デレク・ジャーマン

来歴らいれき

ロンドン大学だいがくキングス・カレッジで美術びじゅつなどを学まなんだ後のち、映画えいが監督かんとくケン・ラッセルのもとで美術びじゅつスタッフを務つとめる。その後ご、スーパー8ミリで撮影さつえいした作品さくひん "In the Shadow of the Sun（英語えいご版ばん）" で映画えいが監督かんとくとしてデビュー。特異とくいな映像えいぞう作品さくひんが先端せんたん的てきであるとして若者わかものの間あいだでも徐々じょじょに評判ひょうばんを呼よび、1980年代ねんだい以降いこうはロックミュージックのミュージッククリップなど映像えいぞう制作せいさくでも活躍かつやくした（ザ・スミス、ペット・ショップ・ボーイズなど）。また、Coilやサイモン・フィッシャー・ターナーなどといった、まだ当時とうじは無名むめいのミュージシャンを自みずからの映画えいが音楽おんがくの担当たんとうとして起用きようし、彼かれらの才能さいのうを発掘はっくつした。

主おもに、同性愛どうせいあいや荒廃こうはいした近きん未来みらいイメージ、耽美たんび性せいなどをテーマにした作品さくひんが多おおい。また、ルネサンスの画家がかカラヴァッジオや哲学てつがく者しゃウィトゲンシュタインといった歴史れきし上じょうの人物じんぶつを映画えいがの題材だいざいにした。

生前せいぜん、自みずからがゲイであることを公表こうひょうし、1986年ねんにHIVへの感染かんせんが判明はんめい。1994年ねんにエイズにより亡なくなった。死しの前年ぜんねんに制作せいさくされた『BLUE ブルー』は、自みずからを蝕むしばんだ病やまいエイズをテーマにした作品さくひんである。

伊藤いとう延のべ司し訳やく、光琳社こうりんしゃ出版しゅっぱん、1997年ねん　ISBN 978-4771302419