トレチャコフ美術館びじゅつかん

トレチャコフ美術館びじゅつかん; Государственная Третьяковская галерея
	トレチャコフ美術館びじゅつかんのファサード。ロシアの伝統でんとう的てきなデザインを各所かくしょに採用さいようしている。
施設しせつ情報じょうほう
正式せいしき名称めいしょう	Государственная Третьяковская галерея
来館らいかん者しゃ数すう	2,325,759人にん (2016年ねん)
館長かんちょう	ゼリフィラ・トレグロワ
開館かいかん	1856年ねん
所在地しょざいち	10, Lavrushinsky Lane Moscow
位置いち	北緯ほくい55度ど44分ふん29秒びょう東経とうけい37度ど37分ふん13秒びょう / 北緯ほくい55.74139度ど東経とうけい37.62028度ど座標ざひょう: 北緯ほくい55度ど44分ふん29秒びょう東経とうけい37度ど37分ふん13秒びょう / 北緯ほくい55.74139度ど東経とうけい37.62028度ど
外部がいぶリンク	公式こうしきウェブサイト
	プロジェクト:GLAM
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国立こくりつトレチャコフ美術館びじゅつかん（露ろ: Государственная Третьяковская галерея, 略称りゃくしょう:ГТГ, 英えい: The State Tretyakov Gallery）は、ロシア、モスクワにある美術館びじゅつかん。世界せかい有数ゆうすうのロシアファインアートのコレクションで知しられる。

歴史れきし

トレチャコフ美術館びじゅつかんは、歴史れきし的てきには1851年ねん（英語えいご版ばんでは1856年ねん）にモスクワの商人しょうにんで工場こうじょう主おもであったパーヴェル・ミハイロヴィッチ・トレチャコフ（1832年ねん-1898年ねん）とセルゲイ・トレチャコフ（英語えいご版ばん）の兄弟きょうだいが自邸じていに開ひらいた美術びじゅつギャラリーから始はじまった。トレチャコフ兄弟きょうだいにより様々さまざまなロシアの芸術げいじゅつ家かたちの作品さくひんが収集しゅうしゅうされ、現在げんざいではロシア最大さいだい級きゅうの美術館びじゅつかんのひとつにまで成長せいちょうした。

トレチャコフ美術館びじゅつかんのファサードは、1901年ねんに画家がかでロシア様式ようしきの旗手きしゅとして知しられていた建築けんちく家かのヴィクトル・ヴァスネツォフによって改築かいちくされた。赤あかと白しろの配色はいしょくを基本きほんとして童話どうわから出でてきたようなモチーフで全体ぜんたいを柔やわらかい感覚かんかくでまとめ上あげた。トレチャコフ美術館びじゅつかんの建物たてものは、モスクワ川がわを挟はさんで、クレムリンの南みなみ、ラヴールシンスキー通どおりに面めんしているが、20世紀せいきの間あいだに、いくつか近隣きんりんの建物たてものを合あわせて拡張かくちょうしていった。その中なかには17世紀せいきに立たてられたトルマチの聖せいニコライ教会きょうかいも含ふくまれ、1930年ねんには本館ほんかんの右側みぎがわに新館しんかんが建設けんせつされた。公開こうかいの開始かいしは74年ねんから、92年ねんモスクワ市しへ寄贈きぞうされている。1980年ねんから10年間ねんかんの歳月さいげつをかけて全ぜんファサードがヴァスネツォフ調ちょうのデザインで統一とういつされた。この間あいだ、トレチャコフ美術館びじゅつかんは、数すう多おおくのロシアにおけるコンテンポラリー・アートの収集しゅうしゅうに当あたった。

コレクション

そのコレクションは約やく13万まん点てんに及およぶ。ロシアのイコンの傑作けっさくであるフェオファン・グレクの『主おもの顕あらわ栄さかえ』『ドンの生神うるかみ女おんな』、アンドレイ・ルブリョフの『至いたり聖ひじり三さん者しゃ』や『ウラジーミルの生神うるかみ女おんな』、ディオニシイの『スモレンスクの生神うるかみ女おんな』、ダニイル・チョールヌィイの『アウラアムの饗宴きょうえん』などから、ワシリー・カンディンスキーの『Composition VII』、カジミール・マレーヴィチの『黒くろい正方形せいほうけい』などの現代げんだい美術びじゅつにまで渡わたる。1977年ねんには、ジョージ・コスタキス（英語えいご版ばん）のコレクションを取得しゅとくした。

イコン

油彩ゆさい画が

Portrait of Maria Lopukhina（Vladimir Borovikovsky）
民衆みんしゅうの前まえに現あらわれたキリスト
 アレクサンドル・イワノフ
戦争せんそうの結末けつまつ
ヴァシーリー・ヴェレシチャーギン
フョードル・ドストエフスキーの肖像しょうぞう
ヴァシリー・ペロフ
1861年ねん2月がつ19日にちの読書どくしょ
G.G.Myasoedov
クルスク県けんの復活ふっかつ大祭たいさいの十字じゅうじ行ぎょう
イリヤ・レーピン
皇女おうじょソフィア
イリヤ・レーピン
見知みしらぬ女おんな
 イワン・クラムスコイ
桃ももを持もった少女しょうじょ
ヴァレンティン・セローフ
フョードシヤ・モロゾワ
ワシーリー・スリコフ
Composition VII（ワシリー・カンディンスキー）
バケツと女おんな
カジミール・マレーヴィチ
騎士きしたち（ボガトィリ、Богатыри）
ヴィクトル・ヴァスネツォフ
『黄金おうごん色しょくの秋あき』、
イリヤ・オストロウーホフ

モスクワ近代きんだい美術館びじゅつかん

詳細しょうさいは「en:Moscow Museum of Modern Art」を参照さんしょう

1985年ねん以来いらい、モスクワ・サドーヴォエ環状かんじょう道路どうろのすぐ南みなみ（クルイムスキー橋きょう北緯ほくい55度ど44分ふん02秒びょう東経とうけい37度ど35分ふん56秒びょう / 北緯ほくい55.73389度ど東経とうけい37.59889度ど / 55.73389; 37.59889の南東なんとう）にある「モスクワ近代きんだい美術館びじゅつかん」^[5]を管理かんり下かに置おいている。ロシア前衛ぜんえい派はの抽象ちゅうしょう芸術げいじゅつの先駆せんく者しゃ、ワシリー・カンディンスキーの「コンポジション VII」やカジミール・マレーヴィチの「黒くろの正方形せいほうけい」など、有名ゆうめいな作品さくひんが多数たすうある。

この美術館びじゅつかんは社会しゃかい主義しゅぎリアリズムの美術びじゅつ品ひんを所蔵しょぞうしていて、エヴゲニ・ヴチェティチ（英語えいご版ばん）作さくの「鉄てつのフェリックス」像ぞう（1991年ねんにルビャンカ広場ひろばから移動いどう）、「鉄てつを鍬くわに」、「若わかいロシア」がある。また近ちかくにはズラブ・ツェレテリ（英語えいご版ばん）作さくのピョートル大帝たいてい像ぞう（高たかさ86メートル）もある。建物たてものは後期こうきモダニズム建築けんちくの箱はこ型がたなので取とり壊こわしの計画けいかくもあるが、反対はんたいもあり実現じつげんできないでいる。

モスクワ近代きんだい美術館びじゅつかんのオクチャーブリスカヤ駅えき近ちかくの公園こうえんに、「亡なくなった英雄えいゆうたちの広場ひろば」（または戦没せんぼつ者しゃ記念きねん広場ひろば（英語えいご版ばん））もあり、ソビエト時代じだいの彫刻ちょうこくをそこに移うつして、野外やがい展示てんじ場じょうになっている。