蓮はちす綱つな（れんこう、宝たから徳いさお2年ねん（1450年ねん）- 享とおる禄ろく4年ねん10月18日にち（1531年ねん11月26日にち））は、室町むろまち時代ときよ中期ちゅうきから戦国せんごく時代じだいにかけての浄土真宗じょうどしんしゅうの僧そう。松岡まつおか寺てら住持じゅうじ。幼名ようみょうは光ひかり養やしなえ、諱いみなは兼けん祐ゆう。初はつ名なは玄げん寿ことぶき、後のちに蓮はちす康やすしと改あらためる。本願寺ほんがんじ第だい8世せい法主ほっしゅ蓮如れんにょの3男なんで、母ははは伊勢いせ貞さだ房ぼうの娘むすめ如了。妻つまは勧修寺かんしゅうじ教きょう秀しゅうの娘むすめ。子こに蓮はちす慶けい。
宝たから徳いさお2年ねん（1450年ねん）、本願寺ほんがんじ第だい8世せい法主ほっしゅ・蓮如れんにょの3男おとことして誕生たんじょう。
幼おさない頃ころ、浄土宗じょうどしゅうの寺院じいんに預あづけられていたが、文明ぶんめい年間ねんかん初はじめ頃ごろに加賀かがに下くだる。同国どうこく波佐谷はさだに（現在げんざいの石川いしかわ県けん小松こまつ市し）に松岡まつおか寺てらを建立こんりゅうするが、文明ぶんめい7年ねん（1475年ねん）に父ちち・蓮如れんにょが加賀かが守護しゅご・富樫とかし政まさし親おやが対立たいりつすると、一旦いったん加賀かがを離はなれて越前えちぜん吉崎よしざき御坊ごぼうにいる父ちちと合流ごうりゅうした。文明ぶんめい12年ねん（1480年ねん）に松岡まつおか寺てらに戻もどると隣国りんごくで越えつ中ちゅう一向いっこう一揆いっきを指導しどうする蓮はちす悟さとると越前えちぜん吉崎よしざきの蓮はちす誓ちかい、この2人ふたりの弟おとうとと連携れんけいして富樫とかし氏しと対抗たいこうした。長ちょう享とおる2年ねん（1488年ねん）に富樫とかし政まさし親おやが一揆いっき討伐とうばつ軍ぐんを上あげると逆ぎゃくにこれを攻せめ滅ほろぼした（長ちょう享とおるの一揆いっき）。
以後いご、加賀かが国こくでは富樫とかし泰やすし高だか（政せい親おやの大叔父おおおじ）を守護しゅごに擁立ようりつしながらも蓮はちす綱つなと蓮はちす悟さとるが事実じじつ上じょうの国主こくしゅとなる「両りょう御山おやま」体制たいせいを敷しかれた。これに対たいして蓮如れんにょは激はげしく非難ひなんしたが[1]。その後ご、蓮如れんにょと跡あとを継ついだ異母弟いぼてい・実じつ如は、北陸ほくりく方面ほうめんにいる蓮如れんにょの子こら（蓮はちす綱つな・蓮はちす誓ちかい・蓮はちす悟さとる）に加賀かがにおける真宗しんしゅうの代表だいひょうとして民衆みんしゅうを統率とうそつさせて本願寺ほんがんじを擁護ようごする体制たいせい作づくりに尽力じんりょくするようになる。
永えい正ただし3年ねん（1506年ねん）、室町むろまち幕府ばくふ管領かんりょう・細川ほそかわ政まさし元もとの依頼いらいを受うけて越前えちぜんの朝倉あさくら貞さだ景けい討伐とうばつの一揆いっきを起おこすが、九頭竜川くずりゅうがわの戦たたかいにおいて朝倉あさくら教景のりかげ（宗そう滴しずく）が率ひきいる朝倉あさくら軍ぐんに敗北はいぼく。吉崎よしざき御坊ごぼうは破壊はかいされ越前えちぜんの真宗しんしゅう信者しんじゃは国外こくがいに追放ついほうされた。その後ご、松岡まつおか寺てらの運営うんえいを息子むすこ蓮はちす慶けいに、加賀かが門徒もんとの指導しどうを弟おとうとの蓮はちす悟さとるに任まかせて引退いんたい生活せいかつに入はいる。
ところが、本願寺ほんがんじの法主ほっしゅが証あかし如の代だいに入はいると、証あかし如と後見こうけんである蓮はちす淳あつし（蓮如れんにょの6男なん、証あかし如の外祖父がいそふ）は法主ほっしゅによる一門いちもん統制とうせいを強つよめる政策せいさくを決定けってい。その遂行すいこうのために蓮はちす淳じゅんの婿むこで加賀かがの末寺まつじの1つ超勝寺ちょうしょうじの住持じゅうじ・実じつ顕あらわが代官だいかんに任にんじられて「両りょう御山おやま」体制たいせいを否認ひにんする命令めいれいを加賀かが各地かくちに出だした。これに対たいして蓮はちす慶けいや蓮はちす悟さとると顕あらわ誓ちかい（蓮はちす誓ちかいの子こ）が反発はんぱつし、先さきの法主ほっしゅである蓮如れんにょ・実じつ如が定さだめた一門いちもん衆しゅの指導しどうへの服従ふくじゅうを定さだめた規則きそくに反はんするとして超勝寺ちょうしょうじ討伐とうばつのための一揆いっきを起おこした。
しかし、蓮はちす淳じゅんは現げん法主ほっしゅの代理だいりである実じつ顕あらわを討うつ事ことは本願寺ほんがんじ法主ほっしゅに対たいする反逆はんぎゃくであるとして畿内きない・東海とうかいの門徒もんとに超勝寺ちょうしょうじ救援きゅうえんの命令めいれいを発布はっぷし、本覚寺ほんかくじ住持じゅうじ・蓮はちす恵めぐみも超勝寺ちょうしょうじに加勢かせいした。これを知しった加賀かが門徒もんとは動揺どうようして分裂ぶんれつ、享とおる禄ろく4年ねん（1531年ねん）7月がつに松岡まつおか寺てらは超勝寺ちょうしょうじ側がわに占領せんりょうされて蓮はちす綱つな・蓮はちす慶けい父子ふしは幽閉ゆうへいされた（大小だいしょう一揆いっき）。
同年どうねん10月がつ、幽閉ゆうへい先さきにて82歳さいで死去しきょ。同年どうねん11月18日にちには蓮はちす慶けい（49歳さい）と孫まごの実じつ慶けい（29歳さい）ら家族かぞくも逃亡とうぼうを図はかろうとした廉かどで捕とらえられ、自害じがいしたとも処刑しょけいされたともいう。以後いご、松岡まつおか寺てらは江戸えど時代じだい初期しょきに能登のと国内こくないにて再興さいこうを許ゆるされるまで廃絶はいぜつ状態じょうたいとなった。
