元もと農水のうすい事務次官じむじかん長男ちょうなん殺害さつがい事件じけん

元もと農水のうすい事務次官じむじかん長男ちょうなん殺害さつがい事件じけん（もとのうすいじむじかんちょうなんさつがいじけん）は2019年ねん6月がつ1日にち、東京とうきょう都と練馬ねりま区くにある自宅じたくにおいて元もと農水のうすい事務次官じむじかんの父親ちちおやK（当時とうじ76歳さい）が、無職むしょくの長男ちょうなんE（当時とうじ44歳さい）を刺殺さしころした事件じけんである。

2019年ねん12月12日にち、初はつ公判こうはんにおいて父親ちちおやKは起訴きそ事実じじつ（長男ちょうなんの殺害さつがい）を認みとめ、懲役ちょうえき8年ねんが求刑きゅうけいされた。同年どうねん12月がつ16日にちの判決はんけつで懲役ちょうえき6年ねんの実刑じっけいがい渡いわたされた。

事件じけんの推移すいい

2019年ねん5月がつ26日にち、それまで一人暮ひとりぐらしをしていた長男ちょうなんEが自宅じたくに戻もどり、父親ちちおやKと母親ははおやと3人にんの生活せいかつがはじまる。（父親ちちおやKの供述きょうじゅつによると）その直後ちょくごから長男ちょうなんEによる激はげしい家庭かてい内ない暴力ぼうりょくがあり、父親ちちおやKと母親ははおやはおびえて暮くらすようになっていたという。

長男ちょうなんEは外出がいしゅつせずネットゲームなどをして引ひきこもり状態じょうたいの生活せいかつをしていたが、6月1日にち、近所きんじょの小学校しょうがっこうの運動会うんどうかいの声こえがうるさいと腹はらを立たて父親ちちおやKと口論こうろんになる。数日すうじつ前まえの5月がつ28日にちに、川崎かわさき市しで引ひきこもり状態じょうたいの中年ちゅうねん男性だんせいが私立しりつ小学校しょうがっこうのスクールバスを待まつ児童じどうと父母ちちははを無差別むさべつに殺傷さっしょうする事件じけんが起おきており、父親ちちおやKは（逮捕たいほ時じの供述きょうじゅつによると）「息子むすこも周まわりに危害きがいを加くわえるかもしれないと不安ふあんに思おもえ」い、刃物はもので長男ちょうなんEを殺害さつがいした。

長男ちょうなんEは十じゅう数すうか所しょを刺さされており、強つよい殺意さついがあることがうかがわれた。

加害かがい者しゃの人物じんぶつ像ぞう

加害かがい者しゃとして逮捕たいほ、起訴きそされた父親ちちおやKは、国立こくりつ大学だいがく法学部ほうがくぶ卒業そつぎょう後ご、当時とうじの農林省のうりんしょうに入省にゅうしょうした。2001年ねん、農林水産省のうりんすいさんしょうの事務次官じむじかんに就任しゅうにんするが、翌年よくねん社会しゃかい問題もんだいとなったBSE問題もんだいの責任せきにんを取とる形かたちで退官たいかんした。その後ごも農水のうすい系けいの研究所けんきゅうじょの理事りじ長ちょうを務つとめていた。

被害ひがい者しゃの人物じんぶつ像ぞう

刺殺しさつされた長男ちょうなんEは都内とない私立しりつ中高なかだか一貫いっかん校こうに進学しんがくする。しかし中学ちゅうがく時代じだいに激はげしいイジメにあう。

初はつ公判こうはんで明あかされた家庭かていの状況じょうきょう

2019年ねん12月12日にちの初はつ公判こうはんにおいて、長男ちょうなんEには妹いもうとがいたことが明あきらかになった。妹いもうとには縁談えんだんがあったが長男ちょうなんEがいたことで破談はだんとなり、数すう年ねん前まえに自殺じさつしていた。

また母親ははおやは長男ちょうなんEの家庭かてい内ない暴力ぼうりょくや妹いもうとの自殺じさつなどによってうつ病びょうになった。母親ははおやは初はつ公判こうはんで涙なみだながらに父親ちちおやKの減刑げんけいを求もとめた。