イースト・サセックス(英: East Sussex)は、イングランド南東部の地域。イースト・サセックス州 (the county of East Sussex, Sussex county) とも呼ばれる。ケント、サリー、ウェスト・サセックスと隣接する。南はイギリス海峡(ラマンシュ海峡)である。
12世紀以来、古代のサセックス王国はルイス (Lewes) を州都とする別個の州を有していた。この状態は1865年に議会から正式なものとされ、1888年の地方政府法に基づき1889年にそれぞれ別個の州評議会を選出した。
イースト・サセックスにはブライトン、イーストボーン、ヘイスティングスという3つの自治都市があった。1974年にイースト・サセックスも形式上の州とされ、3つの自治都市もイースト・サセックスに含まれることになった。同時に西の境界線が変更され、中サセックスは(バーゲスヒルとヘイウォーズヒースを含む)、ウェスト・サセックスに移された。
1997年、ブライトン・アンド・ホヴは自治権のある独立行政区になり、結局2000年に市としての権限が保障された。
イースト・サセックスは、ローマ人が去った後の5世紀に建国された、古代南サクソン族の王国にあった。しかし、この地域にはその前から、何千年にも亘って人が住んでいた。古代の遺物は、特に高地で多く出土する。イースト・サセックスが海沿いに位置することは、ローマ人やノルマン人などの侵略者が多かったことも示している。以前は漁業、製鉄、羊毛貿易があったが、こうしたものは全て衰退し、現在では大都市が海辺のリゾート地にあるために観光が主な産業になっている。
- サセックスの歴史(英文)を参照のこと。
地質上イースト・サセックスはウィールド地区(イースト・サセックス南部を東西に横切りノースダウンズとしてケントでも見られる適度に白亜質が含まれたサウスダウンズ)の南背斜に含まれている。北には平行して谷と尾根(ウィールド自体(ヘイスティング地層とスウィールデン粘土層)の最高地点)がある。砂岩と粘土の層は、ヘイスティングスで海に達し、ビーチーヘッドでダウンズに達している。
イースト・サセックスの起伏は、地質に左右されている。
ブライトンからイーストボーンにかけて海外沿いに西から東に行くと、軽い上り傾斜の白亜質の土壌で、アウス川が海に注ぐニューヘヴンには裂け目があり、同様にカックミアヘヴンにもある。背後の崖は、「セブンシスターズ」と呼ばれ、白亜の土壌に切り込む乾燥した渓谷の名残があり、ビーチーヘッド(海抜162m(530ft))で終わっている。ビーチーヘッドの東に向かって以前は海だったが今は砂が堆積した海岸になっているペヴェンシー平野の沼地がある。ウィールドの砂と土が海と出会うベックスヒルで陸地は再び上り始め、ヘイスティングスの東の崖が最高地点になる。更に東に行くと、更に沼地化が進んだペット平野があり、ロザー川の河口まで続いている。この川の先は、リゾート地になっているケンバーサンズである。
イースト・サセックスの南部は、南草丘が聳え、最高地点はファール灯台(海抜217m(712ft))である。北部はハイウィールドがある。草丘とウィールドの間は、ウィールドの南斜面の前に狭い低地がある。イースト・サセックスの最高地点は、ディッチング灯台(248m(814ft))である。マリリン丘陵でもある。
イーストサセックスの主な町は、州都のルイスを例外として海沿いに集中している。以下では、西から東に列挙する。
大きな町と村:
イースト・サセックスを通る主要道は、ヘイスティングスに向かうA21やイーストボーンに向かうA22などロンドンから放射状に伸びている。旧道のA259とイーストボーンの北を発し町の交通量を減らすA27といった湾岸道が2つある。
鉄道は道路と同様の形態で主要都市を結んでいる。20世紀に多くの支線が閉鎖されるまでイースト・サセックスは鉄道輸送の多いところであった。現在運行している線は、イーストコーストメインライン、ロンドン・ヘイスティングス線、アックフィールド支線がある。ケント・イースト・サセックス遺跡鉄道はケントのテンターデンからボディアムまで運行されている。
イースト・サセックスは下記の通り5つの行政区に分かれている。
後の3区は更に教区に細分化されている。詳細はイースト・サセックスの教区一覧(英文)を参照のこと。