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スパイクシューズ - Wikipedia

スパイクシューズたんスパイクとも)とは、底面ていめん突起とっきをつけたり、金属きんぞくせい部品ぶひんけることによってすべとし、地面じめんとらえるちからつよめたくつ意味いみする和製わせい英語えいご

スポーツにおけるスパイクシューズ

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スポーツにおいてはさきいたように、地面じめんとのグリップせいたかめることにより、競技きょうぎ能力のうりょくたかめることを目的もくてき使用しようされる場合ばあいおおい。一般いっぱんてきには野球やきゅうサッカー陸上りくじょう競技きょうぎなどにおいて使用しようされることがられており、バレーボールハンドボールなど体育館たいいくかんのような地面じめんかた場所ばしょおこなわれる競技きょうぎ場合ばあいについては前記ぜんき目的もくてき達成たっせいすることができないためにバスケットシューズなどにられるように、ゴムなどのグリップ性能せいのうかしたシューズがられる。また、スパイクシューズを使つかった競技きょうぎでかつコンタクトスポーツの場合ばあい接触せっしょくプレーなどのさい危険きけんともなうこともある。

「スパイク」とりゃく場合ばあいもあるが、上述じょうじゅつしたように日本にっぽんでしか通用つうようしない和製わせい英語えいごで、英語えいごのspikeはびょう突起とっきとう意味いみする単語たんごくつすことはない。英語えいごではこのたねくつもちいられる金具かなぐくつそのもののことは一般いっぱんに「クリート」とばれる。

野球やきゅう

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野球やきゅうのスパイク

野球やきゅう試合しあいではプロ・アマチュアや硬式こうしき野球やきゅう軟式なんしき野球やきゅうわずスタッド(“びょう”。形状けいじょうつめいぼなど)のあるスパイクを着用ちゃくようする。

アッパー(かぶと部分ぶぶん)は天然てんねん皮革ひかく合成ごうせい皮革ひかく合成ごうせい樹脂じゅしなどでつくられている。競技きょうぎ特性とくせいじょう、スライディング・投球とうきゅう打撃だげき動作どうさ地面じめんとの摩擦まさつおおいため競技きょうぎ使つかわれるシューズと比較ひかくしてアッパーの耐久たいきゅうせい重視じゅうししたつくりになっているものがおおい。用途ようとおうじてひもめものとめんファスナーめのものがある。大会たいかい規定きていとうによるが、同色どうしょくどう意匠いしょうのものをチーム全員ぜんいんそろえるようにもとめられることがすくなくない(これは帽子ぼうしからくついたるまでユニフォーム一部いちぶであることに由来ゆらいする)。ほかにも高校こうこう野球やきゅうではラインの部分ぶぶんふくめてアッパーはくろ一色いっしょくであることが義務付ぎむづけられていた。しかし、2019ねん規定きてい改定かいていされ、熱中ねっちゅうしょう対策たいさくとして白色はくしょく解禁かいきんされた[1][2]。これまでスパイクのいろくろであった理由りゆうかっていないが、技術ぎじゅつ発達はったつ開発かいはつできなかったことやアメリカからつたわったさい使用しようしていたスパイクが元々もともと黒色こくしょくであったなど諸説しょせつがある[2]。しかし現在げんざいでも光沢こうたくのあるエナメル素材そざい不可ふか規定きていされている[3]

ソールには金属きんぞくスタッドシューズ、合成ごうせい樹脂じゅしスタッドスパイクシューズ、合成ごうせい樹脂じゅしマルチパーパススタッドシューズなどがおも種類しゅるいとして存在そんざいしており、グラウンド状況じょうきょう・グラウンド規定きてい大会たいかい規定きてい所属しょぞく団体だんたいなどによって使つかける。

金属きんぞくスタッドスパイクシューズはおも鋼材こうざいやチタンせいをソールめん配置はいちした、もっと伝統でんとうてき野球やきゅうようスパイクシューズのかたちである。おも天然てんねんしばのグラウンドでつよいグリップりょく発揮はっきされる。人工芝じんこうしばのグラウンドでは金属きんぞくせい地面じめんをとらえにくいためすべりやすい(いわゆる“宇野うのヘディング事件じけん”はこれが原因げんいんきたととう宇野うのまさる主張しゅちょうしている)。日本にっぽんせい金属きんぞくスタッドスパイクシューズではスタッドを交換こうかんできるものがおおく、樹脂じゅしせい交換こうかんようスタッドをオプションとして用意よういしているものも多数たすう存在そんざいする。グリップりょく改善かいぜんするため近年きんねんでは9ほん・11ほんなどかずたんやすだけではなく、スタッドの配置はいち形状けいじょうかくメーカーが独自どくじ研究けんきゅうをしていてプレースタイルにおうじて様々さまざま形状けいじょうのものが販売はんばいされている。 スタッドを接合せつごうするソールには合成ごうせい樹脂じゅし天然てんねん皮革ひかく使用しようしたものが存在そんざいする。高校こうこう野球やきゅうでは天然てんねん皮革ひかくせいソールがおお使用しようされ、プロ野球やきゅうでは軽量けいりょう合成ごうせい樹脂じゅしせいソールがおお使用しようされる傾向けいこうがある。北米ほくべいではレベルをわずほぼ合成ごうせい樹脂じゅしせいソールのものが使つかわれている。ソールとスタッドの接合せつごうにはくぎめ・リベットめ・ねじめ・交換こうかん不能ふのうちょくしきがあり、方式ほうしきによって摩耗まもうしたスタッドの交換こうかん方法ほうほうことなる(ねじめなら自分じぶん交換こうかん出来できるが、くぎやリベットの場合ばあいはメーカーのメンテナンス担当たんとうおくらなければならない。ちょくみの場合ばあいくつごとおやく御免ごめんとなる)。

合成ごうせい樹脂じゅしマルチパーパススタッドシューズは弾力だんりょくがあってすべりにくい硬質こうしつゴム素材そざいでつくられたイボじょうのスタッドでソール全面ぜんめんおおわれており、人工芝じんこうしばつよいグリップりょく発揮はっきする。天然てんねんしばではある程度ていどのグリップりょくつが、のグラウンドではがスタッドのあいだにつまりやすくすべりやすい。またトレーニングシューズやアップシューズともばれ、けいめの練習れんしゅうようシューズとしても使つかわれる。プロ野球やきゅう高校こうこう野球やきゅうなどではよりパフォーマンスを追求ついきゅうする目的もくてきで、上記じょうき金属きんぞくスタッドのものと守備しゅび攻撃こうげきえながら使用しようすることがある。そのためアッパーがひもめではなく脱着だっちゃく容易よういめんファスナーでつくられているものがおおい。これは人工芝じんこうしば野球やきゅうじょうでも打席だせき、マウンド、ベース周辺しゅうへんたアンツーカーでつくられていることがほとんどであるため(ダートサークルという)、攻撃こうげき金属きんぞくスタッドスパイク、守備しゅびには人工芝じんこうしばようのマルチパーパススタッドシューズとすることによりグラウンドの特性とくせいこまかく適応てきおうするためである。

合成ごうせい樹脂じゅしスタッドスパイクシューズは硬質こうしつなプラスティックなどでつくられている。天然てんねんしば人工芝じんこうしばのどれでも対応たいおうできる万能ばんのうせいがあり、重量じゅうりょう金属きんぞくスタッドのものにくらべてかるく、クッションせい考慮こうりょされておりからだ負担ふたんがかかりにくいという利点りてんがある。天然てんねんしばのグラウンドでは金属きんぞくスタッドのスパイクシューズと比較ひかくするとグリップりょくおとる。


陸上りくじょう競技きょうぎ

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陸上りくじょう競技きょうぎようスパイクシューズ

陸上りくじょう競技きょうぎにおいては、ロードレースやハンマーとうなどの一部いちぶ種目しゅもくのぞいて一般いっぱんてき使用しようされており、交換こうかん可能かのう金属きんぞくせい部品ぶひん(ピン)を、種目しゅもく競技きょうぎじょう特性とくせい天候てんこうなどによって使つかける。

競技きょうぎじょう特性とくせいによってピンがめられるれいとしては、全天候ぜんてんこうトラックの場合ばあいはポリウレタンや合成ごうせいゴムといったトラックの材質ざいしつ特性とくせいじょう先端せんたんとがっていない平行へいこうピンが使つかわれ、アンツーカー競技きょうぎじょう一般いっぱんてき運動うんどうじょうなどトラックの場合ばあい先端せんたんとがっている画鋲がびょうのようなピンが使つかわれる。

おおくの競技きょうぎじょうではピンについての規制きせいがあるために注意ちゅうい必要ひつようである。また、金属きんぞくせいピンについてはメーカーによって基準きじゅんちがうために互換ごかんせいいにひとしい。つまりaしゃせいくつにbしゃせいのピンをけること出来できない。

 
ゴルフようスパイクシューズ、ソフトタイプ

ゴルフコースをラウンドするための専用せんようくつで、おおくはそこにスパイク(びょう)がけられている。近年きんねん、グリーンじょうしば保護ほごするために樹脂じゅしせいのソフトスパイクまたはスパイクレスのシューズしか使用しようできないコースがえている。

 
サッカーようスパイクシューズ

サッカーでは試合しあい練習れんしゅう、また練習れんしゅうでもボールをあつか練習れんしゅうあつかわない(いわゆるフィジカルトレーニング)によってスパイク、トレーニングシューズ、ランニングシューズと使つかけることがおおい。ただ、使つかけると3そく必要ひつようになるわけで、実践じっせんするのはプロサッカー選手せんしゅなどにかぎられる。サッカーのスパイクは分類ぶんるいこまかく、スタッドの固定こてい方法ほうほう、アッパーの種類しゅるいとうけられる。ここではソール(くつそこ)とアッパー(かぶと部分ぶぶん)にけて表記ひょうきする。

スタッドがあらかじめ固定こていされているものとソールにネジをみ、おなじくネジをスタッドにんだものをからける取替とりか可能かのうなものがある。

スタッド固定こていがた
素材そざい樹脂じゅし一般いっぱんてきで、磨耗まもう耐久たいきゅうせいすぐれたものがおおい。ジュニアようとしてげ(シューズが地面じめん接地せっちしたとき地面じめんからかえってくるちから)を軽減けいげんするゴムを使用しようすることもある。本数ほんすうは13~15ほん一般いっぱんてきで、もっともよく使つかわれているタイプである。
円柱えんちゅうがたがたなど形状けいじょうもメーカーによってわるが、取替とりかがたよりげを軽減けいげんし、かるつくれるという利点りてんがある。ただ、軟弱なんじゃくなグラウンドではすべってしまうこともある。
スタッド取替とりかがた
ソールにネジがんであり、そこにネジがられたスタッドをんで使つかう。固定こていがたより本数ほんすうがかなりすくない。
スタッドをけるがわくつそこには剛性ごうせいすぐれた(ようするにしっかりとした)ナイロンなどが使つかわれる。これはスタッドの本数ほんすう取替とりかがたは6~8ほんすくなく、スタッド同士どうし間隔かんかくひろいため、剛性ごうせいすぐれたものでないとそのひろ間隔かんかくんでしまうこともあるためである。
スタッドはナイロンなどの樹脂じゅし、アルミやてつなどの金属きんぞくとう種類しゅるいおおいが、一般いっぱんには樹脂じゅしせいのものがおおい。ただ、樹脂じゅしせいのスタッドはとうかたいグラウンドでは消耗しょうもうはやく、ランニングコストがかかる。
本数ほんすうすくないため、あめったのちとうすべりやすいグラウンドでもしっかりグリップがくので、おもにゴールキーパーやディフェンダーとう肝心かんじん場面ばめんすべってはこまるポジションの選手せんしゅ使用しようすることがおおい。

ボールを「る」「あしあつかう」というスポーツのため、ボールが直接ちょくせつれるかぶと部分ぶぶんであるアッパー、シュータン(ベロともわれる)は非常ひじょう重要じゅうようされる。おおまかにければ天然てんねん皮革ひかく人工じんこう皮革ひかくかれる。ここではよく使用しようされる3種類しゅるいについて表記ひょうきする。

カンガルーかわ
うすく、しなやかで丈夫じょうぶかるいといった特徴とくちょうがあるため、ながらく使用しようされている素材そざいである。サッカーシューズに最適さいてき素材そざいともわれ天然てんねん皮革ひかくシューズでもこう価格かかく部類ぶるいはいる。カンガルーかわいて使つかっているうちにかわ自体じたいびて、あしかたちになっていく。使つかっていくうちに徐々じょじょびていくのではじめはすこしきつくてもなが使つかっていくうちにピッタリあったシューズとなる。ただし、天然てんねん皮革ひかくはどれにもいえることだが湿気しっけよわい。防水ぼうすいばちすい加工かこうをしていないかわではあめ使つかうとかわいたんでしまうこともある。ぎゃくみずったかわ乾燥かんそうさせすぎるとちぢんでしまうこともあるので、あめにぬれた場合ばあい陰干かげぼしするのが一般いっぱんてきである。
牛革ぎゅうかわ
あつくカンガルーかわよりも丈夫じょうぶで、素材そざい自体じたいもカンガルーかわよりやすいため、カンガルーかわおなじくらい使用しようされる。もっともよく使つかわれるのはステアといわれる素材そざいで、あつみがあり、キメもすこあらいが供給きょうきゅう価格かかく安定あんていしている。のカーフやキップといわれる素材そざいはどちらかとえば礼装れいそうかビジネス用途ようととう使用しようされるのでサッカーシューズに使用しようされるのはまれだが、キメ細きめこまかく、ステアよりうすいので品質ひんしつはステアよりうえである。
人工じんこうかわ
不織布ふしょくふにポリウレタン樹脂じゅしをしみこませ、表面ひょうめんもポリウレタン樹脂じゅしでコーティングしたもの。かる丈夫じょうぶたい水性すいせいもあり、手入ていれが簡単かんたん長所ちょうしょおおい。その一方いっぽう天然てんねんかわくらべしなやかさや通気つうきせいとうこまかなところでおとるところもあり、一概いちがいにどちらがいいかとはめられず、個人こじんこのみもある。ほんかわくらべて「安物やすもの」というイメージもあったようだが、現在げんざい人工じんこうかわ天然てんねんのものにもおとらないものもてきており、安物やすものとはべない品質ひんしつのものもおおい。

寒冷かんれいにおけるスパイクシューズ

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スポーツようスパイクシューズのおもなメーカー

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 甲子園こうしえん球児きゅうじたちにいた「しろスパイク」の効果こうか。32こうちゅう14こう導入どうにゅう高校こうこう野球やきゅう集英社しゅうえいしゃ スポルティーバ 公式こうしきサイト web Sportiva”. 集英社しゅうえいしゃのスポーツ総合そうごう雑誌ざっし スポルティーバ 公式こうしきサイト web Sportiva. 2023ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 甲子園こうしえんに「しろスパイク」ブーム これまではアウト、そもそもなぜくろ”. 毎日新聞まいにちしんぶん. 2023ねん1がつ31にち閲覧えつらん
  3. ^ 2020年度ねんど高校こうこう野球やきゅう用具ようぐ使用しよう制限せいげん”. 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽん高等こうとう学校がっこう野球やきゅう連盟れんめい. 2023ねん1がつ31にち閲覧えつらん