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日本国憲法第39条 - Wikipedia

日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい39じょう

日本国にっぽんこく憲法けんぽう条文じょうぶんひと

(にほんこく(にっぽんこく)けんぽう だい39じょう)は、日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい3しょうにある条文じょうぶんで、事後じごほう遡及そきゅう処罰しょばつ禁止きんし一事いちじさいについて規定きていしている。

条文じょうぶん

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だいさんじゅうきゅうじょう
何人なんにんも、実行じっこうとき適法てきほうであつた行為こういまたすで無罪むざいとされた行為こういについては、刑事けいじじょう責任せきにんといはれない。また同一どういつ犯罪はんざいについて、かさねて刑事けいじじょう責任せきにんといはれない。

解説かいせつ

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ほう遡及そきゅう遡及そきゅう処罰しょばつ禁止きんし)、一事いちじさい規定きていしたものである。検察官けんさつかんによる上訴じょうそについて、最高裁判所さいこうさいばんしょ一事いちじさい原則げんそくはんしないものとしている[1]。また、一事いちじさい日本にっぽん刑事けいじ手続てつづきされたものがふたた日本にっぽん刑事けいじ手続てつづきされないということを意味いみするにぎず、外国がいこくにおいて処罰しょばつされた行為こういについて、日本にっぽん処罰しょばつすることをさまたげない[2]

さらに、判例はんれい変更へんこうによる遡及そきゅう処罰しょばつについても日本にっぽん最高さいこう裁判所さいばんしょ肯定こうていしている[ちゅう 1]日本にっぽんほうにおける判例はんれいは、ほうげんとされない(ことなる学説がくせつ存在そんざい)ため、判例はんれい変更へんこうによる解釈かいしゃく変更へんこうは、ほう遡及そきゅう問題もんだいでない。しかし、理論りろんじょう違法いほうせい意識いしき可能かのうせい欠如けつじょによる故意こいの阻却の問題もんだい期待きたい可能かのうせい欠如けつじょによる責任せきにん阻却の問題もんだいしょうじうる。

弁護士べんごし高野たかのたかしによると、日本国にっぽんこく憲法けんぽうのGHQ草案そうあんでは刑事けいじ事後じごほう禁止きんし実行じっこうのときに適法てきほうであった行為こうい処罰しょばつ禁止きんし)とじゅう危険きけん禁止きんし同一どういつ犯罪はんざいについて裁判さいばんけない)はまったべつ条文じょうぶんであったが、GHQとの折衝せっしょう担当たんとうした内閣ないかく法制ほうせいきょく入江いりえ俊郎としお佐藤さとう達夫たつおらは「じゅう危険きけん」(double jeopardy)の意味いみらず日本語にほんご草案そうあんでは一旦いったんこれをけずった。のちにGHQがじゅう危険きけん禁止きんし条項じょうこう削除さくじょには同意どういしていないことをり、のこった条文じょうぶん末尾まつびしたことがだい39じょう非常ひじょうかりづらい条文じょうぶんにしたのではないかという[3]

沿革えんかく

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大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう

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なし

GHQ草案そうあん

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「GHQ草案そうあん国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

日本語にほんご

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だいさんじゅうななじょう
何人なんにん管轄かんかつけんゆう裁判所さいばんしょルニアラサレハ有罪ゆうざい宣言せんげんセラルルコトカルヘシ
何人なんにん同一どういつ犯罪はんざいいん再度さいどやくニ遭フコトカルヘシ
だいさんじゅうきゅうじょう
何人なんにん実行じっこうときニ於テ合法ごうほうナリシ行為こういいん刑罰けいばつセラルルコトカルヘシ
Article XXXVII.
No person shall be declared guilty of a crime except by a court of competent jurisdiction.
No person shall be twice placed in jeopardy for the same offense.
Article XXXIX.
No person shall be held criminally liable for an act lawful at the time it was committed.

憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん要綱ようこう

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憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん要綱ようこう国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

だいさんじゅう
何人なんにんト雖モ実行じっこうときニ於テ適法てきほうナリシ行為こういまたすんで無罪むざいトセラレタル行為こういいん刑事けいじじょう責任せきにんといハルルコトナカルベキモノトスルコト

憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん

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憲法けんぽう改正かいせい草案そうあん国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

だいさんじゅうろくじょう
何人なんにんも、実行じっこうとき適法てきほうであつた行為こういまたすで無罪むざいとされた行為こういについては、刑事けいじじょう責任せきにんといはれない。また同一どういつ犯罪はんざいについて、かさねて刑事けいじじょう責任せきにんといはれない。

帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせいあん

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帝国ていこく憲法けんぽう改正かいせいあん国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん日本国にっぽんこく憲法けんぽう誕生たんじょう」。

だいさんじゅうろくじょう
何人なんにんも、実行じっこうとき適法てきほうであつた行為こういまたすで無罪むざいとされた行為こういについては、刑事けいじじょう責任せきにんといはれない。また同一どういつ犯罪はんざいについて、かさねて刑事けいじじょう責任せきにんといはれない。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 岩手いわてけんきょうぐみ同盟罷業どうめいひぎょう事件じけん

出典しゅってん

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  1. ^ 最高裁判所さいこうさいばんしょだい法廷ほうてい判決はんけつ 1950ねん9がつ27にち昭和しょうわ24しん(れ)22、『昭和しょうわねんみことのりれいだいいちごう違反いはん衆議院しゅうぎいん議員ぎいん選挙せんきょほう違反いはん』。
  2. ^ 最高裁判所さいこうさいばんしょだいいちしょう法廷ほうてい判決はんけつ 1954ねん12月23にち昭和しょうわ28(あ)882、『麻薬まやく取締とりしまりほう違反いはん』。
  3. ^ 高野たかのたかし (2007ねん5がつ14にち). “じゅう危険きけん”. 刑事けいじ裁判さいばんかんがえる:高野たかのたかし@ブログ. 2008ねん10がつ5にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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