ウィリアム・ハミルトン (神学しんがく者しゃ)

ウィリアム・ハミルトン（William Hamilton, 1924年ねん3月9日にち - 2012年ねん2月がつ28日にち）はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの神学しんがく者しゃで神かみの死しの神学しんがく運動うんどうの提唱ていしょう者しゃである。

生涯しょうがい

ハミルトンは1924年ねんにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくイリノイ州しゅうのエバンストンに生うまれた。1943年ねんにオベリン大学だいがくを卒業そつぎょうした。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく海軍かいぐんに従軍じゅうぐんした。それから、1949年ねんにニューヨークのユニオン神学校しんがっこうより、神学しんがく修士しゅうし号ごうを取得しゅとくした。1952年ねんにハミルトンはスコットランドのセント・アンドリュース大学だいがくより神学しんがく博士はかせ号ごうを取得しゅとくする。

1961年ねんに『キリスト教きょうの新あたらしい本質ほんしつ』という本ほんを出版しゅっぱんする。この本ほんで神学しんがくは未み完成かんせいのものであり、謙虚けんきょであるべきであると主おもした。そして、キリスト者しゃの苦難くなんの問題もんだいについての示唆しさを与あたえた。

1964年ねんには「木曜日もくようびの子供こども」という記事きじを書かいた。この記事きじでは、三人称さんにんしょうで書かいてあるが、今日きょうの神学しんがく者しゃについて自伝じでんとして書かいたものである。神学しんがく者しゃが公民こうみん権けん運動うんどうなどの社会しゃかい問題もんだいに伝統でんとう的てき神学しんがくでは無力むりょくであり、同どう労ろう者しゃと共ともに正義せいぎのため働はたらき祈いのるこということを告白こくはくしている。

1966年ねんハミルトンはトマス・アルタイザーの神学しんがくに従したがって、『急進きゅうしん的てき神学しんがくと神かみの死し』という書籍しょせきをアルタイザーと共ともに著あらわした。雑誌ざっしタイムは同おなじ年ねんに、「神かみは死しんだか？」という記事きじを載のせた。

また、同年どうねん「新あたらしい楽観らっかん主義しゅぎ」という論文ろんぶんを発表はっぴょうして、新しん正統せいとう主義しゅぎが衰退すいたいした理由りゆうは、人間にんげんと世界せかいに関かんしてあまりにも悲観ひかん的てきであることであると述のべ、当時とうじのアメリカは悲観ひかん主義しゅぎを乗のり越こえて、楽観らっかん主義しゅぎへと動うごいていると主張しゅちょうした。その理由りゆうとして、T・S・エリオットが1965年ねんに死しんだことを挙あげている。

ハミルトンはコルゲイト・トチェスター・クロザー神学校しんがっこうで1967年ねんに引退いんたいするまで、教おしえた。それから、フロリダのソラソタの新あたらしい大学だいがくで宗教しゅうきょうを教おしえた。1970年ねんにポートランド州立しゅうりつ大学だいがくの教員きょういんになる。その大学だいがくの学部がくぶ長ちょうとして1986年ねんまで奉職ほうしょくする。

ハミルトンは鬱血うっけつ性せい心臓しんぞう疾患しっかんの合併症がっぺいしょうで2012年ねんオレゴン州しゅうのポートランドで死去しきょする。

参考さんこう文献ぶんけん

• W・E・ホーダーン(著ちょ)『現代げんだいキリスト教きりすときょう神学しんがく入門にゅうもん』布施ふせ濤雄(訳わけ)、日本にっぽん基督教きりすときょう団だん出版しゅっぱん局きょく1969年ねん
• ウィリストン・ウォーカー(著ちょ)『キリスト教きょう史し4 近きん・現代げんだいのキリスト教きりすときょう』)、野呂のろ芳男よしお・塚田つかだ理さとし・八代やしろ崇たかし訳わけヨルダン社しゃ、1986年ねん
• ハーヴィー・M・コーン(著ちょ)『現代げんだい世界せかい神学しんがく』松田まつだ一男かずお(訳わけ)、聖ひじり恵めぐみ授産じゅさん所しょ、1985年ねん
• 宇田うだ進すすむ『総説そうせつ-現代げんだい福音ふくいん主義しゅぎ神学しんがく』いのちのことば社しゃ、2002年ねん