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USB4 - Wikipedia

USB4(ユーエスビー フォー)は、USB Implementers Forumによって2019ねん8がつ29にちにバージョン1.0がリリースされた、USB4仕様しようUSB規格きかくである[1]

USB4
種別しゅべつ USB
開発かいはつしゃ USB Promoter Group
開発かいはつねん 2019ねん8がつ29にち (4ねんまえ) (2019-08-29)
ぜんモデル USB 3.2
ディジーチェーン No
音声おんせい信号しんごう DisplayPort
映像えいぞう信号しんごう DisplayPort
コネクタ USB-C
許容きょよう電圧でんあつ 48 V (PD 3.1)
許容きょよう電流でんりゅう 5 A (PD)
データ信号しんごう Yes
バンドいきはば 40 Gbps (4.8 GB/s)

これまでのUSBプロトコル規格きかくとはことなり、USB4ではUSB Type-Cコネクタが必須ひっすとなり、電源でんげん供給きょうきゅうにはUSB PDのサポートが必須ひっすとなっている。また、USB 3.2とはことなり、DisplayPortPCI Expressのトンネリングが可能かのうとなった。1ほん高速こうそくリンクを複数ふくすうのエンドデバイスで動的どうてき共有きょうゆうすることで、データの種類しゅるい用途ようとおうじた最適さいてき転送てんそうおこな方法ほうほう定義ていぎしたアーキテクチャである。USB4製品せいひんは、20 Gbpsのスループットをサポートする必要ひつようがあり、最高さいこう40 Gbpsのスループットをサポートすることができる。トンネリングにより、公称こうしょう20 Gbpsであっても、混合こんごうデータを送信そうしんする場合ばあいには、USB 3.2と比較ひかくして、USB4のほう実効じっこうデータレートがたかくなることがある。

USB4仕様しようは、 Thunderbolt 3プロトコル仕様しようもとづく[2] 。Thunderbolt 3製品せいひんとの相互そうご運用うんようせいのサポートは、USB4ホストおよび周辺しゅうへん機器ききではオプションあつかいであるが、USB4ハブではダウンがわポート、ドックではアップがわ・ダウンがわ双方そうほうのポートで必須ひっすである。

2019ねん8がつ29にちにリリースされたUSB4仕様しようバージョン1.0は、「ユニバーサルシリアルバス4」と「USB4」を使用しようしている。リリースまえのいくつかのニュースレポートでは、「USB 4.0」および「USB 4」という用語ようご使用しようされている[3][4] 。rev. 1.0の発行はっこうも、一部いちぶ情報じょうほうげんは「読者どくしゃ検索けんさく方法ほうほう反映はんえいするために」と主張しゅちょうして「USB 4」と記載きさいしている[5]

USB4仕様しよう

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USB4は、2019ねん3がつ正式せいしき発表はっぴょうされた[6][7]

貢献こうけん

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バージョン1.0の公開こうかい時点じてんで、USB4仕様しよう技術ぎじゅつてき作業さぎょうグループに参加さんかした従業じゅうぎょういんゆうするプロモーター会社かいしゃAppleヒューレット・パッカードインテルマイクロソフトルネサスエレクトロニクスSTマイクロエレクトロニクス、およびテキサス・インスツルメンツである。

設計せっけい目標もくひょう

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USB4仕様しよう記載きさいされている目標もくひょうは、帯域たいいきはばやし、USB Type-Cコネクタエコシステムを統合とうごうし、「エンドユーザーの混乱こんらん最小限さいしょうげんおさえる」ことである。これを実現じつげんするための重要じゅうよう領域りょういきとして、既存きそんのUSBおよびThunderbolt製品せいひんとの互換ごかんせい維持いじしながら、単一たんいつのUSB Type-Cコネクタタイプを使用しようすることである[8]

データ転送てんそうモード

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USB4自体じたいは、USB 3.xのような一般いっぱんてきなデータ転送てんそうメカニズムやデバイスクラスを提供ていきょうしないが、おもにUSB 3.2、DisplayPort、オプションでPCIeなどのほかのプロトコルをトンネリングする方法ほうほうとして機能きのうする。ネイティブのホストあいだプロトコルを提供ていきょうするが、名前なまえしめすように、接続せつぞくされた2つのホストあいだでのみ使用しよう可能かのうであり、ホストIPネットワークを実装じっそうするために使用しようされる。したがって、ホストとデバイスがオプションのPCIeトンネリングをサポートしていない場合ばあいディスプレイ帯域たいいきはば最大さいだいはUSB 3.2 20 Gbpsに制限せいげんされ、USB 3.2 10 Gbpsは必須ひっすとなる。

USB4仕様しようじょうのトンネリング

  • USB 3.2 (Enhanced SuperSpeed) トンネリング
  • DisplayPort1.4aベースのトンネリング
  • PCI Express(PCIe)ベースのトンネリング

USB4では、DisplayPort 2.0 Alternate Modeのサポートも必要ひつようである。つまり、DisplayPortはトンネリングでも、Alternate Modeでも伝送でんそうすることができる[9]

DisplayPort 2.0 Alternate Modeでは、HDR10カラーの60 Hzの8K解像度かいぞうど対応たいおうできる。DisplayPort 2.0 Alternate Modeは、すべてのデータを一方いっぽうむかい(モニターへ)に送信そうしんするため、8つのデータレーンすべてをいち使用しようすることができ、USBデータの2ばいである最大さいだい80 Gbpsを使用しようすることができる。

レガシーUSB(1 – 2)は、USB Type-Cコネクタの専用せんようせん使つかってつねにサポートされる。

データ転送てんそうモードのサポート
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一部いちぶ転送てんそうモードは、すべてのUSB4デバイスでサポートされるが、その転送てんそうモードはオプションである。サポートされるモードの要件ようけんは、デバイスのタイプによってことなる。

データ転送てんそうモードのサポート[1]
モード ホスト ハブ 周辺しゅうへん機器きき
USB (1 – 2) (max. 480 Mbps) 必須ひっす 必須ひっす 必須ひっす
USB4 20 Gbps転送てんそう オプション
USB4 40 Gbps転送てんそう オプション
USB 3.2トンネリング (10 Gbps) 必須ひっす 必須ひっす
USB 3.2トンネリング (20 Gbps)[10] オプション オプション オプション
DisplayPortトンネリング 必須ひっす 必須ひっす
PCI Expressトンネリング オプション
ホストあいだ転送てんそう 必須ひっす -
DisplayPort Alternate Mode オプション
Thunderbolt Alternate Mode オプション
USB Type-C Alternate Mode オプション
USB 3.x – USB4 データ転送てんそうモード
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USB4データ転送てんそうモード
モードめい 旧名きゅうめい エンコーディング デュアルレーン レーン速度そくど
(ギガビット/びょう
公称こうしょう速度そくど マーケティングめい
Gbps GB/s
USB 3.2 Gen1x1
  • USB 3.0
  • USB 3.1 Gen 1
8b / 10b いいえ 5 5 0.5 USB 5Gbps
USB 3.2 Gen1×2 はい 10
USB 3.2 Gen2×1 USB 3.1 Gen 2 128b / 132b いいえ 10 1.2 USB 10Gbps
USB 3.2 Gen2×2 はい 20 2.4 USB 20Gbps
USB4 Gen2×1 64b / 66b [注釈ちゅうしゃく 1] いいえ 10
USB4 Gen2×2 はい 20 2.4 USB 20Gbps
USB4 Gen3×1 128b / 132b [注釈ちゅうしゃく 1] いいえ 20
USB4 Gen3×2 はい 40 4.8 USB 40Gbps

USB4 Gen2はUSB 3.2 Gen2とはことなる。それらはおな速度そくど10 Gbpsであるが、電気でんきそうではコーディングがことなる。

USB4はデュアルレーンモードをサポートするために必要ひつようであるが、デュアルレーンリンクの初期しょきちゅうにシングルレーン操作そうさ使用しようする。シングルレーンリンクは、レーンボンディングエラーの場合ばあいのフォールバックモードとしても使用しようできる。

また、Thunderbolt互換ごかんモードでは、Thunderboltの仕様しようさだめられている10.3125 Gbps(Gen 2)、20.625 Gbps(Gen 3)が1レーンあたりの速度そくどとなる。

電力でんりょく供給きょうきゅう

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USB4には、USB Power Delivery(USB PD)が必須ひっすである。USB4の接続せつぞくは、確立かくりつするまえにUSB PDをネゴシエーションする必要ひつようがある。USB4のソースは、最低さいていでもポートあたり7.5 W(5 V, 1.5 A)を供給きょうきゅうする必要ひつようがある。USB4のシンクは、USB PDのネゴシエーションをおこなまえに、250 mA(デフォルト)、1.5 A、または3 A@5 V以下いか電力でんりょく要求ようきゅうする必要ひつようがある(USB Type-Cコネクタじょうのレジスタの構成こうせいによる)。USB PDでは、最大さいだい240 Wの電力でんりょく供給きょうきゅう可能かのうである[11]

Thunderbolt 3の互換ごかんせい

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USB4仕様しようでは、設計せっけい目標もくひょうは「USBおよびThunderbolt製品せいひん既存きそんのエコシステムとの互換ごかんせい維持いじすること」となっている。ただし、Thunderbolt 3との互換ごかんせいは、USB4ホストおよびUSB4周辺しゅうへん機器ききでのみオプションである[12]

Alternate Modeパートナーの仕様しよう

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DisplayPort Alternate Mode2.0

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2020ねん4がつ29にちに、DisplayPort Alternate Mode 2.0がリリースされ、USB4をかいしたDisplayPort 2.0がサポートされた[13]

ソフトウェアサポート

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2020ねん3がつ29にちにリリースされたLinuxカーネル5.6は、USB4をサポートしている[14]

2020ねん11月12にちにリリースされたmacOS Big Surは、USB4をサポートしている[15]

ハードウェアサポート

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CES 2020期間きかんちゅう、USB-IFとIntelは、すべてのUSB4オプション機能きのうをサポートするThunderbolt 4製品せいひんをリリースする意向いこう表明ひょうめいした。USB4と互換ごかんせいのあるはつ製品せいひんは、IntelのTiger Lakeプロセッサであり、2020ねんまつまでにはさらにおおくのデバイスが登場とうじょうした[16][17]

USBプロモーターグループのCEOであるBrad Saundersは、USB4を搭載とうさいしたほとんどのPCがThunderbolt 3をサポートすると予想よそうしていたが、スマートフォンの場合ばあい、メーカーはThunderbolt 3のサポートを実装じっそうする可能かのうせいひくくなる[5]

2020ねん3がつ3にちサイプレス・セミコンダクターは、USB4、デュアルポートとしてCCG6DF、シングルポートとしてCCG6SFをサポートするあたらしいType-C電源でんげん(PD)コントローラーを発表はっぴょうした[18]

2020ねん11がつ10日とおかのイベントで、Appleは、あたらしい標準ひょうじゅん規格きかく活用かつようするため、MacBook AirMacBook Pro 、およびMac mini製品せいひんラインのあたらしいコンピュータを発表はっぴょうした。これらは、デュアルUSB4とシングルコントローラーを搭載とうさいした世界せかいはつのコンピューターである。 Mac mini (M1、2020)、 MacBook Air (M1、2020)、およびMacBook Pro (13インチ、M1、2020)のモデルも、Apple独自どくじCPU製品せいひんApple M1最初さいしょ搭載とうさいされたモデルであると強調きょうちょうされた[19]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ a b USB4 can use optional Reed–Solomon forward error correction (RS FEC). In this mode, 12 × 16 B (128 bit) symbols are assembled together with 2 B (12 bit + 4 bit reserved) synchronisation bits indicating the respective symbol types and 4 B of RS FEC to allow to correct up to 1 B of errors anywhere in the total 198 B block.

出典しゅってん

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  1. ^ a b USB Promoter Group USB4 Specification”. usb.org (2019ねん8がつ29にち). 2021ねん1がつ24にち閲覧えつらん
  2. ^ Bright (2019ねん3がつ4にち). “Thunderbolt 3 becomes USB4, as Intel's interconnect goes royalty-free” (英語えいご). Ars Technica. 2019ねん3がつ4にち閲覧えつらん
  3. ^ With USB 4, Thunderbolt and USB will converge”. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  4. ^ Hagedoorn. “USB 4.0 Will Arrive In Late 2020”. Guru3D.com. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  5. ^ a b September 2019. “USB 4: Everything We Know So Far”. Tom's Hardware. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  6. ^ Hill (2019ねん3がつ4にち). “USB4 Leverages Thunderbolt 3 Protocol Doubling Speeds To 40Gbps”. HotHardware. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  7. ^ USB4 announced with 40Gbps bandwidth, it's based on Thunderbolt 3”. GSMArena.com. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  8. ^ USB4 Spec. p.1
  9. ^ USB4 - No more Mr. Nice Guy, your USB-C connector has to do it all! - #38”. YouTube (2019ねん11月21にち). 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  10. ^ USB4 Spec 1.0 Sect 9 specifically mentions the requirement of "Superspeed Plus (= Gen 2×1) support for hubs and devices, the latter only if they optionally support USB3 tunneling. The rest of the specification doesn't mention the speed at all, and more generically just refers to the whole USB3.2 architecture as "Enhanced Superspeed". Section 9.2.1 states the requirement to only support Gen 2×1 for the USB3 tunneling adapter, with Gen 2×2 being optional.
  11. ^ USB Type-C Spec 2.0 Section 5.3
  12. ^ USB4 Specification V1.0 August, 2019 Chapter 13: "A USB4 host and USB4 peripheral device may optionally support TBT3-Compatability. If a USB4 host or USB4 peripheral device supports TBT3-Compatability, it shall do so as defined in this chapter".
  13. ^ Association (VESA). “VESA Releases Updated DisplayPort Alt Mode Spec to Bring DisplayPort 2.0 Performance to USB4 and New USB Type-C Devices”. www.prnewswire.com. 2020ねん7がつ28にち閲覧えつらん
  14. ^ Linux 5.6 Kernel Released With WireGuard, USB4, New AMD + Intel Hardware Support - Phoronix”. Phoronix.com. 2020ねん7がつ28にち閲覧えつらん
  15. ^ Introducing the next generation of Mac”. apple.com (2020ねん11月10にち). 2020ねん11月13にち閲覧えつらん
  16. ^ USB4 devices are clear to roll out next year”. Engadget. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  17. ^ Maislinger (2019ねん6がつ14にち). “First USB 4 devices to be launched at the end of 2020”. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  18. ^ Shilov. “Cypress Announces USB 3.2 & USB4-Ready Controllers: EZ-PD CCG6DF & CCG6SF”. www.anandtech.com. 2020ねん5がつ1にち閲覧えつらん
  19. ^ CApple Event November 10, 2020”. www.apple.com. 2021ねん3がつ18にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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