鎖骨下動脈は前斜角筋を基準として、前斜角筋の裏(後方)の第II部とそれより中心側(起始部〜前斜角筋の内側縁)の第I部、外側(前斜角筋の外側縁〜第1肋骨外側縁)の第III部というように3つの部分に分けられている。以下に鎖骨下動脈から分岐する動脈を挙げる。
分枝する4つの動脈(肩甲背動脈は除く)の覚え方としては「ツ・ナ・こ・ろっけ」(ツ=椎骨動脈、ナ=内胸動脈、こ=甲状頚動脈、ろっけ=肋頚動脈)というごろ合わせがある。
鎖骨下動脈自体は腕神経叢と並走し腋窩動脈として続いていく(鎖骨下動脈が腋窩動脈と名称が変わるのは第一肋骨外側縁)。
鎖骨下動脈は起始・走行通路・走行の高さに関して個体差がある。右鎖骨下動脈は多くの場合胸鎖関節の上で腕頭動脈から分岐するが、胸鎖関節の下から分枝することもある。また稀であるが、腕頭動脈からでなく大動脈弓から直接わかれて食道の後方を走行する場合もある(異所性右鎖骨下動脈)[1]
鎖骨下動脈から分岐する甲状頚動脈も変異が多いことで知られる。
- ^ 鈴木正行らの"Multidetector-row CT による異所性右鎖骨下動脈の頻度の検討"によるとこの異所性右鎖骨下動脈の頻度は男性で0.36%,女性で0.73%,全体で0.53%であるという。