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MOSFET - Wikipedia

MOSFET金属きんぞく酸化さんかまく半導体はんどうたい電界でんかい効果こうかトランジスタ・えい: metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)は、電界でんかい効果こうかトランジスタ (FET) の一種いっしゅで、LSIなかではもっと一般いっぱんてき使用しようされている構造こうぞうである。材質ざいしつとしては、シリコン使用しようするものが一般いっぱんである。「モス・エフイーティー」や「モスフェット」とばれたり、「MOS-FET」と記述きじゅつされることもあり、IGFET[注釈ちゅうしゃく 1]MISFET[注釈ちゅうしゃく 2]がMOSFETとほぼ同義どうぎもちいられることがある。ユリウス・エドガー・リリエンフェルト考案こうあんした。

MOSFETと参照さんしょうされる素子そしには、集積しゅうせき回路かいろ使つかわれるいわゆる微細びさいMOSFETと、こう電圧でんあつこう電流でんりゅう用途ようと使つかわれるパワーMOSFETとがあり、その素子そし構造こうぞうおおきくことなるので参照さんしょうさいには注意ちゅうい必要ひつようである。基本きほんてきにはパワーMOSFETは個別こべつ半導体はんどうたい(ディスクリート半導体はんどうたい)であり、たかたいあつ実現じつげんするためにたて方向ほうこう電荷でんかながれをもちいているが、微細びさいMOSFETでは基板きばん表面ひょうめん電荷でんかながれをつくっている。 [1]

MOSFETの構造こうぞう特徴とくちょう

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nがたMOS FET

MOSFETは、通常つうじょうpがたのシリコン基板きばんじょう作成さくせいされる。nがたMOS(NMOS) の場合ばあい、pがたのシリコン基板きばんじょうゲート領域りょういきにシリコンの酸化さんかまくとそのうえゲート金属きんぞく形成けいせいし、ドレイン・ソース領域りょういきにはこう濃度のうど不純物ふじゅんぶつイオン注入ちゅうにゅうし、nがた(n+かた)の半導体はんどうたいにする。

pがたMOS(pMOS)の場合ばあいは、pがたのシリコン基板きばんにイオン注入ちゅうにゅうでnそう領域りょういき作成さくせいし、nがた注入ちゅうにゅう領域りょういきちゅうのゲート領域りょういきにシリコンの酸化さんかまくとそのうえにゲート金属きんぞく形成けいせいし、ドレイン・ソース領域りょういきにはこう濃度のうど不純物ふじゅんぶつ再度さいどイオン注入ちゅうにゅうし、pがた(p+かた)の半導体はんどうたいにする。

過去かこにおいては、そらとぼしそうによる疑似ぎじ交流こうりゅうキャパシターのみをつバイポーラトランジスタや構造こうぞうFETとくらべると、ゲートのした絶縁ぜつえんそう関係かんけいじょうキャパシターを構造こうぞうてきかかえているために、原理げんりてきには動作どうさ速度そくどおそくなるてんや、トランスコンダクタンス(gm)がひくてんなどがMOSFETの課題かだいであった。しかしながら、ゲート電流でんりゅうがほとんどながれないことやプロセス工程こうてい比較的ひかくてき単純たんじゅんであるため、一部いちぶ高周波こうしゅうはよう素子そしのぞき、おおくのデジタル集積しゅうせき回路かいろアナログ回路かいろにMOSFETが使用しようされている。さらに、ドレイン-ソースあいだ抵抗ていこうひくくできるため、とく電力でんりょくスイッチング用途ようとではバイポーラトランジスタを代替だいたいした。近年きんねんでは、ゲートちょうちいさくし、ゲート絶縁ぜつえんたいあつさをうすくすることや、SOI技術ぎじゅつ使用しようにより、動作どうさ速度そくどやgmの問題もんだいおおむ解消かいしょうしている。シリコンせいすうGHzの動作どうさ可能かのうになるとシリコンMOSによる製品せいひん領域りょういき拡大かくだいし、従来じゅうらい高速こうそく動作どうさようとして一般いっぱんてきだったガリウムせいFETの存在そんざいおどかしている。

シリコンによるMOSFETせい集積しゅうせき回路かいろでは、ゲートは金属きんぞくではなくポリシリコン(結晶けっしょう珪素けいそ)によって形成けいせいすることがながあいだ一般いっぱんてきであったが、ゲートにはより抵抗ていこうひく金属きんぞく使用しようしたり、リーク電流でんりゅうらすためにゲート絶縁ぜつえんたいあつさをあつくできるこう誘電ゆうでんりつのゲート絶縁ぜつえんまくもちいれば、高速こうそく動作どうさ可能かのうてい消費しょうひ電力でんりょく高性能こうせいのうICがつくれるため、べいインテルしゃこう誘電ゆうでんりつ (High-κかっぱ) 絶縁ぜつえんまくとメタルゲートとをわせたあらたなプロセス技術ぎじゅつ開発かいはつし、2007ねんあきの45nmのプロセスルールによる製品せいひん製造せいぞう採用さいようするようになった[2]。その高性能こうせいのうなデジタル半導体はんどうたい製造せいぞうする各社かくしゃどう技術ぎじゅつ開発かいはつ製造せいぞうしている。

これら、MOSと類似るいじ構造こうぞうについてはシリコン-酸化さんかまく-シリコンであったり、金属きんぞく-絶縁ぜつえんまく-シリコンであるが、同様どうよう原理げんり使つかっているため、一般いっぱんにはMOS半導体はんどうたい素子そしとしてあつかわれている。

のように集積しゅうせき回路かいろ内部ないぶでは4端子たんし素子そしとしてあつかう。一方いっぽうでディスクリート部品ぶひん場合ばあい、MOSFETは、ボディ(サブストレート)とソースが内部ないぶ接続せつぞくされているので、3端子たんしデバイスとしてあつかわれる[3]

MOSFETの動作どうさ

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理論りろんてきにnがたとpがたちがいはドレイン-ソースあいだ電流でんりゅう寄与きよするキャリアのちがいだけなので、ここではnがたについてのみあつかう。

 
2 線形せんけい領域りょういき状態じょうたい
 
3 飽和ほうわ領域りょういき状態じょうたい
 
4 線形せんけい領域りょういき飽和ほうわ領域りょういきでのドレイン電流でんりゅうIds

MOSFETではゲートともとざいあいだ構成こうせいされたキャパシターにより、ゲートにせい電圧でんあつ印加いんかされた場合ばあい、pがたのサブストレートと絶縁ぜつえんそう境界きょうかいめん電子でんしせドレイン-ソースあいだ反転はんてんそう(nがた)をつくげることでソース-ドレインあいだこうコンダクタンスにする。ドレイン-ソースあいだ電圧でんあつ(Vds)が比較的ひかくてきひくく、ゲート-ソースあいだ電圧でんあつ(Vgs)からしきい電圧でんあつ(Vth)をいた(Vgs-Vth)がそれをえている領域りょういき線形せんけい領域りょういきぶ(2)。線形せんけい領域りょういきにおいてはゲート電圧でんあつ比例ひれいして反転はんてんそうあつみをすため、コンダクタンスがゲート電圧でんあつ比例ひれいしてがる。

一方いっぽう、ドレイン-ソースあいだ電圧でんあつ(Vds)がゲート-ソースあいだ電圧でんあつ(Vgs)からしきい電圧でんあつ(Vth)をいた(Vgs-Vth)を上回うわまわるとドレイン領域りょういき近辺きんぺんには反転はんてんそう形成けいせいされなくなる。この状態じょうたいをピンチオフしたとう。 この状態じょうたい(ピンチオフ)よりドレイン電圧でんあつたか領域りょういき飽和ほうわ領域りょういきび、MOSのコンダクタンスは反転はんてんそうながさによって一定いっていまる(3)。この状態じょうたいではてい電流でんりゅうげんとしてあつかわれる。

ここで注意ちゅういしたいのは、MOSFETのしきい電圧でんあつは、基本きほんてきにはゲート-ソースあいだ条件じょうけんまるのであり、ピンチオフとうのはたんにドレインがわ反転はんてんそう形成けいせいされる条件じょうけんたされなくなったとことである。したがって、ピンチオフしてドレインがわでチャネルが消失しょうしつしても、電子でんしながれがまるというものではない。ゲート-ソースあいだにしきい電圧でんあつ以上いじょう電圧でんあつ印加いんかされていればソースはしでは反転はんてんそう形成けいせいされ、電子でんしはソースから流入りゅうにゅうする。ピンチオフてん以降いこうのドレインがわでチャネルが消失しょうしつしてもドレインがわおおきな電界でんかい存在そんざいするので流入りゅうにゅうした電子でんしはドレイン電極でんきょくかって加速かそくされる。また、ピンチオフ以降いこうでドレイン電圧でんあつがさらにたかくなっても、それはドレインがわそらとぼしそう拡大かくだいするだけで、ソースがわ電子でんし流入りゅうにゅうには(基本きほんてきには)関係かんけいしないのでてい電流でんりゅうげんとして動作どうさするとかんがえてよい。 [注釈ちゅうしゃく 3]

ここでう「飽和ほうわ領域りょういき」とはピンチオフしたのち、ドレイン電圧でんあつげてもドレイン電流でんりゅう増加ぞうかしない状態じょうたい、つまり電流でんりゅう飽和ほうわしている状態じょうたいであって、電子でんし速度そくど飽和ほうわするいわゆる電子でんし速度そくど飽和ほうわ現象げんしょうとはことなるものである。

微細びさい加工かこうすすみチャネルちょうみじかくなると、ドレイン電圧でんあつたかくするにつれてピンチオフ条件じょうけん成立せいりつする場所ばしょがドレインはしからソース方向ほうこう移動いどうすることにより、実効じっこうてきなチャネルちょうみじかくなり、ドレイン電流でんりゅう増加ぞうかする効果こうかあらわれる。これをチャネルちょう変調へんちょう効果こうかび、バイポーラ・トランジスタのアーリー効果こうか[4]相当そうとうする。チャネルちょう変調へんちょう効果こうか低減ていげんするには、なるべくチャネルちょうおおきく設計せっけいすることが必要ひつようとなる。

寄生きせいダイオード

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ボディ(サブストレート)とドレインのあいだ、あるいはボディとソースのあいだ寄生きせいダイオード(ボディーダイオード)が存在そんざいする[5]たとえば、nがたMOSFETの場合ばあい、ボディがpがた半導体はんどうたいであり、ソースとドレインがnがた半導体はんどうたいなので、pn接合せつごう形成けいせいしてしまう。これが寄生きせいダイオードとなる。 MOSFETの記号きごう矢印やじるしは、この寄生きせいダイオードのじゅん方向ほうこうバイアスをしめしている。通常つうじょう、この寄生きせいダイオードに電流でんりゅうながしてはいけないので、ドレイン-ソースあいだながれる電流でんりゅう方向ほうこう記号きごう矢印やじるしぎゃく方向ほうこうにしないといけない。

寄生きせいダイオードには利点りてんもある。パワーMOSFETの場合ばあい寄生きせいダイオードの特性とくせいければ、電力でんりょくインバーター回路かいろなどで必要ひつようなフリーホイールダイオード(たまきりゅうダイオード)としてもちいることもできるからである[5]

バイポーラ・トランジスタとの比較ひかく

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バイポーラ・トランジスタはスイッチや増幅ぞうふくといったはたらきを入力にゅうりょく電流でんりゅう制御せいぎょしているのにたいして、MOSFETは入力にゅうりょく電圧でんあつによる電界でんかい制御せいぎょしている。動作どうさのためにベース電流でんりゅうながれるバイポーラ・トランジスタとちがい、MOSFETのゲートには原理げんりてきに、直流ちょくりゅうてきには[注釈ちゅうしゃく 4]わずかなリーク電流でんりゅう以外いがいながれないため一般いっぱんてい消費しょうひ電力でんりょくである。また、バイポーラ・トランジスタはせいあな電子でんしという2種類しゅるいのキャリアによる動作どうさなのにたいして、MOSFETでは1種類しゅるいのキャリアによる動作どうさであり、「ユニポーラ・トランジスタ」ともばれる。ICさい、バイポーラ・トランジスタはPNP、NPNというふたつのPN接合せつごうたて方向ほうこうつくりこまなければならないのにたいして、MOSFETではならんだ両極りょうきょくあいだ上面うわつら絶縁ぜつえんそうとゲート電極でんきょくもうける構造こうぞうなので平面へいめんてきであり、こう集積しゅうせきするのにてきする。バイポーラ・トランジスタでは入出力にゅうしゅつりょくが「エミッタ」「ベース」「コレクタ」であるのにたいして、MOSFETでは「ソース」「ゲート」「ドレイン」である[6]

バイポーラ・トランジスタの動作どうさ比較ひかくかんがえるのはMOSFETの動作どうさ理解りかいするうえで有意義ゆういぎである。どちらもPN接合せつごう基本きほんてき原理げんりもとづいているからである。バイポーラ・トランジスタでは、ベース-エミッタあいだのPN接合せつごうにベース電流でんりゅうながすことで、ベース領域りょういきとエミッタ領域りょういき不純物ふじゅんぶつ濃度のうど比例ひれいするエミッタ電流でんりゅうすことにより増幅ぞうふく作用さようているが、MOSFETではソース領域りょういきと、それにせっするチャネル領域りょういきとで形成けいせいするPN接合せつごうのチャネル領域りょういきにゲート絶縁ぜつえんまくかいして電界でんかいあたえることにより、ソース領域りょういきからチャネル領域りょういきへのポテンシャル障壁しょうへきげ、ソース領域りょういきからチャネル領域りょういきへの電子でんし流入りゅうにゅう実現じつげんしている。

バイポーラ・トランジスタではエミッタから流入りゅうにゅうした電子でんしは、うすいベースそう通過つうかしてコレクタであつめられる(コレクトされる)が、MOSFETではソース領域りょういきから流入りゅうにゅうした電子でんしはドレインがわからの電界でんかいによってチャネルを通過つうかしてドレイン(排水はいすいこう領域りょういきながむとうイメージはおなじである。しかし、バイポーラ・トランジスタではすべての電流でんりゅうはPN接合せつごうによるものなので電子でんしとホールの両方りょうほう伝導でんどう寄与きよしているが、MOSFETではチャネルを通過つうかするのはNチャネルがたでは電子でんしのみ、Pチャネルがたではホールのみである。それがMOSFETがユニポーラがたともばれるゆえんである。

電気でんきてき特性とくせいしめしょ特性とくせいだい信号しんごう

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MOSFETの回路かいろ記号きごう(ノーマリーオフのエンハンスメントがた。ノーマリーオンのデプレッションがた場合ばあい右側みぎがわたてぼうを3ほん区切くぎらずつづけてえがく)

ドレイン-ソース電圧でんあつ以下いかVds)、ゲート-ソース電圧でんあつ以下いかVgs)としきい以下いかVt)の関係かんけいから、MOSの動作どうさ領域りょういきは4つに大別たいべつされる。

カットオフ:  

線形せんけい領域りょういき 

飽和ほうわ領域りょういき 

ブレイクダウン:  

 :ブレークダウン電圧でんあつ

それぞれにおいて、ドレイン電流でんりゅう以下いかId)は下記かきのように理論りろんしき実験じっけんしきではない)がもとめられている。

カットオフ:

 

線形せんけい領域りょういき

 

飽和ほうわ領域りょういき

 

ブレークダウン:

 主要しゅよう原因げんいん現象げんしょうによりことなるが、一般いっぱん素子そし破壊はかいいたるまで電流でんりゅう増加ぞうかするとあつかわれている。

 :nがたMOSの場合ばあい

 :pがたMOSの場合ばあい

 単位たんい面積めんせきあたりのゲート酸化さんかまく容量ようりょう

 電子でんし移動いどう

 せいあな移動いどう

 :チャネルちょう変調へんちょう係数けいすう

電気でんきてき特性とくせいしめしょ特性とくせいしょう信号しんごう

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しょう信号しんごう特性とくせい等価とうか回路かいろうえ規定きていされたかくパラメータが下記かきのように理論りろんしきもとめられている。

 

 

 

 

 

 

 

 : オーバーラップキャパシタンス

 : 接合せつごう容量ようりょう

 固有こゆう容量ようりょう[注釈ちゅうしゃく 5]あらわし、その動作どうさ領域りょういきにより下記かきのように変化へんかする。

カットオフ:

 

 

線形せんけい領域りょういき

 

 

 

 

飽和ほうわ領域りょういき

 

 

 

 

チャネルの極性きょくせいによる分類ぶんるい

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MOSFETの場合ばあい基本きほんてきにソース・ドレイン端子たんし金属きんぞく(アルミなどの配線はいせんそう)を接合せつごうする。そのさい接触せっしょく抵抗ていこうげる目的もくてきで、比較的ひかくてきこう濃度のうど不純物ふじゅんぶつむ。 不純物ふじゅんぶつが n がた(p がたシリコン基板きばんたいしては、III物質ぶっしつ(B:ホウ素ほうそなど))の場合ばあい、その部分ぶぶんn+ かた(n ウェル)、 不純物ふじゅんぶつが p がた(n がたシリコン基板きばんたいしては、Vあたい物質ぶっしつ(P:リンなど))の場合ばあいp+ かた(p ウェル)とばれる。

不純物ふじゅんぶつまなくても接触せっしょく抵抗ていこう十分じゅうぶんひく場合ばあい不純物ふじゅんぶつ必要ひつようがなく、結果けっか pn どちらにもぞくさない。 これはアンバイポーラ・トランジスタとばれる。 この素子そしは、ゲートにマイナスの電圧でんあつたいソース)をくわえてもプラスの電圧でんあつくわえても、しきい以上いじょうであれば電流でんりゅうながす。

1980年代ねんだい中頃なかごろまでのメモリICやロジックICには、当時とうじ集積しゅうせき技術ぎじゅつ問題もんだいから pn 両方りょうほう堆積たいせきすることむずかしかったために、抵抗ていこうなどでCMOS片側かたがわ代用だいようしたp-MOS・n-MOSがもちいられた。出現しゅつげん当初とうしょ製造せいぞうしやすかったp-MOSが主力しゅりょくだったが、のち移動いどうおおきい電子でんしをキャリアとするn-MOSが主力しゅりょくとなった。

1980年代ねんだいはじめに標準ひょうじゅんロジックICがCMOS構造こうぞうつくられた。1990年代ねんだいには電気でんきてき特性とくせいがアナログでの実用じつようレベルに到達とうたつしたのと、システムLSIひとし論理ろんり回路かいろアナログ回路かいろ混在こんざいして集積しゅうせきされるようになった関係かんけいでアナログ回路かいろもCMOSで製作せいさくされるようになった。

MOSFET のうちとくだい電力でんりょくのスイッチングよう設計せっけいされたものである。バイポーラパワー・トランジスタにくらべて、電圧でんあつ駆動くどうがた素子そしであるので駆動くどう回路かいろ電力でんりょくロスがちいさい。また、多数たすうキャリアデバイスであり、本質ほんしつてき高速こうそくスイッチングが可能かのうで、スイッチングロスちいさい。しかし、たいあつたかくなるにしたがってオン抵抗ていこうたかくなるという問題もんだいがある。

2000年代ねんだいはいり、トレンチゲート・なずらえ平面へいめん接合せつごうなどの構造こうぞう工夫くふうにより、こうたい電圧でんあつ、オン抵抗ていこう・スイッチング損失そんしつ低減ていげんをともに満足まんぞくするものも開発かいはつされた。さらに、2006ねん現在げんざいちょう接合せつごう構造こうぞうもちい、シリコンの理論りろんてき限界げんかいえるてい損失そんしつのものも開発かいはつされている。

型番かたばん

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日本にっぽんにおけるFETの型番かたばん

  • 2SJxxx PチャネルFET
  • 2SKxxx NチャネルFET

というように番号ばんごうけられているものがおおい。ただし、JFETとMOSFETの区別くべつい。混合こんごう周波数しゅうはすう変換へんかん)、利得りとく調整ちょうせいなどの目的もくてきで2のゲートを品種ひんしゅがあり、その場合ばあいは3SK〜のように3ではじまる番号ばんごうけられている。メーカーにより電流でんりゅう電圧でんあつじょうかくわかるような独自どくじ型番かたばんをつける場合ばあいがある。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ えい: insulated-gate FET
  2. ^ えい: metal-insulator-semiconductor FET
  3. ^ ただしジャンクションFETでのピンチオフ状態じょうたいでは、電子でんしながれるチャネルそのものをそらとぼしそう遮断しゃだんするので電流でんりゅうながれなくなる。
  4. ^ 容量ようりょうせいがあるため、過渡かと電流でんりゅう交流こうりゅうながれる。
  5. ^ えい: intrinsic capacitance

出典しゅってん

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  1. ^ 微細びさいMOSFETとパワーMOSFETのちがい」 [1]
  2. ^ 佐野さのあきら 2009.
  3. ^ 「パワーMOSFETを使つかった設計せっけい よくある問題もんだい故障こしょうモードの回避かいひ方法ほうほう著者ちょしゃ: ピーター B. グリーン(infineon) 18ページ
  4. ^ 大豆だいず生田いくた 利章としあきアーリー電圧でんあつ導出どうしゅつについて」『群馬高専ぐんまこうせんレビュー』だい28かん国立こくりつ高等こうとう専門せんもん学校がっこう機構きこう群馬工業高等専門学校ぐんまこうぎょうこうとうせんもんがっこう、2009ねん、19-23ぺーじdoi:10.51030/krev.28.0_19 
  5. ^ a b MOSFETのボディーダイオードとは (マクニカ)
  6. ^ 西久保にしくぼ靖彦やすひこ 2003.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 最新さいしんFET(電界でんかい効果こうかトランジスタ)規格きかくひょう かく年度ねんどばん (CQ出版しゅっぱんしゃ) - 1968年版ねんばん初版しょはん)から1986年版ねんばんまでは個別こべつ特性とくせいいていた。1987年版ねんばんから個別こべつ特性とくせいははずされた。1994年版ねんばんから初期しょきのFETの規格きかくはずされた。
  • 佐野さのあきら岐路きろ半導体はんどうたい産業さんぎょう』(初版しょはんだい2さつ日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ、2009ねん10がつ15にちISBN 9784526061998 
  • 西久保にしくぼ靖彦やすひこ半導体はんどうたい基本きほん仕組しくみ』(だい1はんだい1さつ発行はっこう秀和しゅうわシステム、2003ねん3がつ6にちISBN 4798004928 
  • S. M. Sze, Semiconductor devices, physics and technology, John Wiley & Sons, New York, 1985.
    • ジィー, S.M. ちょみなみ康夫やすお川辺かわべ光央みつお,・長谷川はせがわ文夫ふみお やく半導体はんどうたいデバイス : 基礎きそ理論りろんとプロセス技術ぎじゅつ』(だい2はん産業さんぎょう図書としょ、2004ねん3がつISBN 9784782855508 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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