 日本にっぽん絵具えのぐクレヨン工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい, 2015ねん9がつ11にち閲覧えつらん.

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう