サヘート・マヘート

サヘート・マヘート（Saheth-Maheth)とは、仏教ぶっきょう八はち大だい聖地せいちの一ひとつで、隣接りんせつした二ふたつの遺跡いせき群ぐんをまとめた呼称こしょう。ヒンドスタン平原へいげんの中なか、ガンジス川がわの支流しりゅうラプチ川がわに接せっしている。現在げんざいはインドのウッタル・プラデーシュ州しゅうに位置いちし、ニューデリーからほぼ東ひがしへ600km、ネパールとの国境こっきょうに近ちかい。

サヘート・マヘート

Saheth-Maheth
シュラーヴァスティー県けん
所在地しょざいち	インド ウッタル・プラデーシュ州しゅう シュラーヴァスティー県けん
座標ざひょう	北緯ほくい27.52度ど 東経とうけい82.02度ど / 27.52; 82.02

両りょう遺跡いせきは19世紀せいきの半なかば頃ごろ、イギリス人じんの考古こうこ学者がくしゃアレクサンダー・カニンガムによって発見はっけんされた。日本にっぽんからは1986年ねんから関西大学かんさいだいがくが現地げんち政府せいふの協力きょうりょくを得え、日にち印しるし学術がくじゅつ調査ちょうさ隊たいという形かたちで発掘はっくつに参加さんかしている。

サヘート遺跡いせきは漢かん訳やく仏典ぶってんで言いうところの祇園ぎおん精舎しょうじゃ、マヘート遺跡いせきは舎しゃ衛まもる城じょう（シュラーヴァスティー）に当あたるのではないかとされている。仏教ぶっきょう経典きょうてんでは釈迦しゃか説法せっぽうの場所ばしょとして冒頭ぼうとうに「祇樹給きゅう孤独こどく園えん」と記しるされたものが多おおい。略称りゃくしょうである祇園ぎおん精舎しょうじゃは、『平家ひらか物語ものがたり』冒頭ぼうとうの有名ゆうめいな「祇園ぎおん精舎しょうじゃの鐘かねの声こえ、諸行無常しょぎょうむじょうの響ひびきあり・・」の書かき出だしで日本にっぽんでも広ひろく知しられている。舎しゃ衛まもる城じょうは釈迦しゃか在世ざいせい当時とうじの有力ゆうりょく大国たいこくコーサラ国こくの首都しゅとで、祇園ぎおん精舎しょうじゃはコーサラ国こくの長者ちょうじゃスダッタ（須達）とジェータ（祗陀）太子たいしの寄進きしんによって出来できた園えんとされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• NHKスペシャル　『ブッダ 大おおいなる旅路たびじ』　NHK出版しゅっぱん、1998年ねん。