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山家集 - Wikipedia

山家やまがしゅう

西行さいぎょう法師ほうし歌集かしゅう

山家やまがしゅう』(さんかしゅう)は、平安へいあん末期まっきうたそう西行さいぎょう法師ほうし歌集かしゅううたすうやく1560しゅだが、増補ぞうほほんでは300しゅあまりくわわる。

たしかな成立せいりつねんしょうだが、うけたまわ寿ことぶきひさしらん源平げんぺい合戦かっせん)の最中さいちゅう直後ちょくごだとおもわれる。俊成としなりりょうけい慈円じえん定家さだいえいえたかしら5めい家集かしゅうとともにろく家集かしゅうひとつで、『山家やまや和歌集わかしゅう』、『西行さいぎょう法師ほうし歌集かしゅう』の別名べつめいがある。西行さいぎょう生前せいぜんせん後人こうじん増補ぞうほしたとられ、西行さいぎょう自撰じせんなる『山家やまや心中しんちゅうのしゅう』や、『西行さいぎょう上人しょうにんしゅう』との関連かんれん注目ちゅうもくされる。

構成こうせい

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自然しぜん人生じんせいうたい「無常むじょう」のをいかにきるかをいかけており、上巻じょうかんには四季しきうたを、ちゅうまきこいざつ下巻げかんにはこいひゃくじゅうしゅ雪月花せつげっかなどのじゅうだいひゃくしゅや、離別りべつ羇旅きりょ哀傷あいしょう釈教しゃっきょう神祇じんぎなどのざつうたおさめる。諸国しょこく漂泊ひょうはくした隠遁いんとんしゃなる西行さいぎょうらしく、抒情じょじょうせいたか花鳥風月かちょうふうげつうたや、闊達かったつ人生じんせいかんもとづく述懐じゅっかいおおい。恋歌こいうたにも秀作しゅうさくはあるものの、題詠だいえい作歌さっか背景はいけい判然はんぜんとせぬものがほとんどである。

山家やまがしゅうおさめるうた々のなかで、「ねがわくははなのしたにてはるなむそのきさらぎの望月もちづきころ」、「しんなきにもあはれはられけりしぎさわあき夕暮ゆうぐれ」、「なげけとてつきやはものおもはするかこちがほなるわがなみだかな」などがひろられている。

特色とくしょく

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構成こうせい配列はいれつてんから傾向けいこうさがせれば、まずうえまきでのさくらおおいことである。うめの10しゅたいして、さくらのそれは103しゅにのぼる。またはるさくらならんで、西行さいぎょうつきしんせ、あき半数はんすうついやしている。なかまきは、こいざつかれているが、こいざつあいだには「以下いかしもじょうとなす」とのはたしょられることから本来ほんらいざつ下巻げかんにまとまっていたものが、うえなかしたの3かん構成こうせいするために、現在げんざいのようなざつ一部いちぶちゅうまきれたとかんがえられている。下巻げかんちゅうまきざつつづ増補ぞうほとしてしるされ、つづいておもうにまかせぬこいの嘆の詠歌えいか中心ちゅうしんとしている。後鳥羽上皇ごとばじょうこうげん(『後鳥羽ごとばいん口伝くでん』)によれば、西行さいぎょうは「うたよみ」、定家さだいえは「うたづくり」とひょうしているが、これはみょうである。

関連かんれん項目こうもく

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