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ウム・サンガレ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ウム・サンガレ
Oumou Sangaré
サンガレ、スペイン・マドリードにて、2018年ねん
基本きほん情報じょうほう
生誕せいたん (1968-02-25) 1968年ねん2月がつ25日にち（56歳さい）
出身しゅっしん地ち マリ共和国の旗 マリ共和きょうわ国こく バマコ
ジャンル ワスル音楽おんがく
職業しょくぎょう 歌手かしゅ
レーベル ワールド・サーキット
公式こうしきサイト World Circuit site

ウム・サンガレ（Oumou Sangaré、1968年ねん2月がつ25日にち - 、マリ共和きょうわ国こくバマコ生うまれ）は、マリのワスル音楽おんがくの歌手かしゅである。2011年ねんにはグラミー賞しょうを受賞じゅしょうした。「ワスルの歌うた鳥とり」（The Songbird of Wassoulou）と呼よばれることがある。ワスルは、ニジェール川がわ南部なんぶの、マリ、シエラレオネ、コートジボワール、そしてギニアにまたがる歴史れきし的てき地域ちいきで、音楽おんがくは古ふるくからの伝承でんしょう歌かに由来ゆらいしており、ヒョウタンから作つくられた打楽器だがっきであるカラバッシュで伴奏ばんそうされることが多おおい。

幼少ようしょう期き

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サンガレは1968年ねん、歌手かしゅのアミナ―タ・ディアキテとシディキ・サンガレの間あいだに生うまれた。両親りょうしんは共ともにワスル地域ちいきの出身しゅっしんだった[1][2][3]。1970年ねんに父親ちちおやは2番目ばんめの妻つまを連つれてコートジボワールのアビジャンへ移うつり、サンガレは母親ははおやと兄弟きょうだいと共ともにバマコに残のこされた[2]。彼女かのじょは母親ははおやを助たすけるために街頭がいとうで歌うたうようになり、そのために幼少ようしょう期きに学校がっこうをやめた[1][2]。彼女かのじょのキャリアは、5歳さいだった1973年ねん、バマコで行おこなわれた幼稚園ようちえん歌唱かしょうコンクールに優勝ゆうしょうし、大統領だいとうりょうの名なを冠かんしたモディボ・ケイタ・スタジアムで何なん千せん人にんもの聴衆ちょうしゅうを前まえに歌うたったことに始はじまる[3][4][5]。16歳さいの時とき、打楽器だがっきグループのジョリバ (Djoliba) との演奏えんそう旅行りょこうに参加さんかし、フランス、ドイツ、オランダ、カリブ海かりぶかい地域ちいきその他たを周しゅうった[4]。この演奏えんそう旅行りょこうで得えたものに感化かんかされ、サンガレはバマコに帰かえると自身じしんの音楽おんがくグループを結成けっせいした[4]。

音楽おんがく

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Cambridge Folk Festival 2009で公演こうえんするサンガレ
WOMEX 2017で

サンガレは最初さいしょのアルバム「Moussoulou」 ("Women")[6]を、マリ音楽おんがくの有名ゆうめいな巨匠きょしょうアマドゥ・バ・ギャンドと共ともにレコーディングした。このアルバムはアフリカで大だい成功せいこうをおさめ、20万まん枚まい以上いじょうが売うれた。

マリの歌手かしゅアリ・ファルカ・トゥーレの援助えんじょで、サンガレは英国えいこくレーベルのワールド・サーキットと契約けいやくした。21歳さいの時ときで、既すでに彼女かのじょはスターだった。

ウム・サンガレの音楽おんがくは地域ちいきの音楽おんがくと伝統でんとう的てきダンスに霊感れいかんを受うけており、彼女かのじょはワスルの大使たいしと考かんがえられている。彼女かのじょが作曲さっきょくした音楽おんがくには、特とくに女性じょせいの社会しゃかい的てき地位ちいの低ひくさに関かんする社会しゃかい批評ひひょうがしばしば含ふくまれている。

1990年ねん以来いらい、彼女かのじょは世界せかいの重要じゅうような地域ちいき、メルボルン歌劇かげき場じょう、ロスキレ・フェスティバル、グナワ国際こくさい音楽おんがく祭さい、ウォーマッド (WOMAD)、オスロ国際こくさい音楽おんがく祭さい、そしてモネ劇場げきじょうなどで公演こうえんしている。

サンガレの歌うたの多おおくは愛あいや結婚けっこん、特とくに結婚けっこんの選択せんたくの自由じゆうに関かんするものである。彼女かのじょの1989年ねんのアルバム「Moussoulou」は西にしアフリカで空前くうぜんのヒットとなった。1995年ねんに彼女かのじょはバアバ・マール、 フェミ・クティ、そしてブークマン・エクスペリアンスと共ともにツアーした。他たのアルバム、「Ko Sira (1993)、「Worotan」(1996)、そして2枚まい組ぐみCDの「Oumou」(2004) は、全すべてワールド・サーキット・レコードからリリースされている。サンガレは世界中せかいじゅうの女性じょせいのための活動かつどうを支援しえんしている。1998年ねんにはフランスの芸術げいじゅつ文化ぶんか勲章くんしょうを受章じゅしょうし、2001年ねんには国際こくさい連合れんごう教育きょういく科学かがく文化ぶんか機関きかん (UNESCO) の賞しょうを受賞じゅしょうし、2003年ねんに彼女かのじょは国際こくさい連合れんごう食糧しょくりょう農業のうぎょう機関きかん (FAO) の親善しんぜん大使たいし[7]となっている。

アメリカの世界せかい的てきに有名ゆうめいなバンジョー奏者そうしゃベラ・フレックの2008年ねんのドキュメンタリー「Throw Down Your Heart」[8]で、サンガレは彼かれの楽器がっきとアフリカの伝統でんとう音楽おんがくとの間あいだのあまり知しられていない関係かんけいを探求たんきゅうしていることが大おおきく取とり上あげられている。

サンガレは2010年ねんのハービー・ハンコックのアルバム「イマジン・プロジェクト」に収録しゅうろくされたジョン・レノンのカヴァー「イマジン」に、シール、ピンク、インディア・アリー、ジェフ・ベック、Konono Nº1 らと共ともに出演しゅつえんしている[9]。

私生活しせいかつ・ビジネス・政治せいじ

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ウム・サンガレは女性じょせいの権利けんりを擁護ようごし、児童じどう婚こんと一夫多妻いっぷたさい制せいに反対はんたいしている[10]。

サンガレは又またビジネスの世界せかいにも進出しんしゅつし、ホテル、農業のうぎょう、自動車じどうしゃ業ぎょうも行おこなっている。彼女かのじょは中国ちゅうごくの会社かいしゃが製造せいぞうした「ウム・サン」という自動車じどうしゃを発売はつばいし、自分じぶんの会社かいしゃGonow Oum Sangと共同きょうどうで販売はんばいしている[11]。彼女かのじょはマリの首都しゅとバマコに30部屋へやのホテル・ワスル[12]を所有しょゆうしており、そこは音楽家おんがくかたちの憩いこいの場ばで、彼女かのじょ自身じしんの主要しゅよう公演こうえん地ちとなっている。「私わたしは自分じぶんでホテルを建たてました。働はたらくことで自分じぶんの生活せいかつをよりよくできることを、女性じょせいたちに見みせたかったのです。今いまでは多おおくの人々ひとびとが協同きょうどう組合くみあいを作つくって石鹸せっけんや衣料いりょう作づくりの仕事しごとをしています。」

サンガレはFAOの親善しんぜん大使たいしを務つとめているが、政治せいじ家かになるつもりはないと述のべている。「芸術げいじゅつ家かであれば、思おもったことを自由じゆうに語かたれます。しかし政治せいじ家かは、上層じょうそう部ぶの指示しじに従したがわねばなりません。」[2]。

彼女かのじょの従弟じゅうていには俳優はいゆうのオマル・サンガレがおり、叔母おばには俳優はいゆうで作家さっかのブレヒマ・サンガレがいる。

ディスコグラフィ

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ソロ・アルバム

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  • 『ムソル』 - Moussolou (1990年ねん)
  • Ko Sira (1993年ねん) ※マリでは『Bi Furu』としてリリース
  • "Worotan" (1996年ねん、ノンサッチ/ワーナー) ※マリでは『Denw』としてリリース
  • Laban (2001年ねん)
  • 『ウム』 - Oumou (2003年ねん)[13]
  • 『セヤ - 喜よろこび』 - Seya (2009年ねん)
  • 『モゴヤ』 - Mogoya (2017年ねん)
  • Acoustic (2020年ねん)
  • Timbuktu (2022年ねん)

World Music Network

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参加さんかアルバム

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受賞じゅしょうと表彰ひょうしょう

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カトヴィツェで開催かいさいされたWOMEX 2017で受賞じゅしょうした彼女かのじょと
  • IMC-UNESCOの国際こくさい音楽おんがく賞しょう (2001年ねん、演奏えんそう者しゃカテゴリー、共同きょうどう受賞じゅしょうはギドン・クレーメル) が、サンガレの「平和へいわと民族みんぞく間あいだの国際こくさい的てき協同きょうどうの理解りかいを促進そくしんする音楽おんがくによる」貢献こうけんに対たいして贈おくられた[14]。
  • 2003年ねん10月がつ16日にち、サンガレはFAO親善しんぜん大使たいしに就任しゅうにんした[7]。
  • 2010年ねん、サンガレのアルバム「Seya」は、グラミー賞しょうベスト・コンテンポラリー・ワールド・ミュージック・アルバム賞しょうにノミネートされた[15]。
  • 2011年ねん、サンガレは「イマジン」によって、ハービー・ハンコック、ピンク、インディア・アリー、シール、Konono Nº1 、そしてジェフ・ベックと共ともに、グラミー賞しょうのベスト・ポップ・コラボレーション・ウィズ・ヴォーカル賞しょうを受賞じゅしょうした[16]。
  • 2017年ねん10月がつ、サンガレは彼女かのじょの音楽おんがくと女性じょせいの権利けんり擁護ようごに対たいして2017年ねんワールドミュージック・エキスポ (WOMEX) の芸術げいじゅつ家か賞しょうを受賞じゅしょうした[17][18][19]。
  • 2024年ねん、ショック賞しょう音楽おんがく藝術げいじゅつ部門ぶもん受賞じゅしょう[20]。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b Lacey, Hester (January 19, 2018). “Q&A with singer Oumou Sangaré”. Financial Times. https://www.ft.com/content/a4fa8d2a-fa4c-11e7-a492-2c9be7f3120a June 23, 2018閲覧えつらん。 
  2. ^ a b c d “Oumou Sangare – The songbird of Africa”. The Independent. (January 24, 2009). https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/features/oumou-sangare-the-songbird-of-africa-1513095.html September 20, 2020閲覧えつらん。 
  3. ^ a b “Mali : " BI-MOGOYA " D’OUMOU SANGARE : Une captivante excursion dans le Wassoulou de belles mélodies”. Mali Actu. (March 16, 2017). http://maliactu.net/mali-bi-mogoya-doumou-sangare-une-captivante-excursion-dans-le-wassoulou-de-belles-melodies/ September 20, 2020閲覧えつらん。 
  4. ^ a b c “Oumou Sangaré: " je chante pour venger ma mère "” (French). leralnet. September 20, 2020閲覧えつらん。
  5. ^ Pajon, Léo (July 5, 2017). “Mali : le retour de la reine, Oumou Sangaré” (French). JeuneAfrique. http://www.jeuneafrique.com/mag/453056/culture/mali-retour-de-reine-oumou-sangare/ September 20, 2020閲覧えつらん。 
  6. ^ Britannica 2020年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  7. ^ a b FAO ambassadors programme 2020年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  8. ^ Throw Down Your Heart 2020年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  9. ^ “The Imagine Project”. All About Jazz (2010年ねん6月がつ21日にち). 2021年ねん8月がつ13日にち閲覧えつらん。
  10. ^ “Oumou Sangare: Sonic And Political Muscle”. September 20, 2020閲覧えつらん。
  11. ^ " Oum Sang " Afrik.com 23 août 2006 2020年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  12. ^ Hotel-Residence-WASSOULOU FB 2020年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  13. ^ Lusk, Jon. “BBC – Music – Review of Oumou Sangare – Oumou”. September 20, 2020閲覧えつらん。
  14. ^ “Prize laureates 1975 – 2004”. International Music Council. September 20, 2020閲覧えつらん。
  15. ^ Grammy Awards 2020年ねん9月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  16. ^ “Winners! A Complete List From the 2011 Grammy Awards”. September 20, 2020閲覧えつらん。
  17. ^ “Oumou Sangaré, La Star Della World Music in Concerto A San Giorgio A Cremano” (Italian). napolitime.it. (September 29, 2017). http://www.napolitime.it/102073-oumou-sangare-star-della-world-music-in-concerto-a-san-giorgio-a-cremano.html September 20, 2020閲覧えつらん。 
  18. ^ Oliva, Raffaella (September 29, 2017). “La diva maliana Oumou Sangaré contro la poligamia: "Troppe donne soffrono, canto per loro"” (Italian). Corriere della Sera (IO Donna). https://www.iodonna.it/personaggi/interviste-gallery/2017/09/29/la-diva-maliana-oumou-sangare-contro-la-poligamia-troppe-donne-soffrono-canto-per-loro/ September 20, 2020閲覧えつらん。 
  19. ^ “Nově na Colours Of Ostrava: zpěvačka Joss Stone s Grammy i Brit Awards, malijská královna Oumou Sangaré i provokativní Beth Ditto z Gossip”. musicserver.cz. September 20, 2020閲覧えつらん。
  20. ^ “Science, art and music meet in the Rolf Schock Prizes 2024” (英語えいご). Kungl. Vetenskapsakademien (2024年ねん3月がつ14日にち). 2024年ねん3月がつ15日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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