泥どろ湯ゆ温泉おんせん

泥どろ湯ゆ温泉おんせん
	温泉おんせん街がい
温泉おんせん情報じょうほう
所在地しょざいち	秋田あきた県けん湯沢ゆざわ市し
交通こうつう	鉄道てつどう : 奥羽本線おううほんせん湯沢ゆざわ駅えきより羽後うご交通こうつうバスで約やく60分ふん
泉いずみ質ただし	硫化りゅうか水素すいそ泉いずみ、硫化りゅうか塩しお泉いずみ、単純たんじゅん温泉おんせん等とう
泉いずみ温あつし（摂氏せっし）	60 - 80 °C
pH	1.8 - 5.6
宿泊しゅくはく施設しせつ数すう	2
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泥どろ湯ゆ温泉おんせん（どろゆおんせん）は、秋田あきた県けん湯沢ゆざわ市し（旧きゅう国くに出羽でわ国こく、明治めいじ以降いこうは羽後うご国こく）にある温泉おんせん。

概要がいよう

秋田あきたと宮城みやぎの県境けんきょう近ちかく、神室山地かむろさんちの北きた麓ふもとに湧わく古ふるくからの湯治とうじ場じょうで、山間さんかん部ぶの谷間たにまに明治めいじ時代じだい創業そうぎょうの小椋おぐら旅館りょかん奥山おくやま旅館りょかんの2軒けんが立地りっちする。かつては豊明とよあけ館かん、中ちゅう山荘さんそうという宿やども営業えいぎょうしていたが、どちらも廃業はいぎょうした^[1]。近ちかくには日本にっぽん三さん大だい霊地れいちの1つである川原かわはら毛もう地獄じごくも所在しょざいする。

「泥どろ湯ゆ」という名称めいしょうから、湯ゆは茶褐色ちゃかっしょくに濁にごっているものと想起そうきされがちだが、温泉おんせん地ち周辺しゅうへんに複数ふくすうの自噴じふん源泉げんせんが存在そんざいするため、泉いずみ質ただしは単純たんじゅん硫黄いおう泉いずみ、単純たんじゅん温泉おんせん、硫化りゅうか塩しお泉いずみ等とうバラエティに富とんでいる^[2]。また、火山かざんガス（硫化りゅうか水素すいそ）が噴出ふんしゅつする区域くいきがある。

2005年ねん12月がつ末まつに硫化りゅうか水素すいそガス中毒ちゅうどくによる死亡しぼう事故じこが発生はっせいしたため^[3]、温泉おんせん地ち内ないに立たち入いり禁止きんし区域くいきが設定せっていされた。温泉おんせん地ちの外はずれには、道みちの傍かたわらから硫化りゅうか水素すいそガスが噴出ふんしゅつする場所ばしょもあり、その場所ばしょでは立たち止どまりも禁止きんしとなったほか、自動車じどうしゃも停車ていしゃしないよう注意ちゅうい喚起かんきが促うながされている。

歴史れきし

開ひらき湯ゆは1200年ねん前まえ（平安へいあん初期しょき）とされる。泉いずみ色しょくが泥水どろみずのようなの濁にごり湯ゆであったことから、温泉おんせん名めいも泥どろ湯ゆとなった。江戸えど時代じだい頃ころには安楽あんらく泉いずみの別名べつめいでも呼よばれる湯治とうじ場じょうとなり、1680年ねんには湯ゆ宿やどが開設かいせつされた^[1]。

2005年ねん12月に前述ぜんじゅつの事故じこが発生はっせい。事故じこを受うけ、湯沢ゆざわ市しは事故じこ調査ちょうさ検討けんとう委員いいん会かいの調査ちょうさ結果けっかを踏ふまえ、安全あんぜん対策たいさくを実施じっし。翌年よくねん12月がつ5日にちの市議会しぎかいにおいて鈴木すずき俊夫としお市長しちょうが安全あんぜん宣言せんげんを出だした^[4]。

2016年ねん7月がつ13日にちに奥山おくやま旅館りょかんから出火しゅっかし本館ほんかんなど3棟むねが全焼ぜんしょう。宿泊しゅくはく客きゃく7人にんは全員ぜんいん無事ぶじであったが、別館べっかんの焼やけ跡あとから20代だい男性だんせい従業じゅうぎょう員いんの遺体いたいが見みつかった。火災かさいを経へて、奥山おくやま旅館りょかんは残のこっている風呂ふろだけでも再開さいかいして欲ほしいとの声こえが寄よせられていた事ことを踏ふまえ、同年どうねん10月がつから日帰ひがえり営業えいぎょうを再開さいかいした^[5]。

全焼ぜんしょうした奥山おくやま旅館りょかんが国くにと県けんからの補助ほじょ金きんと秋田銀行あきたぎんこうの事業じぎょう性せい評価ひょうか融資ゆうしによって再建さいけん資金しきんを賄まかない、温泉おんせん旅館りょかんを再建さいけん。2019年ねん4月がつ15日にち、ゆざわジオパークにおけるジオツーリズム推進すいしんに向むけて、復活ふっかつオープンした^[6]^[7]^[8]。

1974年ねん（昭和しょうわ51年ねん9月がつ）にはつげ義春よしはるが訪問ほうもんし、当時とうじの写真しゃしんが『つげ義春よしはるの温泉おんせん』に公開こうかいされている^[9]。

アクセス

JR奥羽本線おううほんせん湯沢ゆざわ駅えきより南東なんとうへ約やく30 km。
- 同どう駅えきより予約よやく制せい「こまちシャトル」利用りようで約やく45分ふん^[10]。
- 同どう駅えきより羽後うご交通こうつうバス横堀よこぼり線せんと乗合のりあいタクシー（須川すがわ - 泥どろ湯ゆ）を乗のり継ついで約やく70分ふん^[11]^[12]。

周辺しゅうへん

脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b 『東北とうほく学がく08』p.198
^ 『東北とうほく学がく08』p.198 - 199
^ 『東北とうほく学がく08』p.197
^ 「泥どろ湯ゆ温泉おんせん死亡しぼう事故じこ1年ねん現場げんばに鎮魂ちんこんの花束はなたば遺族いぞく沈痛ちんつう行いくのはつらい」『読売新聞よみうりしんぶん』秋田あきた版ばん 2006年ねん12月30日にち
^ 「奥山おくやま旅館りょかん一部いちぶ営業えいぎょう再開さいかい泥どろ湯ゆ温泉おんせん火災かさい日帰ひがえり入浴にゅうよくのみ」『読売新聞よみうりしんぶん』秋田あきた版ばん 2016年ねん10月がつ4日にち
^ “泥どろ湯ゆ温泉おんせん「奥山おくやま旅館りょかん」15日にちに復活ふっかつオープン　2016年ねん全焼ぜんしょう”. 秋田あきた魁さきがけ新報しんぽう. (2019年ねん4月がつ13日にち) 2019年ねん4月がつ14日にち閲覧えつらん。
^ “奥山おくやま旅館りょかん、来春らいしゅんにも宿泊しゅくはく再開さいかい　湯沢ゆざわの泥どろ湯ゆ温泉おんせん、秋あき銀ぎんが融資ゆうし”. 秋田あきた魁さきがけ新報しんぽう. (2018年ねん8月がつ23日にち) 2018年ねん8月がつ25日にち閲覧えつらん。
^ “総務そうむ省しょう地域ちいき経済けいざい循環じゅんかん創造そうぞう事業じぎょう交付こうふ金きんを活用かつようした株式会社かぶしきがいしゃ泥どろ湯ゆ温泉おんせんへの事業じぎょう性せい評価ひょうか融資ゆうしの決定けってい”. 秋田銀行あきたぎんこう. (2018年ねん8月がつ22日にち) 2018年ねん8月がつ25日にち閲覧えつらん。
^ 『つげ義春よしはるの温泉おんせん』p.26
^ “こまちシャトルについて”. こまちシャトル. 2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ “乗合のりあいタクシー”. 湯沢ゆざわ市し. 2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ “アクセス”. 泥どろ湯ゆ温泉おんせん奥山おくやま旅館りょかん. 2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん

東北芸術工科大学とうほくげいじゅつこうかだいがく東北とうほく文化ぶんか研究けんきゅうセンター編へん『東北とうほく学がく08』はる書房しょぼう、2016年ねん。ISBN 4899841582

外部がいぶリンク

ゆざわジオパーク - 湯沢ゆざわ市し
奥山おくやま旅館りょかん

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[tohoku198-1] 『東北とうほく学がく08』p.198

[2] 『東北とうほく学がく08』p.198 - 199

[3] 『東北とうほく学がく08』p.197

[4] 「泥どろ湯ゆ温泉おんせん死亡しぼう事故じこ1年ねん現場げんばに鎮魂ちんこんの花束はなたば遺族いぞく沈痛ちんつう行いくのはつらい」『読売新聞よみうりしんぶん』秋田あきた版ばん 2006年ねん12月30日にち

[5] 「奥山おくやま旅館りょかん一部いちぶ営業えいぎょう再開さいかい泥どろ湯ゆ温泉おんせん火災かさい日帰ひがえり入浴にゅうよくのみ」『読売新聞よみうりしんぶん』秋田あきた版ばん 2016年ねん10月がつ4日にち

[6] “泥どろ湯ゆ温泉おんせん「奥山おくやま旅館りょかん」15日にちに復活ふっかつオープン　2016年ねん全焼ぜんしょう”. 秋田あきた魁さきがけ新報しんぽう. (2019年ねん4月がつ13日にち) 2019年ねん4月がつ14日にち閲覧えつらん。

[7] “奥山おくやま旅館りょかん、来春らいしゅんにも宿泊しゅくはく再開さいかい　湯沢ゆざわの泥どろ湯ゆ温泉おんせん、秋あき銀ぎんが融資ゆうし”. 秋田あきた魁さきがけ新報しんぽう. (2018年ねん8月がつ23日にち) 2018年ねん8月がつ25日にち閲覧えつらん。

[8] “総務そうむ省しょう地域ちいき経済けいざい循環じゅんかん創造そうぞう事業じぎょう交付こうふ金きんを活用かつようした株式会社かぶしきがいしゃ泥どろ湯ゆ温泉おんせんへの事業じぎょう性せい評価ひょうか融資ゆうしの決定けってい”. 秋田銀行あきたぎんこう. (2018年ねん8月がつ22日にち) 2018年ねん8月がつ25日にち閲覧えつらん。

[9] 『つげ義春よしはるの温泉おんせん』p.26

[10] “こまちシャトルについて”. こまちシャトル. 2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。

[11] “乗合のりあいタクシー”. 湯沢ゆざわ市し. 2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。

[12] “アクセス”. 泥どろ湯ゆ温泉おんせん奥山おくやま旅館りょかん. 2022年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。

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