角川かどかわ源義げんよし賞しょう

角川かどかわ源義げんよし賞しょう（かどかわげんよししょう）は、主おもに中堅ちゅうけん以上いじょうの研究けんきゅう者しゃに授与じゅよされる学術がくじゅつ賞しょう。10月下旬げじゅん(11月がつ初旬しょじゅん)に発表はっぴょうされ、贈呈ぞうてい式しきは12月に行おこなわれ、賞状しょうじょう、記念きねん品ひん、副賞ふくしょう(100万まん円えん)が贈おくられる。

角川書店かどかわしょてんの創業そうぎょう者しゃ角川かどかわ源義げんよしは、民俗みんぞく学がく者もの・国文学こくぶんがく者もの・俳人はいじんでもあった。国学こくがく者もの（晩年ばんねんは國學院大學こくがくいんだいがく理事りじだった）として日本にっぽん文化ぶんか振興しんこうへの志こころざしの一端いったんを具現ぐげんしようと、昭和しょうわ54年ねん（1979年ねん）に角川かどかわ文化ぶんか振興しんこう財団ざいだんの発足ほっそくと同時どうじに創設そうせつされた。

第だい24回かいまでは国文学こくぶんがく・国史こくし学がくの二に部門ぶもんだったが、第だい25回かいより文学ぶんがく研究けんきゅう・歴史れきし研究けんきゅう部門ぶもんに変更へんこうされた。片方かたがたが該当がいとう作さくなしの年度ねんどもある。

受賞じゅしょう作さく

第だい1回かいから第だい20回かい

• 第だい1回かい（1979年ねん）
  • 目崎めさき徳衛とくえ『西行さいぎょうの思想しそう史し的てき研究けんきゅう』
• 第だい2回かい（1980年ねん）
  • 水原みずはら一はじめ『延のべ慶けい本ほん平家へいけ物語ものがたり論考ろんこう』
  • 小木おぎ新造しんぞう『東ひがし亰庶民しょみん生活せいかつ史し研究けんきゅう』
• 第だい3回かい（1981年ねん）
  • 佐竹さたけ昭広あきひろ『萬葉集まんようしゅう抜書ぬきがき』
  • 玉村たまむら竹二たけじ『日本にっぽん禅宗ぜんしゅう史し論集ろんしゅう』
• 第だい4回かい（1982年ねん）
  • 中野なかの三さん敏さとし『戯作げさく研究けんきゅう』
  • 新井あらい恒ひさし易えき『農のうと田遊たあそびの研究けんきゅう』
• 第だい5回かい（1983年ねん）
  • 樋口ひぐち芳かおる麻呂まろ『平安へいあん・鎌倉かまくら時代じだい散逸さんいつ物語ものがたりの研究けんきゅう』
  • 中村なかむら義雄よしお『絵巻物えまきもの詞書ことばがきの研究けんきゅう』
  • 新城しんじょう常三つねぞう『新しん稿こう社寺しゃじ参詣さんけいの社会しゃかい経済けいざい史し的てき研究けんきゅう』
• 第だい6回かい（1984年ねん）
  • 谷山たにやま茂しげる『新しん古今ここん集しゅうとその歌人かじん』
  • 吉田よしだ孝たかし『律令りつりょう国家こっかと古代こだいの社会しゃかい』
• 第だい7回かい（1985年ねん）
  • 野村のむら純一じゅんいち『昔話むかしばなし伝承でんしょうの研究けんきゅう』
  • 黒田くろだ日出男ひでお『日本にっぽん中世ちゅうせい開発かいはつ史しの研究けんきゅう』
• 第だい8回かい（1986年ねん）
  • 粕谷あらや宏紀ひろのり『石川いしかわ雅望まさもち研究けんきゅう』
  • 片桐かたぎり一男かずお『阿蘭陀おらんだ通詞つうじの研究けんきゅう』
• 第だい9回かい（1987年ねん）
  • 峰岸みねぎし明あきら『平安へいあん時代じだい古記こき録ろくの國語こくご學がく的てき研究けんきゅう』
  • 田中たなか圭一けいいち『佐渡さど金きん銀山ぎんざんの史的してき研究けんきゅう』
• 第だい10回かい（1988年ねん）
  • 小林こばやし芳かおる規ぶんまわし『角かく筆ひつ文献ぶんけんの國語こくご學がく的てき研究けんきゅう』
  • 太田おおた静六せいろく『寝殿造しんでんづくりの研究けんきゅう』
• 第だい11回かい（1989年ねん）
  • 松本まつもと隆信たかのぶ『室町むろまち時代じだい物語ものがたり大成たいせい』
  • 中井なかい信彦のぶひこ『色川いろかわ三さん中なかの研究けんきゅう 伝記でんき篇へん』
• 第だい12回かい（1990年ねん）
  • 西郷さいごう信綱のぶつな『古事記こじき注釈ちゅうしゃく』
  • 平川南ひらかわみなみ『漆うるし紙し文書ぶんしょの研究けんきゅう』
• 第だい13回かい（1991年ねん）
  • 鈴木すずき日出男ひでお『古代こだい和歌わか史論しろん』
  • 橋本はしもと初子はつこ『中世ちゅうせい東寺とうじと弘法大師こうぼうだいし信仰しんこう』
• 第だい14回かい（1992年ねん）
  • 信しんじ多た純一じゅんいつ『近松ちかまつの世界せかい』
  • 国史こくし学がく部門ぶもん-該当がいとう作さくなし
• 第だい15回かい（1993年ねん）
  • ハルオ・シラネ『夢ゆめの浮橋うきはし-「源氏物語げんじものがたり」の詩学しがく』（鈴木すずき登美とみ・北村きたむら結花ゆか訳やく）
  • 靑木あおき和夫かずお『日本にっぽん律令りつりょう国家こっか論攷ろんこう』
• 第だい16回かい（1994年ねん）
  • 濱田はまだ啓介けいすけ『近世きんせい小説しょうせつ・営為えいいと様式ようしきに関かんする私見しけん』
  • 栄原さかえはら永遠えいえん男おとこ『日本にっぽん古代こだい銭ぜに貨流通史つうしの研究けんきゅう』
• 第だい17回かい（1995年ねん）
  • 表おもて章あきら『喜多きた流りゅうの成立せいりつと展開てんかい』
  • 朝あさ尾お直弘なおひろ『将軍しょうぐん権力けんりょくの創出そうしゅつ』
• 第だい18回かい（1996年ねん）
  • 外間ほかま守もり善ぜん『南島なんとう文学ぶんがく論ろん』
  • 室伏むろふし信助しんすけ『王朝おうちょう物語ものがたり史しの研究けんきゅう』
  • 服部はっとり英雄ひでお『景観けいかんにさぐる中世ちゅうせい-変貌へんぼうする村むらの姿すがたと荘園しょうえん史し研究けんきゅう』
• 第だい19回かい（1997年ねん）
  • 朝倉あさくら尚しょう『抄物しょうものの世界せかいと禅林ぜんりんの文学ぶんがく』
  • 勝俣かつまた鎮夫しずお『戦国せんごく時代じだい論ろん』
• 第だい20回かい（1998年ねん）
  • 島津しまつ忠夫ただお『和歌わか文学ぶんがく史しの研究けんきゅう 和歌わか篇へん・短歌たんか篇へん』
  • 石上いしがみ英一ひでかず『古代こだい荘園しょうえん史しの基礎きそ的てき研究けんきゅう』

第だい21回かいから第だい40回かい

• 第だい21回かい（1999年ねん）
  • 神野かみの藤ふじ昭夫あきお『散逸さんいつした物語ものがたり世界せかいと物語ものがたり史し』
  • 上島うえしま有ゆう『東寺とうじ・東寺とうじ文書ぶんしょの研究けんきゅう』
• 第だい22回かい（2000年ねん）
  • 日野ひの龍夫たつお『服部はっとり南郭なんかく伝つて攷』
  • 池上いけがみ裕子ゆうこ『戦国せんごく時代じだい社会しゃかい構造こうぞうの研究けんきゅう』
• 第だい23回かい（2001年ねん）
  • 藤井ふじい貞和さだかず『源氏物語げんじものがたり論ろん』
  • 永村ながむら眞しん『中世ちゅうせい寺院じいん史料しりょう論ろん』
• 第だい24回かい（2002年ねん）
  • 佐藤さとう恒雄つねお『藤原ふじわら定家さだいえ研究けんきゅう』
  • 鎌田かまた元一げんいち『律令りつりょう公民こうみん制せいの研究けんきゅう』
• 第だい25回かい（2003年ねん）
  • 今いま栄蔵えいぞう『初期しょき俳諧はいかいから芭蕉ばしょう時代じだいへ』
  • 脇田わきた晴子はるこ『日本にっぽん中世ちゅうせい被ひ差別さべつ民みんの研究けんきゅう』
• 第だい26回かい（2004年ねん）
  • 川平かびらひとし『中世ちゅうせい和歌わか論ろん』
  • 五味ごみ文彦ふみひこ『書物しょもつの中世ちゅうせい史し』
• 第だい27回かい（2005年ねん）
  • 稲田いなだ利徳としのり『西行さいぎょうの和歌わかの世界せかい』
  • 東野とうの治之はるゆき『日本にっぽん古代こだい金石かねいし文ぶんの研究けんきゅう』
• 第だい28回かい（2006年ねん）
  • 小川おがわ剛生たけお『二条にじょう良基よしもと研究けんきゅう』
  • 藤田ふじた覚さとし『近世きんせい後期こうき政治せいじ史しと対外たいがい関係かんけい』
• 第だい29回かい（2007年ねん）
  • 楠元くすもと六男むつお『芭蕉ばしょう、その後ご』
  • 本多ほんだ博之ひろゆき『戦国せんごく織お豊ゆたか期きの貨幣かへいと石高こくだか制せい』
• 第だい30回かい（2008年ねん）
  • 大谷おおや節子せつこ『世阿弥ぜあみの中世ちゅうせい』
  • 眞壁まかべ仁ひとし『徳川とくがわ後期こうきの学問がくもんと政治せいじ-昌平しょうへい坂ざか学問がくもん所しょ儒者じゅしゃと幕末ばくまつ外交がいこう変容へんよう』
  • 松方まつかた冬子ふゆこ『オランダ風説ふうせつ書しょと近世きんせい日本にっぽん』
• 第だい31回かい（2009年ねん）
  • 大谷おおや雅夫まさお『歌うたと詩しのあいだ』
  • 坂野さかの潤じゅん治ち『日本にっぽん憲政けんせい史し』
• 第だい32回かい（2010年ねん）
  • 前田まえだ勉つとむ『江戸えど後期こうきの思想しそう空間くうかん』
  • 揖斐いび高だか『近世きんせい文学ぶんがくの境界きょうかい』
• 第だい33回かい（2011年ねん）
  • 渡邉わたなべ裕美子ゆみこ『新しん古今ここん時代じだいの表現ひょうげん方法ほうほう』
  • 上島うえしま享とおる『日本にっぽん中世ちゅうせい社会しゃかいの形成けいせいと王権おうけん』
• 第だい34回かい（2012年ねん）
  • 牧野まきの陽子ようこ『〈時じ〉をつなぐ言葉ことば ─ラフカディオ・ハーンの再話さいわ文学ぶんがく』
  • 伊藤いとう聡さとし『中世ちゅうせい天てん照あきら大神おおがみ信仰しんこうの研究けんきゅう』
• 第だい35回かい（2013年ねん）
  • 安藤あんどう宏ひろし『近代きんだい小説しょうせつの表現ひょうげん機構きこう』
  • 鈴木すずき靖やすし民みん『倭国わのくに史しの展開てんかいと東ひがしアジア』
• 第だい36回かい（2014年ねん）
  • 村井むらい章介しょうすけ『日本にっぽん中世ちゅうせい境界きょうかい史論しろん』
  • 原はら道生みちお『近松ちかまつ浄瑠璃じょうるりの作さく劇げき法ほう』
• 第だい37回かい（2015年ねん）
  • 文学ぶんがく研究けんきゅう部門ぶもん-該当がいとう作さくなし
  • 高こう埜利彦としひこ『近世きんせいの朝廷ちょうていと宗教しゅうきょう』
• 第だい38回かい（2016年ねん）
  • 川平かびら敏文としふみ『徒然草つれづれぐさの十じゅう七なな世紀せいき』
  • 塩出しおで浩之ひろゆき『越境えっきょう者しゃの政治せいじ史し』
• 第だい39回かい（2017年ねん）
  • 佐々木ささき孝浩たかひろ『日本にっぽん古典こてん書誌しょし学がく論ろん』
  • 上原うえはら兼けん善ぜん『近世きんせい琉球りゅうきゅう貿易ぼうえき史しの研究けんきゅう』
• 第だい40回かい（2018年ねん）
  • 渡部わたなべ泰明やすあき『中世ちゅうせい和歌わか史論しろん ―様式ようしきと方法ほうほう』
  • 義江よしえ明子あきこ『日本にっぽん古代こだい女帝にょてい論ろん』

第だい41回かい以降いこう

• 第だい41回かい（2019年ねん）
  • 古こ井戸いど秀夫ひでお『評伝ひょうでん 鶴屋つるや南北なんぼく』
  • 横田よこた冬ふゆ彦『日本にっぽん近世きんせい書物しょもつ文化ぶんか史しの研究けんきゅう』
• 第だい42回かい（2020年ねん）
  • 田渕たぶち句く美子よしこ『女房にょうぼう文学ぶんがく史論しろん ―王朝おうちょうから中世ちゅうせいへ』
  • 歴史れきし研究けんきゅう部門ぶもん - 該当がいとう作さくなし
• 第だい43回かい（2021年ねん）
  • 阪口さかぐち弘之ひろゆき 『古こ浄瑠璃じょうるり・説経せっきょう研究けんきゅう　近世きんせい初期しょき芸能げいのう事情じじょう』（上うえ・下した）
  • 加藤かとう聖きよし文ぶん 『海外かいがい引揚の研究けんきゅう　忘却ぼうきゃくされた「大日本帝国だいにっぽんていこく」』
• 第だい44回かい（2022年ねん）- 休止きゅうし

選考せんこう委員いいん（一部いちぶ）

文学ぶんがく部門ぶもん

• 2009-2013　久保田くぼた淳あつし、鈴木すずき日出男ひでお、中野なかの三さん敏さとし、芳賀はが徹とおる　
• 2014 久保田くぼた、芳賀はが、揖斐いび高だか、原岡はらおか文子ふみこ
• 2015 久保田くぼた、揖斐いび、原岡はらおか、安藤あんどう宏ひろし
• 2016- 揖斐いび、原岡はらおか、安藤あんどう、三浦みうら佑たすく之これ
• 2020- 原岡はらおか、安藤あんどう、三浦みうら、長島ながしま弘明ひろあき

歴史れきし部門ぶもん

• 2009-12　石上いしがみ英一ひでかず、黒田くろだ日出男ひでお、高村たかむら直ただし助すけ、脇田わきた修おさむ
• 2013-　石上いしがみ、黒田くろだ、高村たかむら、藤井ふじい譲治じょうじ
• 2017-　石上いしがみ、黒田くろだ、藤井ふじい、三谷みたに博ひろし　

関連かんれん項目こうもく

• 角川かどかわ財団ざいだん学芸がくげい賞しょう

外部がいぶリンク

• 一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん角川かどかわ文化ぶんか振興しんこう財団ざいだん