民法みんぽう第だい854条じょう

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条文じょうぶん

（財産ざいさんの目録もくろくの作成さくせい前まえの権限けんげん）

第だい854条じょう

後見人こうけんにんは、財産ざいさんの目録もくろくの作成さくせいを終おわるまでは、急迫きゅうはくの必要ひつようがある行為こういのみをする権限けんげんを有ゆうする。ただし、これをもって善意ぜんいの第三者だいさんしゃに対抗たいこうすることができない。

解説かいせつ

後見人こうけんにんに関かんして、財産ざいさん目録もくろく作成さくせい前まえにおいては、後見人こうけんにんに不正ふせいがあったとしてもそれを発見はっけんすることが困難こんなんとなることから、後見人こうけんにんの財産ざいさんに関かんしての処分しょぶん権けんが制限せいげんされる。ただし、放置ほうちすることにより被ひ後見人こうけんにんの財産ざいさんが明あきらかに毀損きそんする状態じょうたいに関かんしては緊急きんきゅうの対応たいおう（急きゅうを要ようする修繕しゅうぜん、時効じこうの更新こうしん、登記とうき行為こういなど）として認みとめられる。

しかしながら、財産ざいさん目録もくろく完成かんせいについては、一般いっぱんには第三者だいさんしゃが知しりうるものではないため、財産ざいさん目録もくろく作成さくせい前まえの後見人こうけんにんの行為こういについては、善意ぜんいの第三者だいさんしゃに対抗たいこうできない。

明治めいじ民法みんぽう第だい918条じょうを継承けいしょうする。

参考さんこう

明治めいじ憲法けんぽうにおいて、本条ほんじょうには養子ようしが尊属そんぞく又または年長ねんちょう者しゃである場合ばあいの縁組えんぐみの取消とりけしに関かんする以下いかの規定きていがあった。趣旨しゅしについて、民法みんぽう第だい805条じょうに継承けいしょうされた。

第だい八はち百ひゃく三さん十じゅう八はち条じょう又またハ第だい八はち百ひゃく三さん十じゅう九きゅう条じょうノ規定きていニ違反いはんシタル縁組えんぐみハ各かく当事とうじ者しゃ、其戸主ぬし又またハ親族しんぞくヨリ其取消とりけしヲ裁判所さいばんしょニ請求せいきゅうスルコトヲ得とく

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前条ぜんじょう: 民法みんぽう第だい853条じょう (財産ざいさんの調査ちょうさ及および目録もくろくの作成さくせい)

民法みんぽう 第だい4編へん 親族しんぞく 第だい5章しょう 後見こうけん 第だい3節せつ 後見こうけんの事務じむ

次つぎ条じょう: 民法みんぽう第だい855条じょう (後見人こうけんにんの被ひ後見人こうけんにんに対たいする債権さいけん又または債務さいむの申出もうしで義務ぎむ)

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