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逆転層 - Wikipedia

逆転ぎゃくてんそう(ぎゃくてんそう)は気象きしょうがく用語ようごのひとつ。気象きしょうがくにおいて逆転ぎゃくてんとは、高度こうどともな大気たいき性質せいしつとく気温きおん変化へんか通常つうじょうことなる現象げんしょう気温きおん逆転ぎゃくてん)であり、普通ふつうならば高度こうど上昇じょうしょうにともない気温きおん低下ていかするはずなのに、ぎゃく上昇じょうしょうしていることをいう。これがこるそう逆転ぎゃくてんそう(ぎゃくてんそう)とぶ。

逆転ぎゃくてんそうによりたきぎストーブけむりよこひろがっている
カザフスタン都市とししょうじた逆転ぎゃくてんそう汚染おせん物質ぶっしつ地上ちじょう滞留たいりゅうしている

一般いっぱん高温こうおん大気たいき密度みつどひくいためじょう移動いどうし、対流たいりゅうこる。しかし逆転ぎゃくてんそうがあるとうえほう密度みつどひくいため、対流たいりゅうこらない。したがって逆転ぎゃくてんそうによって地表ちひょうちかくの大気たいきがトラップされ、濃霧のうむになったり、またはげしいスモッグにより健康けんこう被害ひがいこることもある[1]逆転ぎゃくてんそうにより、とおくのおとおおきくこえることがおおく(異常いじょう聴域)、また電波でんぱ伝播でんぱ異常いじょうられることもある。なお逆転ぎゃくてんそうでは蜃気楼しんきろうこりやすくなる。対流たいりゅう抑制よくせいなんらかの理由りゆうやぶられると、湿度しつどたか空気くうき対流たいりゅうこすことではげしい雷雨らいうになることもある。

成因せいいん 編集へんしゅう

 
対流圏たいりゅうけん気温きおんよこじく)と高度こうどたてじく)の関係かんけいしめしたグラフ。くろ直線ちょくせん通常つうじょう気温きおん変化へんかあらわす。あか線分せんぶんD-Cは上昇じょうしょうともな気温きおん上昇じょうしょうする、気温きおん逆転ぎゃくてん気温きおん変化へんかあらわす。

逆転ぎゃくてんそうは、とくあきふゆ夜間やかんふうよわいとき、放射ほうしゃ冷却れいきゃく地表ちひょうめん温度おんど低下ていかすることによって形成けいせいされやすい(接地せっち逆転ぎゃくてんそう)。

またふうがある場合ばあいえた地表ちひょう海面かいめんうえあたたかい大気たいきながんで発生はっせいすることもある(移流いりゅう逆転ぎゃくてんそう)。

高気圧こうきあつによる下降かこう気流きりゅう断熱だんねつ圧縮あっしゅくこり、その結果けっかある程度ていど高度こうど(2km程度ていど)に気温きおんたかそうができることがある(沈降ちんこう逆転ぎゃくてんそう)。

前線ぜんせんでは、一般いっぱん上空じょうくう気温きおんたかくなり逆転ぎゃくてんそうしょうじる(前線ぜんせんせい逆転ぎゃくてんそう)。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう