(Translated by https://www.hiragana.jp/)
バックプレーン - Wikipedia

バックプレーンえい: Backplane)は、回路かいろ基板きばん通常つうじょうプリント基板きばん)の一種いっしゅで、複数ふくすうコネクタ基板きばんじょう相互そうごまさしく(かくコネクタの対応たいおうするピン同士どうしを)相互そうご接続せつぞくしたものであり[1]バス形成けいせいしている。複数ふくすう回路かいろ基板きばんをコネクタに挿入そうにゅうすることで相互そうご接続せつぞくし、コンピュータシステムを構成こうせいするバックボーンとして機能きのうする。

PICMG 1.3 規格きかくのバックプレーン
VMEバスのカードとバックプレーン(おく

概要がいよう

編集へんしゅう

コンピュータを、CPUふくかくモジュールがバックプレーンバスで接続せつぞくされている、といった構成こうせいつくることは、パソコン以前いぜんふるくからられる。たとえばDECミニコンUnibusがある。

マイクロコンピュータで、このような形態けいたいでコンピュータシステムを構成こうせいしたふるれいとしては、S-100バス使つかったシステムがある。Apple IIIBM PC といった初期しょきパーソナルコンピュータでも拡張かくちょうカードようのバックプレーンを内蔵ないぞうしていた。

マザーボードは、バックプレーンとしての機能きのうつが、通常つうじょうバックプレーンとはべつあつかわれる。バックプレーンの場合ばあい、その回路かいろ基板きばんじょうには計算けいさん能力のうりょくがなく、CPUはプラグインで提供ていきょうされるCPUボードじょうにある。

バックプレーンはケーブル接続せつぞくよりも信頼しんらいせいすぐれているとされている。ケーブルの場合ばあい、カードを挿入そうにゅう抜去ばっきょするたびにケーブルをうごかす必要ひつようがあり、それによって機械きかいてき障害しょうがい発生はっせいする可能かのうせいがある。バックプレーンの場合ばあい、コネクタの寿命じゅみょうつづかぎり、たか信頼しんらいせい維持いじする。たとえば、VMEバスシステムで使つかわれている DIN 41612 コネクタは50かいから500かい挿入そうにゅう/抜去ばっきょ可能かのうとされている(製品せいひん種類しゅるいによってがある)。

バックプレーンは、CPUそののコンピュータ機能きのう実装じっそうした制御せいぎょようシングルボードコンピュータ以外いがい最小限さいしょうげん機能きのう提供ていきょうする。PICMG 1.3 規格きかくのシングルボードコンピュータは、PICMG 1.3 バックプレーンと接続せつぞく可能かのうで、System Host Board とばれる。

シングルボードコンピュータと対応たいおうしていないバックプレーンは、たんにプラグインカードぐんへの電源でんげん供給きょうきゅうおこなう。たとえば、プラグインカード製造せいぞう業者ぎょうしゃは、そのようなバックプレーンを使つかって製品せいひんじょうのROMの焼付やきつけをおこなう。

さらに、コンピュータのバスをケーブルで拡張かくちょうして外部がいぶのバックプレーンに接続せつぞくする形態けいたいもある。この場合ばあい通常つうじょうそのバックプレーンはべつ筐体きょうたいにあり、ホストコンピュータないにある拡張かくちょうスロット以上いじょうのスロットや仕様しようことなるバスのスロットを提供ていきょうする。接続せつぞくさいしては、ケーブルだけでなく、本体ほんたいがわ通信つうしん回路かいろ基板きばん)と拡張かくちょうバックプレーンがわ拡張かくちょう基板きばん必要ひつようである。この場合ばあい、バックプレーンがわにシングルボードコンピュータは不要ふようである。

アクティブ・バックプレーン

編集へんしゅう

パーソナルコンピュータでは、初期しょきIBM PCISA やS-100バスの場合ばあいのようにすべてのコネクタが共通きょうつうのバスに接続せつぞくされる形態けいたいから、より複雑ふくざつ形態けいたいへと進化しんかしている。PCI 規格きかくでは駆動くどうできるスロットすうなどに限界げんかいがあるため、バックプレーンは「アクティブ」なものと「パッシブ」なものに枝分えだわかれしている。

パッシブ・バックプレーンでは、回路かいろ駆動くどうするようなアクティブなバス要素ようそたない。必要ひつよう調停ちょうてい回路かいろすべてプラグインされるカードがわにある。アクティブ・バックプレーンでは、スロットあいだ各種かくしゅ信号しんごうバッファリングをおこなうチップを実装じっそうしている。

これらのちがいはそれほど明確めいかくでない場合ばあいもあるが、単一たんいつ故障こしょうてん(SPOF)がないシステムを構築こうちくしようとする場合ばあい重要じゅうようとなる。パッシブ・バックプレーンは、それがシステムないに1つしかない場合ばあいでも、SPOFとはみなされない。アクティブ・バックプレーンはもっと複雑ふくざつであるため、故障こしょう可能かのうせいがゼロとはえない。

インテルのプロセッサを中心ちゅうしんとしたシングルボードコンピュータでは、PICMG がバックプレーンのインタフェース規格きかくとして PICMG 1.0, 1.1, 1.2[2](ISA と PCI をサポート、1.2 はさらに PCIX もサポート)と PICMG 1.3[3] [4]PCI Expressサポート)を提供ていきょうしている。

ストレージにおけるバックプレーン

編集へんしゅう
 
SCSI規格きかくのHDDを複数個ふくすうこ実装じっそうするためのバックプレーン

バックプレーンは、複数ふくすうハードディスクドライブ単一たんいつディスクアレイ・コントローラに接続せつぞくするさいにもよく使つかわれる。このようなバックプレーンは、ディスクエンクロージャディスクアレイサーバなどによく見受みうけられる。

SATASASのハードディスクドライブでは、バックプレーンとホストバスアダプタとの通信つうしんSGPIOプロトコルが一般いっぱん使つかわれる。

ミッドプレーン

編集へんしゅう

バックプレーンでは、一方いっぽうめんだけにコネクタがあって、カードが挿入そうにゅうされるが、ミッドプレーン(midplane)では両面りょうめんにコネクタがあって、両面りょうめんからカードが挿入そうにゅうされる。これは、大型おおがたのシステムでよく使つかわれる形態けいたいである。ネットワークや通信つうしんけにおお形態けいたいで、一方いっぽうめんにはプロセッサカードが挿入そうにゅうされ、もう一方いっぽうめんにはネットワークカードが挿入そうにゅうされる。ブレードサーバにもこの形態けいたいおおく、サーバブレードぐん一方いっぽうめん実装じっそうし、周辺しゅうへん機能きのう電源でんげん、ネットワーク、そののI/O)やサービスモジュールを裏面りめんから実装じっそうしている。

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ Definition
  2. ^ PICMG 1.0, 1.1 and 1.2 Archived 2012ねん6がつ26にち, at the Wayback Machine.
  3. ^ PICMG 1.3 Archived 2012ねん6がつ26にち, at the Wayback Machine.
  4. ^ PICMG 1.3 SHB Express Resources Archived 2012ねん11月30にち, at the Wayback Machine.