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テム・レイ - Wikipedia

テム・レイ

日本にっぽんのアニメ『ガンダムシリーズ』に登場とうじょうする架空かくう人物じんぶつ

テム・レイ (Tem Ray) は、テレビアニメ機動きどう戦士せんしガンダム』に登場とうじょうする架空かくう人物じんぶつ初回しょかいのテレビ放映ほうえいでは「ティム・レイ」と表記ひょうきされていた。

担当たんとう声優せいゆう清川きよかわ元夢もとむ。『THE ORIGIN』では坂口さかぐちこういち

人物じんぶつ

編集へんしゅう

地球ちきゅう連邦れんぽうぐん技術ぎじゅつ士官しかんであり、階級かいきゅう大尉たいい本編ほんぺん主人公しゅじんこうアムロ・レイ父親ちちおやで、つまカマリア・レイV作戦さくせん中心ちゅうしん人物じんぶつであったとされ、モビルスーツ (MS) ガンダム設計せっけいにもおおきくかかわっている。もともとはスペース・コロニーの建築けんちく技師ぎしであるともわれ[1][ちゅう 1]いちねん戦争せんそう勃発ぼっぱつ同時どうじぐん移籍いせきしたという[3]登場とうじょうかいはテレビばんだい1・33・34劇場げきじょうばんさんさくは『機動きどう戦士せんしガンダム』・『機動きどう戦士せんしガンダム III めぐりあい宇宙うちゅうへん』である。

アムロとの関係かんけい
ホワイトベースの私室ししつつくえうえにアムロの写真しゃしんいていたり、ジオンにアムロと同年代どうねんだい少年しょうねんへいがいることをにしているなど、息子むすこへの愛情あいじょうっていたようである。アムロによれば、息子むすこである自分じぶんいちなぐったことがない。ガンダムの設計せっけいて「親父おやじ熱中ねっちゅうするわけだ」と素直すなお納得なっとくするあたり、内向ないこうてき物事ものごとにのめりみやすいもの親子おやこといえる。サイド6での再会さいかいに、当初とうしょ素直すなお生存せいぞんよろこんでいたアムロの態度たいどには、なにかしら父親ちちおや期待きたいするところがあるなど平凡へいぼん親子おやこ関係かんけい垣間見かいまみえる。
つまとの関係かんけい
つまのカマリアとの関係かんけいっており、宇宙うちゅう生活せいかつはじめるさいに、それに馴染なじめないとうったえて地球ちきゅうのころうとする彼女かのじょってゆく素振そぶりもせなかった。またサイド7に技師ぎしとして赴任ふにんするさいに、宇宙うちゅう経験けいけんさせたいという意向いこうでアムロをれていく描写びょうしゃがある。

げきちゅうでの活躍かつやく

編集へんしゅう

テレビばんだい1(および劇場げきじょうばん機動きどう戦士せんしガンダム序盤じょばん)で、強襲きょうしゅう揚陸ようりくかんホワイトベース (WB) に乗艦じょうかんする技術ぎじゅつ士官しかんとして登場とうじょう。サイド7に入港にゅうこう、そこで極秘ごくひ建造けんぞうされていたガンダムなどのMSをWBに任務にんむたるが、ジオン公国こうこくぐんシャア・アズナブル少佐しょうさひきいるモビルスーツ部隊ぶたい奇襲きしゅうをかけてきたため、サイド7の避難ひなんみんよりもガンダムを優先ゆうせんしてWBに移送いそうさせようとする。しかし、アムロによって偶然ぐうぜん起動きどうされたガンダムがジーンザク撃破げきはした爆発ばくはつまれ、ノーマルスーツはあらかじめ着用ちゃくようしていたもののスペースコロニーひらいたあなから宇宙うちゅうされる。

その、WBがサイド6の中立ちゅうりつコロニーに入港にゅうこうするだい33(および劇場げきじょうばん機動きどう戦士せんしガンダムIII めぐりあい宇宙うちゅうへん序盤じょばん)で、市街地しがいちにて偶然ぐうぜんアムロと再会さいかいする。経緯けいい不明ふめいだがサイド6(中立ちゅうりつサイド)のコロニーにながき、そこのジャンクみをさせてもらっていた(サイド6のふねたすけられたともわれる[3])。しかしテムは宇宙うちゅう漂流ひょうりゅうちゅう酸素さんそ欠乏症けつぼうしょうわずらってかる記憶きおく喪失そうしつしょうになっている[4]、しかし、再会さいかい第一声だいいっせいはガンダムの戦果せんかについてであり、アムロがガンダムのパイロットであることはっている(だい34ではそのことがうれしいともべている)。みのジャンクへアムロをまねれ、ジオンのモビルスーツを参考さんこう開発かいはつしたガンダムよう回路かいろ小説しょうせつ密会みっかい〜アムロとララァ』ではアクセス・カード)をガンダムの記憶きおく回路かいろけるよう嬉々ききとした様子ようすでアムロに手渡てわたす。アムロはその回路かいろ時代遅じだいおくれの代物しろものであることをかっており、故郷こきょう母親ははおやったことをはなしてもにもめないわりてた父親ちちおや態度たいど落胆らくたんし、わかれたあとでてている。

だい34ではアムロが翌日よくじつふたたびいにおとずれるが、わたした回路かいろ絶大ぜつだい効果こうかがあったとの(うその)返答へんとう満足まんぞくし、その相手あいてにしていない。劇場げきじょうばんではアムロが「さようなら、とうさん」と独白どくはくしたあとにっている。WBのサイド6出港しゅっこう直後ちょくごコンスコン機動きどう艦隊かんたい相手あいてにガンダムがだい活躍かつやくしている様子ようすをテレビ中継ちゅうけい熱狂ねっきょう。ガンダムの勝利しょうり見届みとどけると、「地球ちきゅう連邦れんぽうぐんまんさいだ」と両手りょうてげる。劇場げきじょうばんでは玄関げんかんけてまんさいしたあと、あしすべらせて階段かいだんころち、うごかなくなる。

生死せいしについて

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『ガンダム』そう監督かんとく富野とみの喜幸よしゆきゆかりゆうは、サイド6でのテム・レイさい登場とうじょうまえ発行はっこうされた雑誌ざっしアニメージュ』1979ねん12がつごうでは、アムロの父親ちちおやんだのかとのいにたいし、んでおらずもう一度いちどてくる、そして物語ものがたりわってもなないとこたえている[5]

『ガンダム』がられずだい52まで放送ほうそうされたさいのあらすじを富野とみのしるした通称つうしょう「トミノメモ」では、ジオンのソフィア(フラナガン当初とうしょ名前なまえ)によるMSのマグネットコーティング理論りろん横流よこながしし、フラナガン機関きかん暗殺あんさつされたことがモスク・ハンからかたられることとされている[6]

実際じっさい放送ほうそうされたテレビばんでは前述ぜんじゅつとお生死せいしかんする描写びょうしゃはまったくない。劇場げきじょうばん『めぐりあい宇宙うちゅう』のアフレコ台本だいほんでも、階段かいだんちていく様子ようすしるされているものの、生死せいしについてはしるされていない[7]

1997ねん富野とみのが、アニメ『ファースト・ガンダム』そのもののダイジェストばんとしてあらわした[8]小説しょうせつ密会みっかい〜アムロとララァ』では、劇場げきじょうばん同様どうよう階段かいだんからころちたさい死亡しぼうしたとされている。

テム・レイの回路かいろ

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サイド6にてアムロに手渡てわたされたガンダムよう回路かいろ部品ぶひん前述ぜんじゅつ)は、漫画まんが機動きどう戦士せんしガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』では、テム・レイが過去かこ製作せいさくした自慢じまん発明はつめいひんとしている。これは本編ほんぺんでアムロが回路かいろをテムからたくされたさい、すぐ「ふるいモノ」だと理解りかいできた理由りゆうけとなっている。漫画まんがないでは、のちにアムロによってハロ学習がくしゅう回路かいろとして利用りようされている。

スーパーロボット大戦たいせんシリーズ」などのゲーム作品さくひんでは、この回路かいろをモチーフにしたアイテムが登場とうじょうする。「機体きたい性能せいのう低下ていかする」「機体きたい性能せいのう予測よそくできない変化へんかこす」など、装備そうびするとなにかしらリスクをともなうことがおおい。

USBハブ
現実げんじつにおいても、2007ねんあきバンプレストコンビニエンスストア中心ちゅうしん販売はんばいしたスピードくじ「一番いちばんくじ」のシリーズ商品しょうひん機動きどう戦士せんしガンダム だつ戦士せんしへん」の景品けいひんの1つとして、テム・レイの回路かいろ外観がいかん再現さいげんしたUSBハブが「こんなものHUBしょう」として登場とうじょう性能せいのうについても、わざと当時とうじから一昔ひとむかしまえ規格きかくであるUSB1.1専用せんようにしてあるという、こだわりの一品いっぴんである[ちゅう 2][9][10]
疾風しっぷう!アイアンリーガー
だい18において、セーガルが正体しょうたいかくして野良のら試合しあい挑戦ちょうせんじょうおくけたさいに(いろ無地むじだが)テム・レイの回路かいろおながたのパワーアップパーツを同封どうふうしていた。
スペース☆ダンディ
だい10において、ミャウのちち工場こうじょうでテム・レイの回路かいろそっくりのパーツが大量たいりょう生産せいさんされていた。それが一体いったいなになのかは、つくっているミャウのちちにもからなかった。

機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGINにおいて

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漫画まんが機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN』では、ミノフスキー物理ぶつりがく開祖かいそでジオンMSのみのおやであるミノフスキー博士はかせ直弟子じきでしとして登場とうじょう民間みんかん企業きぎょうアナハイム・エレクトロニクスのMS開発かいはつ部長ぶちょうとしてガンキャノン開発かいはつ責任せきにんしゃつとめている。テム・レイ自身じしんはその出来でき満足まんぞくしておらず、巨大きょだい工場こうじょう設備せつびがあればよりすごいものがつくれるとしんさけびをげるなど人間にんげんてきいちめんえがかれている。また、ミノフスキー博士はかせ尊敬そんけいしつつも対抗たいこう意識いしきをもっており、博士はかせ利用りようしてガンダム開発かいはつプランを提示ていじし、開発かいはつ着手ちゃくしゅすることが「開戦かいせんへん」「ルウムへん」でえがかれた。

また、『機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN』においても、最期さいご階段かいだんからちたさい後頭部こうとうぶ強打きょうだする描写びょうしゃがあるが、死亡しぼうしたかは不明ふめいである。

その登場とうじょう作品さくひん

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漫画まんが
ガンダム伝説でんせつだい1 RX-78誕生たんじょう秘話ひわ(『ガンダムマガジンだい1ごう掲載けいさい
ジオンぐん捕虜ほりょであるアルガをテストパイロットに起用きようし、ガンダムの開発かいはつすすめる姿すがたえがかれている。てき捕虜ほりょをV作戦さくせん関与かんよさせることに上層じょうそう懸念けねんするなか唯一ゆいいつMS開発かいはつたずさわる同志どうしとしてアルガを信頼しんらいしていた。なお、開発かいはつにあたっては通常つうじょうのMSよりも小型こがたのガンダムの雛形ひながた製作せいさくしている。
機動きどう戦士せんしガンダム MSV-R 宇宙うちゅう世紀せいき英雄えいゆう伝説でんせつ にじ霓のシン・マツナガ
宇宙うちゅう世紀せいき0079ねん7がつ、ジャブローにかく方面ほうめんからあつまったMSパイロット志願しがんへいたちをセキ技術ぎじゅつ大佐たいさとともにながめる様子ようすえがかれている。
機動きどう戦士せんしガンダム バンディエラ
命令めいれい違反いはん一時いちじてき離籍りせきした連邦れんぽうぐんMSパイロットのシモン・バラが、サイド6にいるテムに1にちいち補給ほきゅう物資ぶっし食料しょくりょうとどける。そのじつは、膨大ぼうだい重要じゅうよう機密きみつあたまかかんだまま酸素さんそ欠乏症けつぼうしょうにかかってしまったテムの「見張みはり」であった。アパートの管理人かんりにん管制かんせいきょく指示しじにより、時折ときおりテムのいた図面ずめんなどの荷物にもつ焼却しょうきゃくしているが、焼却しょうきゃくされかけていたところをシモンが入手にゅうしゅし、わかぎわにテムがたくした1まい図面ずめんが、おぞう寸前すんぜんだったガンダム・タイプの機体きたい完成かんせいみちびく。
ゲームブック
機動きどう戦士せんしガンダム0080 えたガンダムNT
酸素さんそ欠乏症けつぼうしょういつわりで、ひそかに次世代じせだいMSの開発かいはつたずさわっている様子ようすえがかれている。また、戦士せんしとしてのあまさがのこっているアムロに健常けんじょうしゃであることをあえてげなかったうえ、わたした回路かいろ部品ぶひんもスパイ対策たいさくようのダミーであったなど、正史せいしとは展開てんかいおおきくことなる。
ゲーム
機動きどう戦士せんしガンダム ギレンの野望やぼう アクシズの脅威きょういV
酸素さんそ欠乏症けつぼうしょうから回復かいふくしたテムが連邦れんぽう・ジオンをわず、ぜん勢力せいりょく技術ぎじゅつしゃ協力きょうりょくびかけて一軍いちぐんし、地球ちきゅうけん統一とういつはかるという架空かくうのシナリオが存在そんざいする。
SDガンダム スカッドハンマーズ
ガンダムおよびガンダムハンマーの開発かいはつしゃとしてホワイトベースのクルーとなり、息子むすこのアムロをパイロットにさせ、ガンダムハンマーのみでジオンぐんかわせている。ビームライフルビームサーベルなども開発かいはつ段階だんかいでは存在そんざいしていたが、テムによって廃案はいあんとなった。ゲームないでは「親父おやじひらめき」というシステムがあり、νにゅーガンダム武装ぶそうである「フィンファンネル」を開発かいはつすることがある。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ トレノフ・Y・ミノフスキー師事しじした新進しんしん工学こうがく博士はかせとする資料しりょうもある[2]
  2. ^ 2007ねんにはUSB 2.0普及ふきゅうしており、よく2008ねんにはUSB 3.0規格きかく正式せいしき発表はっぴょうされている。

出典しゅってん

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  1. ^ 『TVばん 機動きどう戦士せんしガンダム ストーリーブック1』 講談社こうだんしゃ、1981ねん3がつ、106ぺーじ
  2. ^ ロボットたましいMS開発かいはつ秘録ひろくプロトガンダム 2022.
  3. ^ a b 『アニメック16ごう 機動きどう戦士せんしガンダムだい事典じてん』 ラポート、1981ねん3がつ、143ぺーじ
  4. ^ 密会みっかい〜アムロとララァ』 52ページより
  5. ^ 富野とみのゆかりゆう発言はつげんしゅう 2000, p. 71.
  6. ^ 記録きろく全集ぜんしゅう5 1980, p. 189.
  7. ^ ロマンアルバム劇場げきじょうばんIII 1982, p. 153.
  8. ^ 密会みっかい加筆かひつ) 2000, p. 203.
  9. ^ 面白おもしろグッズがかならたる!「一番いちばんくじ機動きどう戦士せんしガンダム だつ戦士せんしへん特集とくしゅう1” Gundaminfo Officialsite、2007ねん11月23にち、2015ねん8がつ8にち観覧かんらん
  10. ^ 「こんなもの!」たってうれしい脱力だつりょくけいガンダムグッズ「だつ戦士せんしへんITMedia、2015ねん8がつ8にち観覧かんらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 書籍しょせき
    • 機動きどう戦士せんしガンダム記録きろく全集ぜんしゅう5』日本にっぽんサンライズ、1980ねん10がつ24にち 
    • 『ロマンアルバム・エクストラ50 機動きどう戦士せんしガンダムIII めぐりあい宇宙うちゅうへん徳間書店とくましょてん、1982ねん5がつ25にち 
  • ムック
    • 富野とみのゆかりゆう『キネしゅんムック ガンダムの現場げんばから 富野とみのゆかりゆう発言はつげんしゅうキネマ旬報社きねまじゅんぽうしゃ、2000ねん10がつ16にちISBN 4-87376-537-4 

関連かんれん項目こうもく

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