提灯ちょうちん記事きじ

提灯ちょうちん記事きじ（ちょうちんきじ）とは、記事きじ元もとの団体だんたい・企業きぎょう・組織そしき・商品しょうひん・サービス・番組ばんぐみ或あるいは個人こじんを持もち上あげるために書かかれた雑誌ざっし・新聞しんぶんなどの記事きじに対たいする呼称こしょう。ステルスマーケティングの一いち形態けいたい。有力ゆうりょくな者ものに媚こびへつらう者ものに対たいする「提灯ちょうちん持もち」という蔑称べっしょうに由来ゆらいする。「行灯あんどん記事きじ」（あんどんきじ）は誤用ごようである。

概説がいせつ

厳密げんみつには広告こうこくではないが、記事きじの対象たいしょうとなる相手あいてに対たいする批判ひはん・攻撃こうげきなどはないか、あったとしても「問題もんだい改善かいぜんに成功せいこう」などの形かたちで相手あいてを立たてる形かたちで記しるされる。広告こうこくであることを明示めいじする記事きじ広告こうこくとは一応いちおう区別くべつされるが、記事きじ執筆しっぴつにあたって裏うらで金銭きんせん・広告こうこく・製品せいひんといった雑誌ざっし編集へんしゅう部ぶやライター個人こじんへの利益りえきや便宜べんぎの供与きょうよなどの複雑ふくざつな取引とりひきや利権りけんが絡からんでいるケースもあり、記事きじ広告こうこくと提灯ちょうちん記事きじの実際じっさいの境界きょうかいは曖昧あいまいなものである。 特とくに商品しょうひん・サービス・コンテンツの紹介しょうかいが主しゅ柱はしらとなるメディアでは、専門せんもん雑誌ざっしの体裁ていさいを取とっていてもジャーナリズム的てきな要素ようそが薄うすく、得えてして業界ぎょうかいとマスコミの関係かんけいが情報じょうほう入手にゅうしゅルートや関連かんれん商品しょうひんの企画きかく・出資しゅっし・広告こうこく提供ていきょうなどを通つうじて密接みっせつになりがちである上うえ、収益しゅうえきに対たいする広告こうこく収入しゅうにゅうの比率ひりつが高たかく、販売はんばい戦略せんりゃく上じょうからは企業きぎょうからのいち早はやい情報じょうほう入手にゅうしゅによる速報そくほう性せいの確保かくほが不可欠ふかけつであるため、結局けっきょくは読者どくしゃの購買こうばい意欲いよくを掻かき立たて企業きぎょうの売上うりあげやイメージアップに貢献こうけんさせる（少すくなくとも不利益ふりえきを与あたえない）ことを暗あんに目的もくてきに据すえた様ような内容ないようの記事きじが大半たいはんとなる。また、この様ようなメディアではコンテンツ関連かんれん企業きぎょうが著作ちょさく権けんや肖像しょうぞう権けんの使用しよう許諾きょだくや関係かんけい者しゃへのインタビューの許可きょかを盾たてに記事きじの内容ないようをコントロールして記事きじを書かかせることも多おおく、コンテンツ関連かんれん企業きぎょうが文章ぶんしょうの事細ことこまかなチェックや関係かんけい者しゃインタビューの発言はつげん管理かんりなども掲載けいさいに至いたるまで徹底てっていして行いっていることも見みられる。

この様ような事情じじょうから、マスコミ側がわでも批評ひひょうなどの思おもうような文面ぶんめんが書かけないどころか、記事きじが総そうじて提灯ちょうちん記事きじに終始しゅうしし、普遍ふへん的てきなジャーナリズムすら事実じじつ上じょう成なりたないジャンルも少すくなくない。

一般いっぱん報道ほうどうにおいても、取材しゅざい活動かつどうが特定とくていの者ものの情報じょうほうリークに大おおきく依存いぞんする習慣しゅうかんができてしまうと情報じょうほう提供ていきょう者しゃに都合つごうのいい報道ほうどうしかなされなくなることがある。日本にっぽんでは犯罪はんざい報道ほうどうが警察けいさつや検察けんさつからの情報じょうほう提供ていきょうに一方いっぽう的てきに依存いぞんしていることの弊害へいがいが指摘してきされる。

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