仙せん椎しい

仙せん椎しい（せんつい）は、脊椎動物せきついどうぶつのうち四肢しし動物どうぶつの脊椎せきついおよび骨盤こつばんを構成こうせいする骨格こっかく要素ようそ。

仙せん椎しいの獲得かくとく

非ひ四肢しし動物どうぶつ型かた魚類ぎょるいは脊椎動物せきついどうぶつで最初さいしょに出現しゅつげんしたグループであり、腹はら椎しい（または背せ側がわ椎骨ついこつ）と尾お椎しいのみで構成こうせいされる脊椎せきついを持もつ。仙せん椎しいが他たの脊椎せきついから区別くべつされるのは、陸上りくじょうに進出しんしゅつして肩かた帯たいおよび腰帯こしおびという抗こう重力じゅうりょく機構きこうを手てに入いれた四肢しし動物どうぶつからである。腰帯こしおびを形成けいせいする腸ちょう骨こつがある脊椎せきついの肋骨あばらぼねと関節かんせつする場合ばあい、その脊椎せきついが仙せん椎しいと定義ていぎされる。仙せん椎しいより前側まえがわの脊椎せきついは仙せん前ぜん椎しい、後こう側がわの脊椎せきついは尾お椎しいである。

各かく分類ぶんるい群ぐんの適応てきおう

両生類りょうせいるいは1個いっこ、爬虫類はちゅうるいとオポッサムは2個こ、大だい部分ぶぶんの哺乳類ほにゅうるいは3〜5個この仙せん椎しいが認みとめられている。ただし、奇き蹄目の哺乳類ほにゅうるいは最大さいだい8個こ、貧ひん歯ぱ目めの哺乳類ほにゅうるいは最大さいだい13個この仙せん椎しいが存在そんざいする。

鳥類ちょうるいは仙せん椎しいが最後さいご位い胸椎きょうついや一部いちぶの尾お椎しいと癒合ゆごうした複ふく合あい仙骨せんこつを形成けいせいしており、複ふく合あい仙骨せんこつの横よこ突起とっきと肋骨あばらぼね突起とっきは腸ちょう骨ほねとも堅固けんごに結合けつごうする。これにより鳥類ちょうるいは、筋肉きんにくによる調整ちょうせいを経へず姿勢しせいを固定こていしてエネルギーを節約せつやくすること、ならびに走行そうこう時じに脚あし部ぶから得えられる前進ぜんしん力りょくを効率こうりつ的てきに体からだ幹みきに伝つたえることが可能かのうである。

また、哺乳類ほにゅうるいのアルマジロは13個この仙せん椎しいと一部いちぶの尾お椎しいが癒合ゆごうして複ふく合あい仙骨せんこつを形成けいせいしている。ヒトも5個この仙せん椎しいが癒合ゆごうして逆ぎゃく三角形さんかっけいの仙骨せんこつを形成けいせいしている。