向こう拝はい(こうはい、ごはい)とは、日本にっぽんの寺院じいん建築けんちく・神社じんじゃ建築けんちくにおいて、仏堂ぶつどうや社殿しゃでんの屋根やねの中央ちゅうおうが前方ぜんぽうに張はり出だした部分ぶぶんのこと。仏堂ぶつどうや社殿しゃでん入口いりくちの階段かいだん上じょうに設もうけられる場合ばあいが多おおいことから「階かい隠かくれ」(はしかくし)とも。
向こう拝はいは、仏堂ぶつどう、神社じんじゃの本殿ほんでん・拝殿はいでんなどの正面しょうめんに設もうけられることが多おおいが、仏堂ぶつどうでは背面はいめんに設もうける場合ばあいもある。向こう拝はいの屋根やねを支ささえる柱はしらを向こう拝はい柱ばしらという。向こう拝はい柱ばしらと本屋ほんやの柱はしらの間あいだは、海老えび虹にじ梁はり(えびこうりょう)という曲まがりのある水平すいへい材ざいで繋つなぐことが多おおい。
神社じんじゃ建築けんちくのもっとも古ふるい様式ようしきとされる神明しんめい造づくりなどには向こう拝はいを設もうけないのが原則げんそくである。流造ながれづくりの社殿しゃでんでは、切妻きりづま屋根やねが前方ぜんぽうに伸のびて庇ひさしとなるため、向こう拝はいを設もうけない場合ばあいが多おおいが、庇ひさしの前方ぜんぽうにさらに向こう拝はいを設もうける場合ばあいもあり、特とくに近江おうみ地方ちほうにその例れいが多おおい[1]。