槓
槓(カン)とは、
なお
槓子
槓子とは、
面子 は通常 3枚 の牌 から成 るが、槓子だけは例外 的 に4枚 の牌 から成 る。同種 の牌 を4枚 持 っていたとしても、槓を宣言 しないと槓子として認 められない。暗 槓の場合 でも、槓子は他 のプレイヤーに公開 する。
いったん
槓子の扱 い
二 筒 ・六 筒 の暗 刻 子 2つと八 索 の暗 槓子1つで三 暗 刻 が成立 する。これは八 索 の暗 槓子を暗 刻 子 の代用 として扱 うことができるためである。
なお、
手順
- 「カン」と
明瞭 に発声 する。 - 槓子とする4
枚 の牌 を所定 の形式 で晒 す(晒 し方 については種類 の節 を参照 )。 嶺 上 牌 を取得 する。打 牌 する。
嶺 上 牌
槓子は
槓により
槓ドラ
槓があった
暗 槓は即 めくり、明 槓は打 牌 後 暗 槓の場合 は嶺 上 牌 をツモってきた直後 にめくり、大明 槓および加 槓の場合 は牌 を捨 てた直後 にめくる。- すなわち、
暗 槓の場合 は新 ドラが何 か確認 してから牌 を捨 てることができ、明 槓の場合 は新 ドラ表示 牌 がめくられる前 に牌 を捨 てなければならない。
- 槓ドラ
即 ノリ(槓ドラ即 めくり)暗 槓、明 槓に関 わらず、嶺 上 牌 をツモってきた直後 にめくる。- すなわち、
明 槓の場合 でも、新 ドラが何 か確認 してから牌 を捨 てることができる。
種類
暗 槓
「カン」と
リーチをかけている
カンと
明 槓
大明 槓
|
大明 槓の包 大明 槓による嶺 上 開花 で和 了 が発生 したとき、これをツモ和 了 として扱 わず、槓させたプレイヤーの一人 払 いにすることがある。これを「大明 槓の包 」もしくは「大明 槓の責任 払 い」と言 う。詳細 は責任 払 い#大明 槓の包 を参照 。
加 槓
「カン」と
制限
- 槓が4
回 成立 した。 王 牌 14枚 を除 いた壁 牌 が0枚 になった。
1.の
2.は
メリットとデメリット
ここでは
- メリット
刻 子 よりも高 い符 が得 られるため、満貫 未満 の場合 、得点 計算 において符 により若干 有利 になる。嶺 上 牌 の取得 により、事実 上 、自 摸が1回 増 える。暗 槓及 び加 槓の場合 は事実 上 連続 で自 摸ることになり、大明 槓であっても対面 または下 家 からであれば上家 (下 家 からの場合 は対面 も)のツモ番 を飛 ばして早 く自 摸ることができる。聴牌のときは自 摸アガリ(嶺 上 牌 でアガれば嶺 上 開花 )の可能 性 が高 まる。嶺 上 開花 、三 槓子、四 槓子などの役 が狙 える。- ドラが
増 える。リーチであれば槓裏により2倍 に増 えるルールも多 い。 他家 の一発 を消滅 させることができる。他家 の当 たり牌 、または鳴 きがありうる牌 を引 いたとき、暗 槓により使 い切 ることができる。相手 の順子 の成立 が不可能 になる場合 がある。自分 が三 をカンしたとき、相手 に一 二 のペンチャンがあれば、一 二 三 と揃 えることは不可能 になる。暗 槓をした後 に自分 がリーチをすれば、必然 的 に手 役 は高 まることが予想 されるので、他家 は降 りやすくなり、より自 摸アガリしやすい。対面 または下 家 からの大明 槓の場合 、それぞれ上家 ・対面 のチーを防 ぐことができる(邪魔 カン)。大明 槓の場合 、その牌 を捨 てたプレイヤーの流 し満貫 を消滅 させることができる。- ドラを槓すると、その
時点 で満貫 が確定 する(ドラ4翻 +和 了 に必要 な役 1翻 )。役 牌 であればそれだけであがれるし、連 風 牌 であれば6翻 で跳 満 まで確定 する。赤 ドラルールではドラの五 を槓すれば6翻 (5翻 +役 1翻 )で、やはり跳 満 が確定 する。 暗 槓及 び大明 槓の場合 、面子 を確定 させることにより、安目 の待 ちを消 したり、片 和 了 や振 聴を解消 したりできる場合 がある。
これらのメリットから
- デメリット
- 槓子となった
牌 は捨 てることができなくなるため、加 槓以外 では打 牌 の選択肢 が減 り、基本 的 に降 りるのがその分 難 しくなる。安 牌 の槓のときは安 牌 をその分 失 うことになる。 - 槓子となった
牌 は他 の面子 に組 み替 えることができなくなるため、手 牌 の自由 度 が損 なわれる。 - 槓子を
晒 すことにより、他 のプレイヤーに情報 を与 えてしまう。中 張 牌 の暗 槓・大明 槓の場合 は他家 にとって瞬時 にできる完全 壁 となり、中 張 牌 の加 槓の場合 は他家 にとって3枚 壁 が完全 壁 に変 わることになる。 他 のプレイヤーにとってもドラが増 える。特 に自分 が門前 を崩 している場合 は、他 の門前 のプレイヤーに一方 的 に槓裏のチャンスを与 えることになる。他家 がリーチをしているとき、そのプレイヤーにとってドラが増 える可能 性 が高 まる。加 槓の場合 、2人 打 ちを除 き搶槓のリスクがある。対面 または下 家 からの大明 槓の場合 、下 家 (対面 からの場合 は対面 も)のツモ番 が早 くなる。王 牌 を引 いてくるため、王 牌 に他家 の当 たり牌 が埋 もれていた場合 、それが場 に出 てしまうことがある。
- 槓子となった
種類 による違 い
暗 槓の場合
しかし
大明 槓の場合
このように
(
1
を
(
東家 :持 ち点 42500点 (トップ)南 家 :持 ち点 10000点 北 家 :持 ち点 7500点 →6500点 (立直 )
このまま
加 槓の場合
4 |
2 |
4 | |
槓ウラ | △( |
×( | |
○( |
×( |
○( | |
△(『么九 |
○( |
×( | |
×( |
○( |
槓による
ヤオ九牌暗槓(+24)>
- ヤオ
九 牌 暗 槓:1翻 増加 程度 の価値 中 張 牌 暗 槓・ヤオ九 牌 加 槓:符 の1ランク増加 程度 (符 跳 ねは確実 。場合 によっては2ランク増加 )大明 槓・中 張 牌 加 槓:場合 により符 が1ランク増加 。符 による打点 上昇 がない場合 もある。
槓による
↓
↓
↓
↓
↓
(この
↓
↓
↓
一般 的 に槓をすべき局面 としては、自身 が和 了 できる可能 性 が高 い局面 で槓をするのが良 いとされる。なぜなら、符 やドラのような槓によるメリットは和 了 ってこそ意味 があるからである。副 露 状態 での大明 槓や加 槓は聴牌してから、暗 槓は聴牌または一向 聴が目安 とされている。例 えば既 に他家 に立 直 者 がいて、なおかつ自身 が和 了 できそうにない場合 などは、自身 が槓してもその立直 者 の利益 の方 が大 きいため、槓すべきではないとされる。またトップで逃 げ切 りを狙 う時 にも他家 の手 を高 くするリスクがあるため槓すべきではないとされる。このほか槓によって他家 に与 える情報 など、細 かい状況 によって槓すべきかどうかが変 わってくることが考 えられる。- メリットにもデメリットにもなりうる槓
全般 の特徴 としては、良 くも悪 くも「場 が荒 れる」という点 が挙 げられる。特 に槓の中 で最 も得点 的 なメリットの少 ない中 張 牌 の大明 槓は奇襲 効果 が非常 に高 い。
四 開 槓
1つの
ただし
四 開 槓の定義 ・細目 の詳細 は流 局 #四 開 槓を参照 、流 局 とする場合 の扱 いについては連 荘 #流 局 と連 荘 に関 わる細目 ルールの採用 状 況 を参照 。
槓に関連 のある役
現在 一般 的 な日本 麻雀 (立直 麻雀 )以外 のルールにおける槓の特徴
立直 麻雀 の原型 となったアルシーアル麻雀 では、槓ドラを含 めドラそのものがないため、槓の得点 的 なメリットは符 が増 えるのみとなる。中国 麻雀 では、暗 槓は4牌 全 て伏 せて行 い、局 の終了 時 に初 めて開示 される。得点 的 なメリットとしては槓そのものが役 となっており、明 槓は1点 、暗 槓は2点 役 である。槓子が複数 ある場合 はそれに応 じてその上位 役 として更 に得点 が増 える(双 明 槓・双 暗 槓・三 槓・四 槓が該当 )。台湾 麻雀 では、中国 麻雀 と同様 暗 槓は4牌 全 て伏 せて行 い、局 の終了 時 に初 めて開示 される。大明 槓に関 しては、大明 槓からの嶺 上 開花 は認 められておらず錯和となり、また上家 からの大明 槓も認 められていない。槓子自体 の得点 的 なメリットについては、槓子を得点 要素 としないルールと、明 槓1台 、暗 槓2台 などの得点 要素 とするルールがあるが、前者 の場合 でも嶺 上 開花 は役 となる。韓国 の索 子 抜 き麻雀 では、大明 槓は認 められておらず暗 槓と加 槓のみであり、暗 槓は日本 麻雀 と同様 の形式 で公開 する。槓子自体 は得点 要素 にならないが、嶺 上 開花 は縛 りを満 たさない得点 要素 (ドラのような扱 い)となる。四川 麻雀 では、槓は刮風下 雨 (グァーフォンシャーユ)と呼 ばれ、下 雨 は暗 槓のこと、刮風は大明 槓と加 槓のことを指 し、槓すると即座 にその分 の得点 が入 る(暗 槓(下 雨 )・加 槓は既 に和 了 している人 以外 全員 から、大明 槓は槓させた人 から得点 を得 る)システムとなっている。門前 であることが和 了 時 の得点 要素 にならないこともあり、日本 麻雀 では滅多 に行 われない門前 からの大明 槓も含 めて、槓自体 が実戦 で積極 的 に行 われる傾向 にある。ただし槓をした直後 の打 牌 で放 銃 した場合 は、槓の得点 を返還 しなければならない。なお暗 槓は日本 麻雀 と同様 、あるいは右 端 の1枚 だけ表 にして残 りを裏 にして公開 するというルールと、4牌 全 て伏 せて行 い局 の終了 時 に初 めて開示 するルールが見 られる。雀 魂 の赤 血 の戦 はこれをベースとしている。中庸 麻雀 では、暗 槓は日本 麻雀 と同様 の形式 で公開 する。槓子は和 了 した時 にその数 に応 じて役 となり、槓子が1つだけだったとしても(暗 槓・明 槓の区別 なく)5点 役 となる。また槓子が複数 ある場合 はそれに応 じてその上位 役 として更 に得点 が増 える。純 麻雀 では、槓そのものが一切 廃止 されている。
参考 文献
井出 洋介 監修 『平成 版 麻雀 新 報知 ルール』報知新聞社 、1997年 。ISBN 9784831901187。栗原 安行 『カラー版 麻雀 教室 』日東 書院 、1986年 。ISBN 4528004364。栗原 安行 『二 色刷 麻雀 入門 』日東 書院 、1971年 。
脚注
注釈
- ^ これがマナー
違反 とされるのは、4牌 を明示 しないことによってイカサマをすることが可能 なためである。例 えば押川 雲 太朗 の漫画 『根 こそぎフランケン』には、窮地 に陥 った登場 人物 が暗 槓の偽装 によって辛 くも難 を乗 り切 るシーンがある(第 2巻 /東京 カジノ編 Vol.5/p24-p29/ISBN 4812451515)。暗 槓の4枚 をすべて明示 させることで、この種 の不正 行為 は未然 に防止 することができる。
出典
- ^
井出 洋介 監修 『麻雀 新 報知 ルール』(1997年 ) p44。このルールブックでは「同一 の4枚 を1面子 として確定 する行為 」と定義付 けられている。 - ^
井出 洋介 監修 『麻雀 新 報知 ルール』(1997年 ) p44。例 えばこのルールブックでは、槓の解説 部分 で「暗 カン」「小明 カン」「大明 カン」の3種 の語 を用 い、小明 カンの説明 文 の中 で「加 カン」をカッコつきで併記 している。(槓は漢字 表記 せずカタカナ) - ^
規定 に「リーチ後 の暗 槓は一切 認 めない」と明記 しているルールブック・ルールページを以下 に挙 げる。立直 麻雀 標準 規定 (1952年 )第 7条 第 4項 ②「立 直 者 は手 牌 の入 換 えはもちろん吃 ·磁·槓は一切 できない。立直 以前 と異 なり、暗 槓をすることも許 されない。」- 101
競技 連盟 . “101競技 規定 ”. 2012年 6月 24日 閲覧 。「一般 のルールに比 べた場合 の“ないもの”」の項 参照 。 井出 洋介 監修 『麻雀 新 報知 ルール』(1997年 ) p52-p53。説明 として「リーチはこれ以上 手 を変 えない、高 くしないという宣言 」なので暗 槓も不可 、としている。また、(予 めリーチ後 の暗 槓を不可 としておけば)槓をしてはならないとされる形 を暗 槓してしまって処置 に困 ることもない、としている。(大意 )
- ^
井出 洋介 監修 『麻雀 新 報知 ルール』(1997年 ) p45。「必 ず4枚 全部 を見 せてください」と明記 されている。(原文 ママ) - ^ a b
馬場 裕一 ほか、『答 えてバビィ 1卓 に1冊 !!麻雀 もめごと和睦 の書 』、竹 書房 (1996) pp. 48-49。 - ^ a b
栗原 安行 『カラー版 麻雀 教室 』(1986年 ) p45。 - ^ a b
栗原 安行 『二 色刷 麻雀 入門 』(1971年 ) p45。 - ^ a b
馬場 裕一 ほか、『答 えてバビィ 1卓 に1冊 !!麻雀 もめごと和睦 の書 』、竹 書房 (1996) pp. 12-14。 - ^
一 例 として、渋沢 さつきの漫画 『白 HAKU』では、第 1部 のクライマックスを主人公 の四 槓子和 了 で締 め、第 2部 のクライマックスでも混 一 対 々海底 三 槓子三 暗 刻 ドラ4の数 え役 満 和 了 を用 いている。(渋沢 さつき『白 』第 2巻 /ISBN 4884756193/第 1部 第 18話 /p199-p222、『白 』第 4巻 /ISBN 4884757378/第 2部 第 18話 /p200-p226)
渋沢 さつきは、『白 』のスピンオフ作品 である『黒 の男 』を完結 させた後 の次 作 『殺 し屋 ネコ』(1999年 、ISBN 9784812453032)でも、槓を自在 に操 る打 ち手 を重要 な敵 キャラクターとして登場 させ、物語 の軸 にしている。