拡張かくちょうIPA

もともとの国際こくさい音声おんせい記号きごう（IPA: International Phonetic Alphabet）はあらゆる言語げんごの音声おんせいを文字もじであらわすために定さだめた記号きごうだが、この拡張かくちょうIPA（Extensions to the International Phonetic Alphabet）は言語げんご障害しょうがいの発音はつおん分析ぶんせきを行おこなうために新あらたに定さだめられた。したがって実際じっさいには言語げんごの音素おんそとして使つかわれていないものも多おおい。略称りゃくしょうはExtIPA。

拡張かくちょうIPAの字母じぼ

	名称めいしょう	特徴とくちょう
ʩ	口蓋こうがい帆ほ咽頭いんとう摩擦音まさつおん	口唇こうしん口蓋こうがい裂きれ患者かんじゃが発音はつおんするといわれる
ʪ	無声むせい側面そくめん摩擦まさつ舌したもつれ音おん
ʫ	有ゆう声ごえ側面そくめん摩擦まさつ舌したもつれ音おん
ʬ	両りょう唇くちびる衝突しょうとつ音おん・両りょう唇くちびる打だ楽音がくおん	唇くちびるを勢いきおいよく合あわせたときに出でる音おと
ʭ	歯はぎしり音おん・両りょう歯は打だ楽音がくおん	歯はぎしりまたは歯はを合あわせた時ときに出でる音おと
¡	下しも顎あご体たい衝突しょうとつ音おん	歯茎はぐき吸着きゅうちゃく音おんを発音はつおん時じに勢いきおいよく舌したを動うごかし、下しも顎あご体たいに打うち付つけて調音ちょうおん。
ʞ	舌した背せ軟口蓋なんこうがい音おん	この記号きごうはIPAではかつて軟口蓋なんこうがい音おんの吸着きゅうちゃく音おんとして定義ていぎされていた記号きごうであったが、そのような音おとは調音ちょうおん不可能ふかのうという結論けつろんによって1979年ねんに一旦いったん廃止はいしされ、2008年ねんに拡張かくちょうIPAの舌した背せ軟口蓋なんこうがい音おんとして復活ふっかつしたものである。
ꞯ	無声むせい上じょう咽頭いんとう破裂はれつ音おん	咽頭いんとう子音しいんは咽頭いんとう(上うえ咽頭いんとう)と喉頭蓋こうとうがい(下しも咽頭いんとう)で分わけられる。その上うえ咽頭いんとうである。

吸気きゅうき音おん

下向したむきの矢印やじるし「↓」を文字もじの後うしろにつけると吸気きゅうき音おんを表あらわすことができる。

パーカッシブ音おん

パーカッションのような特殊とくしゅな音おとを出だすことができ、両りょう唇くちびる衝突しょうとつ音おん、歯はぎしり音おん、下しも顎あご体たい衝突しょうとつ音おんがある。 サンダウェ語ごでは歯茎はぐき吸着きゅうちゃく音おんを発音はつおんするときに下しも顎あご体たい衝突しょうとつ音おんが出でることがある。