デ・ハビランド・カナダ DHC-7

デ・ハビランド・カナダ DHC-7 (de Havilland Canada DHC-7) とはカナダのデ・ハビランド・カナダ社しゃ（現在げんざいのボンバルディア・エアロスペース）が開発かいはつした旅客機りょかくき。通称つうしょうはダッシュ 7(Dash 7)である。短みじかい滑走かっそう路ろでも離着陸りちゃくりくが可能かのうなSTOL性せいを追求ついきゅうしたため、同どう規模きぼの旅客機りょかくきでは異例いれいのターボプロップエンジンを4発はつ搭載とうさいした機体きたいであった。1975年ねんから1988年ねんまで生産せいさんされ、総そう生産せいさん機き113機き。

概要がいよう

デ・ハビランド・カナダ社しゃは前作ぜんさくDHC-6 ツインオッターで20座席ざせき級きゅうのコミューター機き市場いちばの成功せいこうを収おさめていたが、1970年代ねんだいになると、環境かんきょう問題もんだいへの関心かんしんが高たかまり新あらたに厳きびしい騒音そうおん規制きせいがかけられるようになり、またDHC-6クラスの機体きたいを運航うんこうしていた航空こうくう会社かいしゃが成長せいちょうしさらに大型おおがたの機体きたいを必要ひつようとし始はじめていた。そこで同社どうしゃは従来じゅうらいのターボプロップ機きよりも低てい騒音そうおんかつ短みじかい滑走かっそう路ろから離着陸りちゃくりくできる50席せき級きゅうの大型おおがたの機体きたいを開発かいはつした。それがDHC-7であった。DHC-6のバージョンアップ版ばんともいえるが、様々さまざまな技術ぎじゅつ的てき改良かいりょうが施ほどこされている。

DHC-7はDHC-6のエンジンを双発そうはつから4発はつにした上うえでプロペラブレードを改良かいりょうし、客室きゃくしつの与あずか圧あつ化か、引ひき込こみ脚あしやドーサルフィンのついた大型おおがたのT字じ尾翼びよくの採用さいようなどの改良かいりょうを施ほどこした。エンジン排気はいき口こうは主翼しゅよく上面うわつらにあり、騒音そうおん軽減けいげんに注意ちゅういが払はらわれている。

開発かいはつは1972年ねんに始はじまり、1975年ねん 3月27日にちに初はつ飛行ひこうした。1978年ねん 2月がつ3日にちにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのロッキーマウンテンエアウェイズによって路線ろせん就航しゅうこうした。しかし、STOL性能せいのうを備そなえたコミューター機きの需要じゅようは予想よそうを裏うらぎって少すくなく、1988年ねんまでに113機きが生産せいさんされたにとどまった。更さらなる性能せいのうアップ型がたであるDHC-7-200シリーズの開発かいはつも検討けんとうされていたが、1988年ねんにデ・ハビランド・カナダ社しゃがボンバルディアに買収ばいしゅうされた際さいに、今後こんごDHC-7の生産せいさんは行おこなわないとして生産せいさん終了しゅうりょうした。次世代じせだいのコミューター機きが出現しゅつげんし、4発はつ機きは製造せいぞうコストも整備せいびコストも嵩かさむという欠点けってんがあったためである。2006年ねん8月がつ現在げんざいも71機きが世界せかい各国かっこくの航空こうくう会社かいしゃで活躍かつやく中ちゅうである。なお、軍用ぐんよう型がたもいくつか提案ていあんされたが、軍用ぐんよう機きとして採用さいようしたのはカナダとベネズエラ、そしてO-5の名称めいしょうで（一部いちぶはRC-7へ改称かいしょう）電子でんし偵察ていさつ機きとして採用さいようしたアメリカのみである。

後継こうけい機種きしゅとして現在げんざいボンバルディアが生産せいさんしているDHC-8がある。

要目ようもく

全長ぜんちょう：24.58m
全幅ぜんぷく：28.35m
全高ぜんこう：7.98m
空虚くうきょ重量じゅうりょう：12,540Kg
最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょう：20,000Kg
翼つばさ面積めんせき 80.0 m²
エンジン：P&W PT6A-50 ターボプロップエンジン 1,120馬力ばりき 4基き
航続こうぞく距離きょり：1,400km
最大さいだい速度そくど：436km/h=M0.36
離陸りりく距離きょり：549m
操縦そうじゅう乗員じょういん：2名めい
乗客じょうきゃく：54名めい（最大さいだい）

外部がいぶリンク

The Dash 7 Homepage
de Havilland DHC-7 Dash-7, www.xdh.ca