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アルカディアごう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

アルカディアごう(Arcadia)は、松本まつもとれい漫画まんがアニメ作品さくひん宇宙うちゅう海賊かいぞくキャプテンハーロック』などに登場とうじょうする架空かくう宇宙うちゅう戦艦せんかん。また、ハーロックとお先祖せんぞファントム・F・ハーロックがあやつ複葉ふくようおよび、その息子むすこであるドイツ空軍くうぐん操縦そうじゅうファントム・F・ハーロックII大尉たいいメッサーシュミットBf109名称めいしょうほんこうではおも宇宙うちゅう戦艦せんかんについて記載きさい

かんしょもと
アルカディアごう
かんくび髑髏しゃれこうべばん わが青春せいしゅんのアルカディアごう
分類ぶんるい 宇宙うちゅう戦艦せんかん
名称めいしょう 海賊かいぞく戦艦せんかん海賊かいぞく旗艦きかん戦闘せんとう海賊かいぞくせん
設計せっけいしゃ 大山おおやまトチロー
建造けんぞう
惑星わくせいヘビーメルダー地下ちかドック
鋭角えいかくかんくびがた、『宇宙うちゅう海賊かいぞくキャプテンハーロック』アニメばん

きゅう太陽系たいようけい連邦れんぽう艦隊かんたい司令しれい地下ちかドック
髑髏しゃれこうべかんくびがた、『わが青春せいしゅんのアルカディア』)

全長ぜんちょう 400m [1]
全幅ぜんはば 290m [2]かんくび髑髏しゃれこうべばん:260m)
全高ぜんこう 160m (かんくび髑髏しゃれこうべばん:163m)
推進すいしん機関きかん
次元じげん振動しんどう流体りゅうたい重力じゅうりょくエンジンまたは、次元じげん流動りゅうどうたい動力どうりょくエンジン[3]×2
動力どうりょくげん:エネルギー鉱石こうせきグラビューム3006)
粒子りゅうしエネルギーエンジン×2(かんくび髑髏しゃれこうべばん[4]
武装ぶそう
主砲しゅほう3連装れんそうパルサーカノン
(鋭角えいかくかんくびがた×2 髑髏しゃれこうべかんくびがた×3)
  • 次元じげん振動しんどうほう×2もん
  • 重力じゅうりょくミサイルこう×20もん
  • 宇宙うちゅうモリほう(ハープーン)×10もん
  • 魚雷ぎょらい発射はっしゃかん×16もん
  • じゅう爆雷ばくらい投下とうかこう×1もん
  • 衝角×1
  • 移乗いじょう白兵戦はくへいせんようアンカーチューブすう
  • コスモレーダー
    正面しょうめんがわに2船尾せんびに1

(髑髏しゃれこうべかんくびがた装備そうび

  • コスモソナー
  • 対敵たいてきレーダーぎゃく探知たんちアンテナ
  • 空間くうかん重力じゅうりょく探知たんち
  • 主砲しゅほう方位ほうい測定そくていようレーダー
  • 探査たんさよう紫外線しがいせんセンサー
乗員じょういん人数にんずう 正規せいき乗員じょういんすう:41めい
艦長かんちょう ハーロック
おも搭載とうさい
宇宙うちゅう戦闘せんとうSW-190 スペースウルフ
三座艦載戦斗機 コスモバット
空間くうかん輸送ゆそう中型ちゅうがた高速こうそく母艦ぼかん コスモウィング
ボレット各種かくしゅ
  • ボレット1ごう
  • ボレット2ごう
  • ボレット3ごう
  • ボレット4ごう
  • ボレット5ごう
  • ボレット6ごう

スペーストレーラー
海中かいちゅう戦闘せんとうよう小型こがたてい 水中すいちゅうカー

その 設計せっけいしゃ・トチローのしん宿やどかん

概要がいよう[編集へんしゅう]

宇宙うちゅう海賊かいぞくとしておそれられるキャプテン・ハーロックの乗艦じょうかん理想郷りそうきょうアルカディアかんしているように、地球ちきゅうふくめあらゆる束縛そくばく反旗はんきひるがえし、自由じゆうもとめてだい宇宙うちゅうおのれはたかかげる無法者むほうものハーロックを象徴しょうちょうするかんである。

設計せっけいしゃはハーロックの生涯しょうがい唯一ゆいいつ無二むに親友しんゆうトチローかれは『キャプテンハーロック』の物語ものがたりはじまるまえ死去しきょしているが、中枢ちゅうすうだいコンピューターにそのたましい宿やどしている[5]。つまりトチローの記憶きおく意識いしきたもつ“ きているかん ”で、一種いっしゅサイボーグ戦闘せんとうかんであるともいえるがこの事実じじつ艦長かんちょうハーロックと乗員じょういん一人ひとり・ミーメしからない。ハーロック以外いがい同志どうし40にん海賊かいぞくと1トリと1ひきねこ同乗どうじょうしている[6]

各種かくしゅビームおよびミサイル攻撃こうげきえうる堅固けんごじゅう装甲そうこう強力きょうりょく火力かりょくち、強大きょうだいだい艦隊かんたいたんかんいどんでもけをらない戦闘せんとうりょくつ。

なお『ニーベルングのゆびたまきだいさん「ジークフリート」のなかで、「7ごうかんまでつくるつもり」と少年しょうねんトチローの決意けついかたられ、どうだい一部いちぶ「ラインの黄金おうごん」のなかではとしかさねたトチローが、アルカディアごうは9ごうかんまであるとかしている。

スタイリングなど[編集へんしゅう]

メディア展開てんかい系列けいれつ作品さくひんへの登場とうじょうなどのためにさいデザインされたなどで複数ふくすうバージョンあり、印象いんしょうとうもそれぞれでちがいが多少たしょうある。全長ぜんちょうやく400メートルとされており、既存きそん水上すいじょう船舶せんぱくとう比較ひかくすればおおきいが、すうせんメートルきゅうもザラというSF設定せっていとしては巨大きょだいといったほどでもない。基本きほんてきなモティーフは海賊かいぞく乗艦じょうかんらしく「海賊かいぞくせん」であるが、艦橋かんきょうや3れん砲塔ほうとう宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマトなどと共通きょうつうしただい世界せかい大戦たいせんまでの戦艦せんかん意識いしきしたデザインである。そのかんたい各部かくぶ古今ここん兵器へいき機械きかいるい随所ずいしょにモチーフとしており、大気たいきちゅう使用しようするおおきな主翼しゅよくそなえる。ともにはとりわけ華美かび船尾せんびろう(スターンキャッスル)をゆうしており、独特どくとく様式ようしきせている。近年きんねん作品さくひんにおいてはトチロー自身じしんまたは「とも」の指示しじにより随時ずいじ改造かいぞう改良かいりょうがクルーによっておこなわれており、宇宙うちゅうちゅうでもつね最高峰さいこうほう戦闘せんとうりょく防御ぼうぎょりょく保持ほじしている。

海賊かいぞくはた掲揚けいようするための装備そうびがあり、『ハーロック』では重力じゅうりょくふうによってなびくと説明せつめいされていたが、『ニーベルングのゆびたまき』での3ごうかんはトチローのべんによれば、真空しんくうちゅうでもはためくようにマストに細工ざいくほどこしているとのこと。

なお、原作げんさく漫画まんがちゅうではすうのぞいておもかん船尾せんびろうじょう掲揚けいようばしら掲揚けいようされることがおおく「大気圏たいきけん航行こうこうあいだは…」の漫画まんがちゅうのセリフ(原作げんさくだい6)のとおり大気圏たいきけんないのみで掲揚けいようすることがほとんどで大気圏たいきけん内外ないがいわずはたまったかかげていないこともおおい。その場合ばあい掲揚けいようばしらわりにランタンがどう位置いち出現しゅつげんする。アニメ『ハーロック』ではかん中央ちゅうおうにそびえるメインマストと船尾せんびろうじょう掲揚けいようばしらの2箇所かしょつねかかげられている。髑髏しゃれこうべかんくびばんでは登場とうじょうするアニメ作品さくひんちゅうもの船尾せんびろうの1はたのみ常時じょうじかかげられているが『ニーベルングのゆびたまき』にてはほとんどの場面ばめんはた掲揚けいようはなく2 - 3シーンだけメインマストに高々たかだか掲揚けいよう船尾せんびろうじょう掲揚けいよう一切いっさいられず、掲揚けいようばしら自体じたい存在そんざいしない。

船体せんたい側面そくめんにある髑髏しゃれこうべ部分ぶぶんからかんがいることも可能かのうなほか、この髑髏しゃれこうべ部分ぶぶん左右さゆうひらくことで宇宙うちゅうてい収納しゅうのう可能かのうにしている(『ハーロック』アニメばん40)。かんそこがわにエアロックがあり、着地ちゃくち乗員じょういん乗降じょうこうおよび、スペースウルフなどの艦載かんさいはここから発進はっしんする[7]

なお、かん首部しゅぶぶんについてはもっとおおきな異同いどうがある。『ハーロック』では先端せんたん鋭角えいかくになったサメの鼻面はなづらのようなかんくびつタイプが登場とうじょうするが、のちに映画えいがばん銀河ぎんが鉄道てつどう999』でマッコウクジラ頭部とうぶのような形態けいたい巨大きょだい髑髏しゃれこうべ紋章もんしょうのレリーフを真正面ましょうめんにすえたあらたなアルカディアごう登場とうじょうし、以後いご作品さくひんではこちらのデザインが主流しゅりゅうとなる。『ニーベルングのゆびたまき』や『コスモウォーリアーれい』など、1990年代ねんだい以降いこう作品さくひんでは以前いぜん設定せってい変更へんこうされ、鋭角えいかくかんくびがたは「デスシャドウごう」、「どう 2ごうかん」などとばれている(映画えいがばん『999』および『ハーロック』原作げんさく登場とうじょうしたデスシャドウごうは、わかのトチローがハーロックととも建造けんぞうどもたびした戦艦せんかんであり、かたち鋭角えいかくかんくびがたアルカディアごうとはまったべつで、経緯けいい作品さくひんによってことなるものの惑星わくせいヘビーメルダー砂漠さばくじょうかんくび埋没まいぼつさせたままてている)。なお、かんからだしょく鋭角えいかくかんくびがたあお主体しゅたい髑髏しゃれこうべかんくびがたみどり主体しゅたいであり、国内こくないファンのあいだではそのスタイルから前者ぜんしゃを「烏賊いか」、後者こうしゃを「くじら」、また海外かいがいファンのあいだではかんからだしょくからそれぞれを「BLUE ARCADIA」「GREEN ARCADIA」と呼称こしょうされている。

たいショックバランサーにより惑星わくせいへの大気圏たいきけん突入とつにゅうからそのまま一気いっき海中かいちゅうへの突入とつにゅうという、普通ふつうふねであればバラバラになってしまうような荒業あらわざ可能かのうとしている[8]。TVアニメ『わが青春せいしゅんのアルカディア 無限むげん軌道きどうSSX』では、ワープを使用しようしている。

後年こうねんの『ニーベルングのゆびたまき』によれば、「宇宙うちゅう最強さいきょうけん」にしてどう程度ていど性能せいのうつのは宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト、ヤマトの姉妹しまいかんで、原型げんけいはヤマトとおな大和やまとがた戦艦せんかんすえいもうとだい4ばんかん史実しじつ111ごうかんたる)の「ちょう時空じくう戦艦せんかんまほろば」、そして「クイーン・エメラルダスごう」しかないという。

武装ぶそう[編集へんしゅう]

ハーロックいわく「戦闘せんとう海賊かいぞくせん」というだけあり、さまざまな武装ぶそうがなされている。

げきちゅう使用しようしたもの[編集へんしゅう]

さん連装れんそうパルサーカノン(次元じげん振動しんどう流体りゅうたい砲塔ほうとう
アルカディアごう主砲しゅほう鋭角えいかくかんくびがた艦橋かんきょう前方ぜんぽう上部じょうぶ甲板かんぱんに2髑髏しゃれこうべかんくびがたかんそこに1追加ついかで3となっている。「キャプテンハーロック~次元じげん航海こうかい~」に登場とうじょうする髑髏しゃれこうべかんくびがた強攻きょうこうがたでは、うえ甲板かんぱんにさらに1追加ついかされ412もんとなっている。
『ハーロック』原作げんさくではもっぱらこの武器ぶきと衝角を使用しようしており、スペースバスターなどは使用しようされていない。『999』エターナルへんでは名称めいしょうがショックカノン(衝撃しょうげきほう)になっている。なお、かんたい構造こうぞううえかん方向ほうこうにはほう指向しこうできないが、げきちゅう問題もんだいになったことはない。しかし、『ハーロック』アニメばんではこの死角しかくいて、マゾーンの古代こだい戦艦せんかんピラミッダが猛攻もうこうをかけたことがあった(だい12)。
アニメばんでは、発射はっしゃされるビームのいろあかとなっている。 
パルサーカノンという兵器へいき自体じたいは『ハーロック』よりもさきに、松本まつもとかかわったロボットアニメ『惑星わくせいロボ ダンガードA』の主役しゅやくメカ・ダンガードAの武装ぶそうとして登場とうじょうしている。
速射そくしゃほう
おも対空たいくうほうとして小型こがた飛行ひこう物体ぶったい迎撃げいげき使つかわれる、砲身ほうしんのないはこがたのランチャー。その主力しゅりょく艦橋かんきょう真下ました装備そうびされた速射そくしゃほうスペースバスターで、「宇宙うちゅうモリ」ハープーンの発射はっしゃ可能かのう。これは敵艦てきかん内部ないぶみ、冷凍れいとうガスを放出ほうしゅつして艦内かんない乗組のりくみいん一時いちじてき凍結とうけつさせるというものである。
これ以外いがいにも艦橋かんきょう中央ちゅうおう左右さゆうに1ずつ、船体せんたい左右さゆう側面そくめんに1ずつでスペースバスターとあわせ、けい5配置はいちされている。『ハーロック』アニメばん17におけるブレーブスごうとのたたかいでは、艦橋かんきょう中央ちゅうおう配置はいちされている速射そくしゃほうだけで同艦どうかん戦闘せんとう不能ふのうにしている。
衝角
鋭角えいかくかんくびがたかんくび内蔵ないぞうされた決戦けっせん兵器へいき戦闘せんとうには下部かぶからジャックナイフのように回転かいてんしながらせりして、海賊かいぞくしき体当たいあたり戦法せんぽうおこなうことができる。
髑髏しゃれこうべかんくびがた登場とうじょうする『SSX』本編ほんぺん予告よこくパイロットフィルムでも、同様どうよう体当たいあたり戦法せんぽうおこなっているが衝角は使用しようしていない。2003ねんの『SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK』では髑髏しゃれこうべかんくびがたも衝角を内蔵ないぞうしている。
ミサイル発射はっしゃ装置そうち
鋭角えいかくかんくびがたでは船体せんたいりょう側面そくめん(スペースバスター付近ふきん)にミサイル発射はっしゃ装置そうち配置はいちされている。
髑髏しゃれこうべかんくびがたではかんくび装備そうび左右さゆう発射はっしゃこうが3つあり、使用しようにはハッチが発射はっしゃ口内こうないにスライドする。これらのミサイルは水中すいちゅうでも使用しよう可能かのう(『ハーロック』アニメばん28、『無限むげん軌道きどうSSX』15)。
移乗いじょう白兵戦はくへいせんようアンカーチューブ
初代しょだいデスラーかん移乗いじょうせんようチューブミサイル同様どうよう敵艦てきかんんでアルカディアごう乗組のりくみいん内部ないぶ突入とつにゅうさせ白兵戦はくへいせんいどむことが出来できる。んだチューブの先端せんたん開閉かいへいしきになっているため、艦橋かんきょうにも直接ちょくせつむことができる。チューブ先端せんたんがドリルになっているものもあり、アニメばん23使用しようしたさいにはなかからボレット3ごうや4ごう登場とうじょうしている。敵艦てきかんんでの白兵戦はくへいせんは、ハーロックいわく「海賊かいぞく伝統でんとう[9]
『わが青春せいしゅんのアルカティア』終盤しゅうばんでは、これをもちいてイルミダス艦隊かんたい旗艦きかんのブリッジないにハーロックみずか直接ちょくせつみ、艦隊かんたい司令しれいおとこ重力じゅうりょくサーベル射殺しゃさつしている。
かん底部ていぶビーム砲塔ほうとう
かん底部ていぶ多数たすう搭載とうさいされている対空たいくう小型こがた砲塔ほうとう。『ハーロック』アニメばん39使用しようされた。
たいかん爆雷ばくらい
原作げんさくばんの2かんと、アニメばん初期しょき使用しようされた宇宙うちゅう爆雷ばくらいてききつけてから後部こうぶかん底部ていぶより散布さんぷするが、使用しようほう爆雷ばくらいよりも機雷きらいちか[10]。また、原作げんさくにはいちごうじゅう爆雷ばくらいなるもの存在そんざいし、こちらは使用しようほう本来ほんらい爆雷ばくらいでヤッタランが海底かいていのピラミッドにあった海域かいいきけて投下とうかしている[11]
スポット降雪こうせつ
原作げんさくばん2かんと、アニメばん9使用しようされた小型こがた人工じんこう降雪こうせつ。ヤッタランの操作そうさにより、人工じんこうゆきらせ、マゾーンが植物しょくぶつであり、さむさで活動かつどうなまこと使つかわれ、アマゾンの密林みつりんで、樹木じゅもく擬態ぎたいしていたマゾーンの集団しゅうだんおそわれたハーロックとたい救出きゅうしゅつするため使つかわれた。度々たびたび故障こしょうする旧式きゅうしきで、ゆきあめわってしまったことでとうとう爆破ばくは処分しょぶんされ、おりの機械きかいだったヤッタランをかなしませた[12]

使用しようされなかった兵器へいき[編集へんしゅう]

げきちゅうでの言及げんきゅうはあるものの、使用しようされなかった武装ぶそうなどには以下いかのものがある。

アレ
原作げんさくだい3かんで「アレ」としか言及げんきゅうされなかったが、撃滅げきめつせん使つかわれる主砲しゅほう以上いじょう宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマトたとえるなら波動はどうほうクラス)のだい威力いりょく火器かきであるらしい。しかし、使用しようのため詳細しょうさい不明ふめいである[13]
普段ふだん戦闘せんとう見向みむきもしないヤッタランが、撃滅げきめつせん宣言せんげん同時どうじ艦橋かんきょうけて「アレを使つかうなら、ワイがゼヒやりたいねん」と発言はつげんするほどすご兵器へいきである。ハーロックは「たいがここにいるとき使つかおう」と却下きゃっかし(しん理由りゆう粒子りゅうしダクト破損はそんためだったがわなかった)、使つかわないとかった途端とたん、ヤッタランは「アレを使つかわんのやったら、ワイはるねん」とむくれて自室じしつもどってしまった[14]
球形きゅうけいビーム
原作げんさくだい3かん言及げんきゅうされている。ジョジベルの高速艇こうそくてい迎撃げいげきであまりのはやさから対空たいくうほう追随ついずい出来できず、「球形きゅうけいビームならやれるだろう」とわしめた兵器へいきだが、「それを使つかうほどのことでもない」と判断はんだんされて使用しようわっている[15]
重力じゅうりょくミサイル
アニメ19でハーロックが使つかおうとした使用しよう武器ぶき。アキアスに仕掛しかけられた磁場じばあらし回避かいひしたのち背後はいごからせま彗星すいせいたいしてまわんでとうとしたが、しん惑星わくせいぐんはっするつよ重力じゅうりょくせられてかんのコントロールがかなくなり、その難局なんきょくためにデスシャドウとうせたため、結局けっきょく使つかわれなかった。

運用うんよう[編集へんしゅう]

普通ふつうふねでは交代こうたい勤務きんむせいだが、ほんかんにおいてはミーメ以外いがい全員ぜんいん一斉いっせいている。これはコンピューターが自動じどう航路こうろ判断はんだんし、航行こうこうできるためである。そのため、40にんというすくない人数にんずうでも運用うんよう可能かのうとなっている。なお、『ハーロック』ではスペースウルフやボレットなどの艦載かんさいたたかいにものおおいため、実質じっしつてきにはさらにすくない人数にんずうでも運用うんよう可能かのう緊急きんきゅう場合ばあい中枢ちゅうすうだいコンピューターによる無人むじん稼働かどう可能かのうである[16]

操舵そうだしゅとくまっていないが、場合ばあいおうじてヤッタランやたいせいなどがかじにぎっている。『ハーロック』原作げんさくでは、ハーロック自身じしん艦長かんちょうせきこしろして乗組のりくみいん指示しじしていることがほとんどだが、アニメばん後述こうじゅつするかくアニメ作品さくひんでは、ハーロックみずかへびにぎることもおおい。

かじ艦橋かんきょうない配置はいちされているほか、髑髏しゃれこうべかんくびがたでは船尾せんびろう一番いちばんがわにも配置はいちされている。『999』映画えいが1さくや『無限むげん軌道きどうSSX』最終さいしゅうかいでは、ハーロックみずか甲板かんぱんてこの船尾せんびろううえ配置はいちされているかじにぎり、舵取かじとりをおこなっている。かんがいるため爆風ばくふうあふられやすくなるなど危険きけんせいす(『999』では、んでたガニメデの破片はへんほおたり流血りゅうけつしている)。かんがい操舵そうだするさい生命せいめい維持いじ装置そうちなどにかんする設定せっていとくにない。

副長ふくちょうのヤッタランをはじ乗組のりくみいんたち普段ふだん規律きりつなにもない怠惰たいだ生活せいかつをしており、『ニーベルングのゆびたまき』では食堂しょくどうなんねん掃除そうじされていないなど、居住きょじゅうスペースの乱雑らんざつぶりが露呈ろていしている。しかし、いざ戦闘せんとうとなると一変いっぺんして各自かくじ役割やくわり一糸いっしみだれぬ統率とうそつでこなしている。これはハーロックの「本船ほんせん我々われわれいえでもあり、いえなかでまでかしこまっていてはなにもできない。いざというときにやるべきことさえやればそれでいい」というかんがえによる。たいも、普段ふだんのありさまをて“ぐうたらぶりに絶望ぜつぼうしかけたが、戦闘せんとう配備はいび一転いってんした様子ようす感動かんどうした”とべた。

メカデザインについて[編集へんしゅう]

アルカディアごう全体ぜんたいのデザインあん(ラフ)と船尾せんびろう部分ぶぶん発案はつあん松本まつもとれいである[17]。また、この船尾せんびろう部分ぶぶんのみの決定けってい稿こうデザインも松本まつもとだが、全体ぜんたいのデザインの決定けってい稿こう松本まつもとのデザインあん(ラフ)とイメージをスタジオぬえつたえ、それをもとに同社どうしゃ宮武みやたけ一貴かずたかがデザイン作業さぎょうおこな松本まつもとがそれを了承りょうしょうするというかたち完成かんせいされた。ただし広大こうだい面積めんせき主翼しゅよくけることにかんしては原案げんあん時点じてんから宮武みやたけ発案はつあんである[17]とくかん部分ぶぶんからのデザインは当時とうじ宮武みやたけのデザインセンスから問題もんだいからか「角度かくどによっては悪魔あくまわらっているかお にえてしまう」とも[18]

のちにリデザインされた髑髏しゃれこうべかんくびがたは、映画えいがばん『999』にハーロックがゲスト登場とうじょうする企画きかくがったさいどうごうが「(惑星わくせいメーテルの)都市としあたましつぶしてけちらしてく」というシノプシスがシナリオやコンテちゅうりこんであったことにより「あたま重量じゅうりょうかんたせて」[17]という松本まつもと意見いけんあわせ、宮武みやたけいわくきゅうデザインがアニメ『ハーロック』ちゅうで「こちらとアニメーターの感性かんせいちがいからか、予想よそうどおりにえがかれたことがすくなく、映画えいがばんではよりアニメきにとリメイクを敢行かんこう」「かんくび巨大きょだいに、しゃれたドクロマークをかんくびうつして迫力はくりょく中心ちゅうしんにと、随分ずいぶんゴツく」「これならほしのひとつやふたつはつぶせそう」[19]。という理由りゆう宮武みやたけあらたにえが提示ていじしたしんデザインあん(ラフ)をもと松本まつもとがそれにたいするいくつかの要望ようぼうてん修正しゅうせいてん指示しじしそれらをもとに宮武みやたけによって最終さいしゅうデザインがまとめられて現在げんざいのスタイルに改変かいへんされた。ただしのちに、宮武みやたけ自身じしんは「デザインとしては最初さいしょ鋭角えいかくがたのほうがまとまりがかった」ともべている。

そののアルカディアごう[編集へんしゅう]

わが青春せいしゅんのアルカディアごう複葉ふくよう
戦場せんじょうまんがシリーズいちへん『スタンレーの魔女まじょ』に登場とうじょうオーエンスタンレー山脈さんみゃくいどむ、ファントム・F・ハーロックIあい架空かくう単発たんぱつ複葉ふくようである。 劇場げきじょうばん[20]わが青春せいしゅんのアルカディア』の冒頭ぼうとうにも登場とうじょうしている。
スタンレーさんいどむが機体きたい性能せいのうりずに高度こうどかせげず、やむなくかえとき、ハーロックIやま宿やど魔女まじょ自分じぶんをあざわらっているとの感想かんそう手記しゅきのこしている。
わが青春せいしゅんのアルカディアごう(メッサーシュミットBf109)
戦場せんじょうまんがシリーズのいちへん『わが青春せいしゅんのアルカディア』に登場とうじょうするドイツ空軍くうぐん。ファントム・F・ハーロックIIあいで、劇場げきじょうばん『わが青春せいしゅんのアルカディア』の中盤ちゅうばんにも登場とうじょうしている。ハーロックIIは「わが青春せいしゅんのアルカディアごう」と名付なづけたあいなんえているが、すくなくとも作中さくちゅう登場とうじょうする2はメッサーシュミットBf109のG6がたである[21]。20mmモーターカノンと13mm機銃きじゅう×2の基本きほん武装ぶそうのみで、ゴンドラしき20mm機関きかんほうポッドは装備そうびしていない。
なんあいえつつも、照準しょうじゅん「Revi/C12D」だけはおなぶつ使用しようつづけており、これはすうせんねん劇場げきじょうばん『わが青春せいしゅんのアルカディア』の終盤しゅうばん、スターザットごう攻撃こうげき破壊はかいされた照準しょうじゅん装置そうちわりに髑髏しゃれこうべかんくびがたアルカディアごう艦橋かんきょうそなえられ、その代役だいやくたしている。

補足ほそく[編集へんしゅう]

  • この宇宙うちゅう戦艦せんかんにちなんで、東亜とうあ国内こくない航空こうくう日本にほんエアシステム)では、キャンペーンとしてDC-9がたに「アルカディアごう」と塗装とそうし、「当日とうじつにならなければさきがわからない。さき不明ふめいたび。」というミステリーフライトのキャンペーンを展開てんかいしていた。
  • 髑髏しゃれこうべかんくびがたかんはバンダイによって模型もけいされたが、初期しょき商品しょうひんめい「アルカディアごう」から、のちに「キャプテンハーロックごう」と変更へんこうがなされた。
  • アニメ『ハーロック』においては唯一ゆいいつ死角しかくがある。ハーロックのべんによれば船尾せんび左右さゆう85ふん。また、艦橋かんきょう船尾せんびろうあいだにドームがあり、ここが中枢ちゅうすうだいコンピューターしつおもわれているがこれはハーロックいわ偽装ぎそう(いずれもアニメばん『ハーロック』だい12での発言はつげん)。実際じっさいはこのさらにしたにあり、船体せんたい内部ないぶにある。ただし、この設定せっていはアニメ『ハーロック』ちゅうのみのもので原作げんさく漫画まんがちゅうおよびスタジオぬえによる公式こうしき内部ないぶ図解ずかいにはこのような設定せっていはない。
  • しょもとかんしては変更へんこうがなされることもあり、小泉こいずみ和明かずあき画集がしゅうちょう機械きかい絵図えず」のなかでは全長ぜんちょう499メートル、重量じゅうりょう215,000トンと紹介しょうかいされている。『ニーベルングのゆびたまき以降いこうはこちらの設定せってい使用しようしているようである。ただし、『ニーベルングのゆびたまき』のだい1でトチローが髑髏しゃれこうべかんくびがたを9ごうかんまで建造けんぞうし、番号ばんごうのちになるほど大型おおがたしているとかたっている。
  • CGアニメ映画えいがキャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』での仕様しよう設定せっていは、該当がいとう記事きじおも登場とうじょうメカ参照さんしょうのこと。
  • ウォー・シミュレーションゲームであるバンダイifシリーズの『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト』に登場とうじょうするユニットで、版権はんけん問題もんだいから「アルカディアごう」とのではないが、ほんかん相当そうとうする「ブラックシップII」という鋭角えいかくかんくびがたをモデルとしている艦船かんせんユニットが登場とうじょうする。航空こうくう戦艦せんかんとして艦載かんさい3ユニット(12)を搭載とうさい可能かのうである。ただし、主人公しゅじんこうかんの「ヤマト」や「ブラックシップI」とされる「デスシャドウごう」よりも額面がくめんじょう高性能こうせいのうであるが、上級じょうきゅうルールになると砲塔ほうとうすうおとるので、じつ性能せいのうてき甲乙こうおつけがたく、また背面はいめんまわられると死角しかくとなって砲撃ほうげき出来できない。士気しきたか設定せっていされている。
  • TRPG+ウォ-シミュレーションゲームのバンダイifシリーズ『わが青春せいしゅんのアルカディア』にも、かんくび髑髏しゃれこうべがたアルカディアごう登場とうじょうする。こちらのシミュレーション部分ぶぶん純粋じゅんすいたいかんせんゲームで艦載かんさい存在そんざいはオミットされている。しゅてきとなるてき旗艦きかんスタ-ザットごうさんどうせんだけあって強敵きょうてきであるが、船体せんたいごと耐久たいきゅうせいはアルカディアごうよりおとるので、さんどうぶんのトータル耐久たいきゅうせいはアルカディアごうよりおおめではあるが、圧倒的あっとうてき不利ふりとまではかないのがすくい。なお、こちらも先述せんじゅつの『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト』同様どうよう後方こうほうしゃかい死角しかくだが、イルミダスかんのラインレーザーほうはそれ以上いじょうかいせまい(前後ぜんご死角しかく)ので、全体ぜんたいてきにはアルカディアごう有利ゆうりえる。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

出典しゅってん脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ ただし『宇宙うちゅう海賊かいぞくキャプテンハーロック』放送ほうそう当時とうじ発売はつばいされていたプラモデルのボックスには全長ぜんちょう420mの記述きじゅつがあった。
  2. ^ 全長ぜんちょうやく4ぶんの3というながさだが、このながさだと実際じっさい立体りったいした場合ばあいつばさ面積めんせき設定せっていよりもおおきくなってしまう。
  3. ^ 劇場げきじょうばんパンフレット『宇宙うちゅう海賊かいぞくキャプテンハーロック』 9ぺーじ
  4. ^ ロマンアルバム『わが青春せいしゅんのアルカディア』では波動はどうエンジン
  5. ^ 宇宙うちゅう海賊かいぞく』アニメばんでは、38でトチローの記憶きおくのう細胞さいぼう移植いしょくしたものと説明せつめいされている。
  6. ^ アニメばん『ハーロック』では、ロボットのロペット・ワーワーも同乗どうじょうする。
  7. ^ 『わが青春せいしゅんのアルカディア』では、かんくび髑髏しゃれこうべばん舷側げんそくにある搭乗とうじょうこうからも乗組のりくみいん乗降じょうこうをしている。
  8. ^ 『ハーロック』原作げんさくでのトカーガぼし突入とつにゅう描写びょうしゃより。だい4かん182-183ぺーじ
  9. ^ だい2かん86ぺーじ
  10. ^ だい2かん82-84ぺーじ
  11. ^ だい2かん18-20ぺーじ
  12. ^ だい2かん126-127ぺーじ
  13. ^ これはスペックにしるされてはいるものの、使用しよう次元じげん振動しんどうほうであるとおもわれるが、作中さくちゅうでの言及げんきゅうがないので不明ふめいである。
  14. ^ だい3かん42ぺーじ
  15. ^ だい3かん180ぺーじ
  16. ^ ただし、アニメ『ハーロック』ばん27では、連戦れんせんによる乗員じょういんたち疲労ひろうから、ハーロックは12あいだ交代こうたいせいをやむなくったことがある。
  17. ^ a b c 81ねん発刊はっかん マイアニメ4がつ創刊そうかんごうでの松本まつもととぬえの座談ざだんかいちゅう松本まつもと宮武みやたけのコメントより。
  18. ^ アニメージュ付録ふろく「スタジオぬえのデザインノート」ちゅう宮武みやたけのコメントより。このことで宮武みやたけ苦笑くしょうしていたらしくコメントの最後さいごに「(笑)」がいている。
  19. ^ 81ねん発刊はっかん「スタジオぬえのデザインノート」ちゅう宮武みやたけのコメントより。
  20. ^ 戦場せんじょうまんがシリーズのほうにも同名どうめい作品さくひんがあり、区別くべつするために表記ひょうき
  21. ^ G6がた機首きしゅに13mmMG 131 機関きかんじゅうようのバルジがある。台詞せりふからハーロックIIバトル・オブ・ブリテンにも参加さんかしているので、Eがた以前いぜん、またはFがたのBf109にも搭乗とうじょうしている可能かのうせいがある。
  22. ^ 奥付おくづけより、当時とうじ発行はっこう年度ねんど元号げんごう表記ひょうき西暦せいれきだと1977-1979ねんになる。