焙あぶ煎せんじ

焙あぶ煎せんじ（ばいせん）または乾煎からいり（からいり、英えい: dry roasting、単たんにロースト(roast)とも^[1]）とは、加熱かねつプロセスの一ひとつで、熱ねつ媒体ばいたいとして油あぶらや水みずを使つかわずに食材しょくざいを加熱かねつ乾燥かんそうさせる。他たの乾式かんしき加熱かねつの方法ほうほうとは異ことなり、ナッツや種たねのような食材しょくざいに使用しようされる。むらなく確実かくじつに加熱かねつされるよう、食材しょくざいは攪拌して焙あぶ煎せんじする。

焙あぶ煎せんじにはフライパンや中華ちゅうか鍋なべ (一部いちぶ料理りょうりでの香辛料こうしんりょうを乾煎からいりするのに用もちいられる^[2]）、もしくは専せん用ようのロースター（コーヒー豆まめやピーナッツなど）が使用しようされる。焙あぶ煎せんじすることで、食品しょくひん中なかのタンパク質たんぱくしつの化学かがく的てき性質せいしつが変化へんかして風味ふうみが変かわる。また香かおりや味あじが強つよくなる香辛料こうしんりょうもある。香辛料こうしんりょうを焙あぶ煎せんじする際さいには一般いっぱんに、さまざまなハーブや調味ちょうみ料りょうを加くわえて、色いろがつくまで加熱かねつする。

焙あぶ煎せんじした食品しょくひんには、ピーナッツバター（焙あぶ煎せんじしたピーナッツから作つくられる^[3]）、茶ちゃ（摘採後ごただちに、もしくは発酵はっこうさせたのちに焙あぶ煎せんじした茶ちゃ葉はから作つくられる^[4]）、コーヒーやチョコレート（焙あぶ煎せんじしたコーヒー豆まめ、焙あぶ煎せんじしたカカオ豆まめ^[5]からそれぞれ作つくられる）などがある。

概要がいよう

コーヒー豆まめの乾煎からいり（エチオピア）

焙あぶ煎せんじは水分すいぶんを飛とばし、あるいは消化しょうかしやすい性質せいしつに変かえたり香こうばしい風味ふうみを付つけたりするために行おこなわれる。

コーヒー豆まめ

「コーヒーロースター」も参照さんしょう

コーヒー豆まめは専もっぱら焙あぶ煎せんじして用もちいられる。焙あぶ煎せんじの程度ていどによって、「浅あさ煎いり（あさいり）／シナモン」、「中なか煎いり（ちゅういり）／ハイ」、「中なか深ふか煎いり／シティ」、「深ふか煎いり（ふかいり）／フレンチ」^[6]などという。

茶ちゃ葉は

緑茶りょくちゃでは茶ちゃ葉はを加熱かねつ処理しょりする工程こうていがあるが、中国ちゅうごくの緑茶りょくちゃや一部いちぶの日本にっぽん茶ちゃ（嬉野うれしの茶ちゃの伝統でんとう的てきな製法せいほうなど）では焙あぶ煎せんじにより加熱かねつ処理しょりを行おこない、「釜がま炒いり茶ちゃ」と呼よぶ^[7]。また、緑茶りょくちゃを茶ちゃ葉はが変色へんしょくするまで強つよく焙あぶ煎せんじすることを「焙あぶ（ほう）じる」といい、焙ほうじた茶ちゃをほうじ茶ちゃと呼よぶ。

穀物こくもつ

穀物こくもつでは、玄米げんまい、大麦おおむぎなど、豆類まめるいではピーナッツ、アーモンド、マカダミアナッツなどに焙あぶ煎せんじがよくおこなわれる。

脚注きゃくちゅう

^ 英語えいごでローストは、乾煎からいり以外いがいにもっと広ひろい意味いみで使つかわれる。Roasting
^ （英語えいご）“Healthy Cooking Tip and Recipe Idea: How To Dry Roast Dried Seeds and Dried Whole Spices”. Healthy.net. 2017年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ （英語えいご）“Nutritional Value of Peanut and Peanut Butter”. Organic Facts. 2017年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ （英語えいご）“Tea Obsession: Roast your own tea”. Tea-obsession.blogspot.com (2007年ねん12月10日にち). 2017年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ （英語えいご）“From Bean to Paste - How Chocolate Works”. Recipes.howstuffworks.com. 2017年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ コーヒーの絵本えほん. mille books. (2014/10/8)
^ 多おおくの日本にっぽん茶ちゃでは、蒸ふかすことにより加熱かねつ処理しょりを行おこなう。