農耕のうこう民族みんぞく(のうこうみんぞく)とは、生活せいかつの主体しゅたいが稲作いなさくなどの農業のうぎょう活動かつどうにより形成けいせいされている民族みんぞくとその文化ぶんかをいう。アジアなどのモンスーン気候きこうの地方ちほうに多おおく見みられる。
遊牧ゆうぼく民族みんぞくや狩猟しゅりょう採集さいしゅう民族みんぞくに対比たいひしていわれるもので、和かず辻つじ哲郎てつろうの著作ちょさく『風土ふうど』のなかで、比較ひかく文化ぶんか論ろんとしてこの両者りょうしゃが対比たいひされて語かたられたことから、よく使つかわれるようになったもの。但ただし、和かず辻つじ哲郎てつろうの比較ひかく文化ぶんか論ろんの正否せいひについては地理ちり学者がくしゃなどから批判ひはんもある。
旧約きゅうやく聖書せいしょの創世そうせい記きでも、アベルとカインの兄弟きょうだいの逸話いつわとして登場とうじょうする。これはヤハウェが褒ほめた遊牧民ゆうぼくみんのアベルを、農耕のうこう民みんのカインが嫉妬しっと心しんから殺ころす話はなしである。