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ザ・マル(The Mall)はロンドンのウェストミンスターにおいて、西端のバッキンガム宮殿と東のトラファルガー広場を結んでいる道路。日曜日と休日それに祭典や儀式が行われる際には交通が規制される。
ヴィクトリア記念碑はバッキンガム宮殿を出て直の位置に設けられている。アドミラルティ・アーチはザ・マルとトラファルガー広場との境界に、セント・ジェームズ・パークは通りの南側に位置し、セント・ジェームズ宮殿やグリーン・パークと向かい合っている。ザ・マルからセント・ジェームズ・パークを抜けて東へ行くとホース・ガーズ、ホース・ガーズ・パレードに行き当たる。ここではトゥルーピング・ザ・カラー(軍旗敬礼分列行進式)が女王の誕生日に行われる。
ザ・マルは儀式用の道路として19世紀後半から20世紀前半にかけて建設された。このような道路はワシントンD.C.、サンクトペテルブルク、ベルリン、パリ、ウィーンなどにも見ることができる。これらの道路は国民国家において欠かせない国家行事を行う場所として用いられる。サー・アストン・ウェッブによる設計によって、バッキンガム宮殿の門を飾る新しいファサードやヴィクトリア記念碑が設けられた。
イギリスを他国の国賓が訪問する際には、国旗が飾られたザ・マルを国賓と女王を乗せた馬車が通りバッキンガム宮殿へと向かう。エリザベス2世のゴールデン・ジュビリー(即位50周年記念祭)の際には100万人以上の人々がザ・マルを埋めて宮殿のバルコニーに姿を現すイギリス王室の面々を歓呼で迎えた。
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