SAP IQ

SAP IQ はSybaseが開発かいはつした、ビジネスインテリジェンスやデータウェアハウスに用もちいられる関係かんけいデータベースシステムである。元々もともとはSybase IQという名前なまえであったが、2010年ねんにヨーロッパ最大さいだい級きゅうのソフトウェア企業きぎょうSAPがSybaseを買収ばいしゅうしたのに伴ともない、「SAP IQ」に名称めいしょうが変更へんこうになった。

特徴とくちょう

列れつ指向しこうデータベース管理かんりシステムであるSAP IQは、データを表ひょうの列れつに基もとづいて格納かくのうする。これは、一般いっぱん的てきなDBMSに対たいして幾いくつかの利点りてんがある；検索けんさく処理しょりが特定とくていの列れつだけを必要ひつようとする場合ばあい、その列れつを含ふくむストレージのみを読よみ取とれば良よい。伝統でんとう的てきな行くだり指向しこうのデータベースでは、表ひょう全体ぜんたいを読よみ取とる必要ひつようがある。

また、列れつ指向しこうで格納かくのうすることにより、データ圧縮あっしゅくを逐次ちくじ的てきに効率こうりつよく行おこなうことができる。列れつそれぞれに含ふくまれるデータは同おなじデータ型がたを持もち、データ長ちょうも等ひとしいため、データ圧縮あっしゅくは効率こうりつ的てきかつ高速こうそくである。特とくに定義ていぎ域いきが限定げんていされており、行くだり数すうが多おおい場合ばあいには、圧縮あっしゅくはさらに効率こうりつ的てきになる。例たとえば、都道府県とどうふけん名なを保存ほぞんする場合ばあいを考かんがえると、県けん名めいの種類しゅるいは限定げんていされているため、それぞれの県けん名めいの格納かくのうをただ1度どだけ格納かくのうすることで、典型てんけい的てきな行くだり指向しこうストレージに比くらべて格納かくのうサイズを小ちいさく抑おさえられる。^[1]

サポートするOS

SAP IQ は以下いかの環境かんきょうで動作どうさする：

Sun Solaris 64 bit
Red Hat Linux 64/32 bit
SUSE Linux 64/32 bit
HP-UX 64 bit
HP-UX Itanium 64 bit
IBM-AIX 64 bit
Windows 64/32 bit

顧客こきゃく

SAP IQは1500以上いじょうの顧客こきゃくの3000以上いじょうのシステムで利用りようされている。SAP IQは数すう千せんユーザの同時どうじアクセスをサポートしており、解析かいせきやデータウェアハウス環境かんきょうで用もちいられている。

2007年ねん6月がつ、サン・マイクロシステムズの要請ようせいにより、InfoSizing は世界せかいでも有数ゆうすうの巨大きょだいなデータウェアハウスの集約しゅうやく性せいと性能せいのうを測定そくていした^[2]。このシステムは、1ペタバイトに及およぶ構造こうぞう化かデータ及および非ひ構造こうぞう化かデータから成なり、BMMSoftにより設計せっけいされ、Solaris 10とSybase IQを利用りようしている。サン・マイクロシステムズとSybaseは、このベンチマークではSybase IQのアーキテクチャは非常ひじょうに効率こうりつ的てきであり、設備せつび、処理しょり時間じかん、消費しょうひ電力でんりょくを減へらすことができたと述のべている^[3]^[4]。BMMSoftのデータウェアハウスへの適用てきようでは、500テラバイトのトランザクション・データと 72テラバイトのマルチメディア・データを、260テラバイトまで圧縮あっしゅく格納かくのうした。

評価ひょうか

SAP IQはデータウェアハウス的てきなアプリケーションに最適さいてき化かされている。データは追加ついかはされても更新こうしんされることはほとんどなく、データの大だい部分ぶぶんへの検索けんさくが典型てんけい的てきなアクセス・パターンである。列れつ指向しこうストレージはデータの読よみ取とりには高速こうそくであるが、1行ぎょうを更新こうしんする場合ばあいには分割ぶんかつして格納かくのうされた複数ふくすう箇所かしょを変更へんこうする必要ひつようがあるため書かき出だしは低速ていそくである。しかし、大量たいりょうのデータの一括いっかつ投入とうにゅうは効率こうりつ的てきに処理しょりできる。一方いっぽう、オンライントランザクション処理しょりの用途ようとでは行こう単位たんいで更新こうしんが行おこなわれるため、行くだり指向しこうの関係かんけいデータベースシステムに対たいして性能せいのうは大幅おおはばに劣おとる。

バージョン 15以前いぜんでは、SAP IQには更新こうしん処理しょりを自動的じどうてきにキューイングする機能きのうが無なかった。そのため、DDL や DML 文ぶんの対象たいしょうのオブジェクトが使用しよう中ちゅうだと、それらの文ぶんはエラーになる場合ばあいがあった。SAP IQは表ひょうを明示めいじ的てきにロックする方法ほうほうも提供ていきょうしていたが、ロックの粒つぶ度どは荒あらかった^[5]。バージョン 15以降いこうは、設定せっていによりDDL/DMLの処理しょりを対象たいしょうオブジェクトが使用しよう中ちゅうで無なくなるまで待機たいきさせることができるようになった。

外部がいぶリンク

脚注きゃくちゅう

^ http://www.sybase.com/content/1035804/SybaseIQ-12.7-010407-wp.pdf accessed 2007-09-11
^ http://www.sun.com/service/refarch/datawarehouse/Ready-Time-Report_R1.2.pdf | Sun-Sybase-BMSoft solution Auditing
^ http://www.sybase.com/detail?id=1054047 | Sybase IQ Powers World's Largest Green Data Warehouse Including Unstructured Data
^ http://www.sun.com/service/refarch/datawarehouse/WLDWSolutionBrief.pdf | World's Largest Data Warehouse Solution Brief
^ http://www.sybase.com/detail?id=1056545

[1] ttp://www.sybase.com/content/1035804/SybaseIQ-12.7-010407-wp.pdf accessed 2007-09-11

[2] ttp://www.sun.com/service/refarch/datawarehouse/Ready-Time-Report_R1.2.pdf | Sun-Sybase-BMSoft solution Auditing

[3] ttp://www.sybase.com/detail?id=1054047 | Sybase IQ Powers World's Largest Green Data Warehouse Including Unstructured Data

[4] ttp://www.sun.com/service/refarch/datawarehouse/WLDWSolutionBrief.pdf | World's Largest Data Warehouse Solution Brief

[5] ttp://www.sybase.com/detail?id=1056545

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