天文てんもん博士はかせ(てんもんはかせ)とは、律令制りつりょうせいの陰陽いんよう寮りょうに設置せっちされた教官きょうかんで天文てんもん道どうのことを担当たんとうする。正せい七なな位い下か相当そうとう。定員ていいんは1名めいであるが、後のちに権けん官かんも設もうけられた。
天体てんたいを観測かんそくして天文てんもんのことに異変いへん(月食げっしょくや彗星すいせいなどの天文てんもん現象げんしょう)が発見はっけんされれば、天てん文書ぶんしょに基もとづいて吉凶きっきょうを占うらなってその内容ないようを密封みっぷうした上うえで天皇てんのうに奏聞そうもんする天文てんもん密奏みっそうを行おこなうことと、天文てんもん生せい(定員ていいん10名めい)に天文てんもんのことを教授きょうじゅすることを掌てのひらった。なお、天てん文書ぶんしょは天文てんもん生せいが読よむことは禁きんじられていたことから(雑ざつ令れい秘書ひしょ玄げん象ぞう条じょう)、天文てんもん博士はかせなど限かぎられた人ひとしか読よむことができなかった。
平安へいあん時代じだい中期ちゅうきに賀茂かも保憲やすのりから天文てんもん道どうを教授きょうじゅされた安倍晴明あべのせいめいが天文てんもん博士はかせに任にんぜられて以後いご、安倍あべ氏し(土御門つちみかど家か)による世襲せしゅうの地位ちいとなった。
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