ハードカバー(英えい: hardcover, hardback)は、硬かたい板紙いたがみの表紙ひょうし(カバー)で綴とじられた本ほんのことである。上うえ製本せいほん、本ほん製本せいほん、厚あつ表紙ひょうし本ほん、ハードバックと表記ひょうきされることもある。
ハードカバーの表紙ひょうしは、厚紙あつがみとそれを覆おおう薄紙うすがみ、布ぬの、皮かわなどから構成こうせいされる。一般いっぱんの商業しょうぎょう的てきなハードカバーはペーパーバックと同おなじく折おり丁ひのとを背せ表紙ひょうしに接着せっちゃく剤ざいで固定こていする無線むせん綴ていじという技法ぎほうを採用さいようしているが、昔むかしの書籍しょせきでは背せ表紙ひょうしに糸いとや針金はりがねで綴とじる糸いとかがり綴ていじが使用しようされていた。本来ほんらいのハードカバーの表紙ひょうしは、印刷いんさつ技術ぎじゅつがない当時とうじに羊皮紙ようひしを使用しようすることによって高価こうかで作成さくせいが大変たいへんとなっていた書籍しょせきを保護ほごするため、使用しようされたものである。その際さい、表紙ひょうしを装飾そうしょくするためにさまざまな装飾そうしょくが芸術げいじゅつとして発展はってんした。
製本せいほんの手間てまと材料ざいりょうのコストから、ハードカバーはペーパーバックより高価こうかになる傾向けいこうがある。ハードカバーで刊行かんこうされる書籍しょせきは、造本ぞうほんの堅牢けんろうさを要求ようきゅうされる百科ひゃっか事典じてん、少しょう部数ぶすうで利益りえきを出だす必要ひつようがある専門せんもん書しょ、高額こうがくでも需要じゅようが期待きたいできる著名ちょめいな作家さっかの小説しょうせつやエッセイなどである。ハードカバーで出版しゅっぱんされた書籍しょせきで良よく売うれたものは、しばらく後のちにペーパーバックで出版しゅっぱんされることが多おおい。
ハードカバーと呼よばれる中なかでもいくつかの種類しゅるいが存在そんざいし、一般いっぱん的てきには厚紙あつがみと薄紙うすがみを用もちいたものが並製なみせいと呼よばれる。上うえ製本せいほんは布ぬの張ばりやレザーなどを使用しようし、題名だいめいや著者ちょしゃ名めいなどは印刷いんさつではなく打だ刻こくされている場合ばあいもある。
表紙ひょうしを覆おおう紙かみのことをカバーというのは和製わせい英語えいごであり、本来ほんらいの英語えいごではdust jacket(ダストジャケット)、wrapper(ラッパー)などが使つかわれる。