補導

補導ほどう（ほどう）とは、非行ひこうの深化しんかを抑止よくしするために適切てきせつな措置そちを講こうずることをいう。

原義げんぎとしては、正ただしい方向ほうこうへ教おしえ導みちびくこと。

ここでは主おもに警察けいさつが行おこなう補導ほどうを説明せつめいする。

概要がいよう

主おもに少年しょうねんについて用もちいられることが多おおいが、売春ばいしゅん婦ふに対たいしても用もちいられている。

少年しょうねん

「少年しょうねんの逸脱いつだつ的てきな非行ひこう行為こういに関かんする少年しょうねん警察けいさつ活動かつどう要綱ようこう」（昭和しょうわ35年ねん警察庁けいさつちょう次長じちょう通達つうたつ）の中なかで、補導ほどうの概念がいねんを「非行ひこうの防止ぼうしと少年しょうねんの福祉ふくしを図はかるための警察けいさつ活動かつどうの総称そうしょう」として使用しようしている。その活動かつどう内容ないようとしては、非行ひこう少年しょうねんの発見はっけん活動かつどう、発見はっけんした少年しょうねん等とうについての捜査そうさ、調査ちょうさ、関係かんけい機関きかんへの送致そうちまたは通告つうこく、家族かぞくや職場しょくばへの連絡れんらく、注意ちゅうい、助言じょげんなどがある。

また、2006年ねんの奈良なら県けんでは「奈良なら県けん少年しょうねん補導ほどうに関かんする条例じょうれい」が制定せいていされている。条例じょうれいでは、喫煙きつえん、飲酒いんしゅ、公営こうえい競技きょうぎ投票とうひょう券けん購入こうにゅう、売春ばいしゅん、暴力ぼうりょく行為こういの恐おそれ、凶器きょうき所持しょじ、金品きんぴん要求ようきゅう行為こうい、金品きんぴん無断むだん持じ出で行為こうい、不純ふじゅん異性いせい交遊こうゆう、暴走ぼうそう行為こうい、薬物やくぶつ乱用らんよう、家出いえで、暴力団ぼうりょくだんや暴走ぼうそう族ぞくとの交際こうさいなどに該当がいとうする少年しょうねんに対たいし、警察けいさつ職員しょくいんが非行ひこう少年しょうねんとして補導ほどうできると規定きていされている。

しかし、奈良なら県けん以外いがいでは補導ほどうには明確めいかくな要件ようけんや手続てつづきが定さだめられておらず、警察けいさつの恣意しい的てきな判断はんだんによる補導ほどうも多おおく、誤認ごにん補導ほどうが多おおいとの指摘してきや未成年みせいねん者しゃの権利けんりを不当ふとうに侵害しんがいする制度せいどだという指摘してきもある。

なお、地域ちいきによっては教育きょういく委員いいん会かいや少年しょうねんセンターなどがパトロールをし街頭がいとう指導しどうを行おこなうこともあるが、こちらは補導ほどうではない。 また、深夜しんや徘徊はいかい、家出いえでの場合ばあいは補導ほどうとはならず、注意ちゅういだけとなる場合ばあいもある。何なにかしらの原因げんいんがあった場合ばあいに注意ちゅういだけとなる場合ばあいが多おおい。

売春ばいしゅん婦ふ

売春ばいしゅん防止ぼうし法ほうでは20歳さい以上いじょうの売春ばいしゅん婦ふに対たいする補導ほどう処分しょぶんが規定きていされている。

売春ばいしゅん防止ぼうし第だい5条じょうでは売春ばいしゅんをする目的もくてきで、公衆こうしゅうの目めに触ふれるような方法ほうほうで勧誘かんゆうをしたり、客きゃく待まちをしたり、あるいは公共こうきょうの場所ばしょで人ひとにつきまとったりする等ひとしのポン引びき行為こういをした満まん20歳さい以上いじょうの女子じょしに対たいする刑事けいじ罰ばつが規定きていされており、売春ばいしゅん防止ぼうし法ほう第だい17条じょうによって執行しっこう猶予ゆうよ付つきの自由じゆう刑けい判決はんけつが出でた際さいには、その者ものを補導ほどう処分しょぶんに付ふすることができる。

補導ほどう処分しょぶんは社会しゃかい復帰ふっきにあたり、再ふたたび売春ばいしゅんを行おこなうことなく自立じりつするための指導しどうが必要ひつようとみなされた場合ばあいに付ふされる。補導ほどう処分しょぶんに付ふされた者ものは、婦人ふじん補導ほどう院いんに収容しゅうようし、その更生こうせいのために必要ひつような補導ほどうを行おこなう。期間きかんは売春ばいしゅん防止ぼうし法ほう第だい18条じょうで6ヶ月かげつ以内いないと定さだめられている。

婦人ふじん補導ほどう院いん法ほう第だい2条じょうでは婦人ふじん補導ほどう院いんにおける補導ほどうは「規律きりつある生活せいかつのもとで、在院ざいいん者しゃを社会しゃかい生活せいかつに適応てきおうさせるために必要ひつような生活せいかつ指導しどう及および職業しょくぎょうの補導ほどうを行おこない、並ならびにその更生こうせいの妨さまたげとなる心身しんしんの障害しょうがいに対たいする医療いりょうを行おこなう」「在院ざいいん者しゃの個性こせい、心身しんしんの状況じょうきょう、家庭かていその他たの環境かんきょう等とうを考慮こうりょして、その者ものに最もっともふさわしい方法ほうほうで行おこなわなければならない」と規定きていされている。

関連かんれん項目こうもく

• 非行ひこう少年しょうねん
• 少年しょうねん犯罪はんざい
• 青少年保護育成条例せいしょうねんほごいくせいじょうれい
• 売春ばいしゅん防止ぼうし法ほう

関連かんれん図書としょ

• 少年しょうねん育成いくせい