口くち話ばなし

口くち話ばなし（こうわ）とは、「聴覚ちょうかくしょう害がい者もの（ろう者しゃ,その他た）」が、「健けん聴者ちょうしゃ（口頭こうとう会話かいわ者しゃ）」の口くちの動うごきを読よみ取とり、ろう者しゃが表現ひょうげんしたい言葉ことばを「発話はつわ（口くちの形かたちと音声おんせい）」で表あらわす、特殊とくしゅな技術ぎじゅつの事こと。いわゆる「読唇術どくしんじゅつ」の一種いっしゅである。

ろう学校がっこうなどで言語げんご聴覚ちょうかく士しとの訓練くんれんで習得しゅうとくする。音おとの聞きこえないろう者しゃにとって、口くちの形かたちや動うごきを真似まねする事ことはできても、「音声おんせい」を正確せいかくに表現ひょうげんする事ことは至難しなんの技わざであるため苦手にがてなろう者しゃも多おおい。

逆ぎゃくに言いえば、口くち話ばなしが得意とくいなろう者しゃは尊敬そんけいの眼差まなざしで見みられる事こともある。

口くち話ばなし教育きょういく自体じたいが、「手話しゅわが苦手にがてな「健けん聴者ちょうしゃ（口頭こうとう会話かいわ者しゃ）」とのコミュニケーションを重要じゅうよう視ししたものであり差別さべつ的てきとの意見いけんもある。

しかし、通常つうじょう両手りょうてを合あわせた10本ほんの指ゆびだけでの手話しゅわでは、語彙ごいが足たりなくなる（同おなじかたちの手話しゅわが存在そんざいする）ため、「目線めせん」や「顔かおの表情ひょうじょう」、「口くちの中型ちゅうがた（口くち話ばなし）」て表現ひょうげんを補おぎない、スムーズに「言葉ことば（手話しゅわ）」を伝つたえるために必要ひつようとする、ろう者しゃ達たちの声こえもある。