VLS
VLS(Vertical Launch System[1]〈ヴァーティカル・ローンチ・システム〉, Vertical Launching System[2]〈ヴァーティカル・ローンチング・システム〉)は、
概要
「セル」と
ミサイルの発射 方法
セル
ホットローンチ
コールドローンチ
アメリカ
運用
特徴
利点
搭載 するミサイルと同数 の発射 筒 を備 えることになり、従来 の発射 装置 では最速 でも4秒 に1発 程度 とされる連射 速度 を、1秒 に1発 程度 に短縮 できるほか、個々 の発射 筒 が独立 しているため、1基 が機械 的 に故障 しても他 に影響 が出 にくい。ソ連 (ロシア)には、ミサイルを回転 式 拳銃 の弾倉 のような回転 式 ドラムに装填 し、1つの発射 口 を共有 する形態 のVLSも存在 する。比較的 直径 の小 さいESSMのように、1つのケースに複数 収納 できるミサイルもある。発射 機 本体 の汎用 性 が高 く、新 たなミサイルが開発 されても継続 的 に使用 できる。- ケースごとに
異 なった種類 のミサイルの装填 が可能 なものもあり、対空 ・対地 ・対 艦 ・対 潜 ・対 弾道弾 ・巡航 の各種 ミサイルを1隻 の艦船 に混載 することで、柔軟 な運用 が可能 になる。 従来 の発射 機 が露天 甲板 上 に露出 していたのに比 べて、メンテナンスを含 めた耐 候 性 に優 れる。また、甲板 上 に露出 する部位 が減 るため、レーダー反射 面積 が低下 し、ステルス性 向上 につながる。重心 も低下 するため、船体 の安定 性 を崩 しにくい。
欠点
- セルの
数 を減 らしてもあまり値段 が下 がらず、小型 艦 にとっては費用 面 での負担 が大 きい。 空中 でミサイルの姿勢 を変更 するための時間 が必要 になるので、発射 時点 で既 に近距離 まで飛来 してきてしまっている物体 への迎撃 には向 かないとされる。発射 口 が真上 を向 いたVLSの場合 、コールドローンチ後 の点火 失敗 や、発射 直後 のエンジン故障 でミサイルが推力 を失 うと、発射 機 本体 に落下 してくる危険 性 がある。
各国 のVLS
- Mk 41
- SM-1/2/3/6、
垂直 発射 型 アスロック、トマホーク、ESSM(発展 型 シースパローミサイル)など、さまざまな用途 のミサイルを発射 できる。1基 8セルで構成 され、1基 、2基 、4基 、8基 つなげて配置 される。初期 に生産 されたものは、3セルを装填 用 クレーンスペースとして割 り当 てていた(8基 の場合 は61セル、4基 の場合 は29セル)。 - Mk 48
- シースパロー
艦 対空 ミサイル用 。ESSMも搭載 可能 。 - Mk 57
新型 VLSでPVLS(Peripheral Vertical Launch System)と呼 ばれる。Mk 41同様 様々 な用途 のミサイルを発射 する事 が可能 。ズムウォルト級 ミサイル駆逐 艦 に搭載 されている。
- Mk 45
潜水 艦 搭載 型 VLSでロサンゼルス級 「プロビデンス」以降 の艦 とバージニア級 に搭載 されている。巡航 ミサイル潜水 艦 に改装 されたオハイオ級 には、24基 の潜水艦 発射 弾道 ミサイル発射 筒 のうち最大 22基 に、1基 につき7基 のトマホーク用 VLSが搭載 されている。
- SYLVER
- A-43、A-50、A-70の
三種 あり、数字 が大 きくなるほど搭載 可能 なミサイルは長 くなる。A-43、A-50はアスターSAM用 、A-70は対地 巡航 ミサイルSCALP Naval用 。ホットローンチ方式 を採用 している。
防空 ミサイル用 VLS当初 はシーウルフ個 艦 防空 ミサイル用 に開発 された。箱 型 ランチャーで運用 されていたミサイル(GWS25)にブースターを追加 し、VLS型 (GWS26)とて運用 されている。発射 機 はミサイル1発 を格納 した円筒 形 の個々 のセルを8本 組 み合 わせ、1基 を構成 している。後 にシーウルフ後継 のシーセプター(GWS35)を搭載 できるように改装 され、シーウルフ1発 分 のセルにシーセプター4発 を収容 することができるようになった。
- バラク
用 VLS 個 艦 防空 ミサイル用 バラク-Iは、当初 よりVLSでの運用 を前提 に開発 された。1基 8セルで構成 される。艦隊 防空 用 ミサイルとして開発 されたバラク-8も専用 のVLSかMk 41(予定 )により運用 される。
- B-203/B-204(S-300F フォールト
用 ) 艦隊 防空 ミサイルシステム。8発 1セット回転 式 のVLSで、コールドローンチ方式 を採用 している。NATOコードネームではSA-N-6 グラムブル(Grumble)と呼 ばれた。- B-203A (S-300FM フォールトM
用 ) 艦隊 防空 ミサイルシステム。B-204を48N6の搭載 に対応 させたシステム。NATOコードネームではSA-N-20 ガーゴイル(Gargoyle)と呼 ばれた。- 3S95(3K95 キンジャール
用 ) 個 艦 防空 ミサイルシステム。発射 方式 はS-300Fと同様 。NATOコードネームではSA-N-9 ゴーントリト(Gauntlet)と呼 ばれた。このミサイルシステムの派生 元 となった陸上 型 9K330 トールシステムも、装 軌車両 から垂直 にミサイルを発射 する。- 3S90E.1(3K37 ヨーシュ
用 ) 艦隊 防空 ミサイルシステム。従来 のロシア製 VLSとは異 なり箱 型 の発射 機 で1基 12セルから構成 される。当初 、アドミラル・ゴルシコフ級 フリゲートに3基 36セル搭載 予定 とされていたが実現 せず。アドミラル・グリゴロヴィチ級 フリゲート用 に採用 、3基 36セル搭載 。- SM-233(P-700 グラニート
用 ) 重 長距離 対 艦 ミサイル。NATOコードネームではSS-N-19 シップレック(Shipwreck)と呼 ばれた。ミサイル弾 体 があまりに長大 なため、搭載 する大型 のキーロフ級 ミサイル巡洋艦 やオスカー級 原子力 潜水 艦 の船体 でも容易 に収 まりきらず、発射 機 を斜 めにして高 さを抑 えている。- 3S14 UKSK(P-800 オーニクス
及 び、クラブ用 ) -
従来 、専用 の垂直 発射 機 を必要 としていたオーニクス系列 とクラブ系列 双方 のミサイルを搭載 可能 。3K37 ヨーシュ用 と同様 箱 型 の外観 で、1基 8セルから構成 される。インド海軍 向 けタルワー級 フリゲート、シヴァリク級 フリゲートに搭載 されており、ロシア本国 においてもアドミラル・ゴルシコフ級 フリゲートやステレグシュチイ級 フリゲートに搭載 されている。 - 3S97.2K(3K96 リドゥート
用 ) 複数 種 の異 なる対空 ミサイルを搭載 可能 で、長距離 から近距離 まで対応 できる。建造 中 のアドミラル・ゴルシコフ級 フリゲートに、3S90E.1に替 えて搭載 予定 。- 3R-14V(P-800 オーニクス
及 び、クラブ用 ) - 3S14の
潜水艦 用 VLS。ヤーセン型 原子力 潜水 艦 が3連装 発射 機 8基 を搭載 。
- H/AJK-03
長距離 艦隊 防空 ミサイルHQ-9専用 。ロシア製 の様 にそれぞれに円形 の蓋 があるセル6個 を円形 に配置 して1基 を構成 しており、コールドローンチ方式 を採用 している。蘭 州 級 (052C)でのみ採用 。- H/AJK-16
中距離 艦隊 防空 ミサイルHQ-16とYu-8対 潜 ミサイルが運用 可能 な小型 艦 向 けVLS。西側 の様 に個別 に四角 い蓋 を持 った箱 型 となり、8セルで1基 が構成 され、ホットローンチ式 となっている。江 凱II型 (054A)で採用 され、深 圳(051B)や現代 級 (ソブレメンヌイ級 )等 の近代 化 で既存 発射 機 から載 せ替 えて搭載 されている。- GJB 5860-2006
型 防空 ミサイル以外 にも、対 艦 ミサイルや対 潜 ミサイル、対地 巡航 ミサイルの運用 にも対応 した汎用 発射 型 。054A型 のVLSをさらに拡大 したような外形 で、4セルで1基 を構成 、ホットローンチとコールドローンチ両方 の発射 方式 に対応 している。昆 明 級 (052D)で採用 され、南 昌 級 (055)にも搭載 されている。将来 のミサイルの大型 に対応 するため、1セルが幅 33インチ、深 さは9 mとアメリカ製 のMk57(幅 28インチ、深 さ7.2 m)と比 べても大型 となっている。潜水艦 用 VLS- SSBのSLBM
用 以外 にも、SSNの095型 には各種 通常 ミサイルを発射 できるVLSが装備 されている。 - HT-1E
輸出 モデル。汎用 型 でFM-3000N防空 ミサイルのクアッドパックも使用 可能 であり、コールド・ホットローン両方 に対応 。
- K-VLS
韓国 の国産 ミサイル(防空 ミサイルK-SAAM、対 潜 ミサイルK-ASROC、巡航 ミサイル玄武 3、対地 ミサイル海竜 等 )用 開発 された汎用 型 VLS。外形 ・寸法 はMk 41とほぼ同一 で、8セルで1基 を構成 、ホットローンチ方式 を採用 しているが、互換 性 はないためSM-2等 のアメリカ製 ミサイルを使用 するためには別途 Mk 41の搭載 が必要 。李 舜臣 級 (4番 艦 以降 )で採用 され、世 宗 大王 級 、大邱 級 で採用 。小型 K-VLS防空 ミサイルK-SAAM専用 にすることで、深 さを短 くして船内 容量 の少 ない艦 にも対応 したモデル。4セルで1基 を構成 。独島 級 揚陸 艦 (2番 艦 )、南浦 級 機雷 敷設 艦 、天王 峰 級 揚陸 艦 等 の補助 艦艇 で採用 されている。- K-VLSII
将来 のミサイル性能 向上 に対応 するためにセルを大型 化 (約 1.8倍 )したモデル。建造 中 の世 宗 大王 級 バッチIIに採用 されており、KDDXやFFXバッチⅣへの搭載 も想定 されている。玄武 -IV-4用 VLS- SLBM
用 のコールドローンチ式 。島山 安 昌浩 級 で採用 され、バッチ1では6セル、バッチ2では10セル搭載 される。
- ブラモス
用 VLS - ロシアと
共同 開発 された対 艦 ミサイル用 。1基 8セルから構成 される。一部 ラージプート級 駆逐 艦 へ改装 により搭載 されたほか、今後 新造 艦 への搭載 が予定 されている。
出典
関連 項目
- Mk 41 - Mk 48 - シルヴァー
潜水艦 発射 弾道 ミサイル -一般 に「ミサイル発射 筒 」と呼 ばれるランチャーは、後 に現 れたVLSの一種 であり、先行 技術 でもある
外部 リンク
- Mk 41 VLS - Federation of American Scientists
- MK 41 Vertical Launching System (VLS) - GlobalSecurity.org
- Mk-48 Vertical Launching System (VLS) - Seaforces-online Naval Information