エボ・モラレスのソースを表示ひょうじ

{{スペイン語圏の姓名|モラレス|アイマ}}
{{大統領 
| 人名 = フアン・エボ・モラレス・アイマ
| 各国語表記 = Juan Evo Morales Aima
| 画像 = Evo Morales Ayma (cropped).jpg
| 代数 = 第80
| 職名 = [[ボリビアの大統領|大統領]]
| 国名 = {{flagicon|BOL}} [[ボリビア|ボリビア多民族国]]
| 副大統領職 = 副大統領
| 副大統領 = {{ill2|アルヴァロ・ガルシア・リネラ|en|Álvaro García Linera}}
| 就任日 = [[2006年]][[1月22日]]
| 退任日 = [[2019年]][[11月10日]]
| 出生日 = {{生年月日と年齢|1959|10|26}}
| 生地 = [[オルロ県]]<br/>オリノカ村 ([[:es:Orinoca|Orinoca]])
| 生死 = 存命
| 死亡日 =
| 没地 =
| 配偶者 = なし<ref>{{要出典範囲|date=2013年9月|ボリビアと結婚したと自称}}</ref>
| 政党 = 社会主義運動 ([[:es:Movimiento al Socialismo|MAS]])
| サイン = Evo Morales signature.svg
}}
'''フアン・エボ・モラレス・アイマ'''（Juan Evo Morales Aima、[[1959年]][[10月26日]] - ）は、[[ボリビア]]の政治家であり、[[社会主義運動]] (Movimiento al Socialismo : MAS) を率いる。

同国大統領を2006年から2019年まで4期にわたって務めたが、事実上の[[クーデター]]で失脚し[[メキシコ]]及び[[アルゼンチン]]へ[[亡命]]し、1年後にボリビアに帰国している<ref name=afpbb20200821 />。

== 概要 ==
[[2005年]][[12月18日]]の選挙で[[ボリビアの大統領|大統領]]に当選。ボリビア史上初めての[[アメリカ先住民|先住民]]出身の大統領であり、その先住民性（新しく創られた先住民性を含む）を政治利用することで、国民の過半数を占める地方の先住民票を巧みに取り入れた。

実質的には副大統領のアルバロが選挙対策や政策立案などを行った。社会的には、スペイン植民地以来、少数の白人系住民が実権を握ってきたこの国に大きな変化（[[アイマラ語]]や[[ケチュア|ケチュア語]]表記を公共の場で行う、[[エル・アルト]]など比較的貧困層が多い地域の積極的な開発や地方の先住民共同体への公共事業の斡旋（支持票の獲得が目的であった）、先住民共同体の伝統的組織名であるAylluの形式的な復活、先住民系であることへの自信を取り戻す、など）をもたらした。

だが、先住民性を強調しすぎた結果、白人系入植者や[[メスティーソ]]、また、都会の知識階級などによる反発も招き、結果的に国内を二分することになり、特に[[サンタクルス県|サンタ・クルス県]]など白人入植者の多い地域では反エボ・モラレス運動が盛んに行われた。反[[ワシントン・コンセンサス]]、反グローバル[[新自由主義]]の代表的政治家である。

モラレスの治世の成果として、国民所得を向上させて[[中間層]]を拡大したことがあげられる。国民に占める中間層の割合は、2005年の35%から2017年には58%へ上昇した。[[国際通貨基金]]のデータでも、モラレス在任中の[[国内総生産]]の平均成長率は4.8%に達しており、持続的な経済成長を見せていたことが裏付けられている<ref>{{Cite web|和書|date=2019-11-12 |url=https://jp.reuters.com/article/bolivia-breakingviews-idJPKBN1XM0J7 |title=ボリビア大統領、経済政策の成功が「転落」の引き金に |publisher=ロイター |accessdate=2019-11-13}}</ref>。しかし[[国際連合児童基金]]はモラレスの任期中である2014年に児童労働を合法化する法令が制定されたことを問題視している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.unicef.or.jp/children/children_now/bolivia/sek_bol4.html|title=ボリビア：10歳の子どもの労働が認められることを憂慮　子どもと青少年に関する新たな法律制定|publisher=[[国際連合児童基金]]|date=2014-07-23|accessdate=2023-09-25}}</ref>。

2019年10月20日の大統領選挙でも当選したものの、開票結果が不正に操作されていたとの疑惑が提起され、米国をはじめとするモラレス政権と対立してきた国々から批判を受け、国家警察やボリビア国軍、一部の官僚や政治家からも辞任を要求される事態となった。11月10日に再選挙実施<ref name = Kyodo/>と大統領辞任を表明<ref name="NHK">{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20191110224042/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191111/k10012172331000.html|title=ボリビア モラレス大統領が辞任表明 大統領選挙やり直しも発表|work=NHK NEWSWEB|agency=[[日本放送協会|NHK]]|date=2019-11-11|accessdate=2019-11-11}}</ref>。11月11日、メキシコの{{ill2|マルセロ・エブラルド|en|Marcelo Ebrard}}外相はモラレスの亡命を受け入れると発表した<ref name = AFP>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3254263|title=メキシコ、モラレス前ボリビア大統領の亡命認める|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2019-11-12|accessdate=2019-11-12}}</ref>。これは、国軍や国家警察からの支持の離脱という事実上のクーデターとされる。その後アルゼンチンを経て、2020年11月にボリビアに帰国した<ref name=afpbb20200821 />。2023年9月25日には2025年大統領選へ立候補する意向を表明している<ref name=kyodo20230925>{{Cite news|url=https://nordot.app/1078914877487563314|title=モラレス元大統領が出馬表明　ボリビア、25年選挙に|agency=[[共同通信社]]|date=2023-09-25|accessdate=2023-09-25}}</ref>。

== 経歴 ==
=== 大統領就任前 ===
[[オルロ県]]で[[アイマラ]]の農家に生まれた。17歳で兵役に就いた他、様々な職を転々とした後、[[コチャバンバ]]県チャパレに移住し、[[コカ]]の栽培農家となる（ボリビアにおいてはコカの栽培は合法である）。以降、コカ栽培農家の農民運動の中心人物となり、[[1997年]]には下院議員に当選するが、[[2002年]]に暴動を扇動したとして下院議員を除名される（後に除名が「違憲」とされ復帰）。

それに対抗してモラレスは同年6月に行われた大統領選挙に出馬、最終的に当選は出来なかったが1回目投票で2位の得票を得て決選投票に進んだ。

=== 大統領就任後 ===
その後、ボリビアの反政府運動の中心人物として活動し、2005年の大統領選挙では1回目の投票で得票率5割を越えて当選を決めた。

モラレスの政治姿勢は強硬な[[反米]]主義で、また[[新自由主義]]経済、[[グローバリズム]]に対して徹底的な対決姿勢で知られている。[[ベネズエラ]]の[[ウゴ・チャベス|チャベス]]政権、[[キューバ]]の[[ラウル・カストロ|ラウル]]政権との連携を強めている。[[ボリビアガス紛争]]においても、多国籍企業に奪われている天然資源の権利を取り戻すべきだとしている。

2006年5月1日には、かねてからの公約、炭化水素（天然ガス・石油）の国有化を宣言。外国資本の企業に対しては、180日以内に新たな契約を結び直すか、あるいはボリビアから撤退するかを選択するように迫り、主要な天然ガス田に[[ボリビア軍]]を派遣して接収を行った。こうしたことは、外資系企業とその国との軋轢を引き起こした。

[[コカ]]栽培農家の出身ということもあり、コカ栽培の促進も主張しているため、彼の反対者はしばしばモラレスは[[コカイン]]業者とつながりがあると主張するが、モラレスはあくまでも先住民の伝統的な生活必需品としてのコカの栽培促進を主張しているのであって、コカインの精製・密輸は許さない、としている。このような事態にアメリカの[[ジョージ・ウォーカー・ブッシュ|ブッシュ]]大統領はモラレスを麻薬密売人として批判したが、{{要出典範囲|date=2013年9月|モラレスは「私の知る唯一のテロリストはブッシュだ」と反論して一歩も引かない。またアラブの衛星テレビ局[[アルジャジーラ]]のインタビューでもブッシュ批判をしていた}}。

2002年の大統領選挙当時と比べるとその主張はやや穏健化しているとの評もあり、ボリビア・ガス紛争でも反政府派の中では比較的穏健なグループに属していたとされる。当選後は米国の駐ボリビア大使との会談にも応じている。その一方で、当選後はキューバとベネズエラを訪問し、カストロ議長、チャベス大統領と会談して友好関係を再確認している。

[[2003年]]に[[京都]]で開催された[[世界水フォーラム]]への出席のため来日したことがある。大統領として[[2007年]][[3月5日]]に来日し、[[上皇明仁|明仁天皇]]、[[安倍晋三]][[内閣総理大臣|首相]]、[[麻生太郎]][[外務大臣|外相]]と会談した。{{要出典範囲|date=2013年9月|安倍首相との会談では、「改正後の憲法に戦争放棄を盛り込みたい」と語った}}。

2007年に[[国際サッカー連盟|FIFA]]が高地での試合を禁止した際には[[チャカルタヤ]]や[[サハマ]]でサッカーをプレーして抗議<ref>[http://jp.reuters.com/article/sportsNews/idJPJAPAN-26415920070613 Reuters]</ref> を行ったり、[[2008年]]3月には、ボリビアのプロサッカー2部リーグに所属する国家警察チーム「リトラル」のリザーブ選手として正式な契約を行った<ref>[http://sportsillustrated.cnn.com/2008/soccer/wires/03/26/2050.ap.la.spt.soc.bolivia.morales.1st.ld.writethru.0261/index.html SI.com]</ref> 事が報じられるなど、サッカー好きでも知られる。

[[2008年]][[12月27日]]から始まっている[[イスラエル]]による[[ガザ侵攻 (2009年)|ガザ戦争]]に抗議して、イスラエルと断交した。

[[2010年]][[12月7日]]に来日し、[[菅直人]]首相と会談を行った。

[[2013年]][[2月20日]]、国際連合の国際[[キヌア]]年の発足に際し国連総会に出席。記念演説の中で多国籍企業などに対する批判を行った<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/2929921?pid=10321810|title=「世界キヌア年」、ボリビア大統領が多国籍企業批判|work=AFPBB News|publisher=フランス通信社|date=2013-02-21|accessdate=2013-02-21}}</ref>。

[[2013年]][[7月2日]]、モラレスを乗せたモスクワ発の飛行機が、[[エドワード・スノーデン]]<ref>[[アメリカ国家安全保障局|国家安全保障局]]による個人情報収集活動を暴露したとして米当局に訴追されていた。</ref> を同乗させている容疑でオーストリアへの着陸を余儀なくされた<ref>WallStreetJournal [http://jp.wsj.com/articles/SB10001424127887323751804578582444002983404 ボリビア大統領乗せた飛行機が緊急着陸―スノーデン氏搭乗のうわさも] 2013年7月3日 11:08 JST</ref>。9日、[[米州機構]]は欧州4カ国<ref>フランス、ポルトガル、イタリア、スペイン</ref> を非難し、ボリビアに連帯を表明する決議を全会一致で採択した<ref>しんぶん赤旗 [https://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-11/2013071107_01_1.html 米州機構 欧州4カ国を非難] 2013年7月11日(木)</ref>。

[[:en:2014 Bolivian general election|2014年の大統領選挙]]で再選し、3期目に入った。[[2017年]]7月に[[エクアドル]]の[[レニン・モレノ]]大統領はエクアドルにある[[南米諸国連合]]事務局の建物を教育施設として再利用すると述べたことに対して議長のモラレスは反発してボリビアで落成した南米議会の本部で南米諸国連合の基本的な運営を行うとした<ref>{{Cite news|url=https://www.france24.com/es/20180913-unasur-sede-parlamentaria-bolivia-crisis|title=En plena crisis, Unasur estrena sede parlamentaria en Bolivia|last=|first=|date=2018-09-13|work=france24|accessdate=2018-09-25}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://correodelsur.com/politica/20180925_morales-aboga-en-la-onu--por-cristina-lula-y-correa.html|title=Morales aboga en la ONU por Cristina, Lula y Correa|last=|first=|date=2018-09-25|work=Correo del Sur|accessdate=2018-09-25}}</ref>。

=== 失脚・亡命 ===
天然資源を生かした好調な経済成長と貧困層への手厚い再分配政策が支持され、これまで長期政権を築いてきたが、前政権派や[[アメリカ合衆国]]などからは「[[独裁]]化が進んでいる」との批判もあった。[[:en:2019 Bolivian general election|2019年の大統領選挙]]では対立候補の[[カルロス・メサ・ヒスベルト]]元大統領との決選投票となる可能性があったものの、一時中断となった開票作業の再開後にモラレスの得票が伸び、2位との得票差が決選投票を必要としない10%を超えた事から、アメリカ合衆国やメサ陣営側から開票作業に不審な点が認められる<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51326960U9A021C1EAF000/ ボリビア、大統領選で非常事態宣言 介入疑惑受け] - [[日本経済新聞]]、2019年10月24日配信。</ref> という抗議が寄せられた。結局、モラレスは得票率47.08％で4期目（任期5年）当選を宣言<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51439700W9A021C1NNE000/ ボリビア大統領に現職4選 選管発表、不正と対抗馬] - [[日本経済新聞]]、2019年10月26日配信。</ref> したが、開票作業で不正が行われたとして結果に反発したメサの支持者が抗議デモを起こし、一部が[[:en:2019 Bolivian protests|暴徒化]]して投票所に放火する事態に発展した。

その後も開票結果の不正操作を訴える反政府側を中心とした国民の抗議活動が続き、[[米州機構]]も報告書で「統計学上、モラレスの『4選』はあり得ない」などとして再選挙の実施を勧告したため、11月10日に再選挙の実施と選挙管理当局のメンバー刷新を発表した<ref name = Kyodo>{{Cite news|url=https://this.kiji.is/566264773590844513|title=ボリビア、大統領選をやり直しへ|work=Kyodo News|agency=[[共同通信]]|date=2019-11-10|accessdate=2019-11-11|archiveurl=https://archive.ph/3jpmi|archivedate=2020-6-27}}</ref> ものの、[[ボリビアの軍事|国軍]]や[[ボリビアの軍事#国家警察|国家警察]]などから辞職勧告を突き付けられた<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3254068?act=all|title=ボリビアのモラレス大統領、辞意表明 軍と警察の要求受け|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2019-11-11|accessdate=2019-11-12}}</ref> ことから辞任を表明。これは事実上のクーデターとされ、[[メキシコ]]、[[キューバ]]、[[ベネズエラ]]、[[アルゼンチン]]、[[ウルグアイ]]、[[ニカラグア]]といった反米左派政権が実権を握る国々は米国主導による右翼クーデターであると主張している<ref name = NHK/>。

なお、モラレスは自身に対する逮捕令状が出されたと主張したほか<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3254114?act=all|title=辞任のボリビア大統領、自らに「逮捕状」とツイッターに投稿 警察長官は否定|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2019-11-11|accessdate=2019-11-17}}</ref>、デモ隊が自宅を襲撃するなどして身の危険を感じた<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3254489?act=all|title=亡命モラレス氏、メキシコ到着＝副議長が暫定大統領―ボリビア|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2019-11-13|accessdate=2019-11-17}}</ref> としてメキシコへの[[亡命|政治亡命]]を申請した。11月11日、メキシコの{{ill2|マルセロ・エブラルド|en|Marcelo Ebrard}}外相はモラレスの亡命を受け入れると発表した<ref name = AFP/>。亡命受け入れの発表を受けてモラレスは[[メキシコ軍#空軍|メキシコ空軍]]の軍用機で出国し、12日にメキシコ入りしたが、12月12日、アルゼンチンに再亡命した<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/amp/3259483|title=メキシコに逃れたボリビアのモラレス前大統領、アルゼンチンに再亡命|work=フランス通信社|newspaper=AFP BB NEWS|date=2019-3-2|accessdate=2019-11-17}}</ref>

その後、反モラレス派で白人系の[[ヘアニネ・アニェス]]上院副議長が暫定大統領への就任宣誓を行い、憲法裁判所も承認したが、そもそもボリビアでは大統領の辞任に議会の承認を要するものの、モラレス派が議会をボイコットしたため辞任の承認や、アニェスの暫定大統領就任が承認されたのは2020年1月になってからである<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASMCD4KFXMCDUHBI01G.html|title=ボリビア上院副議長が暫定大統領宣誓 モラレス氏は亡命|work=朝日新聞デジタル|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2019-11-13|accessdate=2019-11-14}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.france24.com/en/20200121-after-two-months-bolivia-s-congress-accepts-morales-resignation|title=After two months Bolivia's Congress accepts Morales resignation|agency=[[France 24]]|date=2020-01-21|accessdate=2020-01-26}}</ref>。一方、[[アメリカ合衆国]]、[[ブラジル]]、[[コロンビア]]、[[エクアドル]]はアニェスを暫定大統領として即座に承認した。

2019年12月18日、暫定政権がモラレスを扇動とテロの疑いで訴えていたことが検察当局に認められ、ボリビアの検事総長はモラレスに対して[[逮捕状]]を出した<ref>{{Cite web|和書|date=2019-12-19 |url= https://www.afpbb.com/articles/-/3260226?cx_part=search|title= ボリビア、亡命したモラレス前大統領に逮捕状|publisher=AFP |accessdate=2020-06-03}}</ref>。

2020年8月20日には未成年者にみだらな行為に及んだとしてボリビア司法省はモラレスを強姦と人身売買の罪で訴追した<ref>{{Cite web|和書|date=2020-08-21 |url= https://www.afpbb.com/articles/-/3300368?cx_amp=all&act=all|title= 未成年と性的関係か、前大統領を訴追 ボリビア|publisher=AFP |accessdate=2020-08-30}}</ref>。

2020年10月の大統領選挙で自身の後継者の[[ルイス・アルセ]]が当選したことを受け、11月9日にボリビアに帰国した<ref name=afpbb20200821>{{Cite web|和書|date=2020-08-21 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3315595?cx_amp=all&act=all|title=モラレス元大統領、1年ぶりに帰国 ボリビア |publisher=AFP |accessdate=2020-11-12}}</ref>。

=== 2025年大統領選挙 ===
2023年9月25日には自身の[[X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)|X]]アカウントにて、2025年大統領選へ立候補する意向を表明。政府から攻撃を受けたことを理由に挙げており、自身の後継者であったアルセと対立していることを示唆した<ref name=kyodo20230925 />。

== 対外政策 ==
=== チリとの関係改善 ===
就任前後から、南米[[太平洋戦争 (1879年-1884年)|太平洋戦争]]以来対立関係が続き、正規の外交関係をもたないチリとの関係改善に向けた動きを開始した。2006年1月の大統領就任式には任期切れを間近にした[[リカルド・ラゴス]]チリ大統領が出席したがこれは両国の歴史上初めてのできごとであった。

その返礼として、モラレス大統領も3月にチリの[[ミシェル・バチェレ]]新大統領の就任式にモラレス大統領が出席し、両国関係の改善に向けて大きく動き始めた。同時にバチェレ新大統領就任式参列でチリを訪問中の[[コンドリーザ・ライス|ライス]]米国国務長官と会談した際も、同長官にコカの葉をあしらった[[チャランゴ]]を贈り<ref>[http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4902192.stm BBC NEWS]</ref><ref>[http://www.bbc.co.uk/portuguese/noticias/story/2006/03/060312_ricemoralesencontrochilefn.shtml BBCBrasil.com]</ref><ref>[http://www.charangobolivia.org/charangobolivia/index.php?option=com_content&task=view&id=83&Itemid=155&PHPSESSID=0a47d166e2de7be8f36dcec9c5b708d2 CharangoBolivia.ORG]</ref>、コカ生産意欲を婉曲に表明している [http://theamapati.files.wordpress.com/2008/01/morales-rice.jpg?w=320&amp;h=364]。

=== チェ・ゲバラを再評価 ===
[[チェ・ゲバラ]]がボリビアで戦死した後、親米政権は「ゲバラはテロリスト」だとして評価しなかった。しかし、{{要出典範囲|彼は初めてゲバラを公式に再評価した大統領となった|date=2019年11月}}。

== 人物 ==
[[Image:Evomorales-cropped.jpg|thumb|180px|[[アルパカ]]セーター]]
最終学歴は中学卒であり、{{要出典範囲|date=2013年9月|本人は「人生という大学で学んだ」としている}}。出自がアイマラであることと、コチャバンバには[[ケチュア]]が多いことより、彼はアイマラ語及びケチュア語も話す。ただし普段はスペイン語のみを使っている。

ノーネクタイの服装を貫くことを公言しており、実際に自身の大統領就任式（冒頭の写真参照）や外国訪問の際にも、トレードマークとなった[[アルパカ]]のセーター（左上の写真参照）や革ジャンパーなどの服装が多く、ネクタイは着用しない。

その強硬な反米ナショナリズム姿勢から、反対派からは[[独裁者]]であると主張されており、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]が制作した「[[緊急!ビートたけしの独裁国家で何が悪い!]]」では独裁者として紹介されたことがある<ref>ただし、放送当時はあくまで民主的な選挙のもとで選出された大統領であり、[[チリ]]の[[アウグスト・ピノチェト]]元大統領のような露骨な独裁化を行ってはおらず、独裁者と決め付けるのは的外れとされていた。</ref>。実際、急激な社会主義化を推し進め、自らを批判するジャーナリストを呼びつけ、強い圧力をかけている場面をテレビで放映させるといった行為が日常茶飯事となっていた。また、外資を含めた民間企業の強制的な国による接収など、独裁傾向が非常に強かった。さらには2016年の国民投票では僅差で4選がかかっていた2019年の大統領選挙への出馬が禁じられた<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41956640S9A300C1000000/|title=「独裁者いらない」南米ボリビアで大規模デモ 現場から|work=日本経済新聞社|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2019-3-2|accessdate=2019-11-17}}</ref> にもかかわらず、憲法解釈をゆがめてまで出馬し、その大統領選挙では開票結果の不正操作疑惑を指摘されるなど、長期政権の弊害やおごりも見られた。

一方、特に先住民や貧困層、労働者層から絶大な支持を受けており、2019年大統領選挙の不正疑惑に端を発した抗議デモの際には矢面に立たされたが、モラレスが辞任しアニェスが代行に就任すると今度はモラレス支持者による抗議デモが発生した<ref>{{Cite news|url=https://www.cnn.co.jp/world/35145833.html|title=ボリビア首都封鎖、衝突の死者３０人超に　暫定大統領が和平協議へ|work=CNN.co.jp|agency=[[CNN]]|date=2019-11-23|accessdate=2021-09-15}}</ref>。また2020年の大統領選挙が延期された際にも、延期はMAS候補のアルセを当選させないためとして、先住民族や農家などからなるモラレス支持派が抗議デモを行っている<ref>{{Cite news|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3299007|title=モラレス前大統領支持者ら、総選挙再延期に抗議 ボリビア|work=AFPBB News|agency=[[フランス通信社]]|date=2020-08-13|accessdate=2021-09-15}}</ref>。

==脚注==
{{Reflist|2}}

== 関連項目 ==
* [[アイマラ]]
* [[ウゴ・チャベス]]
* [[ニコラス・マドゥロ]]
* [[ラファエル・コレア]]
* [[ダニエル・オルテガ]]
* [[オジャンタ・ウマラ]]
* [[社会主義]]
* [[左翼ナショナリズム]]
* [[資源ナショナリズム]]

== 外部リンク ==
{{commons&cat|Evo_Morales|Evo_Morales}}
* [https://web.archive.org/web/20130410181559/http://www.presidencia.gob.bo/ Ministry of the Presidency] {{in lang|es}}
* {{Wayback|url=http://www.lapatriagrande.net/04_opiniones/carlos_alberto_pereyra_mele/bolivia.htm |title=公式サイト|date=20140409162024}}{{es icon}}{{it icon}}{{en icon}}{{nl icon}}{{el icon}}{{zh icon}}{{de icon}}{{ms icon}}{{ru icon}} - Evo Morales and (Spanish)
* {{Wayback|url=http://www.evomorales.net/ |title=Evo Morales Aima|date=20200406155354}}（公式サイト）{{es icon}}{{it icon}}{{en icon}}{{nl icon}}{{el icon}}{{zh icon}}{{de icon}}{{ms icon}}{{ru icon}} - EvoMorales.net ''or'' EvoMorales.org

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{{s-off}}
{{Succession box
| title  = {{flagicon|BOL}} [[ボリビアの大統領|ボリビア多民族国大統領]]
| years  = 第80代：2006 - 2019
| before = [[エドゥアルド・ロドリゲス・ベルツェ|エドゥアルド・ロドリゲス]]
| after  = [[ヘアニネ・アニェス]]
| afternote = 大統領代行（上院副議長）
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[[Category:ボリビアの政治家]]
[[Category:ボリビアの大統領]]
[[Category:ボリビアの亡命者]]
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