察哈爾なんじ民衆みんしゅう抗日こうにち同盟どうめい軍ぐん

察哈爾なんじ民衆みんしゅう抗日こうにち同盟どうめい軍ぐん（チャハルみんしゅうこうにちどうめいぐん）は、またの名なを察綏抗日こうにち同盟どうめい軍ぐんという。1933年ねんに馮玉祥ぎょくしょう・方かた振ふ武たけ・吉よし鴻ひろし昌あきらなどの中国人ちゅうごくじん将校しょうこうが察哈爾なんじ（チャハル）で組織そしきした中国共産党ちゅうごくきょうさんとう指導しどう下かの抗日こうにち部隊ぶたいの一ひとつである。

長城ちょうじょう事変じへんが終おわった後のちに、日本にっぽん軍ぐんは長城ちょうじょうを越こえて、華北かほくに浸透しんとうし、1933年ねん春はる、進撃しんげきしチャハル地区ちくを占領せんりょうした。同年どうねん5月がつ26日にち、馮玉祥ぎょくしょうは張ちょう家か口こうで主おもに馮玉祥ぎょくしょうの部下ぶかと共産党きょうさんとうの支持しじ者しゃから成なる10万まん人にんの察哈爾なんじ民衆みんしゅう抗日こうにち同盟どうめい軍ぐんを正式せいしきに組織そしきし、馮玉祥ぎょくしょうは総そう司令しれいとなった。6月22日にちには、チャハルと熱ねつ河かわの日本にっぽん軍ぐんに向むけて進撃しんげきを開始かいしした。7月12日にち、同盟どうめい軍ぐんは吉よし鴻ひろし昌あきらの指揮しきのもと、要衝ようしょうドロンノールを攻撃こうげきし占領せんりょう。これにより、日本にっぽん軍ぐんをチャハルからすべて追おい出だした。満州まんしゅう事変じへん以来いらい、日本にっぽん軍ぐんに奪うばわれた失地しっち回復かいふくの第一歩だいいっぽとなった。

その後ご、日本にっぽん軍ぐんと満まん洲しゅう国こく軍ぐん2万まん人にんは反撃はんげきに出でて、同時どうじに南京なんきんの中華民国ちゅうかみんこく政府せいふは軍令ぐんれいの統一とういつを実現じつげんする為ために、軍隊ぐんたいを派遣はけんして張ちょう家か口こうに接近せっきんして、同盟どうめい軍ぐんの後方こうほうを脅おどかした。この情況じょうきょう下かで、馮玉祥ぎょくしょうはしかたなく8月がつ5日にちに抗日こうにち同盟どうめい軍ぐんの解散かいさんを宣言せんげんし、部隊ぶたいから離はなれた。同盟どうめい軍ぐんの大だい部分ぶぶんは宋そう哲あきら元もとに接収せっしゅう改編かいへんされた。しかし方ほう振ふ武たけし・吉よし鴻ひろし昌あきらと中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの掌握しょうあくする部隊ぶたいは接収せっしゅう改編かいへんを受うけ入いれず、中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの指導しどうのもとに戦闘せんとうを継続けいぞくし、河北かわきたの昌平しょうへいの一帯いったいに移動いどうしたが、10月に失敗しっぱいに終おわる。方ほう振ふ武たけは国外こくがいに亡命ぼうめい、吉よし鴻ひろし昌あきらは天津てんしんに逃亡とうぼうした後のちに逮捕たいほされて、北平きたひらで死刑しけいとなった。

編制へんせい

同盟どうめい軍ぐん総そう司令しれい部ぶ

総そう司令しれい 馮玉祥ぎょくしょう

前ぜん敵てき総そう司令しれい 方かた振ふ武たけ

前ぜん敵てき総そう指揮しき 吉よし鴻ひろし昌あきら

総そう参謀さんぼう長ちょう 邱山寧やすし

総そう参さん賛さん 劉りゅう治おさむ洲しゅう

総そう参議さんぎ 朱しゅ霽青

第だい1軍ぐん軍ぐん長ちょう 佟麟閣かく

第だい2軍ぐん軍ぐん長ちょう 吉よし鴻ひろし昌あきら〔兼任けんにん〕

第だい3軍ぐん軍ぐん長ちょう 高樹たかぎ勲いさお〔後のちに第だい2挺進ていしん軍ぐんに再編さいへん〕

第だい4軍ぐん軍ぐん長ちょう 孫まご良りょう誠まこと〔後のちに騎兵きへい挺進ていしん軍ぐんに再編さいへん〕

第だい5軍ぐん軍ぐん長ちょう 阮玄武げんぶ

第だい6軍ぐん軍ぐん長ちょう 張ちょう凌雲りょううん

第だい16軍ぐん軍ぐん長ちょう 李り忠義ただよし

第だい18軍ぐん軍ぐん長ちょう 黄き守もり中ちゅう

第だい5路ろ軍ぐん総そう指揮しき 鄧文（後のちに檀だん自じ新しん）

第だい6路ろ軍ぐん総そう指揮しき 劉りゅう桂かつら堂どう

第だい1挺進ていしん軍ぐん司令しれい 雷かみなり中田なかた

察哈爾なんじ自衛じえい軍ぐん軍ぐん長ちょう 張ちょう砺生

遊ゆう撃げき第だい1路ろ司令しれい 王おう英すぐる

抗日こうにち救国きゅうこく軍ぐん総そう指揮しき：方ほう振ふ武たけ〔兼任けんにん〕

参考さんこう文献ぶんけん

• 郭かく卿きょう友とも主ぬし編へん『中華民国ちゅうかみんこく時期じき軍政ぐんせい職しょく官かん誌し 上じょう』甘粛かんせい人民じんみん出版しゅっぱん社しゃ、1990年ねん。ISBN 7-226-00582-4。