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学級 - Wikipedia

学級がっきゅう

共同きょうどう学習がくしゅうする集団しゅうだん

学級がっきゅう(がっきゅう、えい: homeroom, class)は、同一どういつ時間じかん共同きょうどう学習がくしゅうする集団しゅうだんのことである。「クラス」(class)や「くみ」などとばれることもある。

概要がいよう

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一般いっぱんには、幼稚園ようちえん小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこうなどで、幼児ようじ児童じどう生徒せいとなどが学校がっこう生活せいかつ大半たいはん時間じかんごすとしてられ、そのほかにも社会しゃかい教育きょういく生涯しょうがい学習がくしゅう)における社会しゃかい学級がっきゅう講座こうざ青年せいねん学級がっきゅうなど)というようなものもある。

学級がっきゅうについては、たんなる社会しゃかい集団しゅうだんことなるめんられ、学級がっきゅうは、その特殊とくしゅせいから学習がくしゅう集団しゅうだん定義ていぎされることもあり、一般いっぱんてき教室きょうしつ拠点きょてんとする(ホーム教室きょうしつ)。学級がっきゅうは、しん学年がくねんはじめなどの編成へんせい当初とうしょこそ、ざい学生がくせいたん機械きかいてきけられた人間にんげんてきなつながりの必然ひつぜんせいがない集団しゅうだん所属しょぞく集団しゅうだん、Membership Group)であるものの、各種かくしゅ活動かつどうにともなって、たのしくて所属しょぞくすることをよろこびとするような集団しゅうだん帰属きぞく集団しゅうだん、Reference Group)に変化へんかするといわれる。これは、学級がっきゅう担任たんにん教員きょういん学級がっきゅう構成こうせいいん努力どりょくなどによるものとかんがえられている。

幼稚園ようちえん小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこうなどおける在学ざいがくせい基礎きそてき生活せいかつ集団しゅうだんは、ほとんどの場合ばあい学級がっきゅうである。しかし、高等こうとう学校がっこうなどにおける在学ざいがくせい基礎きそてき生活せいかつ集団しゅうだんは、かならずしも学級がっきゅうではない。これは、選択せんたく科目かもく比率ひりつえるためであり、このような場合ばあいは、学級がっきゅうとはべつホームルームという概念がいねんもちいる。(なお、学級がっきゅうとホームルームは、同一どういつ集団しゅうだん編成へんせいすることも可能かのうである。)

学級がっきゅう構成こうせい人数にんずうすくなければ、教員きょういんは、その学級がっきゅう構成こうせいしゃ1にん1にん状況じょうきょう把握はあくし、個別こべつ支援しえんおこなうことが可能かのうになるといわれる。日本にっぽん学校がっこうにおける1学級がっきゅうあたりの標準ひょうじゅん人数にんずうは、普通ふつう学級がっきゅうで1学級がっきゅうあたり48にん以内いないさだめられているが、この人数にんずうは、先進せんしんこくなかではおおほうである。このため、1990年代ねんだいから「35にん学級がっきゅう」や「30にん学級がっきゅう」の導入どうにゅうこころみられている。また、小学校しょうがっこうなどでは、1人ひとり教員きょういんが1つの学級がっきゅう担任たんにんするというのが一般いっぱんてきであったが、学級がっきゅう担任たんにんのほかにも学級がっきゅうふく担任たんにんをおくことがこころみられている。

公立こうりつ義務ぎむ教育きょういくしょ学校がっこう学級がっきゅう編制へんせいおよ教職員きょうしょくいん定数ていすう標準ひょうじゅんかんする法律ほうりつだい3じょうでは、学級がっきゅう人数にんずうの「標準ひょうじゅん」は、小学校しょうがっこう1ねんでは35にん以下いか小学校しょうがっこう2ねんから中学校ちゅうがっこう3ねんまでは40にん以下いかさだめられている。

様々さまざま学級がっきゅう

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特別とくべつ支援しえん学級がっきゅうとは、特別とくべつ支援しえんようするざい学生がくせいのためにもうけられる学級がっきゅうであり、通常つうじょう学級がっきゅうとは、それ以外いがい学級がっきゅうのことである。この区分くぶんは、おも就学しゅうがくぜん教育きょういく初等しょとう教育きょういく中等ちゅうとう教育きょういく幼稚園ようちえんから高等こうとう学校がっこうまでの段階だんかい)でもちいられる。なお、普通ふつう学級がっきゅうという名称めいしょう差別さべつにつながるということで使つかわれなくなっている。
複式ふくしき学級がっきゅうとは、複数ふくすう学年がくねんざい学生がくせい編成へんせいする学級がっきゅうのことであり、単式たんしき学級がっきゅうとは、単一たんいつ学年がくねんざい学生がくせい編成へんせいする学級がっきゅうのことである。
重複じゅうふく障害しょうがい学級がっきゅうとは、特別とくべつ支援しえん学校がっこうにおいて障害しょうがいを2以上いじょうあわゆうするざい学生がくせい編成へんせいする学級がっきゅうのことである。
 
全米ぜんべい学力がくりょく調査ちょうさ英語えいごばんの2005ねん調査ちょうさ学級がっきゅう規模きぼ読書どくしょ能力のうりょく相関そうかん( 4学年がくねん、8学年がくねん)」

しょう人数にんずう教育きょういくかんするすうじゅうけん研究けんきゅうが、学生がくせい成績せいせきにプラスの影響えいきょうあたえることをしめしているが、いくつかの研究けんきゅうではクラスサイズと学生がくせい学習がくしゅうのつながりに疑問ぎもんげかけている。日本にっぽん有名ゆうめい研究けんきゅう結果けっかは、1982ねん発表はっぴょうされたグラス(en)とスミス(en)の研究けんきゅう通称つうしょう「グラス・スミス曲線きょくせん」において20にん以下いか学級がっきゅう学習がくしゅう効果こうかおおきいとされている[1]

古代こだいギリシア修辞しゅうじがくものイソクラテスは、紀元前きげんぜん392ねんごろにアテネに将軍しょうぐん政治せいじ教育きょういくする学校がっこう開校かいこうし、いちに6〜8にん以上いじょう学生がくせい入学にゅうがくさせないと主張しゅちょうした[2]

12世紀せいきラビ学者がくしゃマイモーンは、クラスのおおきさは学生がくせい成果せいか相関そうかんしていると認識にんしきしていた。かれは「1人ひとり先生せんせいは25にん子供こども担当たんとうすることができる。クラスない人数にんずうが25をえて40よりおおきくない場合ばあいは、指導しどう手助てだすけする助手じょしゅ必要ひつようだ。もし40にん以上いじょうであれば、2人ふたり教師きょうし任命にんめいしなければならない」と記述きじゅつしている[3]

各国かっこく動向どうこう

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アメリカの36のしゅうではしょう人数にんずうクラスにするほう制定せいていされている。

日本にっぽんにおいてもしょう人数にんずう学級がっきゅう効果こうかについての研究けんきゅう調査ちょうさおこなわれている[4][5][6]

経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこうの2013ねん調査ちょうさ

この調査ちょうさ結果けっかは、各国かっこく作為さくいえらんだ中学校ちゅうがっこう教師きょうしからの報告ほうこくもとにしている。この調査ちょうさでは総合そうごうてき就学しゅうがくりつ調査ちょうさしていないため、米国べいこくのクラスサイズ調査ちょうさ結果けっか(2015ねん米国べいこく教育きょういく統計とうけいセンターの中学校ちゅうがっこう平均へいきん:26.8、小学校しょうがっこう:21.1)と、があることに注意ちゅうい[7]。(関連かんれんOECD生徒せいと学習がくしゅう到達とうたつ調査ちょうさ - 高校こうこう1ねん学力がくりょく調査ちょうさ結果けっか:2013ねん学級がっきゅう人数にんずう規模きぼおおきいシンガポールがかく分野ぶんやでトップレベルであるように学級がっきゅう人数にんずう多少たしょう学力がくりょくるわけではない結果けっかになっている。ただ、しょう人数にんずう教育きょういく高学年こうがくねんでは効果こうかうすいという指摘してきもある)

くに クラスサイズの平均へいきん
フランダース(ベルギー) 17.3
エストニア 17.3
ラトビア 17.7
フィンランド 17.8
スロバキア 19.1
アイスランド 19.6
クロアチア 20.0
キプロス 20.7
チェコ 21.1
デンマーク 21.2
ポーランド 21.4
スウェーデン 21.4
ブルガリア 21.7
イタリア 21.8
セルビア 21.9
ノルウェー 22.5
ポルトガル 22.6
スペイン 23.6
イングランド 23.9
Average 24.1
オーストラリア 24.7
アブダビ 25.1
オランダ 25.4
フランス 25.5
カナダ 25.8
アメリカ 27.0
イスラエル 27.6
ブラジル 30.8
日本にっぽん 31.2
チリ 31.8
マレーシア 32.1
韓国かんこく 32.4
メキシコ 33.0
シンガポール 35.5

出典しゅってん

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  1. ^ 学級がっきゅう規模きぼとう教育きょういく効果こうかかんするこれまでの研究けんきゅうについて文部もんぶ科学かがくしょう
  2. ^ Power, Edward. “Class Size and Pedagogy in Isocrates' School”. History of Education Quarterly 6 (4). 
  3. ^ Angrist, Joshua; Lavy, Victor (1999). “Using Maimonides' Rule to Estimate the Effect of Class Size on Scholastic Achievement”. Quarterly Journal of Economics 114 (2): 533–575. doi:10.1162/003355399556061. 
  4. ^ 国立こくりつ教育きょういく政策せいさく研究所けんきゅうじょプロジェクト研究けんきゅう学級がっきゅう規模きぼおよぼす教育きょういく効果こうかかんする研究けんきゅう」の概要がいよう(国立こくりつ教育きょういく政策せいさく研究所けんきゅうじょ)
  5. ^ 山森やまもり 光陽こうよう、「原著げんちょ学級がっきゅう規模きぼ大小だいしょうによる児童じどう過去かこ学力がくりょく後続こうぞく学力がくりょくとの関係かんけいちがい -小学校しょうがっこうだい2学年がくねん国語こくご対象たいしょうとして-」『教育きょういく心理しんりがく研究けんきゅう』 2016ねん 64かん 4ごう p.445-455, doi:10.5926/jjep.64.445
  6. ^ 大杉おおすぎ昭英あきひで、「学級がっきゅう規模きぼ児童じどう生徒せいと学力がくりょくあたえる影響えいきょうとその過程かてい(平成へいせい25 ~ 26 年度ねんどプロジェクト研究けんきゅうしょう人数にんずう指導しどうしょう人数にんずう学級がっきゅう効果こうかかんする調査ちょうさ研究けんきゅう調査ちょうさ研究けんきゅう報告ほうこくしょ) 」 『調査ちょうさ研究けんきゅう報告ほうこくしょ』 2015ねん
  7. ^ Table 2.18”. The OECD Teaching and Learning International Survey (TALIS) 2013 Results - Excel Figures and Tables. 4 August 2015閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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問題もんだい

外部がいぶリンク

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