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槓 - Wikipedia

槓子(カンツ)をつくるための行為こうい

(カン)とは、麻雀まーじゃんにおいて、槓子(カンツ)をつくるための行為こういのことをいう[1]大別たいべつすると、くら(アンカン)、大明だいめい(ダイミンカン)、(カカン)の3種類しゅるいがある。槓は小明こうみょう(ショウミンカン)ともいう[2]。また、大明だいめい槓と槓をわせてあかり(ミンカン)とう。

なお語源ごげんとしては、「槓」という漢字かんじの「ながぼう」のような意味いみからきているという。

槓子とは、同種どうしゅぱい4まいによる面子めんつである。

のタイプの面子めんつこくおよび順子じゅんこ)と比較ひかくすると、以下いかちがいがある。

  • 面子めんつ通常つうじょう3まいぱいからるが、槓子だけは例外れいがいてきに4まいぱいからる。
  • 同種どうしゅぱいを4まいっていたとしても、槓を宣言せんげんしないと槓子としてみとめられない。
  • くら槓の場合ばあいでも、槓子はのプレイヤーに公開こうかいする。

いったん成立せいりつした槓子にふくまれるぱい(4まい)は、くら槓・あきら槓をわず、ぱいから完全かんぜん独立どくりつした面子めんつとなり、その、そのきょく終了しゅうりょうするまでかわてることができない。槓をせずうちで4まい使つか場合ばあいは槓子とはわず「4まい使つかい」もしくはぞくに「カンコ使づかい」とう。うちに4まいある状態じょうたいを「カンツ」と俗称ぞくしょうすることもあるが、本来ほんらい用法ようほうからははずれる。

槓子のあつか

編集へんしゅう

得点とくてん計算けいさんさい構成こうせい面子めんつとしては(一部いちぶ例外れいがいのぞき)くら槓子はくらこくあきら槓子はあかりこく代用だいようとすることができる。そのため、こくという用語ようご広義こうぎには槓子をふくみ、くらこく広義こうぎにはくら槓をふくむ。

たとえば下図したずのようなぱい姿すがたとき

れい                     

とうろくとうくらこく2つとはちさくくら槓子1つでさんくらこく成立せいりつする。これははちさくくら槓子をくらこく代用だいようとしてあつかうことができるためである。

きゅうはちすたからとうにおける1と9のくらこくかんしては例外れいがいで、くら槓してしまうときゅうはちすたからとう成立せいりつ条件じょうけんたさなくなる。

れい                 

きゅうつつくら槓していてもしていなくてもちは     だが、このかたちから かずりょうしても、 くら槓しているかたちではきゅうはちすたからとうとしてみとめられない。

なお、あきら槓子はくらこく要件ようけんたさない。たとえそれがくらこく大明だいめいしたあきら槓子であっても、あきら槓した時点じてんくらこく要件ようけん放棄ほうきしたものとされる。たとえば下図したずのようなぱい姿すがた場合ばあいさんくらこく成立せいりつせず、かずりょうやくはつのみとなる。

れい                     大明だいめい槓)

手順てじゅん

編集へんしゅう

くら槓および槓についてはおよび自身じしんの槓の直後ちょくご大明だいめい槓についてはポンおなじようにのプレイヤーのぱい直後ちょくごおこなう。チーポン直後ちょくごぱいまえ)に槓はできない。くら槓、大明だいめい槓、槓いずれの場合ばあいも、槓をするかしないかは自由じゆうである(とく大明だいめい槓についてはデメリットがおおきいのでしないほう普通ふつうである。大明だいめい槓のデメリットについての詳細しょうさいメリットとデメリットふし種類しゅるいによるちが参照さんしょうすること)。

  1. 「カン」と明瞭めいりょう発声はっせいする。
  2. 槓子とする4まいぱい所定しょてい形式けいしきさらす(さらかたについては種類しゅるいふし参照さんしょう)。
  3. みねじょうぱい取得しゅとくする。
  4. ぱいする。

槓の場合ばあい搶槓がなかった時点じてんで槓が成立せいりつする。搶槓が発生はっせいした場合ばあいは槓は不成立ふせいりつとなり、槓ドラ表示ひょうじぱいもめくらない。

取得しゅとくしたみねじょうぱいかずりょうぱいだった場合ばあいみねじょう開花かいかというやく成立せいりつする。

みねじょうぱい取得しゅとくした直後ちょくご、さらにくら槓や槓が可能かのうであれば、連続れんぞくして槓をすることができる。このときふたた上記じょうき手順てじゅんかえす。

みねじょうぱい

編集へんしゅう

槓子は面子めんつよりも1まいおおぱい使つかうため、槓が成立せいりつするとぱいが1まい不足ふそくする。これをおぎなうため、槓の成立せいりつめられた場所ばしょからぱいを1まい取得しゅとくする。この補充ほじゅうぱいみねじょうぱい(リンシャンパイ)という。

みねじょうぱいとは、ドラ表示ひょうじぱい左側ひだりがわにある24まいぱいをいう。おうぱいの714まいのうち、開門かいもん位置いちもっとちかい4ぱいである。みねじょうぱいは、通常つうじょうとはぎゃく方向ほうこうはん時計とけいまわりに開門かいもん位置いちちかほうからじゅん取得しゅとくしていく。

槓によりみねじょうぱい取得しゅとくされた場合ばあい取得しゅとく直前ちょくぜんにおける海底かいていぱいおうぱいくわえる。その結果けっか1・3かいの槓ではきゅう海底かいていぱいうえっていたぱいした移動いどうし、あらたな海底かいていぱいとなる。すなわちあたらしい海底かいていぱいうえにはぱいっていない状態じょうたいになる。2・4かいの槓では、さきの槓により単独たんどくになっていた海底かいていぱいおうぱいっていくかたちになる。これらによりおうぱいつねに14まい維持いじされる(王城おうじょう不可侵ふかしん原則げんそく)。

一般いっぱんてきなルールでは、槓が成立せいりつしたときドラやす。このドラを槓ドラといい、以降いこうこのぱいを2つのドラ表示ひょうじぱいとしてあつかう。2かい以降いこうの槓については、さらにとなりのぱいをドラ表示ひょうじぱいとする。

槓があったときに、槓ドラ表示ひょうじぱいをどのタイミングで表向おもてむきにするかについては、以下いかのようにめにがある。

  • くら槓はそくめくり、あきら槓はぱい
    • くら槓の場合ばあいみねじょうぱいをツモってきた直後ちょくごにめくり、大明だいめい槓および槓の場合ばあいぱいてた直後ちょくごにめくる。
    • すなわち、くら槓の場合ばあいしんドラがなに確認かくにんしてからぱいてることができ、あきら槓の場合ばあいしんドラ表示ひょうじぱいがめくられるまえぱいてなければならない。
  • 槓ドラそくノリ(槓ドラそくめくり)
    • くら槓、あきら槓にかかわらず、みねじょうぱいをツモってきた直後ちょくごにめくる。
    • すなわち、あきら槓の場合ばあいでも、しんドラがなに確認かくにんしてからぱいてることができる。

上記じょうきのどちらを採用さいようするかは事前じぜん確認かくにんすることがのぞましい。

たてじきしゃかずりょうについては槓ドラのしたうら)のぱいもドラ表示ひょうじぱいとしてあつかう。これを槓ウラという。インフレきらうルールでは、槓ウラをみとめないとするルールもある。

種類しゅるい

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くら槓のさらかた
    
    

くら槓とは、ぱいなか同種どうしゅぱいが4まいある場合ばあいに、それを槓子とする行為こういである。自分じぶんばんしたのちぱいするまえおこなう。したぱいとは無関係むかんけいぱい(もともとぱいなかにあった4まい)を槓子にすることも可能かのうであり、4まいそろった時点じてんただちにくら槓しなければならないわけではない。

「カン」と発声はっせいしてから、その4まいのプレイヤーにせたうえで、たくみぎすみさらすことによりくら槓が成立せいりつする。このときできた槓子をくら槓子び、あきら槓子と区別くべつするため4まいのうち両端りょうたんまたは中央ちゅうおうの2まい裏返うらがえす(みぎ)。

ぱい一部いちぶのプレイヤーにられることにはなるが、門前もんぜんくずしたことにはならず、狭義きょうぎふくにはふくまれない(広義こうぎふくにはふくまれるが)。

一部いちぶのコンピュータゲームでは表示ひょうじスペースの関係かんけいじょう      のように表示ひょうじされることもある。

リーチをかけているときくらこくぱいの4まいいてきた場合ばあい、これをくら槓することができる。ただし、リーチくら槓がみとめられるのは面子めんつ構成こうせいおよびちにかかわらないくらこく場合ばあいのみで、面子めんつ構成こうせいわる場合ばあいや、ちがわる場合ばあいチョンボとしてあつかわれる(くわしくは立直たちなお参照さんしょう)。なお、一部いちぶには「リーチくら槓は一切いっさいみとめない」と規定きていしているルール[3]や、すずめおにりゅうなどむしろかならずしなければならないルールもある。 歴史れきしてきにはリーチが導入どうにゅうされた当初とうしょはリーチくら槓は禁止きんしされていたが、1960年代ねんだいはいると面子めんつ構成こうせいわる場合ばあいちがわる場合ばあいのぞくら槓をみとめるようになった。

カンと発声はっせいした時点じてんで4ぱいすべてを他家たけ公開こうかいしなければならない[4]。4ぱい明示めいじすることなくいきなりみぎじょうのようにぱい裏返うらがえ行為こうい重大じゅうだいなマナー違反いはんである[ちゅう 1]

あかり槓は、大明だいめい槓と槓(小明こうみょう槓)の総称そうしょうである。あかり槓によって成立せいりつした槓子をあかり槓子ぶ。大明だいめい槓・槓とも、槓子のうち1まい他家たけぱいしたものであり、計算けいさんじょうあつかいも両者りょうしゃともおなじである。

大明だいめい

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大明だいめい槓のさらかた
上家うわやからの場合ばあい
    
対面たいめんからの場合ばあい
    
    
 
   
したからの場合ばあい
    

大明だいめい槓とは、ぱいなかくらこく存在そんざいし、その4まいぱいのプレイヤーがてた場合ばあいに、そのぱい取得しゅとくして槓子とする行為こういである。

のプレイヤーのぱい直後ちょくご、「カン」と発声はっせいしてから、ぱいなかにあった3まい当該とうがいぱいをまとめてたくみぎすみさらす。みぎのように、したからカンした場合ばあいみぎはしぱい対面たいめんからの場合ばあい中央ちゅうおうぱい(いずれか1まい)、上家うわやからの場合ばあい左端ひだりはしぱいよこにする。一部いちぶのコンピュータゲームでは表示ひょうじスペースの関係かんけいじょう槓と同様どうよう表示ひょうじされることもある。

一般いっぱんてきには、チーより大明だいめい槓が優先ゆうせんされる。ただし、発声はっせい優先ゆうせんのルールになっている場合ばあいはこのかぎりではない。フリーすずめそうとうでは、トラブルをけるため発声はっせい優先ゆうせんとしている場合ばあいおおい。なお、その場合ばあいでも、発声はっせい同時どうじだった場合ばあいはチーより大明だいめい槓が優先ゆうせんされる。

大明だいめい槓のつつみ
大明だいめい槓によるみねじょう開花かいかかずりょう発生はっせいしたとき、これをツモかずりょうとしてあつかわず、槓させたプレイヤーの一人ひとりばらいにすることがある。これを「大明だいめい槓のつつみ」もしくは「大明だいめい槓の責任せきにんばらい」とう。詳細しょうさい責任せきにんばらい#大明だいめい槓のつつみ参照さんしょう
槓のさらかた
上家うわやからの場合ばあい
   
対面たいめんからの場合ばあい
   
したからの場合ばあい
   

槓とは、ポンしたあきらこくに、そのぱいの4まいくわえて槓子とする行為こういである。槓ができるのは、ポンしたぱいおなぱい摸ってきた場合ばあいと、すでにうちっている場合ばあいである。いずれの場合ばあいも、した直後ちょくご、かつぱいするまえおこなう。槓によりあかりこくあかり槓子となる。なお、槓は小明こうみょう槓とばれることもある。 槓によるあきら槓子については、一部いちぶでは「槓子」との呼称こしょう表記ひょうきされている場合ばあいもあるが、あまり一般いっぱんてきではなく、大明だいめい槓によるあきら槓子と計算けいさんじょう差異さいはない。

「カン」と発声はっせいしてから、槓するぱい公開こうかいし、あかりこくのうち横向よこむきにしてあるぱいうえかさねる。これはどのプレイヤーのぱいをポンしていたのかを槓後も明示めいじするためである。たとえば、上家うわやからポンしたあきらこく  槓する場合ばあい横向よこむきになっているぱいうえただしく   のようにかさねなければならない。もしかりにただしいさらかたをせず、となりにくっつけるかたち  のようにしてしまったら、「上家うわやからのポン」であったものが「対面たいめんからの大明だいめい槓」になってしまう。そうなれば、ポンされたはちつつてたのは上家うわやだったのに、対面たいめんてたことになってしまい、混乱こんらんきたす。こうした事態じたいけるため、槓のさいにはただしいさらかた注意ちゅういし、大明だいめい槓と混同こんどうするようなさらかたけなければならない。

制限せいげん

編集へんしゅう

一般いっぱんてきなルールとして、1つのきょくにおいて以下いかのいずれかの状態じょうたいとなった場合ばあいは、そのきょくにおける以降いこうの槓をおこなうことができない。これらにたいする対処たいしょ一律いちりつではなく、槓ができないとされる状況じょうきょうと、ルールにもよるが途中とちゅうりゅうきょくとされる状況じょうきょうがある。

  1. 槓が4かい成立せいりつした。
  2. おうぱい14まいのぞいたかべぱいが0まいになった。

1.の状態じょうたいとなった時点じてんで「よんひらき槓」として途中とちゅうりゅうきょくとするルールも存在そんざいする。その場合ばあいでも、あるプレイヤーが単独たんどくで4かいの槓をしている場合ばあいかぎりゅうきょくにはしないが、5かいの槓はできないことになっている[5]。ただしその状態じょうたい他家たけによる5かいの槓をみとめ、それをもってみねじょうぱいらずにながれきょくとするルールも存在そんざいする。これらの詳細しょうさいについてはよんひらきふし参照さんしょう

2.は海底かいてい該当がいとうし、これも槓ができないことになっている。また槓を連続れんぞくしてっている最中さいちゅうに2.の状態じょうたいとなった場合ばあいもそのの槓をおこなうことができない。かり海底かいてい危険きけんぱいき、そのぱいを槓するかぱいしなければ聴牌ができない状況じょうきょうであっても槓はゆるされず、聴牌をくずして聴罰はらうか、こうかくりつ振込ふりこぱいをせざるをえない[5]。すなわちよんひらき槓とちがって途中とちゅうりゅうきょくにもできないぶんだけリスクがともなう。

いにしえめのルールではおうぱいは4幢残しとなっていることがあり[6][7][8]、ドラ表示ひょうじぱい手前てまえ4幢(8まい)までがおうぱいなされる[6][7]。すなわち、槓発生はっせいおうぱいが幢(2まい単位たんい補充ほじゅうされることになり、槓のたびにのこりツモが2まいずつる。この性質せいしつじょうおうぱい4幢のこしの場合ばあいおうぱいのぞいたかべぱいが1まい以上いじょうであっても槓が禁止きんしされることがあった[8]ぎゃくさんにん麻雀まーじゃんなどでは、ドラ表示ひょうじぱいとなりまですべてのぱいる「おうぱいり」のルールになっていることがある。その場合ばあいは2.の状態じょうたいで槓をみとめていることもある。

メリットとデメリット

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ここでは一般いっぱんてきなメリット・デメリットをしめす。むろんリスクは戦術せんじゅつ次第しだいであり、たとえば情報じょうほうあたえることによって相手あいてうらをかくなど、戦況せんきょうによってメリットにもデメリットにもなりうる場合ばあいがある。

  • メリット
    • こくよりもたかられるため、満貫まんがん未満みまん場合ばあい得点とくてん計算けいさんにおいてにより若干じゃっかん有利ゆうりになる。
    • みねじょうぱい取得しゅとくにより、事実じじつじょう摸が1かいえる。くらおよ槓の場合ばあい事実じじつじょう連続れんぞく摸ることになり、大明だいめい槓であっても対面たいめんまたはしたからであれば上家うわやしたからの場合ばあい対面たいめんも)のツモばんばしてはや摸ることができる。聴牌のときは摸アガリ(みねじょうぱいでアガればみねじょう開花かいか)の可能かのうせいたかまる。
    • みねじょう開花かいかさん槓子よん槓子などのやくねらえる。
    • ドラがえる。リーチであれば槓裏により2ばいえるルールもおおい。
    • 他家たけ一発いっぱつ消滅しょうめつさせることができる。
    • 他家たけたりぱい、またはきがありうるぱいいたとき、くら槓により使つかることができる。
    • 相手あいて順子じゅんこ成立せいりつ不可能ふかのうになる場合ばあいがある。自分じぶんさんをカンしたとき、相手あいていちのペンチャンがあれば、いちさんそろえることは不可能ふかのうになる。
    • くら槓をしたのち自分じぶんがリーチをすれば、必然ひつぜんてきやくたかまることが予想よそうされるので、他家たけりやすくなり、より摸アガリしやすい。
    • 対面たいめんまたはしたからの大明だいめい槓の場合ばあい、それぞれ上家うわや対面たいめんのチーをふせぐことができる(邪魔じゃまカン)。
    • 大明だいめい槓の場合ばあい、そのぱいてたプレイヤーのなが満貫まんがん消滅しょうめつさせることができる。
    • ドラを槓すると、その時点じてん満貫まんがん確定かくていする(ドラ4こぼし+かずりょう必要ひつようやく1こぼし)。やくぱいであればそれだけであがれるし、れんふうぱいであれば6こぼしとべまんまで確定かくていする。あかドラルールではドラのを槓すれば6こぼし(5こぼし+やく1こぼし)で、やはりとべまん確定かくていする。
    • くらおよ大明だいめい槓の場合ばあい面子めんつ確定かくていさせることにより、安目やすめちをしたり、かたかずりょう解消かいしょうしたりできる場合ばあいがある。

これらのメリットから麻雀まーじゃん漫画まんがにおいては、クライマックスのシーンなどで槓のからたたかえぱい多用たようされる傾向けいこうがある[9]

  • デメリット
    • 槓子となったぱいてることができなくなるため、槓以がいではぱい選択肢せんたくしり、基本きほんてきりるのがそのぶんむずかしくなる。やすぱいの槓のときはやすぱいをそのぶんうしなうことになる。
    • 槓子となったぱい面子めんつえることができなくなるため、ぱい自由じゆうそこなわれる。
    • 槓子をさらすことにより、のプレイヤーに情報じょうほうあたえてしまう。ちゅうちょうぱいくら槓・大明だいめい槓の場合ばあい他家たけにとって瞬時しゅんじにできる完全かんぜんかべとなり、ちゅうちょうぱい槓の場合ばあい他家たけにとって3まいかべ完全かんぜんかべわることになる。
    • のプレイヤーにとってもドラがえる。とく自分じぶん門前もんぜんくずしている場合ばあいは、門前もんぜんのプレイヤーに一方いっぽうてきに槓裏のチャンスをあたえることになる。他家たけがリーチをしているとき、そのプレイヤーにとってドラがえる可能かのうせいたかまる。
    • 槓の場合ばあい2人ふたりのぞ搶槓のリスクがある。
    • 対面たいめんまたはしたからの大明だいめい槓の場合ばあいした対面たいめんからの場合ばあい対面たいめんも)のツモばんはやくなる。
    • おうぱいいてくるため、おうぱい他家たけたりぱいうずもれていた場合ばあい、それがてしまうことがある。

種類しゅるいによるちが

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くら槓の場合ばあい

編集へんしゅう

くら槓は増加ぞうかりょうもっとおおくなるかたちであり、満貫まんがん未満みまんであれば確実かくじつねをこす。とくにヤオきゅうぱいくら槓は32で、くらこくからの増加ぞうかりょうにして+24となり、満貫まんがん未満みまんであれば1こぼし増加ぞうか程度ていど相当そうとうする打点だてん上昇じょうしょう見込みこめる(ただしヤオきゅうぱいくら槓を2かいしてかずりょうしても2こぼし相当そうとう打点だてん上昇じょうしょうになるわけではなく、それよりは打点だてん上昇じょうしょうすくなくなる)。ちゅうちょうぱい場合ばあいは16くらこくからの増加ぞうかりょうにして+12で、の1ランク増加ぞうか程度ていど打点だてん上昇じょうしょうとなる。また国士無双こくしむそうのぞき、搶槓じゅうする可能かのうせいく(ルールによっては国士無双こくしむそうくら槓搶槓もみとめられない)、門前もんぜんでのくら槓も門前もんぜんくずさない。とく門前もんぜんで聴牌していれば立直たちなおにより槓ウラのチャンスもられる。一方いっぽうすでふくあらわしている場合ばあい門前もんぜん他家たけのみに槓ウラをやすことになる。また前述ぜんじゅつのように、くら槓により該当がいとうくらこくくら槓子になっても、一部いちぶ例外れいがいのぞつづくらこくとしてもあつかわれる。

しかし大明だいめい槓などにくらべればデメリットはすくないものの、デメリットとしてぱい一部いちぶ他家たけらせることになることと、ぱい自由じゆうそこなわれることがげられる。かずぱいとくちゅうちょうぱい)では槓をしなければすうぱい1まいプラスこくとしてあつかうことが出来でき周辺しゅうへんぱいをツモれば塔子とうこプラスこくとしてあつかうことが出来できる。しかしくら槓をしてしまえば不可能ふかのうになり、槓子の前後ぜんごすうぱいはそのきょくかぎっては使つかいにくくなる(順子じゅんこ構成こうせい能力のうりょくろうあたまぱいおなじになり、3・7の槓であればその外側そとがわぱい順子じゅんこにできなくなってぱい同様どうようすずめあたまこく・槓子(および他家たけ国士無双こくしむそう)でしか使つかえなくなる)。ぱい場合ばあいはほぼ絶対ぜったいやすぱい国士無双こくしむそう以外いがい)を4まいうしなうことになる。

たかかくりつかずりょうできそうな状況じょうきょうには有効ゆうこうであるが、りをかんがえるのであれば、くら槓をするぱいることがロンぱいになると予測よそくされる場合ばあい緊急きんきゅう回避かいひ手段しゅだんとしてのくら槓をのぞいてはやるべきではないとかんがえられる。

大明だいめい槓の場合ばあい

編集へんしゅう

大明だいめい槓は搶槓の対象たいしょうにはならないものの、くら槓や槓とくらべてもメリットがすくなく、デメリットがおおきいため、とく理由りゆうがないかぎりむやみにおこなわれるかたちではない。

計算けいさん観点かんてんでは、大明だいめい槓(くらこくあきら槓子)をしてもその面子めんつ部分ぶぶん由来ゆらいする増加ぞうかは2ばいにとどまり(くら槓や槓の場合ばあいは4ばい)、ちゅうちょうぱいは4、ヤオきゅうぱいでも8増加ぞうかするにすぎない。とく門前もんぜん場合ばあいふくにより門前もんぜん10権利けんりうしなうため、ロンかずりょう場合ばあい大明だいめい槓したばかりにがることすらある。またツモかずりょう場合ばあいでも、門前もんぜんきよし摸和成立せいりつしなくなり、ドラにかんしても大明だいめい槓によるしんドラは全員ぜんいん有効ゆうこうな1種類しゅるいえるだけなのにたいし、門前もんぜん立直たちなおした場合ばあいには当事とうじしゃ自身じしんのみに有効ゆうこううらドラが1種類しゅるい以上いじょうえることをかんがえると、門前もんぜんからの大明だいめい槓は戦略せんりゃくてき基本きほんてきにはほぼデメリットしかない行為こういとなり、常識じょうしきてきにはタブーとされる。ただし、後述こうじゅつのようにごく限定げんていてき局面きょくめんにおいては門前もんぜんからの大明だいめい槓が戦略せんりゃくじょう有用ゆうようになるケースもあるとされ、プロすずめ実戦じっせんでもわずかながら実例じつれい存在そんざいする。

一方いっぽうすでふくあらわしている場合ばあいは、上記じょうきのようなデメリットはく、門前もんぜんからの場合ばあいくらべてねのメリットが明確めいかくとなるてんでそれなりに有効ゆうこうになることもあるが、ぱい一部いちぶ他家たけ公開こうかいすることになるし、門前もんぜん他家たけのみに槓ウラをやすリスクがともなう。さらに、たいねらいの場合ばあいに2ふく大明だいめい槓をしてしまうとその時点じてんさんくらこく可能かのうせい放棄ほうきすることになる。

大明だいめい槓をあえておこな価値かちがある状況じょうきょうとしては、さん槓子・よん槓子のやくねら場合ばあいや、すでにふくあらわしているか今後こんごふくつゆする予定よていで、増加ぞうかや槓ドラによりすこしでも点数てんすうやしたい場合ばあい後述こうじゅつよんひらき槓によるりゅうきょくねら場合ばあいなどがあり、上家うわや以外いがいからの大明だいめい槓であればツモじゅんずらしの効果こうか利用りようすることもかんがえられるが、ぎゃくにこれらに該当がいとうしない状況じょうきょうでは大明だいめい槓をおこな意味いみはほとんどなく、くらこくのままにしておくほうがメリットがおおきい。

このように大明だいめい槓はむやみにおこなわれる行為こういではないため、一部いちぶすずめそう団体だんたいなどでは、みっともない行為こういとして大明だいめい槓をマナー違反いはんとするきもあり、きびしいところでは禁止きんししていることもある。極端きょくたんれいでは、すずめおにりゅうでは大明だいめい槓のみならず槓やふく状態じょうたいくら槓なども禁止きんしされ、門前もんぜん聴牌状態じょうたいでのくら槓のみみとめられている。

以下いか門前もんぜんからの大明だいめい槓など、一見いっけんメリットがないようにえる大明だいめい槓の有効ゆうこうせいかんする具体ぐたいれいである。

れいひがし2きょく東家あずまや、ドラ 

                 

矢島やじまとおるだい17すずめりゅう決定けっていせんにおける実例じつれい序盤じょばんの2こう聴の門前もんぜん状態じょうたいだが、ふくあらわしないとかずりょうれなさそうなかずりょうとお状況じょうきょうで、普通ふつうにチー・ポンでふくあらわしていくとおそらく2900てんになってしまうであろう状況じょうきょうである。ここで矢島やじまはダブひがしくらこく大明だいめい槓することによって、ねで点数てんすうアップもねらいつつ他家たけにプレッシャーをあたえるという手法しゅほうった。しんドラが1まいれば7700てん以上いじょう打点だてん確定かくていするというのもおおきく、実際じっさいこの大明だいめい槓によってしんドラは となった(ちなみにこのきょく最終さいしゅうてきにはよこ移動いどうかずりょうれなかったが)。

れいみなみ4きょくみなみ、ドラ 、トップと5000てん

                 

逆転ぎゃくてんするには、有効ゆうこうぱいいて門前もんぜん聴牌できればよいが、普通ふつうにチー・ポンでふくあらわして聴牌すると3900てんとなって逆転ぎゃくてん条件じょうけんたさなくなってしまう。この場合ばあい 大明だいめい槓することによって、ねで403こぼしの5200てん以上いじょう確定かくていさせることができ、これなら逆転ぎゃくてん条件じょうけんたしたうえでどこからでも仕掛しかけられるようになる。なお 大明だいめい槓ののち有効ゆうこうぱいをツモって聴牌することによって、結果けっかてき大明だいめい槓せず門前もんぜんで聴牌した場合ばあい比較ひかくして門前もんぜんきよし摸和・門前もんぜん立直たちなお権利けんりうしなかたちになってしまったとしても、逆転ぎゃくてん条件じょうけんたすことはわらない。

れいみなみ4きょくみなみ、ドラはこのぱいにはないものとする

                    

1ふくたいのツモりさんくらこくの聴牌。ここから 大明だいめい槓しないでおいた場合ばあい大明だいめい槓した場合ばあいしんドラがらなかった場合ばあい)のやく得点とくてんつぎひょうとおり。

はつ大明だいめい槓なし はつ大明だいめい槓あり
しろツモ しろはつたいさんくらこく、3000-6000 しろはつたいかず(60)、2000-4000
はくロン しろはつたいかず(40)、8000 しろはつたいかず(50)、8000
まんツモ はつたいさんくらこく、2000-4000 はつたいかず(60)、2000-3900(満貫まんがん採用さいよう2000-4000)
まんロン はつたいかず(40)、5200 はつたいかず(50)、6400

 大明だいめい槓した場合ばあい、ツモりさんくらこく消滅しょうめつしてしまうため、しんドラがらなければ ツモによる得点とくてんは(厳密げんみつには満貫まんがん採用さいようには ツモによる得点とくてんもわずかに)がってしまうが、もっとやす ロンの得点とくてん大明だいめい槓のねによりたかくなるため、自身じしんがトップでない場合ばあいてん棒状ぼうじょうきょう逆転ぎゃくてん条件じょうけんによっては 大明だいめい槓が有効ゆうこうかんがえられる。

れいみなみ4きょく西家にしいえてん40000てん、ドラ表示ひょうじぱいによるドラはこのぱいにはないものとする

                 or 

他家たけ状況じょうきょうつぎとおりとする:

  • 東家あずまやてん42500てん(トップ)
  • みなみてん10000てん
  • きたてん7500てん→6500てん立直たちなお

このまま通常つうじょうどお門前もんぜんのままですすめても、自分じぶんかずりょうれば、立直たてなおしていなくてもタンヤオドラ1のロン402こぼし、ツモ303こぼし見込みこめるかたち逆転ぎゃくてんできるが、立直たちなおぼうたことによって、このぱいさくなかちょうぱいいて聴牌しても302こぼし以上いじょうとなり自分じぶんかずりょうによる逆転ぎゃくてん条件じょうけんたしている。ここから または 大明だいめい槓した場合ばあいかんがえると、では  の2面子めんつ合計ごうけいが12となりテンパネし、こぼしすうでは槓ドラがらなければツモロンどもに402こぼしでツモのかずりょうてん門前もんぜん場合ばあいよりがってしまうが自分じぶんかずりょうによる逆転ぎゃくてん条件じょうけん維持いじできる。一方いっぽうここが重要じゅうようだが、大明だいめい槓によってすで立直たてなおしているきたからすれば槓ドラ・槓裏がえて得点とくてんえるかくりつたかくなることになり、もしきたとべまんばいまん、あるいはさんばいまんをツモれば、おやかぶりで自分じぶんがトップになることになる。このように、おやかぶりをねらって大明だいめい槓するケースもある。

槓の場合ばあい

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槓の場合ばあい増加ぞうかりょう大明だいめい槓よりおおくら槓よりすくない。満貫まんがん未満みまん場合ばあい、ヤオきゅうぱいであれば12増加ぞうかであるため確実かくじつねをこすが、ちゅうちょうぱい場合ばあいは6増加ぞうかであるためねしないケースもある。また、すでふくあらわしているこくたいしておこな性質せいしつじょう、そもそも門前もんぜんくずれており、の槓とちがい、他家たけあらたなぱい情報じょうほうをほとんどあたえないでむ。しかし、とくすうぱい場合ばあいは搶槓でじゅうする可能かのうせいという独特どくとくのリスクをち(ぱい場合ばあい国士無双こくしむそうのみ)、さらにあきら槓である以上いじょう門前もんぜん他家たけのみに槓ウラをやすリスクがともなう。ただし、たかかくりつかずりょうできそうな聴牌をしている・他家たけおおくがふくあらわしている・ぱいしても安全あんぜんぱい判断はんだんできるような場合ばあいはそうしたリスクがることもあり、実用じつようせい状況じょうきょう次第しだいである。

槓の種類しゅるいによる比較ひかく
○:まったくあるいはほぼノーリスク ×:リスクあり △:状況じょうきょう次第しだい
事象じしょう / 槓の種類しゅるい くら 大明だいめい
面子めんつ増加ぞうかりょう 4ばいちゅうちょうぱい+12、ヤオきゅうぱい+24) 2ばいちゅうちょうぱい+4、ヤオきゅうぱい+8) 4ばいちゅうちょうぱい+6、ヤオきゅうぱい+12)
槓ウラ △(門前もんぜんでは自身じしんの槓ウラで有利ゆうりだが、他家たけ門前もんぜんならリスクあり) ×(ふくあらわしているため自身じしんは槓ウラをられず、全員ぜんいんふく状態じょうたいでないかぎり槓ウラのリスクあり)
門前もんぜんくず可能かのうせい ○(無関係むかんけい ×(可能かのうせいあり) ○(ふくみ)
やり槓の対象たいしょう △(『么九ぱい』のみが対象たいしょうで、なお国士無双こくしむそうくら槓のやり槓ができる場合ばあいのみ。)『ちゅうちょうぱい』は○(無関係むかんけい ○(無関係むかんけい ×(対象たいしょうになる)
あらたなぱい公開こうかい ×(公開こうかいする) ○(公開こうかいみ)

槓による面子めんつ部分ぶぶん由来ゆらいする増加ぞうかりょうじゅんならべるとつぎのようになる。

ヤオ九牌暗槓(+24)>ちゅうちょうぱいくら槓(+12)=ヤオきゅうぱい槓(+12)>ヤオきゅうぱい大明だいめい槓(+8)>ちゅうちょうぱい槓(+6)>ちゅうちょうぱい大明だいめい槓(+4)

満貫まんがん未満みまん場合ばあいによる打点だてん上昇じょうしょう価値かちつぎのようになる。

  • ヤオきゅうぱいくら槓:1こぼし増加ぞうか程度ていど価値かち
  • ちゅうちょうぱいくら槓・ヤオきゅうぱい槓:の1ランク増加ぞうか程度ていどねは確実かくじつ場合ばあいによっては2ランク増加ぞうか
  • 大明だいめい槓・ちゅうちょうぱい槓:場合ばあいによりが1ランク増加ぞうかによる打点だてん上昇じょうしょうがない場合ばあいもある。

槓によるねの代表だいひょうれい以下いかのようなものである。以下いかれいでは、聴牌状態じょうたいからの槓とし、大明だいめい槓はふく聴牌状態じょうたいからとする。

れい             (ツモ30、ロン40

いちつつくら

                 (ツモ60、ロン70

門前もんぜん状態じょうたいからのヤオきゅうぱいくら槓の場合ばあいは、ロンの場合ばあい70という比較ひかくてき出現しゅつげん頻度ひんどひく登場とうじょうすることがおおい。ツモの場合ばあいの60は、30基準きじゅんとして満貫まんがん未満みまん場合ばあい1こぼし増加ぞうか相当そうとうする。ちなみにこのぱい姿すがたやくがないため、ロンではたてじきをかけているか偶発ぐうはつやくでしかかずりょうれない。

れい             (ツモ30、ロン40

さくくら

                 (ツモ40、ロン50

門前もんぜん状態じょうたいからのなかちょうぱいくら槓の場合ばあいは、ロンの場合ばあい門前もんぜんによるツモとロンのはあるが、槓のまえくらべてが1ランク上昇じょうしょうすることがおおい。

れい                (ツモ・ロンどもに30

はつくら

                    (ツモ・ロンどもに60

ふく状態じょうたいからのヤオきゅうぱいくら槓だが、やはり30が60になり、満貫まんがん未満みまん場合ばあい1こぼし増加ぞうか相当そうとうする打点だてん上昇じょうしょうとなる。ふく状態じょうたい場合ばあい、ツモは2であるため、ツモ・ロンどもおなになることがおおい(ツモ有無うむによってハネするかどうかがわるケースもある)。

れい                

さんつつくら

                    

れい                

ひがし

                     

(このぱい姿すがたでは、ひがしやくぱいでなければ偶発ぐうはつやくでしかかずりょうれない)

れい                   

はちまん

                             

れい                

なか大明だいめい

                    

れい                

つつ大明だいめい

                    

以上いじょう5ケース、いずれもツモロンどもに30が40になるれいである。ちゅうちょうぱいあかり槓はそれだけでは8しかないため、ねするには追加ついかが4必要ひつようである。

戦術せんじゅつじょう、槓全般ぜんぱんえることとしては、つぎのようなてんげられる。

  • 一般いっぱんてきに槓をすべき局面きょくめんとしては、自身じしんかずりょうできる可能かのうせいたか局面きょくめんで槓をするのがいとされる。なぜなら、やドラのような槓によるメリットはかずりょうってこそ意味いみがあるからである。ふく状態じょうたいでの大明だいめい槓や槓は聴牌してから、くら槓は聴牌または一向いっこう聴が目安めやすとされている。たとえばすで他家たけたてじきしゃがいて、なおかつ自身じしんかずりょうできそうにない場合ばあいなどは、自身じしんが槓してもその立直たちなおしゃ利益りえきほうおおきいため、槓すべきではないとされる。またトップでりをねらときにも他家たけたかくするリスクがあるため槓すべきではないとされる。このほか槓によって他家たけあたえる情報じょうほうなど、こまかい状況じょうきょうによって槓すべきかどうかがわってくることがかんがえられる。
  • メリットにもデメリットにもなりうる槓全般ぜんぱん特徴とくちょうとしては、くもわるくも「れる」というてんげられる。とくに槓のなかもっと得点とくてんてきなメリットのすくないなかちょうぱい大明だいめい槓は奇襲きしゅう効果こうか非常ひじょうたかい。

よんひらき

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1つのきょくで4かいの槓が成立せいりつすると、その時点じてん途中とちゅうりゅうきょくとなるルールがある。これをよんひらき(スーカイカン)とう。よん槓散りょうあるいはよん槓算りょう場合ばあいもある(いずれもみはスーカンサンラ)。

ただしよんひらき槓を採用さいようした場合ばあいでも、あるプレイヤーが単独たんどくで4かいの槓をしてよん槓子テンパイとなっている場合ばあいながれきょくしない。また、よん槓子のテンパイしゃがいる状況じょうきょうでは、のプレイヤーは槓をおこなうことはできない。しかし、5かいの槓をみとめ、それをもってながれきょくとするルールや、よん槓子にかぎり4かいの槓が成立せいりつした時点じてんかずりょうとしてあつかうルールもある。

よんひらき槓の定義ていぎ細目さいもく詳細しょうさいながれきょく#よんひらき参照さんしょうりゅうきょくとする場合ばあいあつかいについてはれんそう#ながれきょくれんそうかかわる細目さいもくルールの採用さいようじょうきょう参照さんしょう

槓に関連かんれんのあるやく

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現在げんざい一般いっぱんてき日本にっぽん麻雀まーじゃん立直たちなお麻雀まーじゃん以外いがいのルールにおける槓の特徴とくちょう

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前述ぜんじゅつのように現在げんざい一般いっぱんてき日本にっぽん麻雀まーじゃん立直たちなお麻雀まーじゃん)では、一般いっぱんてきな槓の得点とくてんてきなメリットは槓ドラと増加ぞうかであるが、槓ドラにかぎらずドラは日本にっぽん麻雀まーじゃん特有とくゆう要素ようそである。それ以外いがい麻雀まーじゃんのルールにおける槓についてはつぎのような特徴とくちょうがある。

  • 立直たちなお麻雀まーじゃん原型げんけいとなったアルシーアル麻雀まーじゃんでは、槓ドラをふくめドラそのものがないため、槓の得点とくてんてきなメリットはえるのみとなる。
  • 中国ちゅうごく麻雀まーじゃんでは、くら槓は4ぱいすべせておこない、きょく終了しゅうりょうはじめて開示かいじされる。得点とくてんてきなメリットとしては槓そのものがやくとなっており、あきら槓は1てんくら槓は2てんやくである。槓子が複数ふくすうある場合ばあいはそれにおうじてその上位じょういやくとしてさら得点とくてんえる(そうあかり槓・そうくら槓・さん槓・よん槓が該当がいとう)。
  • 台湾たいわん麻雀まーじゃんでは、中国ちゅうごく麻雀まーじゃん同様どうようくら槓は4ぱいすべせておこない、きょく終了しゅうりょうはじめて開示かいじされる。大明だいめい槓にかんしては、大明だいめい槓からのみねじょう開花かいかみとめられておらず錯和となり、また上家うわやからの大明だいめい槓もみとめられていない。槓子自体じたい得点とくてんてきなメリットについては、槓子を得点とくてん要素ようそとしないルールと、あきら槓1だいくら槓2だいなどの得点とくてん要素ようそとするルールがあるが、前者ぜんしゃ場合ばあいでもみねじょう開花かいかやくとなる。
  • 韓国かんこくさく麻雀まーじゃんでは、大明だいめい槓はみとめられておらずくら槓と槓のみであり、くら槓は日本にっぽん麻雀まーじゃん同様どうよう形式けいしき公開こうかいする。槓子自体じたい得点とくてん要素ようそにならないが、みねじょう開花かいかしばりをたさない得点とくてん要素ようそ(ドラのようなあつかい)となる。
  • 四川しせん麻雀まーじゃんでは、槓は刮風(グァーフォンシャーユ)とばれ、したくら槓のこと、刮風は大明だいめい槓と槓のことをし、槓すると即座そくざにそのぶん得点とくてんはいる(くら槓(した)・槓はすでかずりょうしているひと以外いがい全員ぜんいんから、大明だいめい槓は槓させたひとから得点とくてんる)システムとなっている。門前もんぜんであることがかずりょう得点とくてん要素ようそにならないこともあり、日本にっぽん麻雀まーじゃんでは滅多めったおこなわれない門前もんぜんからの大明だいめい槓もふくめて、槓自たい実戦じっせん積極せっきょくてきおこなわれる傾向けいこうにある。ただし槓をした直後ちょくごぱいじゅうした場合ばあいは、槓の得点とくてん返還へんかんしなければならない。なおくら槓は日本にっぽん麻雀まーじゃん同様どうよう、あるいはみぎはしの1まいだけひょうにしてのこりをうらにして公開こうかいするというルールと、4ぱいすべせておこなきょく終了しゅうりょうはじめて開示かいじするルールがられる。すずめたましいあかせんはこれをベースとしている。
  • 中庸ちゅうよう麻雀まーじゃんでは、くら槓は日本にっぽん麻雀まーじゃん同様どうよう形式けいしき公開こうかいする。槓子はかずりょうしたときにそのかずおうじてやくとなり、槓子が1つだけだったとしても(くら槓・あきら槓の区別くべつなく)5てんやくとなる。また槓子が複数ふくすうある場合ばあいはそれにおうじてその上位じょういやくとしてさら得点とくてんえる。
  • じゅん麻雀まーじゃんでは、槓そのものが一切いっさい廃止はいしされている。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 井出いで洋介ようすけ監修かんしゅう平成へいせいばん 麻雀まーじゃんしん報知ほうちルール』報知新聞社ほうちしんぶんしゃ、1997ねんISBN 9784831901187 
  • 栗原くりはら安行やすゆき『カラーばん 麻雀まーじゃん教室きょうしつ日東にっとう書院しょいん、1986ねんISBN 4528004364 
  • 栗原くりはら安行やすゆき色刷いろずり 麻雀まーじゃん入門にゅうもん日東にっとう書院しょいん、1971ねん 

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ これがマナー違反いはんとされるのは、4ぱい明示めいじしないことによってイカサマをすることが可能かのうなためである。たとえば押川おしかわくも太朗たろう漫画まんがこそぎフランケン』には、窮地きゅうちおちいった登場とうじょう人物じんぶつくら槓の偽装ぎそうによってからくもなんるシーンがある(だい2かん/東京とうきょうカジノへんVol.5/p24-p29/ISBN 4812451515)。くら槓の4まいをすべて明示めいじさせることで、このたね不正ふせい行為こうい未然みぜん防止ぼうしすることができる。

出典しゅってん

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  1. ^ 井出いで洋介ようすけ監修かんしゅう麻雀まーじゃんしん報知ほうちルール』(1997ねん p44。このルールブックでは「同一どういつの4まいを1面子めんつとして確定かくていする行為こうい」と定義付ていぎづけられている。
  2. ^ 井出いで洋介ようすけ監修かんしゅう麻雀まーじゃんしん報知ほうちルール』(1997ねん p44。たとえばこのルールブックでは、槓の解説かいせつ部分ぶぶんで「くらカン」「小明こうみょうカン」「大明だいめいカン」の3しゅかたりもちい、小明こうみょうカンの説明せつめいぶんなかで「カン」をカッコつきで併記へいきしている。(槓は漢字かんじ表記ひょうきせずカタカナ)
  3. ^ 規定きていに「リーチくら槓は一切いっさいみとめない」と明記めいきしているルールブック・ルールページを以下いかげる。
    • 立直たちなお麻雀まーじゃん標準ひょうじゅん規定きてい(1952ねん)だい7じょうだい4こう②「りつじきしゃぱいにゅうえはもちろんども·磁·槓は一切いっさいできない。立直たちなお以前いぜんことなり、くら槓をすることもゆるされない。」
    • 101競技きょうぎ連盟れんめい. “101競技きょうぎ規定きてい”. 2012ねん6がつ24にち閲覧えつらん一般いっぱんのルールにくらべた場合ばあいの“ないもの”」のこう参照さんしょう
    • 井出いで洋介ようすけ監修かんしゅう麻雀まーじゃんしん報知ほうちルール』(1997ねん p52-p53。説明せつめいとして「リーチはこれ以上いじょうえない、たかくしないという宣言せんげん」なのでくら槓も不可ふか、としている。また、(あらかじめリーチくら槓を不可ふかとしておけば)槓をしてはならないとされるかたちくら槓してしまって処置しょちこまることもない、としている。(大意たいい
  4. ^ 井出いで洋介ようすけ監修かんしゅう麻雀まーじゃんしん報知ほうちルール』(1997ねん p45。「かならず4まい全部ぜんぶせてください」と明記めいきされている。(原文げんぶんママ)
  5. ^ a b 馬場ばば裕一ひろいちほか、『こたえてバビィ 1たくに1さつ!!麻雀まーじゃんもめごと和睦わぼくしょ』、たけ書房しょぼう (1996) pp. 48-49。
  6. ^ a b 栗原くりはら安行やすゆき『カラーばん 麻雀まーじゃん教室きょうしつ』(1986ねん p45。
  7. ^ a b 栗原くりはら安行やすゆき色刷いろずり 麻雀まーじゃん入門にゅうもん』(1971ねん p45。
  8. ^ a b 馬場ばば裕一ひろいちほか、『こたえてバビィ 1たくに1さつ!!麻雀まーじゃんもめごと和睦わぼくしょ』、たけ書房しょぼう (1996) pp. 12-14。
  9. ^ いちれいとして、渋沢しぶさわさつき漫画まんがしろ HAKU』では、だい1のクライマックスを主人公しゅじんこうよん槓子かずりょうめ、だい2のクライマックスでもこんいちたい海底かいていさん槓子さんくらこくドラ4かぞやくまんかずりょうもちいている。(渋沢しぶさわさつき『しろだい2かん/ISBN 4884756193/だい1 だい18/p199-p222、『しろだい4かん/ISBN 4884757378/だい2 だい18/p200-p226)
    渋沢しぶさわさつきは、『しろ』のスピンオフ作品さくひんである『くろおとこ』を完結かんけつさせたのちつぎさくころネコ』(1999ねんISBN 9784812453032)でも、槓を自在じざいあやつしゅ重要じゅうようてきキャラクターとして登場とうじょうさせ、物語ものがたりじくにしている。

関連かんれん項目こうもく

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