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マンゴネル - Wikipedia

マンゴネルとは、城壁じょうへき投射とうしゃぶつはなつためのカタパルトおさむじょう兵器へいき一種いっしゅ

概要がいよう

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古代こだいのカタパルトの略図りゃくず

中世ちゅうせい使用しようされた。名称めいしょうギリシアラテン語らてんごのmanganonに由来ゆらいし、「戦争せんそうよう装置そうち」を意味いみする[1][2]。この言葉ことば正確せいかく語義ごぎには議論ぎろん余地よちがあり、いくつかの仮説かせつしめされてきた。これは平衡へいこうおもり投石とうせきトレビュシェット)の名称めいしょうである場合ばあいがあり、また作動さどうさい人力じんりき補助ほじょされた固定こていしきカウンターウェイトがた投石とうせきもそうるものだった。またフレームをもちいる特定とくてい形式けいしきのものも、こうばれた[3][4]。マンジャニーク(ペルシア: منجنیق転写てんしゃ: manjaniqアラビア: منجنيق転写てんしゃ: manajaniq)はおな由来ゆらいし、様々さまざま種類しゅるい投石とうせきにあてはまる。これはことなる時代じだいまたは場所ばしょで、複数ふくすう種類しゅるい装置そうち言及げんきゅうしていたか、一般いっぱん用語ようごであった可能かのうせいがある。

現代げんだい用語ようごでは、しばしばカタパルトはオナガー中世ちゅうせい形態けいたい名称めいしょうとしてもちいられるが、歴史れきしてきには少数しょうすう証拠しょうこしか存在そんざいしない。 マンゴネルは、のち導入どうにゅうされたトレビュシェットよりも投擲とうてき精度せいどひくかった。トレビュシェットは火薬かやく発見はっけん広範こうはん使用しようにより短期間たんきかん運用うんようわった。マンゴネルはトレビュシェットと比較ひかくし、投射とうしゃたいてい軌道きどうかつこう初速しょそく投擲とうてきした。また防壁ぼうへきえてむよりもむしろ、防壁ぼうへき破壊はかいすることを目的もくてきとしており、より野戦やせんてきしていた。

戦闘せんとうでの役割やくわり

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マンゴネルの砲弾ほうだん。1224ねん、イングランドのベッドフォードじょう包囲ほうい使用しようされた。

マンゴネルは、重量じゅうりょうのある投射とうしゃたいを、支持しじうで終端しゅうたんわんじょう整形せいけいされたバケットからはなった。[よう出典しゅってん] このバケットはスリングにくらべて多量たりょういわはなつことができた。これはオナガーとの相違そういてんである。スリングは、射撃しゃげきもちいるちから強化きょうかされるとバケットに交換こうかんされた。戦闘せんとうにおいて、マンゴネルは、いわ燃焼ねんしょうぶつした。ファイアーポットは衝撃しょうげき炎上えんじょうする可燃かねんぶつ充填じゅうてんした容器ようきだった。またには、攻撃こうげき防御ぼうぎょたる部隊ぶたいが、即座そくざ利用りようできたものをげつけた。風変ふうがわりな投射とうしゃぶつとしては、腐敗ふはいした動物どうぶつ人間にんげん死体したい、とくに頭部とうぶなど、脅迫きょうはく士気しき喪失そうしつ、または防御ぼうぎょがわ疫病えきびょう蔓延まんえんさせるためにもちいられた。この戦術せんじゅつ効果こうかがあった。おさむしろせんにおいて、防御ぼうぎょがわ城内じょうないじこもることになるため、食料しょくりょう補給ほきゅう不十分ふじゅうぶんになりがちで劣化れっか腐敗ふはいしやすく、狭隘きょうあい居住きょじゅう空間くうかんあいまって衛生えいせい状態じょうたい劣悪れつあくであった。こういった状態じょうたい腐敗ふはいした死体したいむことは、有害ゆうがいしょう動物どうぶつ加勢かせい防御ぼうぎょがわ疫病えきびょう蔓延まんえんさせるにあたって理想りそうてき手段しゅだんであった。しかし注意ちゅういすべきことに、マンゴネルの主要しゅよう任務にんむは、ことに中世ちゅうせい戦闘せんとうにおいては城壁じょうへき都市とし防壁ぼうへき、インフラをくずすことであり、兵員へいいん殺傷さっしょうではなかった。予測よそく不能ふのう強力きょうりょく打撃だげきは、建造けんぞうぶつ防壁ぼうへきなど、面積めんせきおおきい固定こてい目標もくひょう攻撃こうげき最適さいてきだった。

中世ちゅうせい

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中世ちゅうせいのマンゴネル
 
マンゴネルの側面そくめん

中世ちゅうせいのマンゴネルはローマ時代じだいオナガーとはことなる意味いみち、むしろ固定こていしきのカウンターウェイトをおさむじょう兵器へいきちかくなり、トレビュシェット類似るいじしていた。トレビュシェットとの唯一ゆいいつ相違そういてん固定こていしきのカウンターウェイトをち、これを人力じんりきろすことであった。この方法ほうほうでは熟練じゅくれんした兵員へいいん従事じゅうじし、この装置そうち兵長へいちょうはマンゴネルにもちいるちからつよさを調節ちょうせつすることが可能かのうだった。

マンゴネルの作動さどう機構きこう

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マンゴネルは終端しゅうたんにフックのいたロープによってひくめられ、装填そうてん状態じょうたいにされるが、このフックはまたべつの、牽引けんいん装置そうちつなげられたロープと結合けつごうした。牽引けんいん装置そうちとしては滑車かっしゃふくあわした装置そうち、ギアをふくあわした装置そうち、または動物どうぶつもちいた牽引けんいんシステムがあった。メインロッドはこのロープをいてひくめられる。ひとたびロッドがひくめられると、作業さぎょうしゃ投射とうしゃたいくスリングの注意ちゅういしなければならなかった。マンゴネルが装填そうてんされると、兵長へいちょうはメインロッドを解放かいほうする指示しじあたえ、また同時どうじ兵員へいいんたちはカウンターウェイトへ接続せつぞくするロープをいた。マンゴネルの操作そうさには通常つうじょう20めい程度ていど兵員へいいんようした。

もし兵員へいいんがよく訓練くんれんされていれば、この装置そうち投射とうしゃたい発射はっしゃ軌道きどう高低こうていをコントロールすることも可能かのうだった。しかし、熟練じゅくれんしていない兵員へいいんあつかった場合ばあいには、投射とうしゃたいによって友軍ゆうぐん歩兵ほへいはおろか兵員へいいんみずからを殺傷さっしょうする危険きけんせいさえあった[5]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ What is a catapult?”. RLT Industries. 2009ねん1がつ12にち閲覧えつらん[リンク]
  2. ^ Mangonel”. middle-ages.org.uk. 2009ねん1がつ12にち閲覧えつらん
  3. ^ Konstantin Nossov, Vladimir Golubev. Ancient and Medieval Siege Weapons: A Fully Illustrated Guide to Siege Weapons and Tactics 
  4. ^ Larry J. Simon, Robert Ignatius Burns, Paul E. Chevedden, Donald J. Kagay, Paul G. Padilla. Iberia and the Mediterranean World of the Middle Ages: Studies in Honor of Robert I. Burns, S.J. 
  5. ^ Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Engin”. 2011ねん7がつ3にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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