刑けい集しゅう

刑けい集しゅう（けいしゅう）は、刑事けいじ判例はんれい集しゅうの略称りゃくしょう。以下いかの二に通とおりの意味いみがある。

1. 『大審院だいしんいん刑事けいじ判例はんれい集しゅう』の略称りゃくしょう。
2. 『最高裁判所さいこうさいばんしょ刑けい事こと判例はんれい集しゅう』の略称りゃくしょう。

• なお、「刑けい集しゅう」を『大審院だいしんいん刑事けいじ判例はんれい集しゅう』の意味いみで用もちいて判例はんれいを引用いんようするときは、巻数かんすう及およびページ数すうでその判例はんれいを特定とくていし（例たとえば、「大審院だいしんいん昭和しょうわ7年ねん2月がつ12日にち判決はんけつ刑けい集しゅう11巻かん75頁ぺーじ」など）、「刑けい集しゅう」を『最高裁判所さいこうさいばんしょ刑事けいじ判例はんれい集しゅう』の意味いみで用もちいて判例はんれいを引用いんようするときは、巻数かんすう、号ごう数すう及およびページ数すうでその判例はんれいを特定とくていする（例たとえば、「最高裁さいこうさい平成へいせい13年ねん7月がつ16日にち決定けってい刑けい集しゅう55巻かん5号ごう317頁ぺーじ」など）のが通例つうれいである。

最高さいこう裁判所さいばんしょ刑事けいじ判例はんれい集しゅう

『最高裁判所さいこうさいばんしょ判例はんれい集しゅう』の「刑事けいじ編へん」のことを指さす。原則げんそく月がつ1回かい刊行かんこう。最高さいこう裁判所さいばんしょ判例はんれい委員いいん会かい編集へんしゅう。財団ざいだん法人ほうじん判例はんれい調査ちょうさ会かい刊行かんこう。

事件じけん名めい、訴訟そしょう当事とうじ者しゃ、判示はんじ事項じこう、判示はんじ要旨ようし、判決はんけつ本文ほんぶん、上告じょうこく趣意しゅい書しょ、第だい1審しん・原審げんしん判決はんけつから成なる。

「刑けい集しゅう」に登載とうさいするほど重要じゅうようでないと判断はんだんされた事件じけんは、『最高裁判所さいこうさいばんしょ裁判さいばん集しゅう刑けい事こと』（「集しゅう刑けい」と呼よばれる）に登載とうさいされる（こちらは、「内部ないぶ資料しりょう」扱あつかいで公刊こうかんされない）。

「刑けい集しゅう」登載とうさい事件じけんは、担当たんとうした最高さいこう裁判所さいばんしょ調査官ちょうさかんが『法曹ほうそう時報じほう』（一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん法曹ほうそう会かい刊行かんこうの月刊げっかん法曹ほうそう専門せんもん誌し）に「調査官ちょうさかん解説かいせつ」を執筆しっぴつするのが慣習かんしゅうとなっている。「調査官ちょうさかん解説かいせつ」は、判示はんじ事項じこう、裁判さいばんの要旨ようしを摘示した上うえ、当該とうがい裁判さいばんについて調査官ちょうさかんの「個人こじん的てき意見いけん」に基もとづいて解説かいせつしたもので、「最高裁さいこうさいとしての見解けんかい」を示しめしたものではない。ただ、学説がくせつや判例はんれいについての詳細しょうさいな分析ぶんせきや当該とうがい事案じあんの事実じじつ関係かんけいを簡潔かんけつに知しることができ、最高裁さいこうさいにおける判断はんだん過程かていの一端いったんを知しることができることから、重要じゅうような影響えいきょう力りょくを持もっている。「調査官ちょうさかん解説かいせつ」は、裁判さいばんの年としごとに『最高裁判所さいこうさいばんしょ判例はんれい解説かいせつ・刑事けいじ編へん』としてまとめられ、一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん法曹ほうそう会かいから刊行かんこうされている。

関連かんれん項目こうもく

• 『大審院だいしんいん刑けい事こと判決はんけつ録ろく』（「刑けい録ろく」） - 『大審院だいしんいん刑事けいじ判例はんれい集しゅう』が刊行かんこうされる以前いぜん（〜1921年ねん）に発行はっこうされていた公式こうしき判例はんれい集しゅう。
• 民みん集しゅう - 刑けい集しゅうが刑事けいじ判例はんれいを登載とうさいしているのに対たいし、民みん集しゅうは民事みんじ判例はんれいを登載とうさいしている。