(Translated by https://www.hiragana.jp/)
サフォーク - Wikipedia コンテンツにスキップ

サフォーク

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
サフォーク
地理ちり
様態ようたい 典礼てんれいおよび都市としカウンティ
リージョン イングランド東部とうぶ
面積めんせき
そう面積めんせき
行政ぎょうせい区画くかく
8
3,801 km2 (1,468 sq mi)
7
カウンシル所在地しょざいちイプスウィッチ
ISO 3166-2GB-SFK
ONSコード 42
NUTS 3 UKH14
人口じんこう統計とうけい
人口じんこう
そう人口じんこう (2018ねん中期ちゅうき推計すいけい)
人口じんこう密度みつど
行政ぎょうせい区分くぶん
32
758,556
200/km2 (520/sq mi)
13
民族みんぞく構成こうせい 97.2% 白色はくしょく人種じんしゅ
政治せいじ
サフォーク州議会の紋章
サフォークしゅう議会ぎかい
www.suffolk.gov.uk/
国会こっかい議員ぎいん
ディストリクト
  1. イプスウィッチ
  2. イースト・サフォーク
  3. ミッド・サフォーク
  4. バーバーグ
  5. ウェスト・サフォーク

サフォークえい: Suffolk, [ˈsʌfək])は、イギリスイースト・オブ・イングランド地方ちほう位置いちする典礼てんれいカウンティ行政ぎょうせいしゅう)。きたノーフォークしゅう西にしケンブリッジシャーしゅうみなみエセックスしゅうせっし、ひがし北海ほっかいめんする。州都しゅうとおよび最大さいだいまちイプスウィッチ1889ねんから1974ねんまで、イースト・サフォークとウェスト・サフォークに分割ぶんかつされていた。

面積めんせきは3,798平方へいほうキロメートル、人口じんこうは75まんにんあまり。主要しゅようまちとしてイプスウィッチやロウストフト、ベリー・セント・エドマンズがげられるほか、競馬けいばまちであるニューマーケット欧州おうしゅう最大さいだいきゅうのコンテナみなとがあるフィーリックストウなどもられる[1]しゅうは5つの行政ぎょうせい(ディストリクト)からなる。

サフォークの海岸かいがんせんはロンドン粘土ねんどそうチョーク岩山いわやまからなり、浸食しんしょく影響えいきょうけやすい。おも河川かせんにはブリスがわ、デベンがわ、オーウェルがわ、ストアがわ、オールドがわ(オアがわ)がある。このうち全長ぜんちょう25.5キロメートルのオールドがわは、だい規模きぼ砂嘴さしであるオーフォード・ネスによって北海ほっかいへだてられている。海岸かいがん後背こうはいには、おもヒースひろがる。しゅう北東ほくとうはザ・ブローズとばれる地方ちほう一部いちぶで、河川かせん湖沼こしょう縦横じゅうおうひろがる。内陸ないりく地形ちけいはおおよそ平坦へいたんで、ノーフォークとの境界きょうかいにはテトフォードのもりが、エセックスとの境界きょうかいにはデダム・ヴェールがある。

中世ちゅうせい初期しょき著名ちょめい遺跡いせきサットン・フー所在しょざいする。

歴史れきし

[編集へんしゅう]

サフォークをふくイーストアングリアでは全体ぜんたいてきに、先住民せんじゅうみんぞくであるイケニぞく古代こだいローマ同化どうかして消滅しょうめつしていったのち、アングロサクソンぞくだい規模きぼ到来とうらいして村落そんらく開拓かいたくした[2][3]。アングロサクソンぞくは、5世紀せいきまでにこの地方ちほう全体ぜんたい支配しはいするまでになったが、のちにきた人々ひとびと (north folk) とみなみ人々ひとびと (south folk) に分化ぶんかし、これがノーフォークとサフォークの由来ゆらいとなった[4]

サフォークは四季しき裁判所さいばんしょでは、ベクルズ、ベリー・セント・エドマンズ、イプスウィッチ、ウッドブリッジの4管区かんくかれていた[5]。1860ねん管区かんくかずは2に削減さくげんされ、ベクルズ、イプスウィッチ、ウッドブリッジはイプスウィッチにかれたひがしサフォーク管区かんく管轄かんかつとなり、きゅうベリー・セント・エドマンズ管区かんく西にしサフォーク管区かんくとなった[6]。1888ねん地方ちほう自治じちほうにより、2つの管区かんくはそれぞれイースト・サフォーク、ウェスト・サフォークという別々べつべつ行政ぎょうせいカウンティとなった[7]

1972ねん地方ちほう自治じちほうが1974ねん4がつ1にち施行しこうされると、従来じゅうらいのイースト・サフォーク、ウェスト・サフォーク、イプスウィッチは統合とうごうされ、あらたなサフォーク・カウンティとなった。このカウンティのしたにはベイバー、フォレスト・ヒース、イプスウィッチ、ミッド・サフォーク、セント・エドマンズベリー、サフォーク・コースタル、ウェイブニーのかくディストリクトがかれた。また、どうほうにもとづき、グレート・ヤーマスちかくの若干じゃっかん土地とちノーフォーク移管いかんされた。国会こっかいにおける審議しんぎ段階だんかいでは、ニューマーケットおよびヘイバーヒルをケンブリッジシャー移管いかんする一方いっぽう、エセックスからコルチェスター編入へんにゅうするといったあんたが、結局けっきょく実現じつげんしなかった[8]

おも都市とし

[編集へんしゅう]
タウン(まち
ヴィレッジ(むら

文化ぶんか

[編集へんしゅう]
スネイプ・モルティングス・コンサートホール。かつてモルトハウス(麦芽ばくが製造せいぞうしょ)だったこの建物たてものは、世界せかいてきにも有名ゆうめいなコンサート会場かいじょうとなった

1948ねんベンジャミン・ブリテンによって創始そうしされたオールドバラ音楽おんがくさいは、イギリス最大さいだい規模きぼのクラシック音楽おんがく祭典さいてんである。もともとはオールドバラ開催かいさいされていたが、1967ねん以降いこうちかくのスネイプ・モルティングスを会場かいじょうとしている[9]。また、2006ねんからはヘンナム公園こうえん毎年まいとしラティテュード・フェスティバルが開催かいさいされている。これはポピュラー音楽おんがく喜劇きげき文学ぶんがくなどの野外やがいがたフェスティバルで、規模きぼ・ジャンルともかなりの拡大かくだいげている。8月にグレナム・ホールで開催かいさいされるフォークイースト・フェスティバルには、国内外こくないがいからアコースティックやフォーク、ルーツ・ミュージックのミュージシャンがあつまる[10]近年きんねんはサドベリーで、リーストック音楽おんがくさい開催かいさいされた[11]

しゅうはた

[編集へんしゅう]
サフォークのしゅう非公式ひこうしき

2つの非公式ひこうしきしゅう存在そんざいする。ひとつは中世ちゅうせいイースト・アングリア王国おうこくエドマンド殉教じゅんきょうおう象徴しょうちょうするしゅうしょうをかたどったもので、金色きんいろ王冠おうかんを2ほん金色きんいろつらぬいている。いまひとつは、これにイングランドのはたもしくはせいゲオルギウスじゅうかさねたものである[12]

スポーツ

[編集へんしゅう]

サッカー

[編集へんしゅう]

1878ねん創設そうせつイプスウィッチ・タウンFCしゅうない唯一ゆいいつのプロサッカークラブである。これまでに1リーグ優勝ゆうしょう(1961 - 62ねん)、FAカップ優勝ゆうしょう(1977 - 78ねん)、UEFAカップ(のちのUEFAヨーロッパリーグ優勝ゆうしょう(1980 - 81ねん)をいちずつ経験けいけんしている[13]。2024 - 25ねんシーズンは、イングランド1リーグのプレミアリーグ所属しょぞくしている。クラブの紋章もんしょうにはしゅう内原うちはらさんうまで、絶滅ぜつめつ危惧きぐされているサフォーク・パンチがあしらわれている。イプスウィッチ・タウンFCのつぎ有力ゆうりょくなクラブは、イングランド6リーグに所属しょぞくするニーダム・マーケットFCである。

競馬けいば

[編集へんしゅう]

ニューマーケットは競馬けいばまちで、ナショナル・スタッド[14]ニューマーケット競馬けいばじょうなどのおおくの施設しせつがある。イギリスはつ競走きょうそうじょうであるタタソール競売きょうばいじょうや、国立こくりつ競馬けいば博物館はくぶつかん町内ちょうないにある[15][16]。ハイガムやアンプトンでは、クロスカントリー競馬けいば開催かいさいされる[17]

スピードウェイ

[編集へんしゅう]

イプスウィッチ郊外こうがいにフォクソール・スタジアムが建設けんせつされた1950年代ねんだいから、しゅうないではスピードウェイさかんになった。どうスタジアムを本拠地ほんきょちとするイプスウィッチ・ウィッチーズは、イギリス1リーグのプレミアリーグに所属しょぞくしている[18]。そのほか、ナショナルリーグ所属しょぞくのミルデンホール・フェン・タイガーズもサフォークのチームである[19]

クリケット

[編集へんしゅう]

サフォーク・カウンティ・クリケット・クラブはマイナー・カウンティーズ・チャンピオンシップの東部とうぶ地区ちく所属しょぞくしている[20]。これまでにどうチャンピオンシップで優勝ゆうしょう3かい優勝ゆうしょうタイ1かい経験けいけんしている[21]。ホームゲームはベリー・セント・エドマンズやコップドック、エクスニング、フラムリンガム、イプスウィッチやミルデンホールでおこなわれる[22]

サフォークが登場とうじょうする作品さくひん

[編集へんしゅう]
オーウェルがわ河岸かわぎし
フラムリンガムじょう

チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』、フレデリック・フォーサイスの『だいよんかく』、P・D・ジェイムズの『不自然ふしぜん死体したい』、ドディー・スミスの『ダルメシアン 100と1ぴきのいぬ物語ものがたり』、W・G・ゼーバルトの『土星どせいたまき』などの文学ぶんがく作品さくひんにはサフォークが登場とうじょうする[23]アーサー・ランサム一連いちれん児童じどう文学ぶんがく作品さくひんのうち、『うみるつもりじゃなかった』『オオバンクラブ物語ものがたり』『ひみつのうみ』もしゅうない舞台ぶたいとしている。ロアルド・ダールの『ミルデンホールの宝物ほうもつ』は、しゅうないのミルデンホールが舞台ぶたいである[24]

古物商こぶつしょう主人公しゅじんこうとしたイギリスのコメディドラマ Lovejoy は、しゅうない各地かくち撮影さつえいおこなわれた[25]。リアリティ番組ばんぐみ Space Cadets はレンドルシャムのもり撮影さつえいされたが、プロデューサーは出演しゅつえんしゃに、自分じぶんはロシアにいるとおもむよう指示しじした[26]。このほか、BBC4の Detectorists 、ITVの Kavanagh QC 、映画えいがアイリス』や『かずおぼれて』などの撮影さつえいしゅうないおこなわれた。サフォークでの映画えいが撮影さつえいによる経済けいざい効果こうかは、2017 - 18年度ねんどだけで380まんポンドにのぼった[27]

エド・シーランは Castle on the Hill で地元じもとのフラムリンガムやフラムリンガムじょうのことをうたっており、みずからこのきょくを「サフォークへのラブレター」と形容けいようしている[28][29]

ジョージ・オーウェルが1935ねん発表はっぴょうした小説しょうせつ牧師ぼくしむすめ』はサウスウォルド(作中さくちゅうではクナイプ・ヒル)を舞台ぶたいとしており、登場とうじょう人物じんぶつのドロシー・ヘアは、1930年代ねんだい初頭しょとう実在じつざいした女性じょせい教師きょうしブレンダ・ソルケルドをモデルとしている[30]

同名どうめい地名ちめい

[編集へんしゅう]

イングランドのサフォークしゅう由来ゆらいする地名ちめいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにいくつか所在しょざいする。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ Top 50 Container Ports in Europe”. World Shipping Council. 27 August 2013てんオリジナルよりアーカイブ。17 July 2015閲覧えつらん
  2. ^ Dark, Ken R.. “Large-scale population movements into and from Britain south of Hadrian's Wall in the fourth to sixth centuries AD”. 1 June 2021てんオリジナルよりアーカイブ。18 June 2020閲覧えつらん
  3. ^ Toby F. Martin, The Cruciform Brooch and Anglo-Saxon England, Boydell and Brewer Press (2015), pp. 174–178
  4. ^ English Place Names”. englishplaceneames.co.uk. James Rye. 31 December 2009てんオリジナルよりアーカイブ。20 October 2015閲覧えつらん
  5. ^ Reports of cases argued and determined in the Queen's Bench Practice Court. Bail Court Great Britain. (1848). p. 628 
  6. ^ “Suffolk March Sessions”. Ipswich Journal. (17 March 1860). p. 6. https://www.findmypast.co.uk/search-newspapers 2 January 2024閲覧えつらん 
  7. ^ Local Government Act, 1888”. Government of the United Kingdom. 3 December 2015てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  8. ^ Local Government Act 1972”. Government of the United Kingdom. 16 October 2015てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  9. ^ Aldeburgh Festival History”. aldeburgh.co.uk. Aldeburgh Music. 20 September 2015てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  10. ^ “Festivals guide 2014 listings: folk and world music”. The Guardian. (31 May 2014). オリジナルの21 September 2016時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160921035441/https://www.theguardian.com/music/2014/may/31/music-festivals-2014-best-folk-world 16 December 2016閲覧えつらん 
  11. ^ LeeStock Music Festival”. leestock.org. Leestock Musical Festival Ltd.. 10 December 2015てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  12. ^ Diver, Tony (2023ねん6がつ17にち). “Suffolk residents clash over county flag” (英語えいご). The Daily Telegraph. ISSN 0307-1235. https://www.telegraph.co.uk/news/2023/06/17/suffolk-residents-disagree-county-flag/ 2024ねん8がつ18にち閲覧えつらん 
  13. ^ Club honours”. Ipswich Town F.C.. 13 December 2005てんオリジナルよりアーカイブ。14 April 2008閲覧えつらん
  14. ^ Suffolk Tourism”. suffolktouristguide.com. 29 January 2009てんのオリジナルよりアーカイブ2 February 2009閲覧えつらん
  15. ^ Tattersalls”. tattersalls.com. Tattersalls Ltd.. 26 October 2015てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  16. ^ National Horseracing Museum”. National Horseracing Museum. 21 October 2015閲覧えつらん[リンク]
  17. ^ Courses”. pointingea.com. 8 May 2008てんオリジナルよりアーカイブ。14 April 2008閲覧えつらん
  18. ^ Ipswich Speedway Official Website”. ipswichwitches.co. Ipswich Speedway. 1 January 2016てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  19. ^ Mildenhall Fen Tigers”. mildenhallfentigers.co. Mildenhall Speedway. 1 January 2016てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  20. ^ Minor Counties Cricket Association”. ESPNcricinfo. 23 August 2008てんのオリジナルよりアーカイブ27 August 2008閲覧えつらん
  21. ^ Minor Counties Roll of Honour”. ecb.co.uk. 11 September 2011てんオリジナルよりアーカイブ。27 August 2008閲覧えつらん
  22. ^ Minor County Grounds”. ESPNcricinfo. 24 July 2008てんのオリジナルよりアーカイブ27 August 2008閲覧えつらん
  23. ^ The Rings of Saturn”. The New York Times. 9 December 2015てんのオリジナルよりアーカイブ8 December 2015閲覧えつらん
  24. ^ Roald Dahl and the Mildenhall Treasure”. British Museum. 2 April 2012てんオリジナルよりアーカイブ。21 October 2015閲覧えつらん
  25. ^ Memories of Lovejoy, the man who put East Anglia on the map”. Sudbury Mercury (February 2015). 24 March 2024閲覧えつらん
  26. ^ Space Cadets”. ukgameshows.com. UK Game Shows. 1 November 2015てんのオリジナルよりアーカイブ21 October 2015閲覧えつらん
  27. ^ David Copperfield film shoot in Bury St Edmunds generated £82,500 for town's economy”. Bury Free Press (1 March 2019). 2 March 2019てんのオリジナルよりアーカイブ18 March 2019閲覧えつらん
  28. ^ Castle on the Hill: Ed Sheeran's love letter to Suffolk, Ed Sheeran co-host..., Scott Mills – BBC Radio 1”. BBC (6 January 2017). 8 January 2017てんのオリジナルよりアーカイブ23 January 2017閲覧えつらん
  29. ^ Ed Sheeran”. Contactmusic.com. 24 January 2017てんのオリジナルよりアーカイブ24 January 2017閲覧えつらん
  30. ^ “George Orwell's Southwold home gets fresh plaque”. BBC News. (21 May 2018). オリジナルの19 April 2021時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210419103916/https://www.bbc.com/news/uk-england-suffolk-44197314 26 January 2021閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]